俺「スキルもやりたい仕事のビジョンもない……」
俺「やっぱ今の会社で頑張った方がいいのかな……」
俺「……頭痛が…」
カーチャン『あら?どうしたの?』
俺「もしさ…もし……俺がさ…仕事辞めたいって言ったらどうする?」
カーチャン『…馬鹿な事言っているんじゃないわよ!あんた苦労してやっと内定貰った会社でしょ!?』
俺「う、うん……」
俺「そ、そうだけど……」
カーチャン『トーチャンを見なさい!トーチャン土曜日も祝日も休めない、ボーナスも出ない、昇給もしない本当に小さな会社に勤めているのよ!』
俺「……」
カーチャン『あんた、それと比べたら恵まれているんだから頑張りなさい!』
カーチャン『…どうしてもっていうならカーチャン止めないけどさ、他に行くあてあるの?』
俺「う…」
カーチャン『カーチャン、アルバイトとか契約社員は認めないからね』
俺「……わかった」
カーチャン『……せっかくの大きい会社なんだから頑張んなさい!』
俺「………わかった…それじゃ」
俺「…トーチャンとカーチャン、貧乏なのに大学の学費出してくれたんだからもう迷惑かけたくないな」
俺「あぁ…頭が重い…ズキズキする……」
俺「明日も仕事だ……行きたくねぇな……辞めてぇな………」
俺「」カタカタ
主任「や、俺君」
俺「…はい」
主任「この前の書類結構いいね」
俺「…そ、そうですか!?」
主任「うん、俺はいいと思うよ」
俺「ありがとうございます!」
俺「はい!」
俺(…いい事もあるんだ…もう少し頑張ろうかな)
課長「俺君さぁ…ちょっといい?」
俺「は、はい……」
課長「これ、ダメ」
俺「え?あ、はい……」
課長「もう新人じゃないんだからさぁ……」
俺「…はい」
俺(…また怒られたな……)
俺(いや、悪いのは俺なんだ…俺の能力がないせいで怒られるんだ…これだって少し気を付ければしっかりできるのにな)
周り「」クスクス
俺(…また、俺の事を笑っているんだろうな……)
部長「ハァ…俺君ちょっときて」
俺「は、はい」
部長「これ、なんで今になって報告するの?こういうのあったら最初から報告しないとダメでしょ?」
俺「え?あ、はい……一応主任には報告して」
部長「俺は聞いてない、なんで主任だけなの?」
俺「…すんません」
俺「え?」
部長「課長さぁ…ちゃんと教えてやれよ」
課長「チッ…俺くんさぁ……ネチネチネチネチ」
俺「はい…すんません……すんません」
周り「プークスクス」
俺「……わかりました」
課長「あと、今日はノー残デーだから残業時間残せないから」
俺「……わかりました」
俺(…俺のミスでこうなったんだからしょうがない……)
俺(……しょうがないんだ)
俺「」カタカタッターン
俺(終わった……もうみんな帰っちゃったな…)
俺(ハァ…みんなに迷惑かけてるな……俺がいなければここは上手く回っていたんだろうな)
俺(辞めたい……でも辞めたら辞めたで仕事の人にももっと迷惑かけるだろうな……)
俺(結局この時間か……)
若者「この前〇×さんがなぁ~」
若者「マジっすか!?あの人基本自由っすからねぇ~まぁ仕事できるんで文句は言えねぇっす」
俺「」
俺(あの人たち楽しそうだな……正規かな?非正規かな?なんにせよ、あんなに楽しそうに働けて羨ましいな……)
俺(一歩飛び出せば楽になれる……)
俺(仕事を行かなくて済む…親に怒られなくて済む……未来に怯えなくて済む………)
俺「」
俺(親は悲しむだろうな……)
俺(職場の人間は悲しまないにしろ、迷惑かけるだろうな……自殺だから警察とかに色々聞かれるだろうな)
俺(そうしたら俺は死んでも厄介者扱いだ……憎しみを背負う……)
俺(俺がここで自殺する事でたくさんの人が十字架を背負わなければならない………死んでも迷惑かけるなんて……)
電車「プシュー」
俺(頭痛い……ズキズキする……)
俺(今からじゃ帰ったらすぐ寝るようだな)
俺(寝たら明日が来る…また会社に行かなきゃいけないんだ……)
俺「ハァ~辞めたい」
隣のおばちゃん「」チラッ
俺「っ!ゴホッゴホッ」
俺(声に出しちまったな)
『無能な鬱病の俺がつける仕事なんかありゅwwwwwwwwwwwwww?』
俺「」
俺(頼む……!)
お前ら『無能は社会に不要だからさっさと首吊れ』
お前ら『たった6秒でできる金稼ぎとは…!?』
dat落ち 総レス数4
俺「」
これ結構リアルで好き
俺(やっぱ俺なんか社会でも…ネットでも魅力のない人間なんだな……)
俺(生きている意味あんのかな)
電車「間もなく~川越市~川越市~」
俺「」スタスタ
俺「」ゴクゴク
俺(…学生の時なんか忌み嫌っていた酒に縋らないといけないなんてな……)
俺(俺のミスで怒られているんだ……俺が使えないから怒られているんだ…笑われているんだ)
俺(辞めたらみんな馬鹿にするんだろうな……そんな所見たくない)
俺(それに辞めた所で次の就職先が決まる訳がない……)
俺(どうして俺がこんな苦しい思いをしなきゃいけないんだ……!)
俺(それもこれも…あのクソ上司達と辞めさせてくれない親のせいだ……!!)
俺「」
俺(違う…一番は無能な俺のせいか……)
俺(明日が来る…苦しい明日が……辛い明日が………)
俺(辞める勇気もなければ死ぬ勇気もない……)
俺(頭痛が凄いな…相変わらず)
俺(どうやったらのびのびと生きる事ができるんだろう)
俺「う~頭痛い」
俺「ダメだ頭痛い頭痛い……」
俺「仕事行きたくない」
俺「LINE…」
カーチャン『俺はやればできる子なんだから頑張って!』
トーチャン『悩みがあるなら相談に乗るぞ』
俺「っく……」ズキズキ
俺(ダメだ!それは甘えだ!!)
俺(頑張らなきゃ!どうせ次なんてないんだからしがみ付かないと!)
俺(しがみ付かないと…頑張らないと)ズキズキ
俺(うぅ……頑張らないと)
俺「」バタン
リーマン「大丈夫ですか…?大丈夫ですか!?」
駅員「どうしました?大丈夫ですか!?」
俺「うぅ」ビクビクブルブル
今日無事に退院した
会社は入院中に退職届を出して有休消化の今月いっぱいで辞めますとさ
めでたしめでたし
次のやりたい仕事もねぇし、会社に社員証とか返しに行かなきゃいけねぇし
クソが
休養中なんだから辛いこと考えるな