ガチャッ
妹「あ、お兄ちゃん・・・おはよう」
不良兄「ッチ、朝から喋りかけんな」
妹「ご、ごめんなさい・・・」シュン
不良兄「クソッ、イライラする・・・!」
妹「・・・ごめんなさい」シュン・・・
妹「っ・・・ごめんなさい」ビクッ
不良兄「あーむかつく!おい飯は?」
妹「あ、もうすぐ・・・パン焼けるから・・・」
チン
妹「焼けたみたい、何塗る?」
不良兄「よこせ」
妹「・・・」オズオズ・・・スッ・・・
不良兄「ッチ」
妹(お兄ちゃん、昔は優しかったのにな・・・)
妹(もう昔みたいにお話したりできないのかな)
妹(お兄ちゃんが高校に入ってからこわくなっちゃった)
妹(そして私も今年からお兄ちゃんと同じ高校の1年生)
妹(お兄ちゃんは3年生だから学校ではまだ会ったことないなあ)
妹(しかもお兄ちゃんからは学校の人に兄妹ってことはいうなって言われてるし)
妹友「どうしたの?妹ー、ため息なんてついちゃって」
妹「ううん、なんでもないよ」
妹友「兄さんのこと?」
妹「・・・何でもわかっちゃうんだね」
妹友「そりゃ小学校からずっと友達だからね、妹のことは大概わかるよ」
妹「ふふっ、そっか」
妹「お兄ちゃん、怖くなったなって」
妹友「あー、そうだね、何だか雰囲気変わって喋りかけずらくなっちゃったし」
妹「家でもほとんど喋ってくれないんだー、喋りかけたら怒られるし・・・」
妹友「そうなんだ、昔は仲よかったのにね」
妹友「そっか、きっといつかまた昔みたいに戻れるよ」
妹「そうだといいなあ」
妹友「あ、もうすぐ1限始まるし席戻るね」
妹「うん、また後でね」
――
―
不良兄「あーだる」
不良A「今日はもうふけようぜ?」
不良B「まだ1限も始まってねーのに?」
不良兄「1限ってなんだっけ?」
不良C「体育だろ」
不良A「俺も」
不良C「俺も」
不良兄「じゃ俺も」
不良B「屋上で寝ようぜ」
――屋上
不良A「やっぱここベスポジだな」
不良兄「全てがどうでもよくなってくるな」
不良C「だな」
不良兄(未来も希望も何にもねー)
不良兄(俺の生きる意味ってなんだ?)
不良兄(毎日同じようなことの繰り返し)
不良兄(親父とお袋は海外出張、今は俺とアイツの二人暮らし)
不良兄(アイツは俺が小3の時に親父の再婚相手、今のお袋の連れ子としてやってきた)
不良兄(最近アイツを見てるとイライラする)
不良兄(・・・オドオドしやがって)
不良A「どうした不良兄」
不良兄「いや、なんでもねーよ」
――放課後:下駄箱
妹友「さ、帰ろ」
妹「うん」
トテトテ・・・ドンッ
妹「いたっ」
妹「あっ!」
不良兄「・・・ッチ、クソが」
不良A「誰?知り合い?」
不良兄「あ?ちげーよ」
スタスタ
妹「・・・」グスッ
妹友「・・・今のどういうこと?」
妹友「ふーん、そうだったんだ」
妹「・・・うん、お兄ちゃんに話しかけられないってつらいなー」グスッ
妹友「兄さんに言ってみれば?」
妹「ううん、そんなこといったらもっと怒られちゃう」
妹友「でも自分から言わないと何も変わらないよ?」
妹友(急には変えられそうにないか)
妹友「そういえばさ、もう少しで妹の誕生日じゃない」
妹「あ、そういえばそうだった」
妹友「忘れてたの?」
妹「なんでだろ、最近ずっとお兄ちゃんのこと考えてたからかな」
妹「好きだよ」
妹友「そ、そんな真顔で言われても・・・」
妹「昔からずっと好き・・・」
妹友「あ、それを兄さんに直接言えばいいんだ!」
妹「え?」
妹「そんなの・・・無理無理、無理だよー!」///
妹友「まあ急には無理だよねー」
妹「当たり前じゃん」///
妹友「そういえば妹の家のお父さんとお母さんが海外いってから、誕生日とかどうしてるの?」
妹「うーん、何も」
妹「うん、でも誕生日の日だけはあんまり怒らないかも」
妹友「そうなんだ?」
妹「朝起きて部屋のドア開けるとプレゼント置いてあるんだー」
妹友「え、信じられない、今のあの兄さんが?」
妹「うん、ほらこの髪留め、去年ドアの前に置いてあったやつ」
妹「すごく気に入ってるんだよね」
妹友「いつもつけてるもんね」
妹「ありがとうって言っても無視されたけどね」
妹友「ふーん、でも意外だなあ」
妹「何が?」
妹「私もお兄ちゃんが怖くなった始めの年の時、ドアの前にプレゼント置いてあったとき
すごくうれしかったなー」
妹友「そっかそっか、妹は兄さんの誕生日の時何かしてるの?」
妹「毎回ケーキ作るんだけど、食べてくれない・・・」
妹友「えー、それはひどい!」
妹「でもね、朝冷蔵庫みたら、ケーキが一切れだけ食べてあるんだよね」ニヘヘ
妹「え?なんで?」
妹友「だってさりげなくプレゼント用意してるし、妹の見てないとこで妹の作った
ケーキ食べてるし」
妹「うーん、よくわかんない」
妹友「絶対ツンデレだって、兄さんも妹のこと案外好きかもよ?」
妹「そんなことない・・・と思う」・・・///
妹「あ、早く帰ってご飯作らないと」
妹友「うん、それじゃまた明日ね」
―――
――
―
ガチャッ
妹「・・・ただいま」
不良兄「・・・ッチ」
妹「お兄ちゃん、何か食べたいものとか・・・ある?」
不良兄「うるせーな、はやく作れよ!」
妹「ごめんなさい・・・」シュン・・・グスッ
不良兄「っ・・・ッチ」
妹「できたよ」コトン
不良兄「・・・」ガタッ
不良兄「・・・」ガツガツ
妹(なんだかんだいっていつも一緒に食べてるけど、お兄ちゃん私と一緒で嫌じゃないのかな)
不良兄「おい、なにガンくれてんだよ?」
妹「え?あ、ごめんなしゃいっ!」アタフタ
不良兄「何だよ、俺の顔になんかついてんのかよ?」
妹「ううん!違うよ、何でもないよ!」
不良兄「ッチ・・・意味わかんねーわ、お前」
不良兄「・・・言いたい事あるなら言ってみろよ」
妹「え、その・・・」
不良兄「あるんだろ?早く言えよ」
妹「お兄ちゃん」ジー
不良兄「・・・何だよ」
不良兄「・・・は?」
妹「それが言いたかったの・・・片付けるね」
トテトテ
不良兄「あ、おい!」
不良兄(意味わかんねえ)
妹「お兄ちゃん、お風呂開いたよ」
不良兄(こいつ、さっきのどういう意味なんだよ)
妹「お兄ちゃん?」
不良兄「うるせーな、わかってるわ」
妹「ごめんないs」
不良兄「いちいち謝るな!」
妹「ごm、あ、うん」
不良兄「ッチ」
妹「ふぅ」
妹(何だか今日は沢山お兄ちゃんと喋れた気がするなあ)ニヘヘ
――翌日
妹「お兄ちゃん、おはよう」
不良兄「・・・ッチ」
妹「・・・はいお兄ちゃん、パン焼けたから」コト
不良兄「・・・おい」
不良兄「・・・余計なことするな」
妹「ごめんなs」
不良兄「だから」
妹「あ・・・」
妹「・・・」モキュモキュ
不良兄「・・・」モグモ・・・
妹「・・・」モキュモキュ
不良兄「・・・」ジー
妹「・・・」モキュ?
不良兄「・・・」ジー
不良兄「お前、ハムスターみたいな食い方だな」
ガタッ、スタスタ
妹「えっ?お兄ちゃん?!」///
――学校
妹「朝お兄ちゃんにパンの食べ方がハムスターみたいって言われたんだー」
妹友「確かに妹ってパン食べる時だけちょっと口膨らむよね」
妹友「昨日何かあった?」
妹「特になかったけど、お兄ちゃんにいつも一緒にご飯食べてくれてありがとうって言ったんだ」
妹友「へー、何で?」
妹「お兄ちゃん、私とご飯食べるの嫌じゃないかなって、もしそうだとしたら・・・って」
妹友「多分それで兄さん妹のこと意識して、普段はあんまり見ない妹の顔見たんだよ」
妹「そうなのかなー、あーこれから朝ごはん一緒に食べるの恥ずかしいよー」///
戻ってくれるよ」
妹「・・・わかった、がんばってみる」
―――
――
―
不良A「そういえば最近、北高のやつら目立ってきたな」
不良C「ああ、頭はってるやつがすげー強いらしいぜ」
不良兄「ふーん」
不良兄「全くねーな」
不良B「他の高校潰して回ってるらしいぜ」
不良A「いつかこの蒼高にも来るかもな」
不良C「一応この蒼高の頭は不良兄、お前なんだからちっとは情報集めとけよ」
不良兄「そういうのめんどくせーんだよな」
不良兄「俺、喧嘩好きじゃねーし」
不良C「お前喧嘩強いのにもったいねーよな」
不良兄「別に・・・喧嘩強くても何にもなんねーよ」
不良兄(今までは、ただ向かってくるやつをのしてただけだ、けど・・・)
不良兄「もう喧嘩とかだりーことはやりたくねーな」
不良A「はい!来ましたー不良兄の爆弾発言!」
不良兄「・・・普通ってなんだ?」
不良B「いきなりなにいってんだ?」
不良兄「いや、普通って何だろって思ってよ」
不良A「普通?これが普通じゃねーの?」
不良兄「何がだよ」
不良A「こうやってしてることだよ」
不良B「俺たちにとってはこうやって屋上でだべってんのが普通だろ?」
不良兄「ああ」
不良B「な?普通だろ」
不良A「周りのやつからしたら普通じゃないかもしれねーけどな」
不良兄「そうだな、まあいいか・・・どうでも」
不良C「だな」
――
―
妹「お兄ちゃん、ただいま」
不良兄「・・・」
妹「お兄ちゃん、聞いてほしいことがあるの」
不良兄「・・・なんだよ?」
妹「妹友ちゃんの友達が他の高校の人に襲われたんだって」
妹「こ、怖いなーって」
不良兄「それだけ?」
妹「え、うん、それだけ・・・」
不良兄「・・・」
妹「・・・」
不良兄「北高のやつらだろ、それ」
不良兄「知らねーのかよ、最近暴れてるらしいけど」
妹「そ、そうなんだ・・・」
不良兄「なんだよ」
妹「・・・お兄ちゃん、また喧嘩するの?」
不良兄「・・・お前には関係ないだろ」
妹「でも、お兄ちゃん」
不良兄「うるせー!用済んだならとっとと向こう行けよ!」
妹「っ!・・・」グスッ
トテトテ・・・
不良兄(北高のやつら、とうとう蒼高に手出してきやがったな)
不良兄(近いうちに・・・)
不良兄「ッチ・・・だりーな」
――翌日
妹「・・・おはよう、お兄ちゃん」コト
不良兄「・・・」ガタッ
不良兄「・・・塗っとけよ、昨日みたいに」
妹「でも、お兄ちゃん昨日」
不良兄「いいから」
妹「・・・うん」ニコ
不良兄「・・・ッチ」
妹「ごちそうさまでした」
不良兄「お前今日は学校・・・」
妹「どうしたの?」
不良兄「・・・いや何でもねーわ」
ガタッ、スタスタ
妹「なんだろう」
――屋上
不良A「ついに北高のやつらが俺ら蒼高に手ぇだしてきやがったな」
不良B「ああ、昨日1年の女がやられたらしい」
不良兄「・・・知ってる」
不良C「どうする?乗り込むか?」
不良兄「相手何人だよ」
不良A「情報だと20人くらいらしい」
不良兄・不良A・不良B・不良C「・・・」
不良兄「・・・俺らだけかよ」
不良A「・・・だからって見過ごすのか?」
――――
妹『妹友ちゃんの友達が他の高校の人に襲われたんだって』
不良兄『・・・それで?』
妹『こ、怖いなーって』
――――
不良兄「・・・ッチ・・・行くぞ」
不良兄「何でだよ」
不良A「夕方まで待とうぜ」
不良B「なんかあんのか?」
不良A「夕方くらいにあいつらの溜り場に行けば、北高の頭とも会えるだろ」
不良C「それまでは?」
不良兄A「お休み」zzz
不良兄「・・・」ハァ・・・ゴロン
――
―
妹友「今日帰り遊びに行かない?」
妹「えーでもあんまり遅くなるとなー」
妹友「大丈夫だよ、私も7時くらいには帰りたいし」
妹「何で?」
妹友「ご飯抜きになっちゃう」
妹「でも私もそれくらいに帰らないとお兄ちゃんがご飯抜きになっちゃう」
妹「そうだね、でも何して遊ぶの?」
妹友「ショッピングだよ!」
妹「・・・えー」
妹友「何?買い物きらい?」
妹「だって妹友の買い物長いもん」
キーンコーンカーンコーン
妹友「じゃ決まりね」
妹「えー」
――
―
不良A「着いた、こん中に溜まってるはずだ」
不良兄「こんなボロい倉庫が溜り場かよ」
不良B「やべー、ワクワクしてきた」
不良C「ボコられんのがそんなに楽しみかよ?」
不良A「はは、違いねーな」
不良兄「ボコられる気はさらさらねーよ」
不良C「頼んだぜ、不良兄」
不良兄「行くぞ」
ガラガラ
不良兄「・・・どこが20だよ」
不良C「・・・倍くらいいるじゃねえか」
不良A「悪いな」
不良B「ひぃ・・・」
不良兄「・・・不良B、ワクワクはどこいったんだよ」
北不良1「テメェらどこのやつらだ?」
北不良2「わりぃーけど北不良頭さんは今いないぜ」
不良兄「そうか、じゃ」
ガラガラピシャンッ
北不良3「・・・タダで帰すわけねーだろ、あ?」
不良兄「・・・ッチ、やるしかねーか」
不良A「だな」
不良C「・・・マジ?」
不良B「あああああああああああ死にたくねえええええええええ!!!!」
――
―
妹「ただいま、お兄ちゃ・・・ってどうしたのそのケガ!」
不良兄「・・・ッチ、お前には関係ないだろ」
妹「すぐ手当てしないと!」
不良兄「いいって」
妹「待ってて、今救急箱持ってくるから!」
ドタドタ
不良兄「・・・」
妹「じっとしててね」
不良兄「・・・イッテ」
不良兄「いってえ!お前わざとやってんだろ?!」
妹「ご、ごm、じゃなくて、やってないよ、包帯まくね」
不良兄「誰も頼んでねえよ」
妹「私が好きでやってることだから気にしないで」
不良兄「・・・ワルイナ」ボソッ
妹「え?なんてお兄ちゃん」
不良兄「何でもねーよ、クソ」
不良兄「・・・」
――翌日
妹「おはよう、お兄ちゃん」コト
不良兄「・・・ッチ、イッテ」ガタッ
妹「お兄ちゃん大丈夫?顔腫れてるよ」
不良兄「うるせー、ほっとけ・・・クソ・・・イッテ」モグモグ
不良兄「だったら何だよ」
妹「・・・もうやめてお兄ちゃん、私お兄ちゃんが傷つくとこ見たくない・・・!」
不良兄「・・・んなの俺の勝手だろ」
妹「・・・お兄ちゃん」
不良兄「・・・お前、今日は学校終わったらすぐ帰れよ」
妹「・・・どうして?」
妹「じゃあ私の言うことも、少しだけでいいから聞いてほしいよ・・・」グスッ
不良兄「・・・ッチ、いいから絶対帰れよ」
ガタッ、スタスタ
妹「・・・お兄ちゃん」
――
―
不良A「昨日はひどい目にあったぜ」
不良C「いてて、でもまさか勝つなんてな」
不良B「不良兄が10人くらいぶっ飛ばしたらあいつら逃げやがったしな」
不良兄「あいつらがビビりじゃなかったら余裕で負けてたけどな」
不良A「だな、多分今日あたり来るんじゃねーか?」
不良C「仕返しか」
不良B「放課後待ち伏せされてるかもな」
不良兄「ッチ、めんどくせーな」
不良A「あっちの頭と不良兄のタイマンに持ち込まねーと負けるな」
不良C「とりあえず放課後まで寝ようぜ、体中いてーわ」
―――
――
―
妹「昨日帰ったら、お兄ちゃんが傷だらけでソファーに座っててびっくりしたよ」
妹「そうだと思う」
妹友「そっか、今日もするのかな・・・喧嘩」
妹「多分すると思う」
妹友「何でそう思うの?」
妹「今日お兄ちゃんに学校終わったらすぐ帰れって言われたから」
妹友「そっか、やっぱり兄さん、妹のこと心配してくれてるじゃん」
妹「私はお兄ちゃんには喧嘩してほしくないよ」
妹「・・・うん」
妹友「・・・あ!そういえば明日妹の誕生日じゃん」
妹「・・・明日もプレゼント置いてあるかな」
妹友「きっと置いてあるって、ここ何年間は置いてあったんでしょ?」
妹「うん」
妹友「楽しみだね、明日」
妹「・・・うん」ニヘヘ
――
―
キーンコーンカーンコーン
不良兄「行くか」
――校門
ザッ
「よう、昨日は俺の連れ可愛がってくれたみてーじゃねーか」
不良兄「・・・!お前は・・・場所変えるぞ、いいな」
北不良頭「ああ」
――倉庫
北不良頭「やっとテメェと決着つける時が来たな、ああ?」
不良兄「・・・ッチ」
不良A「あいつと知り合いなのか?」
不良兄「ああ、ちょっとな」
不良兄「俺とお前のタイマンで決着つける、でいいんだよな?」
北不良頭「ああ、問題ねえ」
――――
妹『・・・もうやめてお兄ちゃん、私お兄ちゃんが傷つくとこ見たくない・・・!』
――――
不良兄「・・・ッチ、めんどくせーな」グッ・・・
不良A・不良B・不良C「・・・」
不良兄(こいつらがやられる)
不良兄「やるしか・・・ねーよな」
北不良頭「オラァ!どうした!かかってこいや!ああ?!」
不良兄「・・・ッチ」
タッタッタッタッタ!
バキィッ!
北不良頭「ぐっ!」ドサッ
不良兄「どうした?大口叩いておいてその程度か?拍子抜けだぜ」
クルッ・・・スタスタ
北不良頭「ま、まてっ!」
ピタ
不良兄「ああ?」
北不良頭「まだ・・・終わってねえぞコラ!」ダッ
タッタッタッタ!
北不良頭「死ね!」ブンッ
不良兄「・・・」ッス
北不良頭「!?」
不良兄「・・・」ブンッ
バキィッ!
不良兄「・・・ッチ」クルッ
スタスタ
不良兄「小中で俺と喧嘩して勝てなかったテメェが高校になったからって俺に
勝てるわけねーだろ、クソが」
北不良頭「うっ・・・ぐっ・・・!・・・くそったれがぁ・・・!」
不良兄「行くぞ、お前ら」
不良兄「邪魔したな」
ガラガラピシャンッ
北不良頭「くそが!」ドンッ
北不良頭「絶対に・・・許さねえ」グッ
――
―
不良兄(そういえば明日は・・・)
不良兄「わりぃ、俺寄るとこあるから帰るわ」
不良A「おう、今日はありがとな」
不良B「また明日な」
不良C「帰り道気をつけろよ
不良兄「わかってるよ、んじゃな」
不良兄「・・・これでいいか」
ガチャ
妹「あ、おかえり、遅かったね」
不良兄「どうでもいいだろ、そんなこと」
妹「・・・喧嘩して来たの?」
不良兄「お前には関係ないだろ」
妹「・・・」グスッ
不良兄「・・・!何だよ」
妹「お兄ちゃんの帰りが遅かったら心配だよ!」
妹「お兄ちゃんが喧嘩してきたら私は嫌だよ!」
不良兄「な、なんでだよ」
妹「・・・お兄ちゃんが傷つくのは見たくないから!」ポロポロ
不良兄「わ、わかったから泣くなよ!めんどくせーな・・・」
妹「うっ・・・エッグ・・・ヒック・・・」ポロポロ
不良兄「なあ、泣き止めって」アタフタ
妹「うぅ・・・じゃあ・・・ギュってして」ポロポロ
妹「・・・してくれないと・・・泣き止まないもん」ポロポロ
不良兄「は?ふざけんなよ、意味わかんねーし」
妹「うぅ・・・ダメ・・・なの?」ウルウル&ウワメヅカイ
不良兄「ぐっ!・・・ッチ・・・一回だけだからな」ギュッ///
妹「!」
不良兄「ほら、してやったぞ・・・泣きやm」
妹「・・・」グスッ
不良兄「な、なんでまた泣き出すんだよ」
妹「・・・うれしくって」
不良兄「・・・」
――
―
――翌日
妹「お兄ちゃん、おはよう」コト
不良兄「・・・」ガタッ
妹「プレゼントありがとう」ニコ
不良兄「・・・」モグモグ
妹「このストラップ、スマホに着けるね」ニヘヘ
不良兄「・・・勝手にしろ」プイッ
不良兄「何がだよ」
妹「・・・もう喧嘩しないって約束」
不良兄「・・・ああ」
妹「絶対だよ?」
不良兄「ッチ・・・わかってるっつってんだろ」
不良兄「ダメに決まってんだろ」
妹「どうしてダメなの?私と行くのが・・・嫌?」
不良兄「ッチ・・・そういうことじゃねーよ」
ガタッ、スタスタ
妹(じゃあどうしてなの?お兄ちゃん・・・)
――
―
――教室
妹友「それでどうだった?プレゼントあった?」
妹「うん、ほら」
妹友「ストラップかー、兄さんのプレゼントって身に着けてられるものが多いの?」
妹「んー、サイフだったりキーホルダーだったり・・・ホントだ、そうかも」
妹友(やっぱり兄さんは妹のことが好きなんだろうなー、どういう好きかはわからないけど)
妹「うん、行こっか」
妹友「誕生日だし、私の奢りで好きなの食べていいよー」
妹「ホントに?何か悪いなー」
妹友「いいっていいって」
妹「えへへ、楽しみ」ニコニコ
不良A「これで北高がでかい顔できなくなったな」
不良B「それよりさ、不良兄と北不良頭って知り合いだったんだろ?」
不良兄「ああ」
不良B「どういう知り合いなんだ?」
不良兄「小中一緒な学校でな、昔からよくつっかかってくるやつだった」
不良C「それで3年ぶりくらいの対面か」
不良兄「ああ」
不良兄「これで静かになってくれるといいんだけどな」
――放課後:下駄箱
妹友「さ、ケーキ行こう!」
妹「うん!」
「・・・」スタスタ
妹「あ、おにいt」
不良兄「ああ?!」ギロッ
妹「っ!・・・」
不良A「おい、あの子前もお前に喋りかけてきたやつだろ」
不良兄「ああ?知らねーよ」
不良B「不良兄に気あるんじゃね?」
不良兄「ッチ・・・いってろクソが」
スタスタ
妹「お兄ちゃん・・・」
妹友「・・・さ、さあ行こう?」
妹「・・・うん」
――
―
――帰り道
妹「ケーキおいしかったなー」トテトテ
妹「・・・お兄ちゃんとも一緒に食べたいなあ」
?「・・・よう」
妹「っ?!だ、誰ですか・・・?」
?「まあちょっと付き合えや」
??「おっと、逃げるなよ」ガシッ
妹「ひっ!」
?「おとなしくしてりゃあ、手はださねえから安心しろ・・・おとなしくしてればな」
――家
ガチャッ
不良兄「・・・?」
時計「19時47分」
不良兄(いつもならとっくに帰ってきてるはず)
不良兄(電話・・・かけるか)
不良兄(・・・かけてなんて言えばいいんだ?)
不良兄(・・・まあいいか)
不良兄「もしもし、お前今どこにいんだ?」
?[・・・よう、不良兄]
不良兄「?!・・・誰だテメェ?」
?[テメェの妹はちょっと俺に付き合ってもらってるわ]
不良兄「なんだとコラ!」
不良兄「だからテメェは誰だっつってんだよ!」
プツッ・・・プーップー・・・
不良兄「ッチ・・・切りやがった、クソが!」
不良兄(だいたいわかってる、妹を俺の妹ってわかるやつで)
不良兄(こういうゴミみてーな手使ってくるやつは・・・)
――
―
――町外れ倉庫
不良兄「・・・ここ・・・か」ハァ・・・ハァ・・・
不良兄「くそっ・・・走って・・・息が・・・」ハァ・・・ハァ・・・
不良兄「・・・行くか」
扉「・・・」
不良兄「ふっ!」ドッ
ガッシャンッ!
とび/ら「」
不良兄「ッチ・・・やっぱテメェらか」
北不良頭「奇遇だな、こんな所で会うなんてよぉ?・・・不良兄」
不良兄「クソ野郎が」
妹「お兄ちゃん!」ダッ
北不良1「おっと、動くなよ」グイッ
妹「きゃっ!」
北不良1「っ!」ビクッ
北不良1「は、離すわけねーだろ!」
不良兄「・・・ッチ・・・おい北不良頭、随分と兵隊が減ったみてーじゃねぇか」
北不良1・北不良2・北不良3・北不良4・北不良5「・・・」
不良兄「40くらいいたやつらはどこにいったんだ?」ニヤッ
北不良頭「ああ?テメェ・・・なめてんのか?」ギリッ
不良兄(6人か、これくらいの人数なら余裕で・・・)チラッ
妹「・・・」
――――
妹『お兄ちゃんが喧嘩してきたら私は嫌だよ!』
妹『・・・お兄ちゃんが傷つくのは見たくないから!』ポロポロ
――――
不良兄「・・・ッチ・・・めんどくせえ」
妹「ひっ!」ビクッ
北不良頭「テメェの妹の可愛い顔がどうなってもしらねーぞ」
不良兄「っ!・・・何が目的だ?」
北不良頭「んなの決まってんだろ!テメェに俺と同じ屈辱を味わせてやんだよ!」
不良兄「つくづくクソみてえなやつだな、テメェは」
北不良頭「・・・言ってろ、今にその口もきけなくしてやる」
北不良頭「今からお前のお兄ちゃんをよぉ、ボコボコしてやるからよく見とけよ」
不良兄「・・・ッチ」
北不良頭「・・・」クイッ
北不良3「後ろががら空きだぞっ!」ブンッ
ドコッ
不良兄「っく・・・!」ドサッ
北不良頭「どうだ?不良兄、妹の前で無様な姿晒す気分はよぉ?」
不良兄「テメェ・・・こんな雑魚くらい・・・」
北不良頭「いいのか?妹が・・・」チャキ
不良兄「・・・クソったれが!」
北不良頭「やれ」
北不良2・北不良4・北不良5「ウッス」
バキッ!ドカッ!ボコッ・・・
不良兄「・・・ぐ・・・」
妹(何でお兄ちゃん何もしないの?・・・あっ・・・!)
――――
妹『・・・もう喧嘩しないって約束』
不良兄『・・・ああ』
――――
妹(あの約束でやり返さないの・・・?)
妹(そんな・・・私はお兄ちゃんに傷ついて欲しくないから喧嘩はダメって言ったけど・・・)
妹(どうしたらいいの・・・)
北不良4「オラッ!」ドコッ!
不良兄「っく!・・・」
不良兄(クソが・・・喧嘩なんて強くても何の意味もねー・・・)
北不良5「どうした?!オラッ!」バキッ!
不良兄(どんだけ強くても妹一人守れねーようじゃ・・・)
―――――
妹『・・・もう喧嘩しないって約束』
不良兄『・・・ああ』
――――
不良兄(・・・守る?・・・)チラッ
妹「・・・」ポロポロ
不良兄(妹が・・・泣いてやがる・・・)
妹『・・・もう喧嘩しないって約束』
―――――
不良兄(これは喧嘩じゃねー・・・)
不良兄(俺はあの日・・・アイツを守るって決めたんだ・・・!)
不良兄(だから・・・!)グッ!
不良兄「オイ・・・クソ野郎、俺をいたぶるにしちゃあ、ちっとヌルすぎるんじゃねーか?ああ?」
北不良頭「ああ?まだ足りねーってか?じゃあこの俺が直々にボコッってやるよ!」バキィッ!
不良兄「かはっ・・・!」
不良兄(あとは・・・コイツらを・・・!)グッ!
北不良頭「オラァ!」バキィッ!
不良兄「ぐはっ!・・・」
不良兄(ッチ!・・・力が入らねー・・・)
妹「お兄ちゃん!!」ポロポロ
不良兄「・・・」ピクッ
不良兄「・・・を・・・」グッ!
北不良頭「ああ?!」
不良兄「妹を・・・泣かせてんじゃねえぞ!!!」ブォンッ!
バゴォッ!
北不良頭「っがっ・・・!」ドサッ!
北不良2「ぐわっ!・・・」ドサッ!
不良兄(妹を守るための・・・)ドッ!
北不良3「かっはっ・・・!」ドッ・・・サッ!
不良兄(戦いだ・・・!)ドスッ!
北不良4「アッ!」チーン
不良兄「喧嘩みてーな・・・安いもんじゃねーんだよ!!」ブォンッ!
北不良「あがっ!・・・」ドッサッ!
北不良1「ひっ!ち、違うんだ!俺は命令されて・・・!」
不良兄「汚ぇ手を妹から離せクソガキ!!」ブンッ!
バキィッ!
北不良1「おわっ!・・・」ガッシャーンッ!
妹「お兄ちゃんっ」ギュッ、ポロポロ
不良兄「悪ぃな・・・妹」ギュッ
不良兄「本当にすまねえ・・・お前をこんなことに巻き込んじまって」
妹「・・・ううん」グスッ
不良兄「俺はお前を巻き込まねーように、高校に入ってからお前を遠ざけてた」
不良兄「中学まではお前と居れば・・・お前が俺の妹だってわかれば他のやつらは手を出さなかった」
不良兄「高校になって他高のやつらと喧嘩して思ったんだ・・・お前を守れないかもしれないって」
不良兄「中学の時はお前を守るって決めてたのによ、高校になって怖気づいたんだ」
不良兄「・・・情けねー話だろ?だから俺はお前を遠ざけるようになった」
妹「・・・お兄ちゃんはクズじゃないもん」グスッ
不良兄「・・・もう喧嘩はしない」
不良兄「だから・・・こんな情けない兄だけど・・・許してくれ、妹」
妹「許すも何も、お兄ちゃんは悪いことなんてしてないよ、私を助けてくれたよ?」
不良兄「けど・・・俺はお前を巻き込んで」
妹「そんな風に思わないで・・・お兄ちゃんのせいじゃないよ」
妹「お兄ちゃんは私のこと嫌いかもしれないけど、私は・・・お兄ちゃんのこと、大好きだよ」ギュッ///
不良兄「んなことあるわけねーだろ、俺だってお前が好きだ・・・片時も嫌いになんかなったことねーよ」ギュッ///
妹「お兄ちゃんも同じ気持ちだったんだね・・・うれしい」グスッ
不良兄「これからは・・・ずっとお前だけを守るから、だからよろしくな」ギュッ
妹「こちらこそよろしくね、お兄ちゃん・・・」ギュッ
妹「・・・そういえばお兄ちゃん?」
不良兄「・・・なんだ?」ギューッ
妹「・・・ギュッってしてくれるの1回だけじゃなかったの?」クスッ
不良兄「・・・これからずっとの間違いじゃねーのか?」///
終わり
ベッタベタな展開で若干駆け足ぎみになってすみませんw
お疲れ様でしたー