男「ん?道端に何か落ちてるぞ?」
男「なんだ、ビニール袋かと思ったら猫か」
男「えっと、この場合可燃か不燃か…」
猫「ま、まだ生きとるわぁ…」
男「おお動いた!生きてるのか、おい元気か!?元気はあるか!?」
猫「元気あったらここに倒れてねぇ…」
男「ええい、見つけてしまった以上見過ごす訳にはいかん!連れて帰るぞ!」
猫「人間も捨てたものじゃないんだな…」グスッ
男「ビニール袋しかないけど我慢してくれよ!」ブボッ
猫「フギャッ!」
男「よーし全速力で帰るぜぇぇええ!!」キコキコキコキコキコキコキコキコ
猫「あばばばばばばばばば」ガクガクユサユサガツタンガッタン
猫「」チーン
男「おっとそうか、まだ名前が無いのか。よーし即興で俺がスタイリッシュな名前をつけてやろう!」
名前候補>>下3レス
猫「うぅ…今気づいたけど俺、あのまま道端に倒れてたほうが幸せだったんじゃね?」
男「まずは「鰹節」!」
猫「食いたいわ」
男「続いて「ぬこ」!」
猫「ネットでよく見る猫の呼称じゃねえか。個体名じゃねえよ」
男「そして最後に「ぽち」!」
猫「猫ですらねぇ!」
男「さあ、好きな名前を選べぃ!ぬこ節!」
猫「マシなネーミング混ぜんな。どれもロクなもんじゃねぇ」
男「よし、名前も決まったところでそのクッソ汚い体を洗ってやろう」
猫「風呂とかカンベンな」
男「さてと洗濯機、洗濯機…レノアでいけるよな」
猫「シャワーあびたいなぁ!」
猫「まさかスポンジ代わりにされるとは思わなかったぜ」ホカホカ
男「さてと、綺麗にした事だし次は…」
猫「腹減ったから何かくれ」グゥー
男「何だ腹減ってるのか。なら早く言えよ」
猫「言葉通じるかぁ」
男「えーっと、冷蔵庫の中は…っと、チョコとイカとタマネギと…」
猫「それ全部猫にとって猛毒だからな!?」
エサ候補>>下3レス
猫「いやもうミルクでいいから…」グゥー
男「ほれ!まずは仔羊の背肉 リンゴソース掛けだ!」ドンッ
猫「本格イタリアン!?おぉう…何か、胃腸の調子が良くなりそうだな」
男「まだあるぞ!昨日の焼き秋刀魚の残りとご飯を混ぜた猫まんまだ!」ドドンッ
猫「天国かここは!!」
男「まだまだっ!シメはこれだぁ!松阪牛!」ドドドンッ
松阪牛「よう」
猫「ワイルドすぎ!」
男「さぁ、たらふく食えぇい!!」
猫「牛一頭はどう考えても無理だろ!」
松阪牛「畳美味ぇ」モシャモシャ
猫「豪華すぎて恐怖すら覚えたんだが」ケフッ
男「さて、洗ったし飯も食わせたし…」
男「そろそろ美少女になって恩返ししてくれるかな?」
猫「できるかぁ。俺オスだわぁ。このタマ袋が見えんのかぁ」
男「あと猫って何が必要なんだっけ…戒名?」
猫「やめろ!俺は生きる!」
男「小屋は別にいらないだろうし、他に何がいるかな。よし、ググるか」
ぬこ節に必要なもの候補>>下3レス
猫「おうマトモな回答で安心したわ」
男「よっしゃ!んじゃ早速隣の公園の砂場いってくらぁ!」
猫「おい待て頼むから1レスぐらい安心させてくれ!!」
男「待たせたな!」
猫「早っや!」
男「ほれ砂だぞ!これでトイレし放題だな!」ズササーッ
猫「せめて何か箱とかに入れろよ!」
男「ついでに雌猫いたから連れてきたぞ!」
雌猫「にゃにゃっ!ここどこにゃ?ここどこなのにゃ!?」
猫「軽々しく拾ってくんな!飼い猫だったらどうするんだよ!」
松阪牛「畳食うか?」
猫「野に帰れぇえ!!」
男「おお、この雌猫めっちゃビビってるぞ」
猫「そりゃ初対面の人間にいきなり拉致されたら漂流教室レベルにテンパるわ」
松阪牛「落ち着きなさいお嬢さん」
猫「あとこんなデカい生き物もいるしな」
雌猫「助けてぇー!食べないでー!美味しくないにゃあ!」
男「おーい猫。この雌猫どうする?子作りするか?」
猫「相手選ぶ権利ぐらいあるわ」
雌猫「え、ひどくない?」
男「よーし、この雌猫も名前つけないとな!」
猫「いや返してやれよ…あとこの牛も何とかしろよ。畳無くなっちまうぞ」
雌猫の名前候補>>下レス
雌猫「ひどくない!?」
猫「猫なのにブタとは」
松阪牛「いともたやすく行われるえげつない行為だ」
男「ハハッ、喜んでくれたみたいだな。あっはっはっ痛い痛い」
雌猫「年頃のオンナのコに向かってブタとかにゃんにゃの?にゃんにゃの!?」ガブガブ
猫「おー、もっとやってやれ」
男「教育的指導!」ガブッ!
雌猫「フギャッ!」
男「よし大人しくなった。さてこれからよろしくな3匹共」
猫「自然に牛までこのまま加える気かよ」
雌猫「うぅ…お腹噛まれたにゃ…」
松阪牛「ベランダの雑草マジ美味ぇ」モシャモシャ
猫「バカヤロウ、段ボール箱なんて六本木ヒルズ並の高級住宅じゃねぇか」ズボッ
雌猫「そうにゃそうにゃ!」ズボッ
牛「どれ、では俺も」メキメキグシャァ
男「牛さんはベランダでお願いシャッス」
牛「せわしないな」ドスドス
男「さて、これでエサも寝床も用意出来た。仲間も作った。あとは何がいるんだ…?」
猫「動物飼うなら知識がまず第一だろ」
雌猫「無知な飼い主って死神も同じにゃ」
猫「だからお前の知識だよ」
雌猫「あと常識とデリカシーにゃ」
牛「落着きも足りないな」
男「…そうか!避妊手術が必要なんだな!」
猫「ヒィッ!」
雌猫「去勢にゃ!?」
男「よーし、じゃあ早速キッチンから包丁を…って駄目だ!俺やったことねぇや!」
猫「経験あったら怖ぇよ!あと包丁って食う気か!食う気なのか!?」
雌猫「やったことあったら実行する気だったのかにゃ…怖いにゃこの人間…サイコにゃ、現代社会が生み出した闇にゃ…」
牛「タンポポうまっ」モキュモキュ
猫「助かった…あやうくオカマにされてしまうところだったわよ…」
牛「恐怖とショックで若干心がメスに寄っているぞ」
雌猫「あの人間、手術って言えてないにゃ。チクショウちょっと萌えた」
男「でもまぁ、エサも寝床も仲間も用意出来たし、あと必要なのって言ったら…」
男「…駄目だ思いつかない。よし、電話で聞いてみよう」スタンディングバイ
猫「そうそう、そうやって他社の知恵を借りろ」
男「……あ、もしもし久しぶり。ああそうそう。息子の親権めぐって裁判所で会った以来か元気ー?」
猫「誰に知恵借りてんだよ!友達いねえのか!?」
男「…よし、かつて一緒に区役所に陰々届を提出しにいった相手にアドバイスもらってきたぞ!」
猫「一言元嫁、でいいだろ」
男「前の職場で従業員見捨てて逃げた社長に聞くか、どっちか迷ったんだけどな」
猫「人選!」
雌猫「ってか連絡つくならその社長サン捕まえろにゃ」
男「何かニャーニャーいってるけど俺ヒューマンだしわかんねぇや」
男「さてと、アドヴァイスによると、あと猫を飼うのに必要なのは…」
猫「何で若干ネイティヴな発音なんだよ」
元嫁からのアドバイス候補>>下3レス
猫「ヒィッ!」タマヒュン
男「それと「鮭は実は白身魚」なんだってさ。へぇー」
雌猫「へぇー」
牛「へぇー」
男「んで最後に「週一なら息子に会っていいよ 」……」グスッ
男「うぅ…今まで4年に1回しか会えなかったのに…」
雌猫「オリンピックか」
男「もう随分大きくなったんだろうなぁ…龍神丸…」グスン
雌猫「なんつー名前!DQNネームというか漁船みたいにゃ!」
猫「あばばばばばばば…」ガクプル
猫「いーやぁー!助けてっ助けてぇー!オカマになりたくないー!!」ジタバタ
男「こら暴れるな!とうっ!」トスッ
猫「はう」カクン
男「ふう、延髄チョップって猫にも効くのな」
雌猫「南無…」
牛「家庭菜園めっちゃ美味ぇ」バリボリ
男「よーし病院いくぞー。なぁに、痛みは一瞬だ」
ピンポーン
男「うん?何だ人が今から猫のタマもぎ取りにいこうとしてるというのに…」
猫「」チーン
男「どちらさまですかー?宗教ならウチはルヒタニ教ですけどー」ガチャッ
ガチャッ
雌猫「あ、戻ってきたにゃ」
男「…」
男「エサとか寝床とかより、もっと大事な、必要なモノがあったの今思い出したわ」
男「ウチ、ペット禁止だってさ」
こうして猫のタマは守護(まも)られた。雌猫はその後まともな人間に拾われ自分を曲げずにそれなりに幸せに暮らし、牛はスペインに渡り今日も元気にマタドールを跳ね飛ばしているらしい。
そして猫は…
男「今日もストレスフルスロットルで仕事してきたぜ晩飯出来てる?」
猫「お疲れさん。ほれ、いつもの調子だけど」
男「おお!焼き秋刀魚に鰹節ご飯か!流石は猫節!」
猫「俺結局その名前なのな」
男「いやぁ、家に帰って温かいご飯があるって嬉しいよなぁ…」
男「それにしても…なぁ?」
男「まさか本当に美少女になるとはビックリだわ」
猫(美少女)「俺もまさか去勢されたら転生するとは夢にも思わなかったわ」
HAPPYEND!
ベランダでニャーニャー喧嘩してる近所の飼い猫見てたらふと書きたくなったので発作的に描いた。
そして誤字ってこの世の終わりを覚悟したけど龍が如く6の発売日が決定したのでもう少し生きることにします
いやホント色々マジごめん
もう少し続けても良かったよ?
乙