妹「やっと起きましたねお兄様」
妹「おはようございます」ペコリ
男「わざわざ起こしに来なくてもいいのに」
妹「いいえ。起こしに来させて下さい」
男「何故?」
妹「私がお兄様を起こしたいんですよ」
妹「朝一番に私を見て過ごして欲しいんです」
男「・・・」
妹「昨日は夜更かしされてたんですか?」
男「友達と話しててさ」
妹「あら、そうですか・・・少し心配です」
男「何が心配なの」
妹「もし眠くて学校の授業についていけず」
妹「お兄様が不良になってしまったら」
妹「私の兄様と毎日登下校する楽しみがなくなってしまいます」
男「そんな事にならないって」
男「最近のゲームは面白いんだよ」
妹「ソーシャルなんたらですか?」
男「まぁうん」
妹「お兄様は凝り性ですから。そういうお兄様も素敵です」
男「あはは」
妹「もう。しょうが無いお兄様」
妹「お着替え終わったら下に降りてきて下さいね朝ご飯できています」
男「はーい」
男「?」
男「ど、どうしたの?じっとして」
男「下の階に行くんじゃないの」
妹「お手伝いしようと思いまして」
男「お手伝い?」
妹「お着替えの」
男「早く下にいって」
妹「うう」
妹「冷や奴に目玉焼きです」
男「朝からこんなに・・・大変じゃない?」
妹「お兄様のためですから」
妹「苦労などと言うことはありません」
妹「むしろ私にとってはこれが楽しいんです」
男「ふーん。変なの」
妹「今ご飯をよそいますから。待っていて下さい」
男「どうもどうも」
妹「お兄様が次は半熟が良いって仰っていたので」
男「そんな事言ったっけ?」
妹「仰っていましたよ。前の前の休日に」
男「記憶力が良いんだね」
妹「はい。お兄様との事ですから忘れるはずありません」
男「あはは」
男「うんいこー」
妹「あ・・・」
男「どうかした?」
妹「お兄様こちらを向いていただけますか」ッキ
男「え?」
妹「は!」
男「うわ」
妹「制服の裾がずれてました」
男「ああ、ありがとう」
妹「それはいけません」
男「何がいけません?」
妹「自分の姿を自分で見ることはできないではないですか」
妹「着崩れたままの格好のままお兄様を外に出すわけには行きませんから」
妹「ですから私にさせて下さいお兄様」
男「う、うん」
男「?」
妹「む・・・」
妹「ん」
男「どうした?決まり悪そうに」
男「言いたい事があるんじゃないの?」
妹「やっぱりお兄様は私の気持ちがわかるんですね」
妹「お兄様と気持ちが通じていると思うと私は幸せです」
男「いや、呼びかけて黙ったらそうなるでしょ」
男「手?」
妹「はい」
男「まさか手をつないで学校に行こうって?」
妹「・・・ん」モジモジ
妹「ダメでしょうか?」
男「ダメっていうか・・・」
妹「ダメならいいんです」
妹「お兄様を困らせたくはないですから」
妹「わがままを言って申し訳ありませんでした」
男「・・・」
妹「学友には面白い人ばかりで新鮮な毎日です」
男「そっか良いね」
妹「お兄様の学校生活はどうなんですか?」
男「俺か・・・?俺は普通かなぁ」
妹「ふつう・・・ではなくきちんと教えてください」」
男「なんで知りたがるのさ」
妹「お兄様の事ですから。きちんと知っておきたいんです」
男「はは、大げさな」
妹「・・・ついてしまいましたね」
男「じゃあな、お前の靴箱はあっちだろ?」
妹「・・・」
男「妹?どうした」
妹「・・・お兄様とまた長い時間会えないと思うと」
妹「私は」
男「はは、すぐ会えるじゃん」
妹「これから何時間もお兄様と離れていなければなりません」シュン
男「はは・・・それはしょうがないよ。学生なんだし」
妹「大学は絶対にお兄様と同じ授業しかとりません」
男「必修とかあるでしょ」
妹「できる限りですよお兄様」
男(大学も同じ所くるつもりなんだ)
男「早く来て遅刻してもしょうがないでしょ」
妹「はい」
男「辛そうだね」
妹「毎日こればかりは辛いのです」
妹「毎朝毎朝なぜこのような地獄を」
妹「私は前世で何か悪い事をしたのでしょうか」
男「そんな大げさに言うなよ」
妹「おはようございます」
妹友「あはは。妹ちゃんって変だよね~」
妹「私のなにが?」
妹友「そんなしゃべり方してる人って普通いないよ~何か馬鹿っぽい」
妹「そうでしょうか?」
妹友2「宿題やったー?やったんなら見せて」
妹「もちろん。昨日のうちに」
妹友「宿題なんて出たっけ?」
妹友2「・・・」
妹「お兄様お兄様」ガラガラ
男「うわ・・・どうしたんだよ」
妹「はい。お兄様が心配で見に来てしまいました」
男「心配ってなんの?」
妹「はい。登校時に学校での事をお話しなさらなかったので」
妹「お兄様は学校で嫌な事でもあるのではないか心配で」
男「だからって教室まで来るなよな」
男「だからもう帰れよな恥ずかしい」
妹「・・・お兄様は私がいたら迷惑でしょうか?」
男「そ、そうじゃなくて恥ずかしいって言ってるの」
妹「はい・・・」シュン
男「・・・はぁ」
男「2分前になるまでならいても良いよ」
妹「はい」パァ
男友「結構可愛くね?」
男友2「俺は知ってたよいっつも男と登校してるし」
男「まぁ同じ方向からだし。わざわざ別々に登校する事もないだろ」
男友「えー俺も姉ちゃんいるけど別だわ」
男友2「つか普通別だと思うよ高校は」
男「そういうもんかなぁ」
男(まぁそういう風に言った事はあるんだよな)
男「なぁなぁ」
妹「お兄様?物を噛んでいる時に喋るとはしたなく見られてしまいますよ」
男「ああ、ごめんごめん」
男「で、話があるんだけど」
妹「はい。なんでしょうかお兄様」
男「俺等もう高校じゃん?」
男「わざわざ登下校一緒にする必要なくない?」
妹「・・・・」
男「お前も友達とかいるだろ?」
男「う?」
妹「うう・・・」グス
男「え、ええ・・・どうした!?」
妹「お兄様・・・グス」
妹「私の事お嫌いになってしまわれたのですか?」
妹「治しますから・・・許して下さい」ポロポロ
男「そ、そうじゃない!そうじゃないから・・・」
男「だから泣き止めよ」
妹「・・・じゃあ登下校一緒で構いませんか?」
男「わ、わかったよ」
男友2「なぁ男ー帰りカラオケ行こうって話になってんだけど」
男友2「お前もいかね?」
男「あー」
男「俺はいいや」
男友2「付き合いわりーなー」
男「今度な今度」
女友(なぁんだ男来ないんだ)
男「おっす」
妹「お待ちしておりました。お兄様」ペコリ
男「やっぱ校門で待ってたのか」
男「別に待っていなくて良いんだぞ?帰り合わせるのは辛い時もあるだろ?」
妹「そういう時もあるやもしれないから、いつも待っているんです」
男「なんだそら」
妹「帰りましょう。お兄様」
男「うん」
男「女友さん」
妹「?」
女友「本当に妹と一緒に下校してる・・・」
男「いいだろ。別に」
女友「駄目とは言ってないでしょ」
男「何か馬鹿にされてる気がして」
妹「私はお兄様と一緒なら何も不満な事はありません」
男「何言ってんだよ」
女友「嘘嘘。あっはは・・・ごめんね」
女友「私も今帰りなんだー混ぜて!」
男「まぁ別にいいけど」
男「いいよな?」
妹「・・・・ええ。そうですね」
男「?」
男(なんだ少しムスっとして)
男「・・・」
女友「何黙ってんの私一人で喋ってる変な人にするき?」
男「いやだって普段俺等ってそんな喋ったことなくね?」
女友「男は普段喋らない人とは仲良くしたくないんだ」
女友「白状だねウルウル」
男「何もそんな事は言ってないよ」
女友「じゃあ相づちくらい打って!」
男「はいはい」
妹「・・・」
男「行くかなぁ。ぼんやりと進学を考えてるだけ」
女友「今から優柔不断でどうすんのさ」
男「迷ってんの。女友さんは?」
女友「私は専門行く!なりたい物があるんだ」
男「そっか。女友さんにも夢があるんだね」
女友「何かその言い方失礼じゃない」
男「あはは」
女友「やっぱ馬鹿にしてるな」
男「んな事ないって。夢がある人は羨ましいよ」
男「うーん」
男「ないな。女友さんはどうやってその夢を決めたの?」
女友「充実してそうだから」
男「仕事が?」
女友「そ」
女友「充実して、達成感に満ち溢れてる人生こそ最良だと思ってるの私は」
女友「だからその道を行くんだ!」
男「いろいろ考えてるんだ。ちょっと尊敬」
女友「ふふ。私の株がどんどんあがっていくわ」
男「は?」
女友「いえいえ」
男「うーん・・・そうだな」
女友「男って妹ちゃんにご飯作ってもらってるんだ」
男「悪いかよ」
女友「べっつにーそうは言ってないでしょ」
男「俺だって飯くらい作れるわい」
女友「本当かなー?ご飯とかベチャベチャにしそう」
男「ご飯くらい炊いてるわ」
妹「お兄様」クイクイ
妹「私、質問してるんですが、まだお答えを貰っていません」
妹「帰ったら何を食されたいのか」
男「ああ、ごめん」
男「そうだな・・・」
女友「やーい年下に怒られてやんの」
男「うるせー」
妹「・・・お兄様」
女友「つむじ二つあるんだね」
男「ああ、特徴あるだろ」
男「って話聞け」
女友「うん。何」
男「なんで俺の家の方向わかったん?」
女友「だって男A中学出身でしょ?」
女友「だからこっちだろうなって」
男「ああそっか」
男「ん?」
女友「ん」
女友「・・・聞いたのよ」
男「聞いた?」
女友「か、風のうわさでね」
男「風のうわさって」
女友「何か悪い!?私が男の出身校知ってたら」
男「だ、ダメじゃないけど」
女友「じゃあいいじゃん。いちいち細かいよダブルつむじ」
男「変なあだ名つけるなよ」
男「そっか。じゃね」
女友「あ」
女友「携帯をお出し!」
男「ん?」
女友「赤外線受信音にしなさい!」
男「はい」
女友「送信」ピピ
男「おお!」
妹「・・・・」
女友「今日メールしてね」
男「あいあい」
女友「今日だよ?今日!」
男「わかってるよ」
女友「わかったのならいいわ」
女友「じゃあね」
男「おう」
男「いい子だったな」
男「友達が増えるってのはいいことだ」
男「お前もそう思うだろ?」
妹「・・・・」
男「妹?」
妹「・・・」ギュウ
男「ど、どした?」
男「ど、どうした・・・腕なんかくんで」
妹「別になんでもないんです」
男「変な気持ち?」
妹「はい。さみしいような苦しいような」
男「具合悪いのか?」
妹「そうなのかもしれません」
妹「ただ・・・こうしていたいんです。お兄様と」
妹「よろしいですか?お兄様」
男「まぁ・・・帰り道だしいいよ」
妹「どうかなされたのですか?」
妹「これコーヒーです」
男「ありがとう」
男「いや、今日メール遅いって女友さん怒っててさ」
男「メールでも饒舌なんだなって」
妹「そうですか・・・」
妹「・・・」
男「あはは」ポチポチ
妹「お兄様」クイクイ
男「ああ、どうした」
妹「これ」ス
男「携帯がどした?」
妹「私もお兄様とメールします」
男「え?」
妹「私も・・・メールしたいです」
男「メールって」
妹「でも、したいです」
男「メールじゃなくて直接話せばいいだろ?少しへんだぞ」
妹「・・・そ、そうですね」
男「どうした?何かあったのか?」
妹「・・・わかりません。私自身にも」
妹「何か変なんです」
男「やっぱり具合悪いが?」
妹「そう・・・なのかもしれません」
妹「心配かけて申し訳ありませんお兄様」
妹「はい」
男「熱はないな」ピト
妹「・・・」
男「今日はもう寝た方がいいかも」
男「水枕用意するからパジャマに着替えてきなよ」
妹「お兄様にして頂くわけにはいきません。私が自分で用意します」
男「いいや、いつも世話になってるからな。これくらいはするよ」
男「調子はどう?」
妹「大分よくなってきました。お兄様のおかげで」
男「そっか。もう大丈夫かな」
妹「あ」
男「?」
妹「あの・・・でも」
妹「お、お兄様が居てくれないと」
男「大丈夫。ここに居るよ」
妹「・・・・はい」
男「どして?」
妹「本来・・・私がお兄様のお世話をするはずが」
妹「お兄様にお世話されるなんて」
男「俺にされたら嫌なの」
妹「そ、そんな事は言っていません」
妹「お、お兄様と一緒にいられるのは、嬉しいですから」
男「そっか」
妹「はい。お兄様と一緒ですから」
男「さっきだって一緒だっただろ」
妹「い、一緒じゃないです」
男「一緒だったでしょ」
妹「一緒じゃないですよ」
妹「お兄様ったらずっと」
男「ずっと?」
妹「何でもないです」
男「?」
男「あ、メール」
男「はは・・・眠れないって知らないよ」
男「えっと」ピッピ
妹「お兄様」
男「どした?」
妹「また具合が悪くなってきました」
男「おいおい大丈夫か?」
男「やっぱもう喋らないで寝てた方が良いんじゃないか?」
妹「・・・」
男「お?」
妹「お兄様が・・その」
妹「お兄様がこっち向いてくれたら治るかもしれません」
男「はひ?」
妹「だから・・・その」
妹「メールとか、やめたら・・・治るかも」
男「メール?」
男「うるさかったかな?」
男「音消すか」
妹「そうではないです」
妹「そうではなくて」
妹「そうではないんです」
妹「そうじゃなくて」
男「・・・」
男「はは、もしかして寂しかったのか」
妹「寂しい・・・・」
男「うん」
男(俺が妹を放っておいて誰かと遊んでたら)
男(昔からこうやって気を引いてきたっけ)
男「わかったよメールはやめる」
妹「そうですか?」
妹「別に・・・お兄様がしたいならしても宜しいんですよ?」
男「良いよ。やめる」ナデナデ
妹「そうですか」
男「おう」ナデナデ
妹「ごめんなさい」
男「?」
妹「こんな我が儘な私で申し訳ありません」
男「・・・」ナデナデ
男「いいんだよ。兄の仕事だから」
男「今日はここにいてあげるから寝な」
妹「はい・・・ありがとうございますお兄様」
女友「あー昨日メール無視した人だ」
男「寝たんだよ。遅かっただろ時間」
女友「じゃあ朝にでも送ってよ」
男「いやどうせ学校で会うじゃん」
女友「あ、会ったって」
女友「会ったって学校じゃ話してくれないじゃん」ボソ
男「?」
男「別に最近だけど」
男友2「あの子可愛いけど少し怖いよなぁ・・・男子と話してるの初めて見たかも」
男友「あ、俺も」
男「そっか?話すと普通だよ」
女友「おーい男」
男「女友さんが作ったの?」
女友「とーぜんでしょ」
男「綺麗にできてるね」
女友「授業だよ?とーぜんじゃない」
女友「はい。これ」
男「へ?」
女友「男にあーげる」
女友「お礼より食べてよ食べて」
男「うんうん」モグモグ
男「良いね。甘くて美味しい」
女友「でしょー?私もそう思ったのよ」
女友「ほらほらもっと食べて良いよ」
男「ど、どうも」
男「うーん結構寝る方かなぁ」
女友「そっか私も」
男「でも最近寝れてない」
男(ハマってるゲームあるし)
女友「それって昨日の私のメールの事言ってる・・・?」
男「あ、そういうつもりじゃない」
女友「本当かなぁ」
男「本当だって」
女友「今日の帰りって何か用事ある?」
男「別にないよ?」
女友「じゃあ今日も一緒にかえろーよ」
男「うん別に・・・って」
男(そういえば昨日妹が)
男「うーん」
女友「何よ珍しく考え込んで」
男「何も考えてない人みたいに言わないでよ」
女友「どゆこと?」
男「いや、ちょっとね」
女友「ちょっとって何さ」
男「ちょっとはちょっと」
女友「だから、そのちょっとを聞いてるんじゃない」
男「ちょっとだからちょっとなの」
男友「あの二人もしかして付き合ってんのか?」
男友2「あーうざうざ」
男「よっす」
妹「お兄様。お久しぶりです」
男「はは、お久しぶり」
男「あのさ聞きたい事あるんだけど」
妹「はい。何でも仰って下さいな」
妹「お兄様の事であれば何でも力になりたいのです」
男「そっか」
男「今日の帰りの事なんだけど」
男「ん?」
妹「実は・・・お兄様にその事について言わなければならない事がございます」
男「?」
妹「実は・・・私の学年全体で学校祭の準備が早めに行われるようで」
妹「お兄様と帰ることができないみたいなのです」
男「そんな時期だよなそういえば」
妹「申し訳ありません」ガバ
妹「誠に申し訳ありませんお兄様」ペコリ
男「謝る事じゃないよ」
男(これなら女友さんと一緒でも文句ないか)
男(問題解決良かった良かった)
妹「お兄様?」
男「ん?」
妹「どうして嬉しそうな顔をされているのですか?」
男「え」
男「そ、そんな顔していたかな」
男「気のせいだよ。お前と帰れなくて寂しいよ」
妹「・・・そう、ですか」
男「そうそう。できればちゃんと早く帰ってこいよ」
男「じゃないと飢え死にしちゃう」
妹「・・・はい。できうる限り早く帰ります」
妹「では、お兄様」
男「お、おう」
妹友「まーた男先輩と一緒だったでしょ」
妹友「本当仲良いんだから」
妹友「兄妹でわざわざ昼休みにまで会うなんて、よっぽど仲良しさんなんだね~)
妹友「そんなに仲良いなら男先輩に恋人ができたらどうするのさー」
妹「・・・」トコトコ
妹友「・・・・」
妹友(シ、シカト・・・)
男「おー」
女友「あれあれ?」
女友「男の相方がいませんよ」
男「妹の事か?学年全体での作業で帰れないってさ」
女友「へー男が妹と離ればなれな時なんてあるんだ」
男「どういう意味だよ馬鹿」
女友「別にー」
男「上機嫌じゃん」
女友「そりゃ~ね」
男「良いことあったの?」
女友「今起きてるの今今」
男「?」
男「晴れてるから・・・とか?」
女友「ふふ・・・なんでしょ」
男「いると思う?」
女友「いないと思う」
男「このやろう」
女友「野郎じゃない」
男「見る目がないのさ。女の」
女友「あらあら」
女友「でも、そうかもね」
男「へ?」
女友「んー」
男「?」
女友「んーんー」
男「なんだよ唸って。生理か?」
女友「ぱんち!」バキ
男「いたた・・・冗談だよ」
女友「冗談なのも知ってて殴ったわ」
男「悪かったって」
男「そだな」
女友「今日は暖かい」
男「春だし」
女友「宿題もない」
男「宿題はあるぞ」
女友「え?」
男「ある」
女友「あるんだ」
男「そんな急に」
女友「私欲しい本があーるの」
男「本屋?一人でいけよ」
女友「何冷たいこと言ってんのよ」
女友「あんたも一緒に行くのに」
男「え-」
女友「しゅっぱつしんこー」
妹「・・・」
妹友「こらー男子ーなーにサボってるの~」
男子「仕事ねーんだよ」
男子2「仕事くれー」
妹友「それくらい自分で見つけなさいよ」
妹「・・・」
妹友「妹ちゃん?」
妹友(元気ないな・・・私のトークで盛り上げてやりますか)
妹「・・・」
妹友「本当にすごいんだから!イケメンばっか」
妹友「私はあの人が好きなんだよなぁ」
妹友「さわやかで」
妹友2「何一人で喋ってるの?」
妹友「あれ?妹は?」
妹友「あっちで作業してるわよ?」
妹友「・・・」
女友「確かにあちーね」
男「あ、自販機だ」
女友「私お茶かおーっと」
男「うーん」
女友「ん、ん、」ゴクゴク
女友「ぷは」
女友「男は買わないの?」
男「うーん。飲み物買う金もないというか」
男「使い過ぎちゃっただけ。失礼な」
女友「あはは」
男「あージュース飲みたい」
女友「・・・」
女友「ジュースじゃないけど。お茶ならあるよ」
女友「はい。」ス
男「え」
男「え、でも」
女友「喉かわいてるんでしょ?」
男「う、うん」
女友「飲んで良いわよ?」
男「・・・・」
男「じゃ、じゃあ」
女友「はい」
女友「あー!」
男「!」
女友「飲んだー!間接キスだー!」
男「え、だ、だって良いって」
女友「ふふ・・・うろたえすぎでしょ」
女友「良いわよ?別に。別にいいけど」
女友「飲んだなぁって」
男「なんだよ。からかって」
女友「あんまりこないの?」
男「そうかも」
女友「面白いのに」
男「面白い?」
女友「そ、色んな本があるし」
男「本屋だってそうだろ?」
女友「そうだけど、そうじゃないの」
男「?」
男「100円は安いなぁ」
女友「うん。そうだよね」
女友「それに立ち読みできるし」
女友「貧乏な男にはぴったりじゃない?」
男「貧乏いうなよな」
女友「ジュースも変えないんじゃ買える本もないでしょ?」
男「そうだけど」
男「はは・・・そだな」
男「専門書ばっかりだったけど、もしかして将来の?」
女友「そうよ。早いうちにやって置こうと思ってね」
男「熱心なんだなね」
女友「私は向上心が強いんだから」
男「いいことだね」
女友「そうよ。夢も恋もね」
男「恋?」
女友「もっちろん」
男「どんな奴」
女友「どんな奴でしょ」
男「えー知ってる人?」
女友「そりゃーもう」
男「え、俺と親しい奴って事?」
男「だれだろ・・・・?男友3はゲイだから男友か男友2か?」
女友「ふふ」
男「今言った中ではないって事?」
女友「そうそう」
男「あと親しいといえば・・・男友99とか」
女友「違う違う」
男「わかんねーよ。教えてくれよ候補だけ!」
女友「そうね・・・たとえば」
女友「男、とか」
男「へ?」
女友「うんうん」
男「・・・」
男「冗談だよな?」
女友「ばっか候補よ候補」
男「そ、そっか候補か・・・」
女友「うん。そうそう」
男「・・・」
女友「今日はありがと。楽しかった」
男「う、うん俺も」
男(あんな事言われたから照れて顔が見れない)
女友「ねぇ何そっぽ向いてるの?」ズイ
男「う、うわ・・・急に近づいてくるなよ」
女友「失礼ね。じゃ明日ね?」
男「おう」
女友「明日も一緒。だからね?」
男「え」
女友「じゃねー」
妹「ただいま戻りましたお兄様」
男「お帰り。遅かったな」
妹「お待たせしましたよね?すいません」
男「いやいいんだよ」
妹「すぐにご飯の支度をしますから。少し待っていてください」
妹「あれ・・・?」
男「どうかしたか?」
妹「お兄様。今家に戻られたばかりですか?」
妹「カバンがこんなところに」
男(実はそうなんだけど)
妹「お兄様?」
男「・・・」
男「いんや?たまたま面倒だからおいただけ」
男「戻ったのは大分前だよ」
妹「そう・・・ですか。そうですよね」
妹「ではご飯の用意を」
男「おう」
男(妹と一緒に帰らないから友達と遊んでたなんて)
男(何か妹に知られたら落ち込みそうだし)
妹「どうなさったんです?ぼーっとして」
男「あ、ああ」
男「いや俺の妹もかわいくなったなって」
男(少し白々しいかな?)
妹「・・・」カァァァ
妹「あ、りがとう・・・ございます・・・」ボソボソ
妹「はい。かしこまりました」
男「覗くなよー」
妹「へ、変な事を言わないでください」
男「冗談冗談」
妹「もう・・・お兄様ったら」
妹「・・・」
妹「あ、お兄様携帯こんな所に置きっぱなしだわ」
妹「きゃ!」
妹「び、びっくり・・・お兄様に電話」
妹「着信は・・・女友?」
妹「どこかで聞いたことあるような」
妹(あ、前帰りに一緒だった)
妹「お兄様に着信があったって伝えなきゃ」
妹「お兄様に・・・」
prrrr
妹「・・・・」
ピ
妹「はい」
女友『男~?何か電話しちゃった~』
妹「お兄様と明日なにかされるのでしょうか
女友『お兄様?』
妹「・・・」
女友『もしかして男の妹ちゃん?』
妹「はい。お兄様の妹の妹です」
女友『あはは。男は?』
妹「お兄様はお風呂に入られていますから、かわりに私が」
妹「・・・お、お兄様と私なら・・・良いんです」
妹「それより」
妹「明日、何かなさるんですか?」
女友「ん、いやーそういう訳でもないんだけどさ」
妹「そういう訳じゃない?」
女友「そうそう別に大した事じゃないよ」
妹「ではなぜお兄様に電話を?」
妹「・・・私が決める事ではないです」
妹「でも」
女友「?」
妹「駄目です」
女友「はて、どうしてよ」
妹「駄目だから・・・駄目なんです」
妹「駄目だから駄目なので駄目です!」
女友「・・・」
妹「・・・もう」
妹「もう、電話、しないで下さい」
妹「お兄様に、近づいてこないで・・・」
女友『・・・それは私が嫌』
女友『じゃね。男の妹の妹ちゃん』
妹「・・・・」
男「あ~~さっぱりした」
妹「あ」
男「誰かと話してたのか?」
男「自分の携帯つかえよな。電源切れてたの?」
妹「そうじゃ、ないです・・・」
男「じゃあ電話でたのか」
妹「・・・」
男「駄目じゃん。勝手に人の電話でちゃ」
妹「・・・女友さんからでした」
男「そうか」
妹「・・・」
男(もしかしてさっきの嘘がバレたかな)
男「で、話してたみたいだけど何て言ってたの?」
妹「別に何も」
妹「はい」
男「でも話をしてたじゃない」
妹「大した事ではありません」
妹「お兄様にかけ直すと仰っていました」
男「そっか」
男(じゃあ嘘がバレたりはしてないんだな)
妹「お兄様、女友さんと、どのような仲なのですか?」
妹「とても親しげでしたから」
妹「ま、まさか二人は恋人なのでしょうか?」
男「ち、違うよ・・・変な勘違いすんなよ」
男「友達だ。ふつーの友達」
妹「友達・・・ですか」
男「・・妹はさ、俺と女友さんが恋人になったら嫌かな」
妹「え!どういう事です!?」
男「た、例えばだよ・・・たとえ話」
妹「・・・」
男「そっか」
男「ま、安心しろ。女友さんは俺なんか相手にしないし」
男「もう勝手に電話にでちゃ駄目だぞ」
妹「・・・・」
妹「はい。申し訳ありませんでしたお兄様」
男(妹が問題無いって言ってるのに安心しろってのも変な話しだな)
女友『イタズラねぇ』
男「何か変な事いってた?」
女友『お兄ちゃんの事が大好きだって言ってた」
男「は?」
女友『私だってあなたのお兄ちゃんの事好きだよって言ってやったわ』
男「え?す、好き?それって・・・」
女友「男と一緒だと楽しいもんね」
女友「大好きなお友達」
男「はは、まぁそんなもんだと思ったよ」
女友『明日の話し』
女友『明日も遊びに行こうよ?』
男「まぁいいけど」
女友『なによその、まぁって。今週はずっと暇でしょ?』
男「今週?」
女友『おっと・・・』
男「でも俺金ないぞ?」
男「公園?」
男「滑り台でもすべるの?」
女友『それもいいわね』
男「はは、制服だとスカートめくれるな」
女友『見たいの?』
男「変な事いうなよ」
女友『変な事っていうの失礼ね』
男「ああ懐かしいな」
男「昔家族で行ってた」
女友『あそこ行こうよ』
男「たしかに暖かいし、久々に行ってもいいかも」
女友『でしょ?じゃー帰りにね』
男「おう」
女友『あと、あそこの公園には滑り台はあるわよ』
女友『じゃ』
男「・・・」
男「あ、いいよ~」
妹「失礼します」ペコリ
男「うん。何かようかな」
妹「お兄様携帯持ってる・・・」
男「あ、電話してたんだ」
妹「・・・」ム
妹「きょ、今日一緒に寝ても宜しいですか?」
男「ええ」
男「だ、駄目っていうか」
男(律儀に枕なんて持ってきてる・・)
妹「お兄様?」
男「・・・」
男「はぁ、良いよ」
妹「良いんです?」
男「うん。良いよ」
妹「本当に?」
男「うん」
妹「嫌な事・・・・」
妹「・・・嫌な事ですか」
男「黙ってちゃわかんないぞー」グシャグシャ
妹「あ、もう!グシャグシャにしたら嫌です」
男「はは、ごめん」
妹「もー・・・お兄様ったら」
妹「・・・」
男「なんだよ」
妹「お、お兄様が」
妹「お兄様が、その」
妹「仲良くしてたら嫌です」
男「は?」
妹「だから・・・」
妹「だから・・・」
妹「ん」
男「?」
妹「・・・・」
男「はは」
男「今も嫌な気持ち?」
妹「いえ・・・今は」
妹「とっても良い気持ちです」
男「良い気持ちなのか」
妹「はい。お兄様と一緒なので」
妹「なので良い気持ちです」
男「そうかそうか。もっと撫でてやる」ナデナデナデナデナデ
妹「もう、お兄様ったら」
妹「寝ました」
男「寝てないじゃん」
妹「寝たらもったいないじゃないですか」
男「もったいない?」
妹「せっかくお兄様と一緒なんですもん」
妹「もっと起きていたい」
男「寝坊するかもよ」
妹「それでも良いんです」
男「良くないでしょ」
男「こうって?」
妹「だから・・・ずっとずっと」
妹「一緒にお兄様と日々を過ごしたいんです」
男「一緒だろ?いつも」
妹「そうですね。今は」
妹「でも離れてしまうかもしれないじゃないですか。これから」
男「・・・・例えば何さ」
妹「例えば・・・・結婚」
男友「この時期に?」
男友2「男子かな女子かな?」
男友99「女子なら良いな!男子だったうーん」
男友「そういう事言って後から弄りづらい奴だったら困るからやめとけ」
男友2「それもそうだ」
女友「♪~」
女友2「最近機嫌良いねぇ」
女友「まぁーね」
先生「では入れ」
男友「おー」
男友2「女子だ女子だ」ヒソヒソ
男友3「結構可愛いな」ヒソヒソ
男「確かに。何かきれい系じゃないくて可愛い系だな」ヒソヒソ
女友「・・・」ジー
男(女友さんから視線を感じる)
転校生「あーーー男君だ!」
男友「え、え、知り合い?」
男友2「どゆこと?」
女友「どゆこと?どゆこと?」オロオロ
女友2「お、落ち着いてよ女友」
男「え、えー・・・」
男(全然見覚えない・・・)
男(いや・・・待てよ見覚えはあるかも)
転校生「男君私の事忘れちゃったの-!?」
男「もしかして、小3まで隣にすんでた?」
転校生「そーそー!やっと思い出したのね」
男「あ、あー・・・転ちゃんかぁ・・・懐かしいなぁ」
転校生「忘れるなんて酷いよー!私ずーっと覚えていたのに」
男「てか、おい。お前も転ちゃん知ってるはずだぞ。同じ学校で」
男友「え?」
転校生「あなた誰?」
男友「・・・・」
転校生「ねーねー男君学校案内してよ」
男「案内?」
転校「そーだよ?私不安なのよー一人で急にこの学校来て」
転校「食堂の場所とか。ね?」
男「ん・・・そうだね」
女友「私もついて行って良いかな?」
男「女友さん?」
転校「う、うーん」
女友「だから、私もついていく。良いよね?男?」
男「まぁ俺は」
転校「男君・・・」ジー
男「う」
男「・・・ま、まぁ」
女友「何さ」
男「転ちゃんも初日だし、ここは俺が案内するよ」
転校「仲良くして下さいね」ニコニコ
女友「う、うん・・・良いのよ~」
転校「じゃ、男君!行こ!?」
男「そだな」
男「あ、じゃね女友さん」
男「あれ?何か怖い顔じゃない?」
女友「そんな事ないわよ~」
女友「じゃあね~」
男「そうだね!久しぶり」
転校「私と久々に会えて嬉しー?」
男「うん、もちろん」
転校「その割には忘れてたみたいじゃないさ」
男「は、はは」
男「それはアレだよ、転ちゃんが可愛くなってたから」
転校「あっはは。もー男くんったらぁ」
転校「男君も格好良くなってるよぉー」ダキ
男「あ、ちょっと、ここ学校だから・・・それにもう子供じゃないんだよ」
転校(ああ、男君と9年ぶりの再会だけど男君格好良くなってるなぁ)
転校(こんなに格好よくなってるなって・・・私の想定外だよ)
転校(うんうん私の想定を超える格好良さ)
転校(私の妄想に出てくる男君よりも数段格好良くて○○しちゃいそう)
転校(それにしても・・・)
転校(あの女・・・・名前はなんだったっけ?要注意ね~)
転校(男君と付き合ってるのかな?ふふ、それはない、か)
転校(だってあんな子、男君にふさわしくないよ。選ぶわけない)
転校(仮に付き合っていても奪っちゃえばいいのよ・・・そうそう)
転校(私の方があの子より可愛いしね)
転校「ふふ。男君と会えたのが嬉しくって!」
転校「感極まっちゃってるの」
男「大げさな」
転校「大げさじゃないよ~」
転校「私ね、男君の事考えない日はなかったんだよ?」
男「え、どゆこと?」
転校「どういう事だと思う?」
男「え、な、なんだろ・・・」
転校(この感触なら落ちるのも時間の問題ね)
転校「じゃあわからせてあげようか?」
男「え?」
転校「ふふ・・・男君」
転校「私昔言ったでしょ??男君と結婚・・・」
男友51「あー男殿!こちらにいらっしゃったか」
男友51「さがしましたぞ。これ、借りていたCDでござる」
男「お、さんきゅ」
転校「・・・」
男「昼休み終わっちゃったね」
男「もどろっか」
転校「うん」
男「元気ないね?」
転校「!」
転校「んーん。そんな事なーいよ」ダキ
男「あ、また抱きついてきて」
男(転ちゃん体の方も成長してるんだな・・・こんなに柔らかく)
男「って、戻ろ?」
転校「うん!そうだねー」
男「かえろかえろ」
転校「男くーん」
男「ん、何」
転校「かーえーろ?」
男「うん、そd」
男(あ、そうだ今日は女友さんと約束があるんだ)
男「ごめん。今日は一緒には帰れないんだ」
転校「えーどうしてー?残るの?待ってるよ?」
女友「男は私と帰るの。だから貴方とは帰れない」
女友「おわかりかしら」
女友「ふん」
男「ごめんね」
男「じゃ、行こうよ」
転校「待ってよぉ。二人は遊びにいくの?」
男「まぁ・・・そんな物だよ」
転校「じゃあ私も」
女友「だめ!行こ?男」グイ
男「うわわ・・・じゃねー転ちゃん」
女友4「ねー転校ちゃんって家近いんでしょ-?」
女友5「一緒に帰ろうよ!」
転校「・・・・・・・」
女友4「転校ちゃん?」
転校「んー?」
転校「うん!一緒にかえろー!」
女友「あ」
女友「・・・」
男「女友さん?もしかして何か怒ってる?」
女友「む」ズイ
男「う、何?近づいてきて」
女友「怒ってるように見える?」
女友「わ、た、し、が!怒ってるようように見えるかしら!」
男「み、みえない・・・です」
男「そだよ。幼馴染み」
男「生まれた日も一緒で病院も同じなの」
女友「ふーん運命の人みたいな?気に入らない」
男「何がさ」
女友「別に」
男「双子みたいだって。向こうの方が生まれたの遅かったから」
男「最初はお兄ちゃんとかよばれてたな、そういえば」
女友「今も読んでたら変よ」
男「はは、確かに」
女友「あいつ?」
男「あ」
男「まぁそんな感じだよ。転ちゃんとは」
女友「ふーん」
女友「じゃあ恋人同士とかって訳ではないんだ」
男「な、何言ってんのさ。あいつは可愛いし俺なんか」
女友「・・・」
男「そこまで言わなくても」
女友「ここには男の事、相手にしてる女の子がいるけど」
男「え」
男「どういう意味?それって」
女友「どういう意味でしょ」
男「・・・・」
女友「・・・」
男「え?」
女友「鯉・・・池で泳いでるの」
男「あ、そうだね」
男「そっか、鯉か」
女友「私ね魚が好きなの」
男「魚が?」
女友「うん。というよりも水が好きなのかも」
女友「水の音を聞いてると気持ち良いいんだ」
男「少し気持ちわかるかも」
女友「そうだね。もうこんな時間」
男「帰る?今日少し寒いよ」
女友「確かに。寒いね」
男「帰ろうか」
女友「うん・・・帰ろう帰ろう」
女友「あ、ユーフォーだ」
男「え、どこどこ!どこどこ!?」
女友「えい」
チュ
男「今、頬に」
女友「うんキスした」
男「何で・・・」
女友「何でだろ」
女友「焦っているのかも」
男「焦るって」
女友「嘘じゃないよさっきの」
女友「さっきの、話」
女友「さ、帰りましょう帰りましょう」
男「・・・」ボー
男「うん。また明日」
女友「私が抜け駆けだね。少しずるいけど」
男「抜け駆け・・・」
女友「勝った者勝ちだからね」
女友「ばいばーい」
男「ば、ばいばい」
男「・・・」
男(お、女友さん何で急に)
男(まさか・・・やっぱり自惚れじゃなくて女友さん俺の事)
男(早とちりしちゃ駄目かな?いいや、早とちりじゃないよな)
男(だって頬にキスしたし)
男「まだ感触が残ってる・・・」
男(柔らかかったな)
男「っと・・・もう家か。考え事してたから早かったな」
転校「やーおかえりー」ダキ
男「うわ・・・転ちゃん?」
転校「ふふー来ちゃった」
男「転ちゃん、何で」
転校「もーもー!何でーって」
転校「私が来たら嫌?迷惑・・・かな?」チラ
男「そ、そんな事ないけど」
男(転ちゃんおっちょこちょいだなぁ谷間見えてる)
転校(男君わかりやすいなぁ私の谷間覗いてる)
転校(見せてるんだけどね)
男「懐かしい?よく覚えていたね」
転校「もっちろん!男君の事だもん」
男「はは、何さその言い方」
転校「ふふー・・・どういう意味だと思う-?」
男「え、どういう意味、だろ」
転校「ふっふっふ」
転校(そうよ。あの変な子とは付き合ってないって今日聞いたし)
転校(そうじゃなかったら、このアドバンテージはぬぐえないわよね~ご愁傷様~)
転校「遊びに来たに決まってるじゃん」
転校「酷いよ男君」
男「ごめん」
男「じゃあ中に」
男(いや待てよ)
男(そういや昔は妹と転ちゃんの中が悪くて家には入れてなかったような)
男「・・・」
男(でも、お互いもう高校生。あの時とは違うんだ)
転校「男君?」
男「いや何でもないよ」
男(妹はまだ帰ってきてないと思うけど)
男(まぁいても別にいいか。いらぬ心配)
妹「おかえりなさい。お兄様」
男「あ」
妹「随分遅く・・・あら?お客様ですか?」
転校「あー妹ちゃんだ。久しぶりー綺麗になったね」
妹「貴方は・・・」
男「懐かしいだろ?転ちゃんだよ」
妹「・・・・・・」
男「何を黙ってるんだ?」
妹「別に」
妹「お久しぶりです。転校さん」ペコリ
転校「あっはっは。他人行儀だよ転ちゃんで良いって」
男(やっぱり高校生だもんな俺等。仲よさそうにやってて良かった)
転校「ありがとう妹ちゃん!」
転校「相変わらず綺麗な言葉使いだね」
妹「癖みたいな物です」
転校「ふふ」
妹「何か?」
転校「いえいえ。何も」
男「三人で話そうぜ」
転校「そうだね」
妹「少しお待ち下さい、威亜お茶の準備を」スタスタ
男「ああ。今でも甘えん坊だよ」
転校「甘えん坊?何かあったの?教えて教えて」
男「えー」
男「じゃあ内緒な?妹に」
転校「うんうん!こっそりね」
男「前一緒の布団で寝た」
転校「!!!!!!!!!!!!!!!」
転校「・・・」
転校「普通に寝ただけ?」
男「?」
男「ああ、しりとりとかしたな」
転校「ふーん」
男「?」
転校(そっかそっかそっか。この感じだと変な事はしてないんだ)
転校(でもアイツ。ま~だ男君の事・・・キモ!)
転校(あんな親族持って可哀想な男君。私が何とかしなきゃ駄目だよね)
男「な、何?近づいてきて」
転校「良いじゃん良いじゃん仲良くしよーよぉ」
転校「昔はこうしたじゃん」ムニュ
男「う・・・でも昔とは違うし」
男(女の子の体って柔らかくて良いにおいだよな)
転校「何が?何が昔と違うのかなぁ」
転校「男君?」ムニュムニュ
男「あ、いや・・・・その」
妹「お持ちいたしました」
男「あ」
転校「あー」
転校「待ってたよ~妹ちゃん」ギュウ
転校「二人で仲良く・・・ね?」
男「うん」
男「はは、困っちゃうよな。転ちゃんったら昔のままだもの」
妹「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
妹「・・・・・・・・・・・・」
男「妹?どうかしたか?」
妹「いえ、別に」
転校「そうだよ」
転校「質問してるんだから答えないとキャッチボールにならないでしょ?」
妹「ん・・・・」
男「?」
男(心なしか転ちゃんの声が冷たいような)
男「はは~お前モテるのになぁ」
妹「私は良いんです。そういうのは」
妹「お兄様がいますから」
男「はは」
男(甘えん坊だなぁ)
転校「え~それって少し変じゃない??」
転校「だってお兄ちゃんがいるから恋人を作らないなんてさ」
転校「男君のせいみたいじゃん!」
妹「・・・・・・」
男「あ、うん・・・でも俺も寂しいかなぁ」
妹「え?」
男「お前が恋人とか作るって考えるとさ」
男「複雑な気分」
妹「そ、そう・・・ですか」カァ
妹「じゃあ・・・・私は」
転校「・・・・・・」
転校「あーそうだー!ねぇ男君」
転校「あの女友さんって子だれ?」
転校「仲良かったよねぇ・・・あの女の子と」
転校「私少し焼き餅だよ」
転校「最初恋人かと思ったもん!」
妹「お兄様が・・・恋人」ボソ
転校「・・・・」クス
転校「少し怖そうだけど可愛いもんね~」
転校「あの子と最近いっつも一緒にいるみたいだし」
転校「今日も遊びに言ったんでしょ?」
転校「あの女の子と」
男「あ、そ、それは」
男「私という物って」
転校「そうでしょ?だって昔結婚しようって何回も約束したよ?」
男「子供の時の話だし・・・」
転校「男君・・・高校生の私見てどう思う?」
転校「可愛くない?」
男「え・・・べ、別に、うん。可愛いと思うよ」
転校「じゃあ、女友さんと遊ぶのやめてよ~」
転校「昨日も二人で帰ってたって聞いたよ~もー」
妹「・・・・」
男「うん・・・じゃあ」
転校「妹ちゃんもねー」
妹「はい」
転校「良い彼氏見つかると良いね!」
転校「あ、男君に彼女ができるのが先かな?」
妹「・・・・・・・・・・」
転校「じゃね~男君、今日また連絡するから」
男「ああ・・・・」
妹「・・・・・・・・・・・・・・」
男「・・・・」
男「・・・も、もうそこそこ遅いな」
男「・・・」
妹「・・・」
妹「・・・嘘ついたんですね」
男「・・・」
妹「私には言えない事でしたか?」
男「そ、そんな事ない」
男「けど・・・」
妹「・・・」
妹「あの時・・・の事はそういう事だったんですね」
男「あの時?」
男「あのさ女友さんとは」
妹「私はお兄様に嘘などついたことはないのに」ポロポロ
男「妹・・・」
妹「う、グス」
妹「酷いですよ!お兄様」
男「お、落ち着いてくれよ」
妹「嫌です!嫌嫌!」
妹「お兄様が私いがいを優先するのは嫌です!」
妹「お、お兄様が私を見てくれなくなるのは嫌!}
男「お、落ち着けって」ガシ
妹「嫌!嫌嫌嫌!!!」
男「う・・・何?」
妹「わかりました」
妹「もうわがまま言いません」
男「は?」
妹「私、もっと良い子でいます」
妹「ですからですから」
妹「私とずっと一緒に居て下さい」ポロポロ
男「妹・・・」
男「あ、女友さん」
妹「おはようございます」ペコリ
女友「うん。おはよ」
男「珍しいね。朝会うなんて」
女友「ふふ。そうだね」
女友「実は待ち伏せしてたりして」
男「え?マジ?」
女友「嘘、嘘」
男「報告?」
女友「今日の帰りも遊びに行きましょ?」
転校「遊びですかー?私も一緒に行きたいです!」
女友「む」
男「あれ、いつの間に」
転校「酷いよぉ。朝は一緒に行きたいのにぃ」
男「そんな事言われてないし」
転校「言って無くてもしてよぉ」
妹「ええ。おはようございます」
転校「うん!」
転校(あれ~おかしいなぁ。何かけろっとしてる)
転校(結構ダメージ与えたと思ったのになぁ)
転校(ま、私は男君との恋を邪魔する人は蹴散らすだけだけど)
転校(今日の男君も格好いいな♪)
女友「じゃあ、ここに」
男「うん・・・」
転校「あー私にも教えてよ」
転校「何か言いましたかぁ?」
女友「なーんにも?」
転校「ふふふ。そうですか」
転校「男君!帰りは私とかーえろ」ダキ
男「うわ・・・ちょっと」
転校「私ここに引っ越してきたばかりだから案内して欲しいなぁ」
男「でも・・・・さっき」
女友「嬉しそうだねぇ」
男友39「あ、男君」
男「あ、デブの男友39君。何?」
男友39「あのね今日の帰り一緒に食べ歩きに」
転校「駄目だよ~男君は私との予定があるんだから~」
男友39「あ、あ、そうなのねそうなのね」
男友39(男君あんな可愛い彼女いて羨ましいなぁ・・・今日はやけ食い決定)
男「あのさ転ちゃん」
転校「んー」
転校「そんなの関係ないよぉ」
男「へ」
転校「だって私が、男君にお願いしてるんだよ?」
転校「普通私の事優先するでしょ」
男「転ちゃん、何言って」
転校「あ」
転校(ちょっと感情的になっちゃった。反省反省)
転校「冗談だよ~ね?一緒に帰ろ?帰ろ?」ギュウ
男「あ、ちょっと」
女友「ふん」
男友74「今日のおいどんの部活のヘルプきてつかーさい」
男「無理かなぁ」
転校「男くーん」
男「あ」
転校「へへ。準備できたよ?さ、行こ?」グイ
男「わわ」
男友74(あんな可愛い子とと・・・羨ましいでごわす)
女友「・・・・」グイ
男「うわ・・・女友さん?」
転校「む」
転校「ちょっと男君の手つかまないで下さいよ~男君ケガしちゃう」グイグイ
女友「そっちが離したらケガしないんじゃない?」グイグイ
男「い、痛い」
転校「私は男君の事離さないから女友さんが離して下さいよ~」
転校(やっぱりこの女は油断ならないわねー)
女友「私も・・・離す気はないかも」
男「あの・・・・」
転校「あ、そーだ」
転校「男君?男君が決めてよ!」
転校「男君。どっちと帰りたい?」
転校(ふふ、最初からこう言えば良かったんだよ)
転校(男君は私を選ぶに決まってるし)
転校「男君早くかえろ♪」
女友「男」ジー
男「む・・・」
男「俺は」
女友「今日は違う場所なんだぞ」
男「違う場所?」
女友「ここ、ここ」
男「うわ・・・桜だ」
女友「そうそう。凄いでしょ」
男「満開だね。本当に綺麗」
女友「私のお気に入りだもん」
男(何か女友さんいつもと雰囲気が違うな)
女友「んーまだ早いかなって」
男「早い?」
女友「そう・・・私ったら焦ってるみたい」
男「焦るって」
女友「ここはね。私のお気に入りの場所」
女友「そして、私にもし好きな人ができたら」
女友「一緒に来たいって。そう思ってた場所」
男「・・・綺麗な桜を一緒にって事?」
女友「それもあるけど、圧倒的な景色で私の緊張をほぐせるようにって」
男「緊張」
女友「告白とか」
男「告白・・・」
女友「・・・・・」
女友「男」
男「・・・ん?」
女友「・・・私が貴方をずっと好きだったから付き合ってって言ったら何て答える?」
男「・・・・」
男「俺も付き合おうって。答えると思う」
女友「それじゃあ」
男「な、何するの?」
女友「動くな」
女友「ん」チュ
男「んむ・・・」
女友「・・・ファーストキス」
女友「貴方にあげる」
転校「つ、つ、付き合うって女友って子と?」
男「うん」
転校「駄目!!!!」
男「駄目?」
転校「駄目だよ!そんなの絶対の絶対に駄目!!」ガシ
転校「どうかしたの?男君が恋人にするべきは・・・わ、私でしょ?」
転校「ね?ね?そうでしょ?」
男「転ちゃん・・・」
転校「男君?」
男「じゃあ、言わなきゃ」
男「俺、転ちゃんを友達としか見れないよ」
男「ずっと言ってたでしょ?」
転校「でもあれは・・・」
転校「お互い・・・子供で」
男「今も、俺は変わってないよ」
転校「嘘・・・・嘘よ・・・」
転校「・・・・」ブツブツ
男「転ちゃん?」
転校「・・・・・・」
男「先、戻ってるよ?」
転校「・・・・・・・あはは」
男「転ちゃん?」
転校「認めない」
転校「私絶対認めないわ」
転校「男君の事ずっと好きで、男君のために生きてきたんだもん」
男「俺の為って、オーバーな」
転校「オーバー?そんな事あるわけないじゃない」
転校「男君が喜びそうなメイクをして」
転校「男君が喜びそうな趣味を身につけて」
転校「男君が喜びそうな女の子になったんだもん」
転校「その責任は取ってもらうわ」
男「・・・・」
女友「転校さんはあれからどうなの?」
男「うん。それが変なのは、あの時だけで」
男「全然普通なんだよ今まで通り」
女友「へー・・・手強い」
男「手強い?」
女友「そうよ。負けないから私」
男「何が?」
女友「なんだろーね」
女友「うんうん」
男「もう連続5日目だよ?」
女友「良いじゃない綺麗だし」
女友「明日も1年後も10年後も」
女友「何回でも行きましょう」
女友「それに、あの場所じゃないとまだ恥ずかしくて」
男「チューができない」
女友「こら」バキ
男「あいた」
男「はは、変なの」
男「なんの気合い?」
女友「女の戦いは終わってないのよ」
女友「さ、じゃあ気合いを貰うから目をつぶりなさい」
男「やだ」
女友「へ?」
男「俺から、するよ」
女友「え」
チュ
男「女友だって急にするでしょ?」
女友「最近はそんな事ないです-」
女友「もービックリさせおって」
女友「でもちょっと嬉しかったかな?」
男「ちょっとか」
女友「本当は凄く」
男「はは、ありがと」
女友「次は私から!」
女友「大好きだよ男」
男「ただいまー」
妹「もう遅いです」
男「ごめん。最近日が長いからさ」
男「すっかり時間の感覚が」
妹「女友さんとデートそんなに楽しかったのですか?」
男「意地悪く言わないでくれよ」
妹「お兄様、今日女友さんとキスしましたか?」
男「え」
妹「しましたか?」
男「う」
男「した」
妹「何回?」
男「3回」
妹「では私には6回して下さい」
妹「倍して下さいお兄様」
男「良いよ。受けて立つ」
妹「ふふ。お兄様素敵です」
妹「私とずっと一緒に居て下さい」ポロポロ
男「妹・・・」
妹「私・・変なんですお兄様が一緒じゃないと苦しくなって」
妹「息ができないくらい胸が寒くて重くて」
妹「霧がかかったように前が見えなくなるんです」
妹「ですから、私を捨てないで下さい」
妹「お兄様にいなくなられたら・・・私・・・私」ポロポロ
男「妹、でも」
妹「お願い・・・お兄ちゃん」ボロボロ
妹「はい?何でしょう」
男「お前はさ、今の関係でいいの?」
男「俺には好きな人がいて付き合ってるんだぜ?」
男「でもお前はその・・・」
妹「お兄様を愛しています」
男「・・・」
妹「良いのです。私はお兄様が側にいてくれればそれで」
妹「お兄様」
男「何?」
妹「私はいつもお兄様をお慕い申しております」
end