友「なにそれ?」
男「ほら、よくスタバに行く奴は意識高い系だなんていわれるじゃん?」
友「ああ、聞いたことはある」
男「そういうイメージを払拭するために、スタバが試験的に開店したんだってよ」
友「面白そうだな……行ってみるか!」
友「いかにもプレハブ小屋を改装しましたって感じだな」
男「あっ、見てみろ!」
友「?」
男「スタバ名物の女の人の顔が、もろ手書きで描かれてる!」
友「ホントだ! しかもヘッタクソだなあれ!」
男「さっそく入ろうぜ!」
男「うわっ……」
友「スタバの店員ってものすごく愛想いいのに……」
店員「注文は?」
男(“ご”をつけろよ……)
友「えーっとメニューは……」
大 500円
中 400円
小 300円
男「え、これだけ!?」
友「しかも大中小って……」
男「スタバのサイズ表記って、トールだとかショートだとかオシャレなのにな……」
友「俺も」
店員「あざーっす」
店員「……」サッサッドボドボ
男「思いっきりネスカフェにお湯注いでるんだけど」
友「いや、ネスカフェ美味いけどね? せめて見えないようにやってくれ……」
男「どうも」
男「……どこの席も汚いなぁ」
友「全然掃除されてないな」
男「ここが比較的キレイだ。座ろうぜ」
友「おう」
友「……」グビッ
男「ネスカフェだな」
友「ああ、ネスカフェだ」
男「にしても……」
モクモク… モクモク…
男「ケムいな」
友「喫煙オーケーな上、全然分煙されてないからな」
男「ちょっとトイレ行って来る」
友「おう」
男「カギついてねーのかよ!」
男「しかも、ところどころ汚れてやがる!」
男「トイレットペーパーも切れてるし! ああもう!」
友「出る前に、ゴミ捨ててこう」
男「うわ、ゴミ箱一つしかねえ」
友「普通のスタバはゴミ箱沢山あるのにな。プラスチックだとか飲み残しだとか」
男「分別する気ゼロってことか……」
男「……」
男「どうだった?」
友「“意識低い系スタバ”の名に恥じない意識の低さだったな」
男「意識どころか、色々と低かった気がしないでもないけどな」
友「まあ、たまに来る分にはいいんじゃないか?」
男「ああ、また来ようぜ」
男「久々に来てみたら……」
友「“意識低い系スタバ”もう閉店してるじゃん!」
男「やっぱり売上も低かったんだな……」
― END ―