男「バンドやろうぜ!」 女「だが断る」Part2

333: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 21:01:57.35 ID:3xpOHE6E0

文化祭まであと35日

目が覚めると、妹はもう病室にいなかった

傍に書置きが置いてあった

妹から

どうやらもう町の大きな病院に移ったらしい

___もう、正午を過ぎていた

前作→男「バンドやろうぜ!」 女「だが断る」Part1

334: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 21:09:40.52 ID:3xpOHE6E0

昼頃 電車内

ちび『バンドフェスも終わったし、合宿は終わり』

ちび『ほんとは、もっとみんなで練習したり遊びたかったけど、こうも言ってられないよね』

ちび『妹ちゃん、かならず元気になるよ』

ちび『…それから、新入りくんの荷物は家に届けとくから、安心してね』

ちび『それじゃあ…』

                            From 部長

男 (…返信しなきゃ……)カチカチ

男 (…妹は町の大きな病院に移りました、俺も今から帰ります、荷物ありがとうございました……っと)カチカチ

パタンッ…

男 (……心は不安でいっぱいなのに……)

男 (………何で空はこんなに晴れてるんだろう………)

335: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 21:17:57.66 ID:3xpOHE6E0
町の病院

母「妹!」ガラガラ

妹「お、お母さん!?」ビクッ

母「あんた!心配したのよ!!?何があったのいったい!!!!」タタタ ギュウウッ!

妹「い、痛い痛い!」アセアセ

母「もう!男ったら、何してるのかしら!!男がしっかりしてないから……」プンプン

妹「お兄ちゃんは悪くないよ!!!」アセアセ

妹「悪いのは…私だから……!」アセアセ

母「…もう」ハァ…

妹「…………」シュン

母「………」

母「……もう、絶対に、無理しちゃダメよ?」ギュッ…

妹「……うん、…ごめんなさい……」ギュッ…

医師「…親御さんですか」

母「! はい! この度はどうも、うちの子供がご迷惑を……」スクッ

医師「ちょっと……よろしいでしょうか…?」

母「………?」

336: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 21:23:01.14 ID:3xpOHE6E0
男の家

男「ただいま…」ガチャ

シーン…

男「………?」

ヴヴヴヴヴ…

男「…電話?」カチャ

男「もしもし……」

母『…男、すぐ来なさい』

男「…? 母さん? ど、どこにいるのさ…、どこから電話を……」

母『病院よ…』

男「……ッ!!!」ハッ

男「……わかった、すぐ行くよ…」プツン

男「………ッ!」ダッ!

337: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 21:39:32.11 ID:3xpOHE6E0

病院

医師「…ご家族の方、これで揃いましたか…?」

母「はい…」

男「…………」

医師「……わかりました」

医師「…落ち着いて聞いてください、よろしいですか?」

母「はい……」

医師「……我々は最善を尽くしたつもりです」

医師「…しかし、止められるものではありませんでした」

医師「我々にできること…せめて、その進行を緩めること……これだけなのです」

男「……??? な、何を言ってるんですか…?」

医師「……単刀直入に言いましょう」

医師「…妹さんは助かりません」

338: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 21:54:38.80 ID:3xpOHE6E0

男「………ッ」

母「何をふざけたこと抜かしてんじゃこのヤブ医者がぁああああああああ!!!!!!!」ガタンッ

男「!?」ビクッ

男「お、落ち着けよ!母さん!!!!」ガシッ

母「てめぇは何で落ち着いてられんだ!!!!!!妹だぞ!!!???」

母「妹が死んじまうんだぞ!!!!!!!????????????」

男「………」

母「……ッ、死んじまう、んだぞ……なぁ!!!!」ポロ…

男「…やめろよ」グッ…

医師「……続けてよろしいでしょうか?」

男「……はい」

医師「…彼女の病状ですが、実は、前例があるのです」

男「……前例?」

医師「えぇ、…最初、症状や様子を聞いて、本当に検討付くものが見当たりませんでした…」

医師「…しかし、存在したのです」

男「……早く言って下さい」

やめろ

やめろ

やめろ

医師「五感疾患という、不治の病です」

339: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 21:55:45.49 ID:3xpOHE6E0
男「五感…疾患…?」

医師「初めて聞く病気でしょう」

医師「…私も、つい最近知った病気なのです」

医師「世界で、今までに10人、たった10人だけしか、その病気に罹っていません」

男「……どんな、病気なんですか…」

医師「……五感の病です」

医師「視・聴・嗅・味・触の五つの感覚が、順に機能しなくなっていく病を、五感疾患といいます」

医師「我々人間は、これら5つの感覚によって外界の状態を認識しています、故にこれらが機能しなくなると……」

男「し、死ぬっていうのか!? ふざけるな!!!! そ、そんなの信じないぞ!!!!」ダンッ

男「ふざけやがって…!! 何が五感疾患だ!!! そんな病気、聞いたこともない…!!!!!」

医師「……あなたは」

男「!?……」

医師「…誰の声も届かない、光のない世界を想像できますか?」

男「な、なにを……!」

医師「誰の温もりも感じられない、暗黒の世界」

医師「誰かの声も、歌も、小鳥の囀りすら、聞こえない、暗黒の世界」

医師「何を前にしても、匂いを感じることもなく、味すらも」

医師「…そんな暗黒の世界で、あなたは生きていくことができますか?」

男「…………ッ」

医師「…そういう病気なのです…」

医師「……残念ですが、前例である先ほど言った10人は……」

医師「1人も助かりませんでした……」

男「!!? う、嘘だ……」フルフル

医師「…これが真実なのです」

医師「…何をトリガーにして、彼女がこの病を呼び寄せたのかは分かりません…」

医師「ですが、これに罹ってしまった以上……彼女は……」

340: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 22:00:46.65 ID:3xpOHE6E0
男「嘘だッッッ!!!!!!!!!!!!」バンッ

男「そんなの、嘘だッッ!!!!嘘に決まってる!!!!!!」

男「だって、妹は…何もッ…!!!何も、悪いことなんか、してないじゃないか!!!!!」

男「なのに…ッ、何でッ!!!!何で、妹なんだよ!!!!!!」

医師「………」

男「なぁ何とかしてくれよ!!!!頼むよ!!!!!」ガシッ

男「医者だろ!!?病気を、治すんだろ!!??」

男「だったら、妹も治せるだろ!!! なぁ、治してくれよ!!!!!!」

医師「…我々にも、不可能という言葉があります」

医師「……残念ながら…」

341: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 22:06:24.47 ID:3xpOHE6E0

悪夢は、もっと強くなって、今度は俺のもとへ来た

あのとき、俺達は悪夢を追い払った

みこさんに”伝えた”

それが悪いことだって、ちっとも思わない

思うわけがない

___でも、誰なんだろうか

それを良しとしない、そう、企んでいる悪者がいるに違いない

俺が邪魔をしたから、今度は俺達のもとへ来たんだろう…

俺達に悪夢を見せるために

342: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 22:12:49.98 ID:3xpOHE6E0
病院 廊下

男「………」

母「………」

トテトテ…

子供「…どーしたの?」

男「……!」

男「…なんでもないよ」ニコ…

子供「…あんちゃんと、おばちゃん、元気ないお!」

母「……はは、おばちゃん、ちょっとだけ……疲れちゃったから…」ニコ…

男「……君は…」

子供「ぼくは、そこに住んでるの!」ユビサシ

男 (……病室を指してる……、そうか、この子…入院してるんだ……)

子供「あい、これあげる!!」スッ

母「…これは……」

男「……飴玉?」

子供「おいしーよ!!!」フンス

子供「がんばって!!」

トテトテ…

母「……あんな小さな子に励まされるなんて…、情けないわね…」

男「…………」

男 (…飴玉……)

343: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 22:17:40.42 ID:3xpOHE6E0

文化祭まであと34日

 きみの帆は満ちて 航行は順調

        きみは船が沈むなんてこれっぽっちも思っちゃいない

            きみの悪いところは一か八かにかけすぎるところだけど

                  それがきみの強さでもあるんだ

          時々心配になるよ

             でもきっと強風の中でもやり遂げるんだろうと思う

                          例え行き止まりにぶちあたってもね

344: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 22:26:14.07 ID:3xpOHE6E0
朝 病院

男「……妹~…?」ガラガラ

妹「…あ、お兄ちゃん!」

男「よ、よう! 調子はどう…?」

妹「う~ん……まぁまぁかな」

妹「…それにしても、ビックリしたよ、こんな朝早くから来てくれるなんて……」

男「なんていうか、…早く会いたくなってさ……」ボリボリ…

妹「………////」

男「そ、そうだ! 駅前のケーキ屋で、ショートケーキ買ってきたぞ? 食べる??」ガサッ

妹「!!! 食べる!!!!」パァァ

妹「やったぁ♪ 入院食、不味くて食べられないんだよね~…」ハァ

男「好き嫌いしてたら治らないぜ?」

妹「えへへ~、分かってますよーだ////」ニシシ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

パクッ

妹「~~~~~~ッ/////」ポワーン

男「そ、そんなにおいしいか…?」

妹「当たり前でしょ!!ケーキなんだから!!!!」プンスコ

男「ははは…」モグモグ

妹「……お兄ちゃん」

男「うん?」ムシャムシャ

妹「…女さんから、何か、言われなかった……?」

男「へ…? な、何も……」

妹「…伝えたいことがある、とか、そういうこと、……言われなかった?……」

345: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 22:32:12.07 ID:3xpOHE6E0
男「……あー、そういえば、フェスの日…楽屋前で……」

妹「………聞いてあげて」

男「へ……?」

妹「…女さん、お兄ちゃんに伝えたいことがあるって言ってた」

妹「だから…聞いてあげてほしい」

男「………」

男「……わかったよ」ニコ

妹「……」フゥ…

男「ったく、妹がそんなに一生懸命になるんだ、なんて言われるんだか……」アハハ

妹「…きっと、いいことだよ……」ニコ…

妹 (………これでいいんだ……)

346: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 22:41:57.35 ID:3xpOHE6E0
昼頃 どこかの公園

ミーン… ミーン…

副会長「………」

岩男「……副会長?」スタスタ

副会長「!! …岩男か」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

岩男「どうしたんだよ、こんなクソ暑い日に、こんな場所で1人で……」

副会長「それはお互い様だろ」

岩男「…まぁそうだな」

副会長「………」

岩男「………」

副会長「…男の、妹はどうなったんだ…?」

岩男「……!」

副会長「……なにか、連絡はあったか?」

岩男「…気になるのか?」ニヤ

副会長「…僕は副会長だ、生徒を取り巻く環境も逐一把握しておく必要がある……」フンッ

副会長「……非行に走られては困るからな」

岩男「素直じゃないねぇ…」

副会長「……で、どうなんだ」

岩男「…詳しいことは聞いてねぇ、ただ、妹はこの町の病院に移ったらしい」

副会長「……そうか」

347: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 22:57:23.69 ID:3xpOHE6E0
副会長「……ギタ娘先輩を診たドクターが言っていた」

岩男「…?」

副会長「 ”この世界にはまだ解明されていない病気がたくさんある ”」

副会長「 ”今現在ある最先端医学を用いても、治すことができない病もある ”」

副会長「 ”本当に考えられないようなことがトリガーとなり、かかる大病もある ”…とな」

岩男「……つまりお前は、男の妹が不治の病に罹った…とでも言いたいのか?」

副会長「あくまで聞いた話を言ったまでだ」

岩男「何でこのタイミングで言う?」

副会長「…誰かと共有したかったから、…かもしれないな……」

岩男「……共有ゥ?」

副会長「……本当に、そう、思うんだ、僕は…」

副会長「…世界には、どんな知識を…医学を用いても治らない病があるって……」

副会長「……もし、それに罹っていたら? どうだ? 救いのない結末しか、待っていないってことになるじゃないか?……」

副会長「……僕はそれが、たまらなく怖いんだ」

岩男「…ハッピーエンドを希望する、ってか……」

副会長「ふざけないでくれ、…僕は本気だ」

岩男「……んで、その…恐怖か? そいつを、俺と共有したいがために、俺にこのタイミングで話した、と…」

副会長「…そうだ」

副会長「……すまない、身勝手な真似を……」

岩男「………副会長」

副会長「……?」

岩男「お前、優しいんだな」ニカッ

副会長「んな!!?////」ビクッ

岩男「へへへ!自分のことでもねぇのに、そんなに心配してるなんて、すげぇよお前!」ガハハ!

副会長「ば、馬鹿にするな!僕は本気だ!! というか、自分に置き換えて話していたんだ、決して他人など…!」

岩男「心配すんなよ、副会長」

349: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/18(日) 23:12:27.26 ID:3xpOHE6E0
副会長「……?」

岩男「この世に医学で治せねぇ病があるのなら…」

岩男「 ”魔法”で治せばいいのさ!」ニシシ

副会長「………」

副会長「…それ、本気で言ってるのか?」

岩男「おうよ!!!」フンス

副会長「………はぁ」

岩男「ある漢が言った!!!!」ドン!

副会長「……!?」

岩男「 ”音楽には魔力がある”とぉ!!!!!」

岩男「すなわち!!!!」

岩男「この世には ”魔法”が存在するってことだ……!!!」フンス

副会長「……馬鹿馬鹿しい、音楽で病気を治療? 本気でそんなことが可能だって信じてるのか??」

岩男「…いいか、副会長」キリッ

副会長「な、…なんだよ…」ビクッ

岩男「人間ってのは、摩訶不思議なもんなんだ」

岩男「お前がさっき言った通り、思わぬことが引き金となって、起こり得る現実もある……でもな…」

岩男「本当にこんなことで!?ってことで、起こり得る ”奇跡”もあるんだよ」ニシシ

副会長「……奇跡……」

岩男「…俺は ”奇跡”を信じてる」

岩男「医学だぁ?そんなもんクソ食らえだ!!」

岩男「本当に肝心なときに、全く役に立たねぇんだからよ、あれは!!!」フンッ

副会長「……ふっ、…お前らしいな」

岩男「俺は、俺の信じる道を行く、それだけだぜ」ニシシ

副会長 (……奇跡、本当にそんなものがあるのなら………)

355: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 08:17:17.51 ID:FHi2OVgs0

文化祭まであと33日

希望を持つこと

今はただ、それだけしかできない

356: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 08:25:09.99 ID:FHi2OVgs0
朝 病院

男「おはよぉおお!!!!!!!!!!!」ガラガラ

妹「!!?」ビックーン

男「やぁやぁ、元気にしてるかい?」フンス

妹「お、お兄ちゃんかぁ…、びっくりしたぁ」ホッ

男「ほら、今日も買ってきたぞ、ケーキ!」スッ

妹「わぁ!ありがとう!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

男「…でさ、そん時、カヲル君は言ったんだよ……」

妹「へぇ…すごく難しいね」モグモグ

男「うん、哲学だよね」ムシャムシャ

母「おはよう~!」ガラガラ

妹「お母さん!」

男「母さん!」

母「もう、男ったら、行くんだったら、私にも一言いってちょうだい!」フンス

男「ごめんごめん、疲れてるかと思ったから…」

母「私はまだまだ現役だよ!!若いものに負けちゃいないさ!!!」ハハハ!

妹「あはは……」

357: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 08:32:45.42 ID:FHi2OVgs0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

母「……じゃあ、着替えも渡したし、母さん帰るね」

妹「もう行っちゃうの?」

母「ごめんね、今日は仕事があるから…」

母「…あのバカ亭主がいれば、ずっと、あんたの傍にいてあげられるのに……」

男「母さん、それは言わない約束だぜ?」

母「…ごめんね、忘れてたわ……」

母「そ、それじゃ! またね!」ガラガラ

母「いい子にしてるのよ、妹!」ニコ

妹「うん!」ニコ

バタン…

男「…それじゃ、俺も行くかな」

妹「え……」

男「昨日、女のところに行ってほしいって言ってたよな」

男「今日、いまから行ってくるよ」

妹「……そっか」

男「じゃあ、またな」ニコ

妹「うん……また……」

358: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 08:51:37.81 ID:FHi2OVgs0
スタジオ

茂雄「……そろそろ、開店時刻なんだが…」

ちび「いいじゃん、朝から来るお客さんなんか、いないよ?」グデ~…

茂雄「それは分からねぇ」

茂雄「切羽詰ったバンドが駆け込んで来て、レコーディングしていくことだってある」

ちび「それは要領の悪いバンドでしょー? そんなバンドマンいる~?」ジトー

茂雄「世の中は広いからな…」フッ

ウィィーーン…

しー「あかんあかんあかーーーん!!!!!」バタバタ

茂雄「……ほらな」ニッ

ちび「…うへぇー……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ちび「えー、あの有名レーベルにスカウトされたぁ!?」

しー「そうなんやぁ/// フェスの日、たまたまあのレーベルさんとこの人がおったらしくてな」エヘヘ

しー「デモテープを近いうちに送ってくれ、って言われてんねん」ニコニコ

ちび「……締め切りは??」

しー「今日や!!!! 急がなあかん!!!!!」アワワワ!

茂雄「な? 言ったろ? 世の中は広い…」フフフ

ちび「ふむむ~、なんか負けた気分……」ムスー

しー「あとはボーカルだけなんや! おっさん、もうえぇよな!? 使わせてもらうでぇ!!」ダダダダ…

茂雄「あ、おい! 開店時間はまだ……!」

ちび「いーじゃん、締め切りは今日だよ?? しー、急がないと!」ニシシ

茂雄「むぅ……」

茂雄「…しかし、懐かしいな」

ちび「ほぇ?」キョトン

茂雄「…俺にも、あんな頃があったなぁ、ってな……」

ちび「……なんか信じられないなぁ」アハハ

ちび「だって、おっちゃん、今超有名バンドじゃん?? そんな時期があったなんて、今からは想像できないよ」

茂雄「…世の中、広いってこった」フッ

ちび「それ、よく分からないよー…」ブー ブー

茂雄「はは、そのうち分かるさ、お前もな…」

359: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 09:03:53.95 ID:FHi2OVgs0

女の家

生徒会長「………」パラパラ

女「お姉ちゃん、お茶ここに置いておくね」コト

生徒会長「ありがとう…」パラパラ

女「………」

女「…何読んでるの?」ヒョイ

生徒会長「あッ!!!」

女「…『美しきレズビアンの世界2』……」

生徒会長「……え、えへへ~////」

女「なに2巻まで買ってるの!!!!!」

生徒会長「え、えへへぇ…///」

女「照れるな!褒めてない!!っていうか、何で2巻まで買ってるのって話だよ!!!」プンプン

生徒会長「だってぇ!!最近、女、触らしてくれないじゃない!!!!」プンスカ

女「ぎゃ、逆ギレ!?」ガビーン

生徒会長「私は欲求不満なのだよ!!女で発散させてくれるのなら、もうそんな本買わないよ!!!!」フンス

女「それじゃ意味ないよ!」アセアセ

女 (まずい…相当ひどいよ……お姉ちゃん……)

女「とにかく!私から自立できるまで、こんな本は買っちゃダメだし、私にも触らせないから!!」プンプン

生徒会長「ちぇー……」ブー ブー

女「ブーブー言わない!!」モゥ!

生徒会長「はぁい」

女「まったく………」ハァ

ピンポーン…

女「……?? 誰かな、こんな朝から……」

スタスタ…

女「はーい……?」ガチャ

男「おう……」

女「…!?」

360: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 09:11:54.15 ID:FHi2OVgs0
女「ど、どど、どうして男が!!?///」アセアセ

男「来ちゃ悪いのかよ…」

女「いや、悪くはないけど…///」アセアセ

女「……そ、そういえば」

男「うん?」

女「…妹ちゃん、どう?……」

男「………」

男「…大丈夫だよ、徐々に回復に向かっていってる」ニコ…

女「…そ、そっか! 良かった!」ホッ

女「すっごい心配してたんだからね?」

男「……ごめんな」

女「いいって! 妹ちゃんは大事な友達だもの」ニコ

男「……」

男「…あのさ、女……」

女「…?」

男「俺は、聞きたいことがあって、ここに来たんだよ」

女「……聞きたいこと??」

男「…フェスの日、俺に ”伝えたいこと”があるって、…言ってたよな?……」

女「!!」

男「…あれって、一体何だったんだ?……」

女「……あ、あれは……」

361: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 09:20:25.10 ID:FHi2OVgs0

……………………………………………………………………………………………….

妹「でも、届かない」

妹「…届くわけないんです」

妹「………」

妹「……だって私たち、兄妹なんですから…」

女「…妹ちゃん……」

妹「…伝えることができて、受け止めてもらえたとしても…」

妹「お兄ちゃんが周りから、異物を見るような目で見られるのには、私…耐えられない」

妹「…お兄ちゃんを想うから、想ってるから、伝えることができないんです…」

女「………」

女「…私は……」

妹「…諦めないでください」ギュッ

女「!………」

妹「……私は、あなたを応援します」

女「私……」

妹「私のぶんまで、想いを伝えてあげてください…」ニコ

……………………………………………………………………………………………….

362: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 09:21:30.73 ID:FHi2OVgs0

女「……あの時、伝えたかった…こと、……は………」

男「……うん」

女「…… ”妹ちゃんの傍にいてやりなさい!”ってこと」

男「………へ?」

女「ま、まったく、男ったら、合宿中は軽音の方ばかり気にしてて、妹ちゃん放置状態だったじゃない!」プンプン

男「……」

女「だから、あの時、傍にいてあげてって、伝えようとしたの!」

女「文句ある!?」プンスコ

男「ぅえ!? な、無いよ!! 無いって!!!」ビクッ

女「…ならいいのよ!」ニシシ!

男「………女……」

男「…ありがとう!」

女「だからいいって! ほら、妹ちゃんのとこ、行った行った!!」

男「あぁ、ありがとな! またな!!」ダッ

タッタッタッタ…

女「………」

女「…がんばれ、妹ちゃん……!」ニコ…

363: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 09:28:43.77 ID:FHi2OVgs0
昼頃 病院

妹「………」ぼーっ…

男「妹ォ!!!!」ガラガラ!

妹「!!?」ビックーン

妹「お、お兄ちゃん!?」

男「はぁ、はぁ、はぁ……」

妹「ど、どうしたの…!? 女さんのとこに行ったんじゃ…」アセアセ

男「行ってきたよ……」ゼェゼェ

男「そしたら、”もっと妹の傍にいてあげろ”だってさ……」ゼェゼェ

妹「!!!!………」

男「…だ、だから、帰ってきた……」ゼェゼェ

妹「………ッ」

妹「………」ポロポロ

男「!!? な、何で泣くんだよ!?」ビクッ

男「…ま、まさか、どこか痛むのか!?」アセアセ

妹「違うよ……」ポロポロ

妹「…どこも、痛くない、よ……」ポロポロ

妹 (女さん…私のことを思って……)

妹「……バカだよ…」グスン

男「…へ?」

妹「バカって言ったの!!!!!」

男「うぉわ!?」ビックーン

妹「もう……みんな、バカ…だよ……」グスン

男「………」フゥ…

男「…そうだな…」ニコ…

妹「ふぇぇえん………」ポロポロ…

364: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 09:45:11.89 ID:FHi2OVgs0

夜 スタジオ

しー「いやー終わった終わった! 一時はどうなることかと思ったわぁ!////」ホクホク

茂雄「おい、今日中にそのデモテープ送らないといけないんじゃなかったのか?」

しー「!!!?」

しー「し、しまったぁああああ!!!!!!」

ちび (夜までかかった……、いったい何テイクしたんだろう?…)

しー「どど、どうしよう、間に合うかいな?……」アワアワ

茂雄「…仕方ねぇ、駅まで送ってやる」

しー「えっ!?」パァァ

茂雄「駅までだからな」スタスタ

しー「お、おおきに!!! ほんま助かるわぁ!!!!!!」ウォオー!

ちび「よかったね、しー!」ニコニコ

しー「あぁ、ほんま助かったわ!! たぶん間に合う!!!」フンス

ブォオオオン…

茂雄「ほら、すぐ乗れ! もう出発するぞ!!」

しー「お、おう!!!」アセアセ

しー「ほな、またな! 嬢ちゃん!!」タタタ…

ちび「バイバイ!」

ちび (………)ポツン

ちび「……ドラム、叩いていこうかなぁ………」

365: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 09:53:20.48 ID:FHi2OVgs0

文化祭まであと32日

 焦げ付くような午後のグラウンド

 光る「君」という名のボール

    届かないと分かって そして無力を知って

    つかえる胸 土濡らす通り雨

        溶け出す前の君の希望を

        できる限界で僕が拾うよ

            叶わないとしたって 戻れないとしたって

            届かぬ夢 淡い記憶 日々の影

366: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 09:59:41.15 ID:FHi2OVgs0
朝 病院

男「おはよ~!!」ガラガラ

妹「おはよう! お兄ちゃん!」ニコ

妹「今日も来てくれたんだね」ニコニコ

男「あぁ!」

男「…今日はこいつを持ってきたぞ!」ニシシ

妹「……それは…」

妹「……私のギター?」

男「おう! せっかく時間があるんだし、ちょっと練習しよう!」

妹「やったぁ!!!」

妹「…あ、でも……」

男「ん?」

妹「病院でギターを弾くのは……まずいかも?……」

男「あー……」

男「……そうだ、外出許可をもらってくるよ!」ダッ

妹「え!? ちょ、お兄ちゃ……」

タッタッタッタ…

妹「……もう…」アハハ…

367: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 10:10:38.95 ID:FHi2OVgs0

病院裏の丘

男「へー…病院のうらに、こんな丘があったんだな……」ガラガラ…

妹「あの1番上まで行ってみようよ!」

男「えー、大丈夫か?? 車椅子、揺れるぞ??」ガラガラ…

妹「大丈夫だよ、ちょっとくらい、平気!」フンス

男「そっか…、なら、行くか!」ヨォシ!

ガラガラ…

病院裏の小高い丘

頂上までの距離はそう長くはない

頂上からは町が一望でき、空が幾分近くなる

いくら頂上の休憩所までの道が整備されていても、多少は揺れる

それを心配して、別の場所にしようと思ったけれど、妹は丘の上がいいと言った

_____車椅子を押すのは、人生で初めてかもしれない

368: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 10:17:06.66 ID:FHi2OVgs0

男「……よいっしょ、よいっ……しょぉおお!!!!」ガラガラ…

妹「だ、大丈夫?」アセアセ

男「大丈夫だぁぁあ!!!!! す、座ってていいから、気にするな!!!!」ガラガラ…

男「うぉおおおお……!!!」ゼェゼェ

妹 (…そんなに叫ばれると嫌でも気になるんですけど……)アセアセ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

妹「着いたぁあーーーー!!!!!!」

男「ふぅー、ふぅー……」ゼェゼェ

妹「うわぁ~、いい眺め!!」キラキラ

男「…た、確かに、すげーいいなぁ……」

男「…綺麗だ」

妹「それじゃ、さっそくギター教えてよ!」ニコ

男「!! よぉし、いいだろう!」フンス

男「何が弾きたい?」

妹「うーん……」

妹「…お兄ちゃんが最初に弾いてた曲がいいな」

男「えーっと……I`ve Got a Feelingかな?」

妹「うん、たぶんそれ」

男「よーっし、それじゃあ始めるかぁ!」

妹「よろしくお願いします!」フンス

369: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 10:24:00.36 ID:FHi2OVgs0

不意に、家の光景が脳裏に浮かんだ

俺がギターを弾きながら歌ってて、妹がそれを、本を読みながら聴いている

母さんは料理をしながら、たまに動きを止めて、歌に聴き入っている

…もっと早くギターを教えてあげていたら良かった

妹に残された時間がもう、ほとんど無いと思うと、怖くなった

今すぐに逃げ出したくなった

……妹はたぶん、自分の病気のことを聞かされていない

「治る」って信じている

_______信じている

今は、それだけしかできない

これからも、それしかできないんだろうな

これからって、今から先のこと?

____その先って、どこまで続いてるんだ?

誰が途中で切ったんだ?

370: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 10:31:06.57 ID:FHi2OVgs0
妹「あーダメ! 難しい!!!」ワァァ!

男「あはは、そう焦ることないよ」

男「…ゆっくりやっていこう」

妹「……そうだ」ピン!

男「?」

妹「お兄ちゃん、歌ってよ」ニコ

男「お、俺が??」アセアセ

妹「うん、いつもみたいにさ、こうやって!」モノマネ

男「お、俺そんな変な弾き方してるの!?」ガビーン

妹「あれ、違った?」アハハ

妹「とにかく、早く弾き語ってよ!」フンス

男「…どうしよう、何弾こうかな……」

男 (……? ポケットに何か……)ゴソ

男 (…飴玉……、…そっか、病院であの子供にもらってそのまま……)

男「…よし」

男「ギター借りるよ」

妹「うん」スッ

~♪ ~♪

妹 (……このイントロって…)

妹 (BUMP OF CHICKENの…、飴玉の唄……?…)

371: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 10:40:09.00 ID:FHi2OVgs0

~♪ ~♪

男 (…神様は残酷だ)

男 (罪のない人間の命を、削って……楽しんでるんだろ?…)

男 (…何で妹なんだよ)

男 (…何で妹なんだよッ……!)

妹「………」

~♪ ~♪

妹「……どうしたの…?……お兄ちゃん……」

男「…ご、ごめん、な、何でも、ない…んだ……」ヒック

男「ちょっと、…ひっぐ……、目にゴミが…入って、…さ」グスン

男「ご、ごめんな?…っと、途中で、やめちゃって…」ヒック

男「さ、最初から、やり、直すよ……」グスン…

妹「い、いいよ…無理しないで……」アセアセ

男「ごめ”ん…ひっぐ、ほんど、…ごめんな”……」ポロポロ…

_______離れたくない

372: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 10:44:53.02 ID:FHi2OVgs0

              僕は君を信じたから もう裏切られる事はない

              だってもし裏切られても それが解らないから

                どうか 君じゃなく ならないで

373: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 10:47:54.03 ID:FHi2OVgs0

文化祭まであと31日

今日も快晴

憂鬱

377: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 14:24:46.24 ID:FHi2OVgs0
朝 男の家

男「母さん、今日も病院に行ってくるよ」

母「ごめんね、私も行きたいんだけど…」

男「母さんは仕事! 妹のことは俺に任せといてよ」

母「…ありがとう」

男「それじゃ行ってきます」ガチャ

母「気をつけてね」

バタン…

男「……!!」

バスケ部長「……よう」

男「…どうも」ペコ

スタスタ…

バスケ部長「ちょっと待てよ、話がある」

男「…?」

378: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 14:36:30.89 ID:FHi2OVgs0
バスケ部長「明日、何の日か、知ってるか?」

男「……?」

バスケ部長「……マジかよ」ハァ…

バスケ部長「…お前んところの部長……、ちびに何も言われなかったのか?」

男「…明日、何があるんですか」

バスケ部長「……あのヤロー……」チッ

バスケ部長「引退試合だよ」

男「!!!!……」ハッ

バスケ部長「……俺は部長として、誰1人部員が欠けることなく明日という日を迎えたい」

バスケ部長「3年間共に戦い抜いてきた仲間のためでもある」

バスケ部長「…あいつらには、気持ちよく最後の試合を終えてほしいんだ」

バスケ部長「だから、戻れ」

男「………」

男「嫌です」

バスケ部長「………」

バスケ部長「…本気か?」

男「本気です、俺はバスケ部には戻りません」

男「…それに、今、忙しいんです、そんなことに付き合っている時間は……」

ガシッ!

男「!?」ダンッ

バスケ部長「そんなこと?」

バスケ部長「俺達の3年間を ”そんなこと”呼ばわりとは、ずいぶんと偉くなったもんだな、お前」グググ…

男「こ、言葉を選び違えただけです…、そ、そんなつもりで……!」ゲホッ…

バスケ部長「……もういい」パッ

男「ッ……」ドサッ

バスケ部長「……覚えておけよ」スタスタ…

379: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 14:41:37.10 ID:FHi2OVgs0
男「……」ゲホッ ゲホッ…

男 (…ごめん、男友……)

男 (……俺は本当に、戻れないんだ………)

病院

ガラガラ

妹「!」

男「よう……」

妹「お兄ちゃん! 今日も早いね!!」パァァ

男「いや…本当はもっと早く来れるはずだったんだけど……まぁいいや」

男「ほら、今日もケーキ買ってきたぜ」ガサッ

妹「あ…ありがとう…!」…ニコ

男「…どうした??」

妹「うぅん、何でもない! 食べよ食べよ!!」フンス

380: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 14:48:11.04 ID:FHi2OVgs0
……………………………………………………………………………………………….

妹「…お兄ちゃん」

男「ん?」

妹「……何でもない」エヘヘ

男「……」クスッ

男「元気そうだな…」

妹「うん、でも…体に力は入らないけどね…」エヘヘ…

男「……もう、…立てないのか…?…」

妹「う~ん…なんていうか、棒みたいなのがあれば、何とか!って感じかな……」

妹「でも、すぐ回復するよね」ニコ

男「……あぁ、するさ! 必ず……する……」

妹「……ねぇ」

男「…?」

妹「……また、手……握ってほしい……」スッ

男「…いいよ」ニコ

ギュッ

381: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 14:57:08.65 ID:FHi2OVgs0
妹「………ッ」ビクッ

男「…妹?……」

妹「…う、うそ……なん…で……」

男「お、おい…妹…!? ど、どうしたんだよ…」

妹「い、いや……な、なん…で…」

妹「いやぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガシャンッ!

男「落ち着け!妹!! どうしたんだ!!!」

妹「いやぁあああ!!!!! いやああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」ガシャンッ

男 (だ、誰か…呼ばないと…ッ!!)ダッ…

妹「行かないでッッッッ!!!!!!」

男「!!? で、でも…!!!」

妹「ど、どこなの…!!? ねぇ、どこにいるの!!???」ガクガク…

男「……ッ!?」

妹「おいていかないで、お兄ちゃん!!!! 私を、1人にしないでよ!!!!!!!!!!!!」

医師「何事だ!!!!」ガラッ

医師「!? い、急げ、鎮静剤!!! 打ったらすぐに運び出せ!!!!」

ナース「はい!!!」

男「……ッ」

医師「早くしないか!!!!!」

ナース「準備できました!!」

妹「いかないで!!!!!おいていかないで!!!!!!!!!!!!!!!!」ガシャンッ!

男「………」

382: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 15:07:18.91 ID:FHi2OVgs0
男「……ッ!!」

男「い、いったい何が起こっているんですか!?」

医師「どきなさい! 今はそれどころでは…!!!!」

ナース「いつでも出られます!!」

医師「よし、急げ!!!!」

ガシャンッ ガラガラガラガラ…

男「ま、まって……ッ!!!」

男「………」

男「……は、はは、…なん、だよ……あれ……」ガクッ…

男「なん、なんだよ……」

男「…意味、わかんねぇよ……」プルプル

男「ぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

ドガッ!

男「ぁあああああああッッ!!!! ぁぁぁああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

ドガッ! ドガッ!!!

ドクター「………?」スタスタ

ドクター「!?」ビクッ

ドクター「き、君!! 一体何をやっているのだね!!!!」ガシッ

男「はなせ!!!! 邪魔すんな!!!!!!」ドガッ

ドクター「…ぁぐ!!!」ドサッ

男「…ッ、…ッ、……」ハァハァ…

ドクター「…お、落ち着きなさい、…気持ちは分かる……」

男「………ッ」ポロ…

383: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 15:12:15.02 ID:FHi2OVgs0

男「……もう、…いやだ……」ポロポロ

男「…もう、………やめてくれよ………」グスン

ドクター「……」

男「……お願いします」グッ…

ドクター「…?」

男「妹を……、助けてください……」ポロポロ

ドクター「………」

ドクター「…ワシには……」

男「…お、ねがい、します……お願い、しま…す……」グスン…

384: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 15:17:45.83 ID:FHi2OVgs0

妹の視覚は機能しなくなった

聴覚を除く視・嗅・味・触の4つが機能しなくなった

もう、耳でしか、世界を認識できなくなった

医師は淡々と、そう語った

まるで他人事のように

385: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 15:23:23.37 ID:FHi2OVgs0

文化祭まであと30日

母さんには昨日帰ってすぐ、妹のことを伝えた

一目散に病院へととび出して行ったが、すぐに帰ってきた

それっきり、部屋から出てこない

俺がしっかりしないと

俺が妹の傍にいてあげないと

386: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 15:32:47.42 ID:FHi2OVgs0

朝 病院

男「……妹…?……」ガラガラ

妹「………」

男「………」ホッ

男「…心配したんだぜ、……昨日、急に運び出されるんだからさ……」

妹「………」

男「…そうだ、ほら、また駅前のケーキ、買ってきたぞ!」ガサガサッ

男「じゃじゃーん!」

男「今日は奮発して、イチゴを2つのせてもらったぜ!!」フンス

男「ほら、食べな…」コト

妹「………」

男「お前の大好きなショートケーキだぜ! 早く食べないと、俺が上のイチゴ、2つとももらっちゃうよ?」

妹「………」

男「…………」

男「……そんなに、壁を見てるのって、楽しいのか?…」

妹「………」

男「な、なら、俺も見ようかな!! …た、楽しいこと独り占めなんて、させないぜ…?……」

妹「………」

男「……ほら、早く食べろよ……」

男「イチゴ、もらっちまうぞ……?」

387: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 15:37:36.79 ID:FHi2OVgs0
男「…今日さ、バスケ部、引退試合らしいんだ」

男「……俺、男友や部のみんなに…悪いことしちゃったな…」ハハ…

男「…バスケ部の部長にも直接言われたよ……戻れって……」

妹「………」

男「…でもさ、俺、変わったんだ!」

男「俺のやりたいこと……変わったんだ、だから、俺は……」

妹「………」

ガラガラ…

医師「……少し、……よろしいでしょうか?……」

男「……」

388: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 15:51:10.49 ID:FHi2OVgs0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

医師「…落ち着いて聞いて下さい」

男「……」

医師「…妹さんの……」

医師「……妹さんの五感は全て、機能しなくなりました」

男「………」

医師「…今はチューブで栄養を送っているため、命だけは何とか繋いでいる状態です……」

医師「ですが、もう……妹さんの精神は完全に、暗黒の世界に閉じ込められてしまいました…」

男「…死ぬんですか」

医師「…えぇ、妹さんが如何に精神力が強くても…これには……」

医師「……精神に異常をきたし、発狂することになるでしょう……」

医師「……本当に、残念ながら………」

男「…そうですか」

医師「……?」

医師「……落ち着いていますね…」

男「お前が落ち着いて聞けっつったからだろ」

医師「…………」

男「……失礼します」

ガラガラ… 

バタン…

医師「………」

医師「……本当に……すまない………」

389: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 15:56:35.38 ID:FHi2OVgs0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ガラガラ…

男「…………」

妹「………」

男「…ケーキ、食べないんだな……」

男「……仕方ない! 俺が食べてやるよ!」カチャ…

男「………んん、美味い…」モグモグ

男「もったいないなぁ、こんな美味いもん残すなんて…」ムシャムシャ

男「…明日も買ってくるからさ」

男「……明日、……食べような?……」ニコ

妹「………」

390: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 15:59:09.93 ID:FHi2OVgs0

文化祭まであと29日

391: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 16:07:24.19 ID:FHi2OVgs0
朝 病院

ガラガラ

男「おはよう!」

妹「………」

男「なんだー、シケた面してるなぁ…元気だせよ!」ニカッ

男「ほら、今日も買ってきたぜ? ショートケーキ!」ガサッ

男「今日は出血大サービスだ!! なんとイチゴ3つ!! 3つだぞ!? やばくない!?」フンス

男「ほら、ここに置くよ」コト

妹「………」

男「俺はモンブランでも食べようかな~♪」ガサガサッ

男「…これでよし、っと……」

男「じゃ、食べようぜ」ニコ

妹「………」

392: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 16:08:30.69 ID:FHi2OVgs0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

男「あー美味かったぁ!」ゲプッ

妹「………」

男「…あれ、また残してんのか?」

男「仕方ねーなぁ…、じゃあ俺が食べるぜ?」スッ

妹「………」

男「…………」

男「いただきまーす!」

男「はむ…んん、……うんうん…」モグモグ

男「…あ~、最高!」ホクホク

男「ほら、お前も食べない? …一口だけでいいからさ、ほら……」スッ…

妹「………」

男「…そ、そっか! じゃあ、仕方ないな…!……」

男「俺が全部、食べるよ……」モグモグ…

393: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 16:11:48.29 ID:FHi2OVgs0

文化祭まであと28日

394: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 16:18:47.59 ID:FHi2OVgs0
朝 ケーキ屋前

男 (今日も買っていかないとな……ん?)

男 (………)ジャラッ…

男 (…まずい、今月、かなりピンチだ……どうしよう……)

男 (今日は買っていけるけど、明日以降は厳しいかも…)

男「……う~ん…」

男「………」

男「…バイトするしかない、かぁ……」

395: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 16:23:00.52 ID:FHi2OVgs0
病院

男「おはよう~!」ガラガラ

妹「………」

男「ごめんな~、今日は一緒に食べられないんだ…」

男「その代わり、ほら、ショートケーキ!! イチゴ4つだ!!」フンス

男「どうだ? すごいだろ!? さすがに店員さんに変な目で見られたけど、妹のためだからな!」ニシシ

妹「………」

男「それじゃあ、ゆっくり食べなよ!」ガラガラ…

バタン…

妹「………」

396: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 16:32:27.75 ID:FHi2OVgs0
昼頃 町中

男 (バイト募集してるところ、ないかなぁ…)キョロキョロ

男 (…コンビニは……接客は苦手だからなぁ……)キョロキョロ

男「何かないかなぁ…」キョロキョロ

しー「お? …もしかして、男か??」

男「!! しー??」

しー「おうおう、どないしたん?? そないにキョロキョロしちゃってからに……」

男「あぁ、バイトを探しててさ…」

しー「バイト?」

しー「なんや、金欠かいな?」ニシシ

男「うん…まぁそんなとこだね」タハハ

しー「……いいところ知ってんで、ウチ!」フンス

男「!!」

しー「ふっふ、どや? 教えたろか??」

男「おう、頼む!!」キラキラ

しー「えぇともえぇとも!! ウチに任せとけば、チャリ銭がっぽがぽやぁ!!!」ニャハハ!

397: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 16:40:19.16 ID:FHi2OVgs0
しーの家

しーパパ「らっしゃい!!!!!!!!!!!!!」

しー「ただいまぁ!」

しーパパ「おぅ、何やお前か…」

しー「バイト見つけてきたでぇ!!」

しーパパ「何ィ!?」

男「ど、どうも…」ペコ

男 (ちょっと、しー!? ここって……)

しー「ウチの家や」ニコニコ

男「えぇえ!?」

しー「うち、お好み焼き屋やってんねん」

しー「最近人手が足りない~ゆうて、父ちゃんがな? それで、あんたをここに連れてきたっちゅーわけや!!」

男「ふぇぇ……」

しーパパ「よし!採用!!」ズビシッ

男「!? 俺、まだ働くって決めてないですよ!?」ガビーン

しーパパ「俺が決めたんや!!!」ガハハ!

男「Oh…」

しー「そーゆうこっちゃ! よろしくなぁ、男ォ!」ニシシ

男「マ、マジかぁ……」アセアセ

398: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 16:44:35.47 ID:FHi2OVgs0
夜 男の家

男「た…、ただいまぁ~…」ヘトヘト

男「ぅあー! もう疲れたぁあー!!!!」ドサァ!

男「あのオッサン、人使い荒すぎるだろ……」

男「……くそぅ、騙された気分だ」 ぐぬぬ…

男「……しかも、明日からずっと、だもんなぁ……」

男「………はぁぁ」グッタリ

男 (…まぁ、これも妹のため、だもんな)

男 (……頑張らなきゃ……!!)フンス

401: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 18:50:52.42 ID:FHi2OVgs0

文化祭まであと27日

402: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 18:54:59.23 ID:FHi2OVgs0
朝 しーの家前

男 (…バイトとして使えるか、1週間見るって言ってたな……)

男 (その期間、どれだけ働いてもバイト料なし……)

男 (…その間は妹にケーキ、買ってやれないな……)

男 (……まいったな、そんなに買わない日が続くのか…)

男「こりゃ怒られちゃうな…きっと……」アハハ…

男「…よぉっし! 頑張れッ、俺!!!!」パァン!

403: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 19:06:16.58 ID:FHi2OVgs0

男「おはようございます!!!」ガラガラ!

しー「あかん!! 避けろやぁ!!!!」

男「へ?」

ドーン!

男「ぃ、ぃたたた……」ウーン…

男「……!? し、しー!?」ビクッ

しー「す、すまんなぁ…」ナハハ

しーパパ「お前は何度言ったら分かんのや!!! さっさとそんな商売やめて、この店手伝いぃや!!!」

しーママ「あんたがしゃんと商売せぇへんで金が足りんくなるんちゃうんか!!? だからウチがこんなことしよるんよ!!?」

しーパパ「んなもん知らん!! んなもんしんくても、俺んとこ手伝えばえぇゆうとるやろ!!!!」

しーママ「だーかーらぁ! まったく金入らんやん!! 客もこうへんやんか!!!!」

しーママ「何が手伝えばえぇや!!! 何も手伝うことなんか、あらへん!!!!」

男「あ、あの…これって……」アセアセ

しー「ウチのパパとママの喧嘩や……」ナハハ…

しー「すまんなぁ…いきなりこんなん見せてもうて…」ポリポリ

男「い、いいよ……」アセアセ

しーママ「もうウチ行くからな!!!!」スタスタ

しーパパ「あぁもう勝手にしぃや!!!!」プンスカ

ガラガラ バタン!!!

男「…きょ、強烈だなぁ……」アゼン

しー「やろ?……」タハハ

しーパパ「…おぉ、男! 来よったか!!」オォ!

しーパパ「ほれ、これ着て接客やら皿洗いやら、昨日教えたことやるんやで!!」ポイ

男「おっとっと……」パスン

男「…はいッ、頑張ります!!!」フンス

しー「お、元気えぇなぁ」オォー!

404: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 19:15:29.91 ID:FHi2OVgs0
昼頃

しーパパ「………」

しー「……」

男「……」

男 (…まったく客が来ない……)

男 (……昨日教わったこと、まだ掃除しかやってないんですけど……)

しーパパ「……! もうこんな時間か、お前ら、休憩入ってえぇで!」スタスタ…

男「あ……はい!……」

しー「上手くいかんなぁ…商売ってもんは……」

男「いつからお好み焼き屋、やってるんだ?」

しー「つい最近、開店したばっかやで」

男「へぇ…だからまだ新しいんだな……店……」キョロキョロ

しー「パパは気まぐれやからな、急にお好み焼き屋やる!ゆうて、本当に開店しよったからな…」ナハハ…

男「…すげぇ父さんだな」アハハ

しー「まぁ勢いだけは誇れる親父やで」アハハ

しー「…そや、友達呼んだらえぇねん!」ポン!

男「へ?」

男「…客として?」

しー「そやけど? ……もしかして、”友達なんやから、タダでえぇやん!”とか言ってくるんちゃうんって……?」

男「うん……それ、絶対言われる気がするよ…」

しー「むぅぅ、商売ならへんやん、それ……」ムスー

男「……どうしたら客が増えるのかなぁ…」

しー「……おぉ、そや」ポン

男「うん?」

しー「あんた、ギター弾けるやろ?」ニシシ

405: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 19:19:54.41 ID:FHi2OVgs0
男「弾けるけど……何で今それを?……」キョトン

しー「あんたがギターを弾く」

しー「ウチが歌う」

しー「………」ドヤァ…

男「……それを売りに、客を増やすってこと?」

しー「そや!! どう!? えぇやろ!? 今までそんなお好み焼き屋、あらへんかったもん!」フンス

しー「ぜったい有名になるでぇ!!!」

男「……まぁ、確かに人の目を惹くことはできそうだな……」フム…

男「…よし、やってみようぜ!!」フンス

しー「そうこなくっちゃなぁ!!!!」ニシシ

406: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 19:22:43.29 ID:FHi2OVgs0

文化祭まであと26日

407: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 19:31:04.96 ID:FHi2OVgs0
朝 しーの家

しーパパ「…お前ら、どないしたんや……ギターなんか持って……」

しー「このお好み焼き屋は、音楽のある店として、有名になるんや!!!」フンス

男「とりあえず聴いて下さい! The Beatlesで、black bird!!」

~♪ ~♪

しー「Blackbird singing in the dead of night

      Take these broken wings and learn to fly

          All your life

             You were only waiting for this moment to arise…♪」

しーパパ (ほう……)

~♪ ~♪

男 (…久しぶりにギターに触ったけど……やっぱりいいな……)

男 (……音楽………)

しー「Blackbird fly, Blackbird fly

     Into the light of the dark black night…♪」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

408: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 19:38:54.70 ID:FHi2OVgs0

しーパパ「…ずいぶん可愛らしいblack birdやったなぁ!」パチパチ

しー「えへぇ////」テレテレ

男「どうでしたか!?」フンス

しーパパ「おう、音楽のあるお好み焼き屋、えぇやんか!」ガハハ!

男「!!」パァァ

しー「!!!」パァァ

男&しー「イェーイ!!」ハイタッチ!

しーパパ「でもなぁ…」

男&しー「……?」

しーパパ「どうせ音楽やるんやったら、しー」

しー「んん??」

しーパパ「お前がバンドで演ってる曲みたいな、ノリノリなのがえぇと思うんやけど……どうや?」

男&しー「………」

男&しー (…お好み焼き屋でロック!!?)ガビーン

409: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 19:45:08.54 ID:FHi2OVgs0
昼頃 休憩時間

しー「うん、ロックやるんやったら、もう最高にハッピーやで!!」キラキラ

男「俺も嬉しいけど、メンバー、どうするんだよ?……」

しー「あー、そうやなぁ……」

しー「わざわざC`sに集まってもらうのも、申し訳ないしなぁ…」

男「それに演る場所がお好み焼き屋だしな」アハハ

しー「そこや、ほんまに……」ウーン

しー「……ダメもとで、数人あたってみるかいなぁ…」ピッポッパ…

男「お、俺も当たってみるよ…」ピッポッパ…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

夕方頃

梓「こんにちは~…」ガラガラ…

ちび「おいーっす!」ガラガラ…

べス男「………………悪魔の入店………」ボソッ ガラガラ…

しー「おい、1人悪魔きよったで?」

男「大丈夫、人間だから」

410: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 20:01:48.71 ID:FHi2OVgs0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

梓&ちび「お好み焼き屋でロックぅ!?」ガビーン

男「俺達と同じリアクションだ……」

しー「まぁそんなもんやろw」ナハハ

梓「何でまた、そんなこと……」

ちび「というか、新入りくん! 心配してたんだよー、みんな!」フンス

ちび「妹ちゃん、大丈夫なの!?」フンス!

男「あ、え、えぇ、徐々に回復に向かっていってます……」タジタジ

男「大丈夫ですよ…!……」ニコ

ちび「ふむぅ~、ならいいんだけど……」

しー「なんや? 何かあったん??」キョトン

男「何もないよ、気にしなくていい…」

しー「?? そうか…、んじゃ、まぁ……」

しー「とりあえず、自己紹介やな!!」ニシシ!

しー「ウチは赤座高校1年、しー!! 担当はボーカルや!! よろしくなぁ!!!」フンス!

梓「桜が丘高等学校1年、中野梓です、担当はギター、よろしくお願いします」ペコリ

ちび「音波高校3年、…自分では言いたくないけど、みんなからはちびとか、部長~って呼ばれてるよ~、担当はドラム、よろしくぅ!!」

男「同じく音波高校1年、男です、担当はギター、よろしくでっす!!!」

べス男「………音波高校1年、べス男……担当はベース……カニ座……」ボソッ

しー&梓 (…カニ座!?)

ちび「それで、なんの曲演るの?? 私は別に何でもいいけど……」

梓「わ、私も何でもいいですよ、夏休み、特に用事もないので…いくらでも練習できますし」

しー「ふっふっふ、実は、もうこれや!って決めてあるんや!!!」ムフフ…

男「えぇー!? 問答無用!?」ガビーン

しー「にっひっひ! これやぁああ!!!!!」カチッ

~~♪ ~~♪

411: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 20:11:10.84 ID:FHi2OVgs0

~~~♪  ~~~♪

梓「…これってGreen Dayの……」

ちび「ほぉぉ、American Idiotかぁ…!!」キラキラ

しー「これやったら、お客さんみんな、ノリノリになれるんちゃいますか!?」キラキラ

ちび「いいねー! 好きだよこういうの!!」フンス

男「かっこいいなぁ……」キラキラ

べス男「………血沸き肉踊る………」フッ

しー「よーっし、これで決定で、いいやんな!?」ウォオー!

男「いいぜ! お好み焼き屋ロック、やってやろうじゃん!!」

ちび「うわぁーい! 久しぶりのバンドだぁああ!!!」フンス!

梓「やってやるです!」グッ

べス男「………楽しみ…………」ボソッ

___________________________________________________

______________________________________

___________________________

412: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 20:34:06.73 ID:FHi2OVgs0
夜 男の家

男「ただいまー……」

シーン…

男「………」

男「…練習しなきゃな、スコアももらってきたし……」イソイソ…

男「………」

ジャジャーン…

男「…………」

……………………………………………………………………………………………….

男「~♪」ジャカジャカジャーン

妹「……」ペキョッ…

男「~♪」ジャンジャーン

妹「……」ペキン…

男「-ッ♪」ジャジャウィーン

妹「……」

妹「お兄ちゃん…」

男「ん?どうした?」

妹「…Fコードが弾けない」ムス

……………………………………………………………………………………………….

男「………」ハッ

男「……ッ、いけない、集中しなきゃ……」ジャーン…

男「…………」

男「………」

男「……」

男「………」

419: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/19(月) 23:54:14.06 ID:FHi2OVgs0

文化祭まであと25日

420: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 00:02:49.34 ID:3rvSvVND0
朝 しーの家

しーパパ「ところでお前ら、楽器はどーするん?」

ちび「あ、心配ないですよ~、おっちゃんが届けてくれるので」ニコニコ

しーパパ「お、おっちゃん…??」

しー「なんていうか、もう便利屋やなぁ…」

ちび「むぅー! おっちゃんは便利屋なんかじゃない!!」プンスコ

ブゥゥゥン… キキィ…

ちび「来た!!!」パァァ

ガラガラ…

茂雄「ちわー、音波スタジオっす~」ヒョコ

しーパパ「んお、あんたが便利屋かい??」

茂雄「…便利屋?」

ちび「待ってたよー! ささ、あそこのステージにお願い!!」フンス

男「茂雄さん、おはようございます」ペコ

梓「お、おはようございます……」ペコ

べス男「…………」ペコ

茂雄「おう、お前らも手伝え」スタスタ

しー「よっしゃ運ぶぞぉ~~!!!!!」フンス

ちび「おぉー!」

梓「…お、お~!」アセアセ

男「ドラムセットに、アンプ、あとは~……マイクと、スタンド……」

茂雄「いるもの全部積んで来たから、大丈夫だ」

男「あ、どうもです…」

茂雄「ほら、どんどん運んでけ」

421: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 00:15:03.41 ID:3rvSvVND0
梓「…こ、このアンプ、でかいなぁ……」ヨイショ…

梓「お、おも……」プルプル

男「あぁ、いいよ、俺が持ってくから!」ニコ

梓「あ……ど、どうもです……」

男「よいっしょ……」グイ!

男「……た、確かに重いな……、これは女の子じゃ、持てないよ」ヨロヨロ…

梓「なんだか、すいません……持ってもらっちゃって……」

男「いいって、気にしない気にしない」ニコ

しー「…………」じぃぃ

しー「………」

しー「あ、あぁん!/// これ、重すぎるやろぉ!!////」キャピキャピ

しー「非力なウチじゃ、もてへんってぇ…////」クネクネ

ちび「それなら私が持とうか~?」ヒョイ

しー「」

ちび「ふんふ~ん♪」トテトテ…

しー「ちび部長のおたんこなすぅ!!!!」ウガァ!

ちび「ほぇ!? な、なんで!?」ガビーン

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

男「ふぅー、…これで良しっと……」

しーパパ「おぉぉ! うちのお好み焼き屋に、ライブスタジオができよったでぇ!!!」ウォオー!

茂雄「即席だけど、まぁいいんじゃないか」

しー「うはぁー!/// これで店でも歌いまくれるんやなぁ!!////」キラキラ

梓「す、すごい……」

べス男「………Amazing……」ボソッ

422: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 00:25:11.16 ID:3rvSvVND0
茂雄「それじゃ、俺は帰るから」バタン ブロロロロ…

ちび「ありがとぉ~! おっちゃ~ん!!」ブンブン

しーパパ「便利なお方やなぁ……」

しー「便利屋なだけあるわぁ…」

ちび「だから便利屋じゃないよ!!!!」アセアセ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しー「みんな、もう演奏できたりするんか? 昨日の…」

ちび「私はカンペキだよ」エッヘン

しー「えぇぇえ!? す、すごいやん部長さん!!」ビックーン

ちび「えへへぇ////」テレテレ

梓「私は見ながらだったら、いちおう全部弾けますよ」フンス

べス男「………俺も…………」ボソッ

しー「おーおー! すごいやん、みんなぁ!」キラキラ

しー「もちろん、男もできてるんやろ?」ニコニコ

男「」

しー「………」

しー「……まさか」

男「……できてません」ショボン

しー「…はぁーっ、やろうと思ったわぁ……」

男「ぅぐ……」グサッ

しー「バンドフェスのとき、あのバンドの中で1番下手やなぁって思ったの、あんたやったもんなぁ……」

男「えぇ!?」ガビーン

しー「楽しそうに弾いてるのは、えぇねんけど……まだ初めて間もないやろ? ギター」

男「…んー……、たぶん、1ヶ月くらい…かな…」

しー「……はぁぁー」

423: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 00:34:16.09 ID:3rvSvVND0
しー「まぁえぇ! これもいい練習の機会や!!」フンス

しー「カンペキに弾けるようになりぃやあ!!!!」ニシシ

男「お、おう!」アセアセ

しーパパ「どうせ客こーへんし、お前ら楽器触っとってえぇで」ムシャムシャ

梓「お好み焼き食べてる!?」ガビーン

しーパパ「お前らが人前でできるようなったら大繁盛、間違いなしやな!」ガハハ

しーパパ「…はむ、はふはふ……うまっ!」モグモグ

梓 (……おいしそう………)ジュル…

しー「よ~し、ほな、男は置いといて、いっぺん合わせてみるかぁ!!」オォー!

ちび「おぉ~!」

梓「…お、おぉー!」グゥゥ~…

べス男「………Oh…………」ボソッ

男「むむむ……、早く弾けるようにならないと……!」アセアセ

424: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 00:42:40.75 ID:3rvSvVND0

バイトはバイトではなく、バンド練習になった

何故かと言われても、流れでそうなったとしか言えないや

……でも、ちょうどいいのかもしれない

今、何かに没頭していなければ、立ち止まってしまうと思うから

立ち止まったら、現実を目の前に突き出されそうな気がするから

逃げて、逃げて逃げて、逃げて逃げて逃げて逃げて、逃げ切ればいい

全てが終われば、あれは夢だったんだ、って……笑えるはずだから

______妹とまた、笑えるはずだから

433: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 15:04:37.23 ID:3rvSvVND0

文化祭まであと24日

434: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 15:10:30.62 ID:3rvSvVND0
朝 男の家

男「………」スタスタ

カタン… タンタンタン…

男「……?」

男 (…台所の方から物音が……)

スタスタ…

母「おはよう」

男「!」

母「…ごめんね、家事、ほったらかしにしておいて…」

男「…大丈夫だよ」

母「……私がしっかりしないといけないのに……」

男「………」

男「……俺、ちょっと出かけるよ…」

母「……気をつけて」

男「………」

435: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 15:22:03.86 ID:3rvSvVND0
しーの家

梓「そこ違います! こうです!!」ジャカジャカ

男「こ、こう?……」ジャカジャカ

梓「ぜんぜん違います!!」プンスカ

梓「もー、唯先輩なら、こんなところ楽勝で弾いちゃうのに……」ハァ

男「むむ……、初心者だから、仕方ないよ…」アハハ

梓「カンケーないです!」フンス

男「ひぃ!!」ビックーン

ちび「…あの調子なら、今日中に完成しそうだねぇ」

しー「せやなぁ……梓は教え上手やからな……」

ちび「しーはもうカンペキなの? 歌のほうは…」

しー「もちのろんや! 発音もバッチリ!!」フンス

ちび「ふむむ~」

べス男「……………」

しーパパ「おぅ、お前さん、なんやかっこえぇ髪型しとるなぁ! ロックか!? それがロックなんか!?」フンス

べス男「…………ハイ………」ボソッ

しーパパ「元気出しぃや!!!!!!!」

べス男「!!?」ビクッ

しーパパ「ロックはパワーや!! 腹から声出しぃ!!!!」

べス男「…………ハイ………」ビクビク

しーパパ「あかんあかん!! ぜんっぜんロックちゃう!!!!」

べス男「……………」アセアセ

しーパパ「ロックなんは髪型だけなんか!? えぇ!? そりゃーガッカリやわぁ!!」

べス男「………スイマセン………」ビクビク

しーパパ「腹から声出しぃゆうとるやろォォォォ!!!!!!!!」

べス男「は、はひ!!」ビクッ

しーパパ「もっとや!!!!!!」

べス男「はいい!!!!!!!!!!!!!!!!!」

しーパパ「まだぜんっぜんロックちゃうて!!」

しー「…あっちは何しとるんやろなぁ……」アハハ…

ちび「さぁ…、何かの特訓じゃないかな?」

436: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 15:34:12.95 ID:3rvSvVND0
昼頃

しーパパ「さぁ焼けたで! じゃんじゃん食べやぁ!!!」

男「おぉぉー!」キラキラ

梓「お…おいしそ~!」ジュル…

しー「よっしゃぁあー! がんがん食うでぇ!!!」

ちび「いただきまーす!」ワァーイ

べス男「いただきますッ!!!!!!」アセアセ

ちび「……そういえば、しー、このバンド、何ていうの?」モグモグ

しー「あー…そういえば、決めてへんかったなぁ、バンド名……」ムシャムシャ

梓「決めてなかったんですか…」モキュモキュ

しー「何がえぇかな!? みんな!」フンス

男「うーん……俺は何でもいいかな…」ガツガツ

べス男「おまかせでッ!!!」モグモグ

しー「うぉ、なんやえらい元気になっとるな……べス男……」ビクッ

梓「私も何でもいいです、というか、ここはやっぱりリーダーである、しーさんが決めるべきだと」モグモグ

ちび「だよねぇ」ムシャムシャ

しー「うぅむ……責任重大やな……」アセアセ

しー「………」ウーン

しー「…………」ウーン

しー「……………」ウーン…

しーパパ「俺が決めてもえぇか?」

しー「父ちゃんが!?」

男「何か思いついたんですか?」モグモグ

しーパパ「ふっふっふ、すっげぇの、閃いたで!」ニヤニヤ

しー「マジかぁ!」キラキラ

ちび「どんなのかな!!?」ドキドキ

しーパパ「 『お好み焼きロック』 やぁ!!」ドン!

しー「………」

男「………」

ちび「………」

梓「………」

べス男「よっ!さすがですッッ!!!」アセアセ

437: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 15:39:52.89 ID:3rvSvVND0
しー「…ま、まぁ、別にえぇんちゃうかな? それで……」

ちび「確かにね~」

ちび「お好み焼き屋で演奏してるバンドが、かっちょいい名前!ってのも、なんか違う気がするしね」

男「あぁ、そっか…」

梓「じゃあ、これくらいダサいバンド名の方が、しっくりくるってことですね…」フムフム

しーパパ「えぇ!? これ、ダサいん!?」ガビーン

そんなわけでバンド名が決定した

『お好み焼きロック』

夕方頃には俺もバンド練習に参加し、なかなか形になってきた

明日には客の前で披露できるかもしれない

440: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 20:25:05.67 ID:3rvSvVND0

文化祭まであと23日

441: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 20:44:03.54 ID:3rvSvVND0
朝 スタジオ

ギタ娘「ちがぁぁぁあああああああああああああああああああう!!!!!!!!!!!!!」

ギタ娘「ぜんッッッッッぜん、ぜんッッッッッぜん…」

ギタ娘「違ぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああう!!!!!!!!!!!!!!!」

4弦娘「黙れ!!!! ロックだよ!!!! 時代はロック!!!!!!」

ギタ娘「ヘビメタだろぉぉぉがぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

4弦娘「あんなのうっせーだけだろ!!!!!」

ギタ娘「ふざけんな!!!!! あんなヒョロヒョロしたサウンドの、どこがいいんだクソがぁああああああああああああああ!!!!!!」

4弦娘「騒音撒き散らすだけのヘビメタの、どこがいいんだかサッパリだわマジで!!!!!」

ボカロ「ちょ、2人ともやめて!(=゚ω゚=;) ☆ミ」

ドラ子「ドドド…」

ギタ娘「うるせぇぇえええええ!!!!! ぁぁあああマジでイライラするゥッ!!!!」ギャアアアア!

ギタ娘「もう暴れちゃう!!! 暴れちゃうから私!!!!」ガシッ

4弦娘「!? ギ、ギターを持って、何する気だ!!?」

ギタ娘「こーするんだよぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」ブンブン!

ボカロ「きゃー!!Σ(□`;)アゥΣ(   ;)アゥΣ(;´□)アゥΣ(;´□`;)アゥ☆ミ」

4弦娘「バ、バカ!! 危ない!!!」

ギタ娘「へ?」グルングルン

ガンッ!!!!!

ギタ娘「………あ」

プシュ~~~……

ボカロ「ア、アンプから煙がッ!!!(”ロ”;)ゲゲッ☆ミ」ビックーン

4弦娘「何やってんだバカ!!!!!!」

ギタ娘「あぁあ~~~!」アセアセ

茂雄「何の騒ぎだ?」ガチャ

ギタ娘「!!!」ビクッ

茂雄「…!?……」

442: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 20:45:30.72 ID:3rvSvVND0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ギタ娘「ほんっとうに、ごめんなさい!!」ペコ

茂雄「………」

4弦娘「ったく……、うちのバカがご迷惑をおかけしました…」ペコ

ボカロ「あうあう~・゚・(ノД`;)・゚・☆ミ」ペコ

ドラ子「ドド」ペコ

4弦娘「アンプは弁償させてくだ…」

茂雄「かまわん」キッパリ

4弦娘「……へ?」キョトン

茂雄「弁償代はいらん」

ギタ娘「えっ…で、でも……」アセアセ

茂雄「その代わり、もう二度とうちには来ないでくれ」スタスタ

バタン…

ギタ娘「………」

4弦娘「………」

443: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 21:10:58.34 ID:3rvSvVND0
昼頃 公園付近

岩男「あっちぃ~……」スタスタ

岩男「今日も快晴、気温も30℃越え……」ゼェゼェ

岩男「やべぇな……死ぬ……」スタスタ

岩男「……お? 公園にいるのは……」

岩男「ギタ娘先輩……?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

岩男「お~い、ギタ娘先輩~!」タッタッタ…

ギタ娘「……なに?」ズゥゥン…

岩男「!?」ビクッ

岩男 (なんだ!? この覇気のなさは……)

4弦娘「ん? 岩男か?」ヒョコ

岩男「4弦娘先輩まで!…… どうしたんスか?」

4弦娘「…ちょっとな」

4弦娘「ボカロも、ドラ子もいるぞ」ホラ

岩男「あ、ほんとだ」

ボカロ「ウフフフ☆ミ」キャッキャッ

ドラ子「アハハハハ☆ミ」キャキャッ

岩男「高校生にもなって砂場で遊ぶとは……」

4弦娘「ある意味ロックだな…」フッ

ギタ娘「はぁぁぁ……」ズゥゥン…

岩男「あぁ、そういえば…、どうしたんスか、先輩……」

ギタ娘「…あのね、スタジオのアンプをね…」

ギタ娘「壊しちゃったの……」

岩男「マジッスか!?」ガビーン

ギタ娘「割とマジなの……」ハァ…

444: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 21:12:07.46 ID:3rvSvVND0
4弦娘「こいつデンション上がりすぎて、ギター振り回しやがってな……」

岩男「それでアンプを……」

4弦娘「あぁ……」

岩男「……ある意味ロックっすね…」

ギタ娘「ロックじゃねぇよ!! メタルだよ!!!!!」

岩男「す、すいませんでした!」ビクッ

ギタ娘「……はぁぁぁ……」ズゥゥン

4弦娘「まぁ、こんなことやっちまったから、スタジオ、出入り禁止になった」ハァ

岩男「えぇー……」ガビーン…

ギタ娘「……あぁぁぁ、もうこの町でギター弾けるところ、学校しかなくなっちゃったよ……」ズゥゥン

4弦娘「その学校も今は夏休みで閉まってるからな…」

岩男「…でも、文化祭の準備で、そろそろ入れるようになるんじゃないッスか?」

4弦娘「あ」

ギタ娘「あ」

岩男「………」

ギタ娘「いつから入れるようになるの!?」フンス

岩男「え、えぇと……たしか……」アセアセ

ギタ娘「早く言えよぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

岩男「ぶ、文化祭前20日ッス!! それくらいから入れるようになると思うッス!!!」ビックーン

ギタ娘「っしゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

4弦娘「ッしゃぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ギタ娘「あと少しじゃねぇえええかぁああああ!!!! テンション上がってきたぁああああああああ!!!!!!!!!」

4弦娘「うぉぉぉぉおおおお!!! ロックだぜぇぇぇぇええええ!!!!!!!!!!!!!!」

ギタ娘「だぁぁかぁぁぁらァァァアア!!!!! あんなヒョロいサウンドのどこがッッッ!!!!!!!!」

4弦娘「あんな騒音撒き散らすだけのヘビメタの、どこがッッッッッ!!!!!!!!」

ギタ娘「あ”ぁ”ん”!?」

4弦娘「あ”ぁ”ん”!?」

岩男 (……音楽で人は変われる………マジで……)ビクビク

445: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 21:23:24.99 ID:3rvSvVND0
夜 副会長の家

副会長「………」パラパラ…

副会長パパ「…また、本を読んでるのか……」

副会長「……あぁ」

副会長パパ「…そうか」

副会長パパ「……音楽、聴いていいかな?」

副会長「…いいよ、許可取らなくても流していいって、いつも言ってるじゃないか……」パラパラ

副会長パパ「そうだったな…、すまない」ハハハ…

ウィィーン… カシャン…

~♪ ~♪

副会長「……The Beatles?」

副会長パパ「あぁ…、父さんの青春だよ」ニコ…

副会長パパ「…よく、仲間と演奏したもんだ…」

副会長「………」

副会長パパ「……どうだ、お前も……」

副会長「…僕はやらないって、いつも言ってるだろ?」

副会長パパ「…あぁ、…そう…だったな……」アハハ…

副会長パパ「……すまない………」

副会長「……2階へ戻るよ」スクッ

スタスタ…

副会長パパ「………」

副会長ママ「…まだ懲りてなかったのですね……」ハァ…

副会長パパ「……あいつにも、知ってほしいんだ…」

副会長パパ「誰かと、音を合わせるということを……その楽しさを……」

副会長ママ「…そういえば、昔から言っていましたものね…」

副会長ママ「誰かと演奏する楽しさを、少しでも多くの人に知ってもらいたい、って…」

副会長パパ「……私は、昔から変わっていないよ」ニコ…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

バタン…

副会長「………」

446: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 21:25:24.75 ID:3rvSvVND0

文化祭まであと22日

447: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 21:28:49.24 ID:3rvSvVND0

『  どこだろう?

     ずいぶんと暗い場所だね

   何もない

            …誰かいるの?

      いたら返事をしてほしいな

         ………

              いないんだね

            残念……  』

448: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 21:30:59.41 ID:3rvSvVND0

『   何もないね

        さっきから歩いてるんだけど

    何もないんだね

          光すら、ない

             真っ暗

                真っ暗

           真っ暗

              真っ暗

449: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 21:34:27.09 ID:3rvSvVND0

    いつから ここにいるんだろう

             いつ ここにきたんだろう

       思い出せないや

          ……思い出せること

               声………

            ぬくもり………

              顔……

                        ………やさしそうな顔

450: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 21:36:47.79 ID:3rvSvVND0

文化祭まであと21日

451: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 21:46:23.79 ID:3rvSvVND0
朝 病院

妹「………」

母「…おはよう!」ニコ…

妹「………」

母「…ほら、着替え、もってきてあげたわよ!」

母「それから……じゃじゃーん!」

母「駅前のケーキ!! どう? 驚いたでしょう?」ウフフ…

母「男のやつ、バイトの目的が、ケーキを買うためだったなんてね…」

母「なんか抜け駆けされてる気分だったから、悔しくてお母さんも買ってきちゃった!」アハハ

妹「………」

母「…ほら、ショートケーキ……、ここにおくね?……」コト

妹「………」

母「…妹は美人ね……」

母「本当に私の子供?って思っちゃうくらいに…」フフ…

妹「………」

母「……………」

母「…焦る必要なんて、ないからね……?」ニコ…

母「ゆっくり……治していこう……」

452: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 22:14:28.87 ID:3rvSvVND0
昼頃 どこか

社会人A「あ~、腹減ったなぁ…」

社会人B「だな……、どこか食いに行くか?」

社会人A「そうだな」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

社会人A「う~ん…ここらへん、店が少ないな…」スタスタ

社会人B「あぁ、どこも潰れちまったみたいだなぁ」スタスタ

社会人A「………」スタスタ

社会人B「………」スタスタ

社会人A「…あの角を曲がって、先に店が一軒も見えなかったら、引き返そう」スタスタ

社会人B「そうだな……」スタスタ

ジャジャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!

社会人A「!?」ビクッ

社会人B「ギ、ギターの音…!?」アセアセ

社会人A「…どこから……?…」キョロキョロ

社会人B「あ……」

『お好み焼き屋』

『お好み焼きロック、はじめました』

社会人A「………」

社会人B「…どうする?」

社会人A「…入ってみるか?……」

社会人B「……腹、……減ってるしな…」グルルル~…

ガラガラ…

453: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 22:16:33.09 ID:3rvSvVND0

しーパパ「へいらっしゃああああい!!!!!!!」

ジャジャーーーン!!! ギュィィーーン!!

しー「らっしゃいらっしゃ~い!」

男「どうも~! お好み焼きロックです!!」ギュィィーン

梓「さぁさぁ、席にどうぞ! 1曲披露しますよぉ~!」フンス

ちび「ほらほら、始めるよ~!」

社会人A「……」ポカン

社会人B「……」ポカン

カン カン カン カン

ジャジャーーン!!!!

ズンズンズンズン!!!!!

ちび「いぇえーーーーーーーーーーい!!!」ドダダン! ドドダン!

男「フォーーーーッ!!!!」

しー「Don’t wanna be an American idiot.

     Don’t want a nation under the new mania.

       And can you hear the sound of hysteria?

          The subliminal mindfuck America♪」

社会人A「これ…知ってるぜ! Green Dayだよ!」オォォ…

社会人B「え? 何それ……」アセアセ

社会人A「知らないのかよ! まぁいいや、聴いていこうぜ!!」フンス

社会人A「オヤジ! お好み焼き2つ!!」

しーパパ「まいどぉ~!!!」ガハハ!

454: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 22:19:06.99 ID:3rvSvVND0

しー「Welcome to a new kind of tension.

    All across the alienation.

      Everything isn’t meant to be okay.

        Television dreams of tomorrow.

          We’re not the ones who’re meant to follow.

            For that’s enough to argue♪」

~♪ ~♪

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

一般人A「なんだぁ? あの店から音楽が聴こえるぜ?」

一般人B「面白そうだな、入ってみようぜ!」

OL「ねーねー、久しぶりにお好み焼き食べたい!」

美人OL「そうですわね、わたくしも久しぶりに食べたいと思っていたところですの」

ブスOL「よっしゃぁあ、それじゃ~入ろうぜぇ」ブヒブヒ

中学生「むむ! ロックの気配!!」

女中学生「あそこからだよ! 行ってみる!?」

中学生「うん!」

老人「なんじゃ…? この軽快なビートは……」ホゲホゲ

婆「……あそこからじゃのぅ……」ヨボヨボ

老人「入ってみるかぇ?」

婆「そうじゃの…、久しぶりにハッスルしますかのぅ…」ニコニコ

455: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 22:21:03.07 ID:3rvSvVND0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しーパパ「……な、何じゃこりゃぁあ………」プルプル

ウォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ズン!ズン!ズン!ズン!

ちび「いやーーーーーーーーーーーっほーーーーーーーーーう!!!!!!!!」ヘドバン

男「うぉぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」ギュィィーン

梓「男さん、ちょっと走ってますよ!?」アセアセ

男「何!? 走れって!? よっしゃああ!!!!!」ダッ

梓「ちょっ!!!」

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!

「あいつ、店内を走りながら弾いてるぜ!!!」

「すげぇテクだなオイ!!!!!」

「シールドどんだけ長いんだよ!!!!」

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

しーパパ「……誰もお好み焼き、注文してくれへん………」プルプル

456: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 22:33:15.80 ID:3rvSvVND0
閉店時刻

しー「いやぁ~盛り上がった盛り上がった!!」フンス

ちび「だね~! お客さんもみんなノリノリだった!」ニコニコ

梓「とっても楽しかったです!」アハハ

男「久しぶりにいい汗かいた気がするよ!」

べス男「………狂気の宴………」フッ

しーパパ「でも誰もお好み焼き……注文してくれへんかったで……」ズゥゥン…

梓「えぇ!?」ガビーン

しー「なんやて!?」ガビーン

ちび「それじゃ意味なかったじゃん!」ガビーン

男「俺、走った意味なかったってことですか!?」ガビーン

梓「…あれは本当に意味が分からなかったです」

男「そんなぁ!!」ガビーン

しーパパ「…まぁ、でもやな……」スクッ…

しーパパ「あんなにお客さんがいる店内を見たのは、…初めてやった!」ニコ

しーパパ「これも、お前らのおかげや!!!」ガハハ!

ちび「おぉー!」パァァ

しー「客寄せにはなる、っちゅーことやな!」

梓「それは良かったです!」フンス

しーパパ「これからも頼むで!? お前らがキーになっとんのやからな!!!」ニカッ

男「はい!!!」

ちび「がんばるよー!!」フンス

梓「やってやるです!」グッ

しー「おっしゃあ!」グッ!

べス男「………なんていうか…………」

べス男「…………ここ、ライブハウスにしたら普通に儲かるんじゃ………」ボソッ

しーパパ「……あ、そっか」

457: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 22:35:04.29 ID:3rvSvVND0

文化祭まであと20日

458: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 22:48:25.49 ID:3rvSvVND0
朝 しーの家前

男「えぇーー!? 店じまい!!?」ガビーン

しー「すまんなぁ、昨日のべス男のアドバイス、父ちゃん本気にしちゃってなぁ…」ナハハ

しー「なんか、この店、改築してライブハウスにするんやってぇ」

男「そ、そんなぁ……」

男「バイト…どうするんだよぉ……」ヘナヘナ

しー「あ、そや、これ」スッ

男「…これは?」

しー「父ちゃんから」

しー「バイト代やって」ニシシ

男「!!! で、でも、1週間は様子見で、バイト代は出ないって……」

しー「あぁ、言ってたなぁ……」

しー「でも、気ぃ変わったんちゃう?」ニシシ

男「……で、でも…なんか悪いな…」アセアセ

しー「まぁまぁ! せっかくなんやし、もらっときぃや!」ニャハハ

しー「…金欠やったんやろ?」ニシシ

男「…うん……」

しー「なら、なおさらや!」フンス

男「…ありがとう、恩に着るよ」ペコ

しー「気にすんなや! ウチらの仲やろ!?」フッフッフ…

しー「 『お好み焼きロックの名は、世界に轟くゥ!』…ってな!」フンス

男「あはは…!」

男「…それじゃ、ありがとうな」ニコ

しー「おう!」ニコニコ

男「またな~!」ダッ

しー「またどっかで会おうなぁ~!!」バイバイ

459: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 22:50:30.45 ID:3rvSvVND0

タッタッタッタッタ…

男 (やった…! これで、妹にケーキを買ってやれる……!)

男 (…妹に会える! 妹に…、会えるんだ……!)

460: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 22:56:34.43 ID:3rvSvVND0
ケーキ屋

店員「いらっしゃいませ~」

男 (……あった、ショートケーキ!……)ゼェゼェ

男「すいません、これ1つ、ください!」

店員「かしこまりました~」

男「…あ、イチゴ、5つでお願いします!」ニコ

店員「は、はい…」

男 (…やった! やった!やった!やった!!!……)ドキドキ

男 (やっと会えるんだ……!)ドキドキ

461: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 23:09:41.54 ID:3rvSvVND0
病院 ロビー

ウィィーン…

男 (急げ…! 急げ…!……)スタスタ

男 (早く会いたいんだ…!)スタスタ

岩男「おぅ、男ォ!」

男「!?」ビクッ

岩男「よぅ!」ニコニコ

男「し、師匠…? どうして、ここに…?」

男「…! それに、みんなまで……」

女「何よ~、いちゃ悪いわけ?」プンプン

ちび「妹ちゃんのお見舞いだよ~」ニコニコ

ボカロ「みんな心配だったから、みんな来ちゃったってこと!☆*~゚⌒(‘-‘*)⌒゚~*☆ウフフ♪☆ミ」

副会長「ぼ、僕は別に……」

生徒会長「素直が1番よ~?」クスクス

ドラ子「ドドドドド!!!」カタカタカタカタ…

べス男「…………迷える子羊に救いの手を………」ボソッ

男「………」

岩男「…? どうしたんだ?」

男「…! い、いや、何でもないです…」

男「あ、ありがとうございます! 妹のために……」

ちび「いやいや、気にしないでくれたまえよ、新入りくん!」フンス

女「妹ちゃんに、早く元気になってもらいたいからね!」ニコ

男「そっか…、ありがとう…本当に……」ニコ

男「それじゃ、案内するよ!」

462: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 23:35:26.25 ID:3rvSvVND0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ガラガラ…

男「おはよう! 妹!」ニコ

岩男「失礼するぜ~!」

ちび「部長のお出ましだよ~!」フンス

女「妹ちゃ~ん! お見舞いに来たよ~!」ニコニコ

べス男「………?」

男「妹、ケーキ買ってきたぜ? ほら!」ガサガサッ

男「ごめんな~、俺、バイトやっててさ、なかなか来れなかったんだよ!」

男「ほんと、ごめんな!」

副会長「……お、おい………」

男「だから、今日の久しぶりのケーキ、すっげぇ奮発しちゃったぜ! じゃじゃーん!」

男「イチゴ5つだ! どうだ!? 見たことないだろ、こんなケーキ!」ニシシ

生徒会長「……お、男くん……?……」

男「さすがに、5つはのらないだろーって思ってたけど、案外いけるもんだな」アハハ

女「……ちょっと、男………」

男「…うん? 何だよ??」

女「…あんた……」

女「………誰と話してるの?……」

463: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 23:37:35.60 ID:3rvSvVND0

男「…は? 誰って、妹と……」

男「!?」

男「…なん、……で……?」

男「……嘘だ…」

男「……い、妹…? ど、どこ、いった、んだよ…?……」

ボカロ「…………」

ちび「……新入りくん……」

男「い、いたんです!! 確かに、ここにッ…!!! ここにいて、俺は…ケーキを……」

べス男「…………」

男「さっき、ここにいた!!! ここに!!!! ここにいて、いつもみたいに、壁を…!!!!!!」

岩男「……もう、…やめてくれ……」フルフル

男「……違う、…ち、ちがう、んです……本当に……」ポロ…

男「妹は……ここに……ッ」ポロポロ…

女「やめてよッ!!!」ポロ…

男「……う、うそ、だ……こん、なの……」ポロポロ…

464: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 23:39:58.50 ID:3rvSvVND0

岩男「……辛かったな………」

男「…………」ポロポロ

ちび「……ごめん………、何も、知らなくて……」

女「……な、何してたんだろ、…私は……」グスン

男「……やめろ」ボソッ

べス男「………?」

男「やめろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

男「勝手に……、勝手に、い”もうとをッ、殺すなぁッッッ!!!!!!!!」ボロボロ

男「いぎでるんだ!! ひっぐ…、…妹は……、まだ、い”、生きて……」ボロボロ

男「……ぁぁああああ、」ボロボロ…

男「ぁぁぁあああああああああああああああああ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

465: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/20(火) 23:43:44.88 ID:3rvSvVND0

              _______俺と母さんは、何を見ていたんだろう

                        何が見えていたんだろう

                誰に話しかけていたんだろう

                         そこに、誰がいてほしかったんだろう

474: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 02:07:27.48 ID:wUeGfOuv0

文化祭まであと19日

今日も快晴

気温は30℃越えは間違いないらしい

何だか悪夢から覚めたような気分だ

行うべき事をしたくないから、日常に身を潜めることにしよう

もう、疲れたんだ

十分だろ

475: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 02:11:56.42 ID:wUeGfOuv0
朝 公園

男友「………」ぼーっ

男「………」ぼーっ

男友「何だよ、急に呼び出してさ…」

男「…なんか用あったのか?」

男友「ねぇけど…、っていうか、部長、マジでキレてたぜ?」

男「あぁ…引退試合のことか……」

男友「…まぁ、過ぎたことだし、俺はもう何も言わねぇけどよ…」

男「……」

男「あーっ、なんかかったりぃなぁ……」

男友「何するよ?」

男「ん~…」

男「何でもいいぜ」

男友「そっか…」

男友「じゃゲーセン行こうぜ」

男「…おう」

476: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 02:17:03.51 ID:wUeGfOuv0

スタスタ…

男友「…うわ、見ろよ、あれ…」

男「ん?」

男友「喪服姿の行列…」

男友「縁起悪いもん見ちまったぜ…」ペッペ…

男「………」

男「早く行こうぜ、早くストファイやりたい」

男友「おう」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ゲーセン

男友「ふっ、おりゃっ、はぁ!」ガチャガチャ

男「………」ガチャガチャ

『K.O!』

男友「うがぁー!負けたぁあああ!!」

男「弱っw」

男友「くそっ!もう一回だ!!」

男「俺もう100円玉ねーよ」

男友「嘘つけ!」

477: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 02:24:45.47 ID:wUeGfOuv0
昼頃 町中

男友「あ~暇だな~…夏休みも、しょせんただの長っげぇ休日だな」

男「だな」

男友「暇すぎるぜ~…、ん?」

ヤンキー「おぅ嬢ちゃん可愛いじゃん? ちょっと付き合ってくんね?」ニヤニヤ

MOB「や、やめてください…!」アセアセ

男友「…女の子が不良に絡まれてる……」

男「ほっとけよ」

男友「えぇー? 今助けたらフラグ立つぜ??」

男「面倒臭いだけだっての」

男友「そうかー?」

男友「…っつーか、何か、お前変わったな」

男「…どこがだよ」

男友「なんつーのかな…」

男友「態度とか、目つきとか…?」

男「…馬鹿馬鹿しいw」

男友「いや割とマジで」

男友「目つき鋭くなったんじゃね??」

男「ははw」

ヤンキー「おらいい加減に来ねぇとブン殴るぞ!!!!」

MOB「きゃぁああああ!!!!!!」

「き、君、やめなさい!」

「その女の子を放しなさい!!」

男友「お、あいつらに横取りされたぜ…、チクショウ…」

男「くだらねぇw」ハハハ

478: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 02:29:53.04 ID:wUeGfOuv0
学校 教室

モブ美「さぁみんなー! メイド喫茶開店に向けて、がんばるわよー!」

「「「 おぉー! 」」」

サッカー少年「おい、テーブルの飾り付けはどうする?」

陸上部「はいこれ」スッ

サッカー少年「んん?」

陸上部「その通りにしろってさ」

サッカー少年「はいよ~」

男「おーっす」

モブ美「男くん!? 遅刻だよ、集合時刻ちゃんとメールしたでしょ!?」

男「悪い、見忘れてた」

モブ美「…?」

モブ美「まぁいいや、はいこれ、教室内のセッティング資料」

モブ美「みんなのを手伝ってあげて」

男「おう」

479: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 02:35:00.54 ID:wUeGfOuv0
夜 公園

男「………」

犬「わんわん」

男「…おー、ここ、お前の家だった?」

犬「くぅーん」

男「悪いな、勝手に使っちゃって」

犬「はっはっは」

男「…って話しかけても通じるわけねーか」

犬「くぅん」

男「おら、どっかいけよ、臭いんだよ」

犬「わん」

男「……うざ」

男「仕方ない、どくわ…」ヨイショ

男「…ったく」スタスタ

男「…あー、暑い」

男「夜なのに暑いとか……」

スタスタ…

480: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 02:36:34.79 ID:wUeGfOuv0

文化祭まであと18日

481: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 02:43:00.06 ID:wUeGfOuv0
朝 道端

おじさん「君…、…君!」ユサユサ

男「……ん?」パチ…

おじさん「君、何てところで寝ているんだい…」

男「…ここは?」

おじさん「道端のど真ん中だよ」

おじさん「まったく…、死体かと思って驚いたよ」ハァ

男「…死体かぁ」

男「いいな、それ」ハハハ

おじさん「!? 何を言ってるんだい、君は…」

男「うっせぇw」スタスタ

おじさん「ちょ、待ちなさい! 君…!」アセアセ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

スタスタ…

男「………」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

学校

男「おっす」

モブ美「お、今日は早いのね」

男「おう」

モブ美「女、今日も来れないみたい」

男「そっか」

男「…なんかやること、ある?」

モブ美「あるけど…、男くん、軽音あるんじゃないの?」

男「ん?」

モブ美「軽音よ、文化祭で発表する……」

男「あぁ……」

男「どうでもいいよ」

モブ美「…へ?」

男「どうでもいい」

482: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 02:51:12.48 ID:wUeGfOuv0
男「軽音なんて、くっだらねーよw」

モブ美「ちょ……」

男「だって、音楽の理論も分かってない屑が、でっけぇ音で歪ませて誤魔化してる、ただのお遊びだろ?」

男「そんなのやるとか、時間の無駄すぎだろw」アハハ

モブ美「…ど、どうしたのよ……いったい…」

男「…は?」

モブ美「あなた……本当に、男くん…?」

男「そうだよ」

男「俺が男だよ」

男「お前、俺が誰に見えてるの?w」

モブ美「おかしいよ…何か…変だよ?……」

男「何言ってんのって話だよw」

男「もしかして、幻覚見ちゃってんの?w」ニヤニヤ

男「だとしたら、救えねぇバカだなw」ハハハ

モブ美「……ッ」

タッタッタッタ…

男「………ははw」

サッカー少年「おーっす、って、早いな~男ォ~!」

陸上部「今日は雨でも降るのか?」アハハ

男「雪でも何でも降らしてやるよw」

483: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 03:00:06.04 ID:wUeGfOuv0
夜 男の家

男「ただいまー」

母「!!?」

母「男ッ! 今までどこ行ってたの!!! 通夜にも葬儀にも出ないで…!!!!」

男「誰の?」

母「……ッ? 何を言ってるの?」

男「だから、誰のって聞いてるのw」

母「…本気で言ってるの?」プルプル

男「うんw」

男「つか、俺が聞いてんじゃん」

男「質問を質問で返すなよなw」アハハ

母「ッッッ!!!!」パシンッ!

男「……っ」

母「あんた!見損なったわ!! 最低よ!!!!」ポロ…

母「…あれだけ、心配して、傍にいてあげたじゃない…!」ポロポロ

母「あれは、嘘だったっていうの!? 演技だったっていうの!?」ポロポロ

男「……俺には、妹なんていなかったんだ」

母「……?」ポロポロ

男「俺は、もとから1人っ子だったんだよ」

男「だから、妹なんて、そんなヤツは知らないさ」

母「…………」ポロポロ

男「……はぁ、せっかく帰ってきたのに、最悪だわ、なんか……」

男「………」スタスタ

バタン…

母「……ひっく、……妹ぉ……!」ポロポロ

484: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 03:09:57.95 ID:wUeGfOuv0

文化祭まであと17日

自分の中で何かが壊れ始めていた

軋み朽ち果てていくその様に、もう1人の自分が傍観しているこの感覚

壊れても代わりはいる、とでも言うように、平静を装った顔をして

狼狽した身体に鞭を打つことをやめた

流れでそう成るように、全ては運命付けられているかのように、物事は進む

それにただ、身を委ねるだけなんだ

笑みは自然と零れた、自分でも驚く程に、自然に零れ落ちるのだ

何を焦っていたんだろう? 俺は、何を望んでいたのだろう?

それを望んで、それが叶わないことだと知っていて、でもそれを望んで、でも直視できなくて

崩壊はすぐそこに迫っている気がした

485: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 03:13:29.42 ID:wUeGfOuv0
朝 路地裏

男「………ん…」パチ…

男「……ふわぁぁ……」

猫「にゃあ」

男「………ん?」

猫「にゃー」

男「…きたねぇな、こっち来んな」シッシ

猫「にゃおん」トテトテ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

スタスタ…

男「………」スタスタ

ドン

男「…?」

バスケ部長「…お前は……」

男「……ども」

バスケ部長「………」ニヤ

486: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 03:24:21.60 ID:wUeGfOuv0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ドゴッ!

男「ぅぐ……」ドサッ

バスケ部長「朝からいいサンドバッグが手に入るなんて、今日はついてるぜ」ニヤニヤ

男「……」ゲホッ…

バスケ部長「…なんだその目は」

バスケ部長「悪いのはお前だろ?」

バスケ部長「お前がバスケ部抜けて、軽音部なんかに行くから、こんな仕打ちを食らうんだぜ?」

バスケ部長「それぐらい、分かるだろ?w」ニヤニヤ

男「………」

バスケ部長「……んだよ、その目、マジで腹立つな」

男「…確かに俺が悪いですね」

バスケ部長「…?」

男「俺のせいで部のみんなや、先輩方に迷惑をかけた」

バスケ部長「分かってるじゃねぇかw でも今更そんなこと言っても…」

男「俺は悪者だ」

バスケ部長「……んあ?」

男「俺は悪者になっちまった…ww」ニヤニヤ

バスケ部長「……狂ったか? 急に笑い出しやがって……」

男「へへへ…、悪者だぁ」ニヤニヤ

バスケ部長「もういっぺんブン殴ってやる!!!!」ブンッ

男「ッ…」シュンッ

バスケ部長 (な!? よ、避けた……ッぐ!!!)

ドゴォッ!

バスケ部長「ぅお、おぇえええぇええぇ……」ビチャビチャ

男「うっわぁ~w きったねぇなぁオイww」ニヤニヤ

男「部長ともあろう人間が、こんな道端でゲロとかw」ニヤニヤ

バスケ部長「……げぇえ……、はぁ、はぁ、…お前……ッ」ギロ

男「お~こわw」

男「怖いから蹴っとこうww」ブン

ドガッ ドガッ

バスケ部長「ッ…!ッ…!」ゲホッ

男「あははw」ニヤニヤ

男「楽しすぎだろこれwww」ニヤニヤ

488: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 03:59:03.01 ID:wUeGfOuv0

岩男「そのへんで止めとけ」

男「……!」ピクッ

男「……師匠か」

バスケ部長「……ヒ、ヒィイ!!」ダッ

男「あ、逃げられたw」

岩男「…通夜にも葬儀にも出てないと思ったら、こんなことしてたなんてな」

男「師匠には関係ないですよ」

岩男「ある」

岩男「お前は俺の弟子だからな」

男「ははw」

岩男「……辛い気持ちはよく分かる、だが、自分を見失うな」

男「別に辛くないですよ」

男「俺はいつでも元気ですから」

岩男「馬鹿野郎、お前、どこが元気だ……」

男「精神的にも良好ですw」ニヤニヤ

岩男「……頼む、逃げないでくれ」

男「……」

岩男「現実から、逃げないでくれ」

岩男「行き難い世界かもしれん、生きたくない世界かもしれん…でも」

岩男「だからこそ、逃げてほしくないんだ」

男「……師匠、黙ってください」

岩男「お前が今やっているのは、明らかな現実逃避だ」

岩男「直視できないから、そうやって自分を自分として見ず、他人の目を持とうとする…」

男「……やめてください」

岩男「…そんなことで自分を保とうとするな」

男「………ッ」

ちび「…新入りくん」

男「!? ぶ、部長……」

ちび「妹ちゃんがいなくなったのは、辛い……、痛いほど気持ちは分かるよ」

ちび「でも、そうやって妹ちゃんの死を受け止めることなく、このまま生きていっていいの?……」

男「俺は、違う…」

ちび「何が違うの?」

男「俺はッ、妹の…死を、受け止めるなんて、できない…」

男「そんなこと、やれって言われるのなら、死んだ方がマシだ!!!!」

ちび「それが逃げてるって言ってるんだよ…?……」

男「ッ……」

489: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 04:01:13.52 ID:wUeGfOuv0
ちび「このまま死ぬのも、ダメ」

ちび「このまま生きるのも、ダメだよ」

ちび「…受け止めなきゃ」

ちび「新入りくんは、君の近くで生きた光を、消そうとしてるんだよ?……」

男「………」

ちび「…ありのままを受け入れて……」

ちび「…そして、妹ちゃんのぶんまで、精一杯、生きるんだよ」

ちび「それが、…お兄ちゃんとして、…お兄ちゃんにしか、できないことだって……私は思う」

男「……じゃ、じゃぁ…」ポロ…

男「なんで、妹、だったんですか…」

男「なんで、妹が、選ばれたんですか…あんな病気に……!」ポロポロ

男「おかしいじゃないですか!! 妹は何も悪いことはしてないんですよ!!!?」

ちび「………」

男「理不尽だ! 訳が分からない!! そんな世界、受け入れられるわけないですよ!!!」ポロポロ

ちび「………」

ちび「……魔法はさ」

男「……?」ヒック…

ちび「不思議なものなんだよ、ほんとに、奇跡さえも起こしてしまう、すっごいものなんだ」

ちび「……私は、魔法を信じてる」

男「…? 何を……」グスン

ちび「 ”音楽には魔力がある”って言ったのは、君だよ?」ニコ

ちび「君がそう言ってくれたから、私は奇跡を信じられるんだよ」

男「音楽……」

ちび「…天国にいる妹ちゃんに、伝えようよ」

ちび「届けようよ、想いを…!」

ちび「言えなかった想いも、これからのこと、不安や期待、希望、ぜんぶ、ぜんぶぜんぶ!!」

ちび「…音楽の魔法にのせて、届けようよ!」ニコ

男「…部長……」ポロポロ

岩男「文化祭、そこから発信するんだ」

岩男「お前の、伝えたいことをな」ニカッ

男「………ひっく、…ぅあぁ、ぁああああああああああ…ッ!!」ポロポロ

490: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 04:02:11.67 ID:wUeGfOuv0

完全に自分の中の”何か”は崩壊した

傍観者は去り、1人は流れに逆らうように歩き出した

希望

ただ、それだけを胸に秘めて

491: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 04:12:28.25 ID:wUeGfOuv0

文化祭まであと16日

母さんとモブ美には全力の土下座で許しを請うた

母さんは、おかしくなるのも仕方ないこと、と言って許してくれた

正直、泣きそうだった

モブ美は逆に怒っていた

「先輩方になんて失礼なことを言うのコイツ!マジでぶん殴りたくなったわ!」云々、説教をされた

もう、俺は俺で在れる、そういう確信を持つことができていた

…そういえばバスケ部長には謝りに行ってないな……

_____今度でいいか

492: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 04:25:29.19 ID:wUeGfOuv0
朝 教室

モブ美「ほらほら! 急いで急いでぇ~!」

サッカー少年「そんなに焦らす必要ないだろー…」ノロノロ

陸上部「そうだよ~…まだ時間はあるし…」ノロノロ

もぶ1「だよな~」

もぶ2「うんうん」

モブ美「もー! みんなったら!」プンプン

男「あはは…」

女「……」

男「…どうした?」

女「…あ、あの……」

男「……気にすんなよ」ニコ

女「……?」

男「もう、妹のことは大丈夫……」

女「…そっか……」

男「…心配してくれて、ありがとうな」ニコ

女「………」シュン

男「だー! いつまで落ち込んでるんだ! ったく!」プンスコ

男「妹はお前がヘコむこと、望んでると思うか?」

女「…思わない……」

男「だろぉ?」ニシシ

男「そういうこった! だから、気にすんなって!」

女「……」

女「…男、変わったね……///」ボソッ

男「へ?」

女「…なんか、目つき鋭くなったけど……前より、カッコ良くなった気がする……///」ボソボソ

男「…そ、そうか…///」アセアセ

女「……それに、強くなったよ……ほんとに……」ニコ

男「………////」

男「な、なんか、面と向かってそう言われると、照れるな…///」アセアセ

女「ご、…ごめん……///」

男「………///」

女「………///」

サッカー少年「……ほぅ」ニヤニヤ

陸上部「なるほどなぁ…」ニヤニヤ

モブ美「ほら!邪魔しないっ!」

493: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 04:46:50.20 ID:wUeGfOuv0
昼 音楽室

男「こんにちは~…」ガチャ

男「部長~? 来ましたよ~?」

男「話って何ですか~?……」

シーン…

男 (…イタズラだったのかな?)ムムム…

ちび「うわぁああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」ガバッ!

男「!!?」ビックーン!

ちび「わぁーい! ドッキリ大成功!」キャッキャッ

男「も、もう! 話って、ドッキリだったんですか!?」アセアセ

ちび「違うよぉ~」ニコニコ

ちび「あ、でも……ある意味サプライズかな!」ニシシ

男「サプライズ……?」キョトン

ちび「ちょっとあっち向いてて~」ニコニコ

男「? は、はい……」クル

ちび「いいって言うまで、向いちゃダメだよー!」フンス

男「は、はぁい…」

男 (…何だろう? またドッキリみたいなのかな?……)

ちび「……うんうん!」

ちび「……よし、いいよ!」フンス

男「…!」クル

金髪「やぁ」ニコ

みこ「ど、どうも!」ペコ

男「!!!!!」

男「き、金髪さんに、みこさん!? 何でここに…!?」

ちび「私が呼んだのだよ!」ニコニコ

男「えっ…、あ、あの……」オロオロ

金髪「男くん…」

男「は、はい!」ビクッ

金髪「また僕を、君のバンドに入れてほしい」ニコ

男「………ッ!!!」

ちび「えへへぇ」ニコニコ

494: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 04:48:36.00 ID:wUeGfOuv0

みこ「わ、私も、バンドに入れてくれないかな!?」アセアセ

男「!!!」

みこ「駅でのライブ、私のために歌ってくれて…、本当に感動したの!」

みこ「勇気が溢れてきたの! それで、私、諦めてたベース、再開して……」

みこ「腕前はほんと、まだまだだけど、私も誰かに伝えたいの!」フンス

ちび「成長したねぇ…」ウンウン…

みこ「いい、…かな……?」

男「も、ももも、もちろん!!! ぜんっぜん、オッケーですよ!!!!!」

男「金髪さんも、ぜひぜひ!!!! もうこちらからお願いしますドゲザァ!って感じですよ!!!」フンス

金髪「よかった! ありがとう男くん…」ニコ

金髪「また君と組めて嬉しいよ…! よろしくね!!」ニコ

みこ「よよ、よろしくお願いします!!!」ペコ

男「よろしくお願いします!!!」ペッコリーン

ちび「よぉーーーーっし! バンドメンバー、揃ったどーー!!!!」ウォオー!

バンドメンバー ギター、ベースGET!

Vo.Gt 男
Gt 金髪
Ba みこ
Dr ちび

501: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 11:33:53.85 ID:wUeGfOuv0

文化祭まであと15日

思わぬ再会を果たした昨日

また金髪さんのギターが聴ける!

みこさんのベースも楽しみだ!!!

502: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 11:44:42.53 ID:wUeGfOuv0
朝 1年B組教室

赤木「姫さ~ん、お化けの衣装、こんなのでいいかな?」

姫「うん、いいと思う」

井上「ぅぅぅ…僕はお化け屋敷なんて、反対なのに…」ビクビク

モブ1「なんだぁ? 井上、お化けが怖いのか~?」ニヤニヤ

井上「そ、そんなんじゃない!」アセアセ

モブ2「可愛いでちゅね~!」アハハ

井上「んもぅ!」プンプン

姫「よーし、だいたいできたみたいだね…」

姫「それじゃ、教室内にカーテンを張り巡らすよ!」

赤木「やっとお化け屋敷らしくなるのね!」キラキラ

2年A組 教室

岩男「な~んか、感動がねぇよな」ハハハ

金髪「だね、…なんていうか、もっと感動的に再会できると思ってたのに…」

岩男「まさか、朝のウンコタイムで再会しちまうとは…」

金髪「…臭い再会だったね」クスクス

岩男「うるせぇ! 人間ウンコは誰だって臭いわ!!」

金髪「あははは!」ニコニコ

モブ「そこ~、しゃべってばかりいないで、手伝ってよ~!」

岩男「おぅ、悪い悪い」

金髪「ごめんよ、すぐ手伝うよ」

モブ「あ、金髪くんは別にいいよ! 金髪くんには怒ってない!////」ウフフフ

岩男「おい」

503: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 11:58:29.62 ID:wUeGfOuv0
音楽室

ギター娘「うぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」

ギュィィーーーン!!!

ボカロ「In the Still of the Night

     I hear the wolf howl, honey

     Sniffing around your door

      In the Still of the Night

       I feel my heart beating heavy

        Telling me I gotta have more!!!」

ズン!ズン!ズン!ズン!

4弦娘「ッ!! ッ!! ッ!!!」ヘドバン

ドラ子「ッッッ!!!!」

4弦娘 (…WhitesnakeのStill Of The Night……)

4弦娘 (……いいじゃねぇか……!)フフッ…

ギタ娘「テンション上がってきたぁああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ギュィィーーーン!!!

~♪ ~♪

________________________________________________________________

__________________________________________________

_________________________________________

504: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 12:07:19.09 ID:wUeGfOuv0
昼頃 教室

モブ美「男くん、そろそろ時間でしょ?」

男「ほぇ?」

モブ美「軽音のだよ! 作業に熱中しすぎでしょ…」

男「あぁ、そうだった……」

サッカー少年「行ってこいよ、ここは俺達に任せとけ!」ニカッ

男「でも、いいのか?……」

陸上部「お前がいなくても、楽勝だっての!」ピース!

男「そ、そっか…じゃあ、任せるよ!」ニコ

女「…いってらっしゃい」ニコ

男「おぅ、またな!」ニコ

タッタッタッタ…

陸上部「さぁて、がんばるぞー!」フンス

サッカー少年「おうとも!」

モブ美「あーっ、この飾り付け、ここじゃない!!」ガビーン

陸上部「な、なんだってー!?」ガビーン

女「………」ぽけーっ…

505: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 12:19:14.90 ID:wUeGfOuv0
音楽室前

男「…あれ、部長! 金髪さんに、みこさん!」スタスタ

ちび「おいーっす!」

金髪「やぁ」ニコ

みこ「こ、こんにちは!」ペコ

男「どうしたんですか? ドアの前で中を覗き込んで……」

ちび「見ててみなよ、すごいものが見えるよ」ニシシ

男「…??」ヒョイ

ドォォッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

男「!?」ビクッ

ギタ娘「ぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」

ギュィィィイーン!!!!

4弦娘「ぇええあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

ドラ子「ッッッッッッッッ!!!!」ヘドバン

ボカロ「Rigid, ordered rows of spikes metal and cold

     Extend across the fields

     Creating perfection within grid formation

      Frigid winds blow; exact a bitter toll

       On those unfortunates condemned unto the

        Steel fields of predation

         Savage is the sentencing when destined to be pierced

          For capital offenders this is punishment most fierce

           Even a fearless man will weep and plead!!!!!!!!!!!!!!!!」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!!!!!!

ドラ子「ッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!」ドドドドドドドドドドドドド…

男「……Revocationの、Fields Of Predation……ですか?……」アゼン

ちび「お、よく知ってるねぇ!」

金髪「すごいな…もうプロレベルの演奏だよ…」

みこ (…お、音楽って、こういうものなの!?)ビクビク

506: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 12:32:21.09 ID:wUeGfOuv0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ジャジャーン…

ちび「ブラボー!ブラボー!」ガチャ

ギタ娘「ふぅ……ん? おぉ、ちび!」

ちび「ちびっていうなー!」プンスカ

4弦娘「久しぶりだな、ちび」ニカッ

ちび「だから、ちびっていうなー!」プンプン

金髪「先輩方、すごい演奏でした!」ニコニコ

男「デスメタル、ですよね? 今の…」

男「初めて生で聴きました! すっげぇ格好良かったです!!」フンス

ギタ娘「いやぁ///」ハハハ~

4弦娘「メタルもいいものだな、魂が震えるっていうか、とにかく、演奏してて楽しい」ニコ

ギタ娘「だな~! もう、最っ高だよぉ~!///」

ボカロ「……の、のどが……、し、死ぬ……」ゼェゼェ

ドラ子「…………」ゼェゼェ

みこ「だ、大丈夫ですか?……」アセアセ

ギタ娘「そういえば、次、使うんだっけ? 部室」

ちび「うん~」

4弦娘「そうか、じゃあ、そろそろ片付けよう」

ギタ娘「そうだね」

……………………………………………………………………………………………………..

…………………………………………………………………………………….

…………………………………………………………………….

ちび「…さて、それじゃー文化祭で演る曲決めようか!」フンス

男「おぉー!」

みこ「おー!」

金髪「はい!」ニコ

ちび「どんな曲が演りたい??」

男「う~ん…、演りたい曲、たくさんあるなぁ…」

みこ「わ、私は、さっきみたいな激しいのは…ちょっと怖いかも、です…」アセアセ

ちび「ふむ~、じゃあ、メタル以外かな?」

507: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 12:49:06.46 ID:wUeGfOuv0
金髪「有名どころがいいですね、みんなが知ってる曲…」フムム

男「じゃあ、邦楽ですかね?」

金髪「だね」ニコ

ちび「でも、洋楽も演りたいなぁ…」ムー

男「う~ん、とりあえず、1曲、思い浮かんだんですけど…」

金髪「おぉ!」

ちび「何の曲!?」フンス

男「ONE OK ROCKのじぶんROCKって曲なんですけど、どうですか??」

みこ「あ! 私ONE OK ROCK大好きです!」キラキラ

金髪「ふむ、いいかもね、みんな知ってるし…」ニコ

ちび「おーっし、じゃあ1曲目はじぶんROCKだぁ!」

男「1曲目!? ってことは、何曲か演るんですか!??」ナンダト!?

ちび「うん、いちおー3曲は予定してるよ~」ニコニコ

男「おぉぉ~…」キラキラ

金髪「あと2曲!」

みこ「う~ん……何がいいのかなぁ……」

ちび「あのさ、ちょっといいかな?」フンス

金髪「何ですか??」

ちび「洋楽やるって言ったら、もう、ノリノリなのがいいよね?」

男「まぁ~…そうですよね、みんな知らない、とかありそうですし…」

ちび「じゃあ、これ演りたい!」

ちび「Zebraheadの、Two Wrongs Don’t Make A Right, But Three!」フンス

金髪「…あぁ、あの曲ですか!」

男「確かに、みんな知らなくてもノれそうな曲ですね…!」パァァ

みこ「ど、どんな曲なんですか?」アセアセ

男「あ、俺のWalkmanに入ってますよ! 聴きます?」スッ

みこ「あ、ありがとうございます!」ペコ

スチャ

みこ「……ぉおぉ」

ちび「どうかな?」フンス

みこ「…いいと思います、すごく、カッコイイです!」キラキラ

ちび「やったぁー! これで2曲目も決定!」ワァーイ

金髪「あと1曲ですね」ニコ

508: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 13:08:01.25 ID:wUeGfOuv0
男「最後の曲……」ウーン…

金髪「何がいいかな…」

みこ「……むむ~」

ちび「ふぅぅむぅぅぅ………」

みこ「…お気に入りの曲……」ボソッ

ちび「お気に入りの曲?」

みこ「…あ、いえ、ちょっと呟いてみただけです…///」エヘヘ

ちび「なんだよぉ~!」モゥ!

みこ「す、すいません!」アセアセ

男 (…お気に入りの曲……?)

男 (………!)

男 (……My Favorite Song………)

男「………あぁ!」ピーン

ちび「うぉわ!?」ビックーン

男「最後の曲、見つけましたよ!!」フンス

金髪「おぉぉ!」パァァ

みこ「な、何ですか!?」キラキラ

男「それは……」

ちび「…よし、それじゃあ今日中におっちゃんのところ行って、スコアないか聞いてくるよ!」フンス

男「ありがとうございます!」ペコ

金髪「良かったね、今日中に決まって…」ニコ

みこ「うん!」ニコニコ

ちび「文化祭ライブ、ぜったい成功させるぞー!!!」

男「おぉー!」

みこ「おぉ~!」

金髪「はい!」ニコ

509: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 13:25:32.28 ID:wUeGfOuv0
夜 校長室

校長「おぅ!! 久しぶりだな!!!」

赤座校長「お久しぶりです」

桜校校長「元気にしとったかね」ハッハッハ!

教頭「……いったいどうなされたのですか? 三校の校長殿方がお集まりになられて…」ニコニコ

校長「教頭!! お茶ァ!!! よろしくゥ!!!」

教頭「はい」ニコニコ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

校長「俺らは昔っからのバンド仲間だ!!!!」

赤座校長「最近は、全然集まって音を合わせていませんがね…」ズズズ…

桜校校長「久しぶりにやりたいですなぁ、バンド…」ホッホ…

教頭「校長殿方がバンド仲間だったとは!」ニコニコ

校長「って、思い出話をしに来たんじゃねぇだろぉおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

校長「アゥ! イェ! アゥッ!!」クネクネ

赤座校長「実はですね、うちの高校、赤座高校と……」

桜校校長「うちの桜校と、校長の音波高校……、いっしょになって、文化祭をやろう!と校長に誘われましてな」ニコニコ

教頭「ほう!それはまた…」オォー

校長「どうだ!? 最高にロックじゃねぇか!!? こんな文化祭、今までに見たことねぇぜ!!!!」

教頭「いいですね、とても盛り上がりそうです」ニコニコ

赤座高校「自慢ではないですが、うちの軽音部、高校生にしてレーベルに所属しているバンドがありましてね…」フフ…

桜校校長「むむ、うちの軽音部の生徒も、負けてはおりませんぞ?」

桜校校長「何より、可愛いガールズバンドですからな」フフフ…

校長「うちの軽音部だって、けっこうすげぇぞぉぉおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」

校長「よく知らんけどッッッ!!!!!!!」

校長「アゥ! イェ! アゥィエッ!!!」クネクネ

教頭「これはこれは……」

教頭「当日がすごく楽しみになってきました…」ニコニコ

510: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 13:27:51.85 ID:wUeGfOuv0

文化祭まであと14日

曲も決まった!

後は当日に向けて練習あるのみ!!

ぜったい成功させるんだ!

ぜったい、届けてみせるぞ!!!!

511: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 13:47:17.70 ID:wUeGfOuv0
朝 生徒会室

副会長「………どういうことですか……」プルプル

教頭「私にもよく分かりません」ニコニコ

教頭「校長のことです、きっと、大丈夫ですよ」ニコニコ

副会長「………いやいやいやいや」

副会長「今になって、他校と合併して文化祭? 本気で言ってるんですか…」ハァ

教頭「…体育館、たぶん、人が入りきらないでしょう」

教頭「場所を運動場に変えましょう」ニコ

副会長「!? そ、そんなこと、今更……」

教頭「校長直々の命令です」ニコニコ

教頭「今年の文化祭のメインは軽音、バンド! …だそうです」

副会長「……それで、運動場にメインステージを……」

教頭「全力でサポートしてくれるらしいですよ?」ニコ

教頭「やりましょう、私も、できる限り協力します」ニコニコ

副会長「……わかりました」

グラウンド

ざわざわ… ざわざわ…

赤座モブ「おぉー! ここが音波高校かぁー!」

赤座モブ2「広いなぁ~!」

桜校モブ「あれれ? 赤座高校もいるんだけど…」

桜校モブ2「知らないの? 三校合同だよ??」

桜校モブ1「えぇー! そうだったんだ!」

生徒会長「えぇー、みなさん、今日は遠いところから、わざわざありがとうございます」

生徒会長「本当に急な文化祭合同企画に賛同して頂けたことに、心中より誠に感謝申し上げます」ペコ

女「えっと、紹介が遅れました、こちらは音波高校、生徒会会長です」

女「私は、この文化祭の実行委員長の、女です」ペコ

女「…えっと、そうだ、場所の割り当てですが、A棟が音波高校、B棟が赤座高校、C棟が桜が丘高等学校となっております」

女「時間が本当に限られていますが、みんなで全力を尽くして、最高の文化祭にしましょう…!」

女「……い、以上です」ペコ

生徒会長 (…よくやったわ! 女!)ニコ

512: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 13:52:06.10 ID:wUeGfOuv0
教室

サッカー少年「聞いたか!? 今年の文化祭、赤座高校と桜が丘高等学校とうち、三校合同でやることになったらしいぜ!!」

陸上部「えぇぇー!? マジで!!?」

モブ美「い、いつそう決まったの!?」

サッカー少年「昨日らしい!!!」

男「マジで!?」

サッカー少年「割とマジで!!!!!」

モブ美「…また校長の仕業なのかなぁ……」ハァ

陸上部「校長、すげぇな…」アゼン

サッカー少年「やることやることが、もう半端ないぜ……」

男「ロックだなぁ…」アセアセ

513: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 14:07:48.75 ID:wUeGfOuv0
昼頃 グラウンド

ウィィーン… ガガガガガ…

ブロロロロ~…..

しー「すごいことしよるなぁ……音波高校……」ヒェ~…

男「イチから軽音の…バンドのステージを作るなんて、フツーじゃないぜ…」アハハ…

しー「まぁでも、ウチらからしたら、最っ高やけどな!」ニシシ

男「……まぁね」フフッ

作業員「ほらほら!そこ邪魔だぞ!」スタスタ

男「あ、すいません!」アセアセ

しー「怒られてやんのーwwww」クスクス

男「う、うるさい!////」アセアセ

ガシャン… ガシャン…

オーイ モットコッチー ソウソウ ソコソコ~

しー「……空、青いなぁ」

男「……うん」

しー「…今日も快晴、…ずっと、快晴やなぁ」

男「うん……」

しー「…なんていうかさ」

男「…ん?」

しー「…ウチ、空、好きなんやな」

しー「この青さが好きなんや」

しー「…どこまでも続いてる、そんな気がしてな…」

男「………」

しー「…地球上のどこにいても、空で繋がっていられる」

しー「…地球上のどこにいても、空がその向こう……宇宙と繋げてくれてる…」

しー「……そう思うと、ほんと、空が愛おしくてな……」

男「……分かる気がするよ」ニコ

しー「……妹さんのおる天国にも、繋がっとるよ」

男「……!! 聞いたのか…?……」

しー「うん……」

しー「……お好み焼きロックやってる頃、ちび部長からな………」

514: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 14:09:00.18 ID:wUeGfOuv0
しー「大丈夫や、…ぜったい、ぜったいに届くで……!」ニコ

男「……ありがとうな」ニコ

しー「 ”音楽には魔力がある!”ってな!!」フンス

男「そ、それまで聞いたのかよ!!///」アセアセ

しー「えぇやんえぇやん!」ニャハハ!

しー「いい台詞やでぇ! ウチ、気に入ったわぁ!!」ニシシ

男「ま、まったく、部長は……」アゥアゥ…

しー「……ウチらは魔法が使えるってわけやん、だから……」

しー「この空の向こうに、…届けたろ?」ニッ

しー「あんたの、あっつい、ハートをさ!!!!!」グッ

男「……あぁ!」ニコッ

515: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 14:18:04.90 ID:wUeGfOuv0
音楽室

男「こんにちはー!」ガチャ

べス男「………」

男「あれ? べス男だけ?? 他のみんなは…」

べス男「……ランチタイム………」ボソッ

男「あぁ、そっか…」

べス男「………楽しみにしてる……」ボソッ

男「へ?」

べス男「……お前の歌が、この文化祭で聴けること………」フッ

男「………」ニコ

男「ありがとな、べス男」ニコ

男「…最初会ったときは、なんか嫌なヤツーって思ったけど…」

男「けっこう、いいヤツだよな、お前…」フフッ

べス男「………俺は堕天使だ………」ボソッ

男「その厨二病も慣れちゃったしなw」アハハ

べス男「……………」フッ…

516: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 14:20:00.69 ID:wUeGfOuv0

文化祭まであと13日

練習練習練習!!!

練習の日々!!!

もう俺は止まらないッ!!!!

517: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 14:32:57.53 ID:wUeGfOuv0
朝 音楽室

唯「ほぇ~、ここが音波高校の音楽室かぁ…」

律「うちの部室より広いなー」キョロキョロ

澪「機材も揃ってるし、いい練習ができそうだな」キョロキョロ

しー「音波高校、金もってるんやなー」ホェ~

C`s Gt「毎日ここで練習したいぐらいだ」キョロキョロ

岩男「それじゃ、割り当てられた時間通り、練習してってくださいッス」

岩男「あと、終了時間5分前くらいには、もういつでも出れるよう、お願いします」ペコ

紬「はぁ~い!」

梓「スタジオと同じ要領ですね」フンス

しー「なぁ部長さん、部長さんとこは何演奏するん!?」キラキラ

ちび「ダメだよ~! 教えちゃったらつまんないでしょ!」プンスコ

梓「わ、私も気になります…」フンス

ちび「梓ちゃんまで!?」ガビーン

男「あ、この前はどうも…」ペコペコ

唯「あ~、あの節はどうも~」ペコペコ

澪「……あ、あの…、カッコイイベースですね!」アセアセ

みこ「ふぇ!? あ、あ、ありがとうございます!!」オロオロ

みこ「み、澪さんのベースも、かっこいいです!!」アセアセ

澪「あ、ありがとう…!……」アセアセ

C`s Ba「君、いい腕してそうだね、何年やってるんだい?」

べス男「………ベースと共に生れ落ちた………」フッ

べス男「………16年です」ボソッ

C`s Ba「……え?」キョトン

べス男「………3年でした」ボソッ

518: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 14:42:39.39 ID:wUeGfOuv0
昼頃 生徒会室

生徒会長「……無事、なんとかいけそうね」

女「うん…」

副会長「一時はどうなることかと思いましたが、上手くいってるようですね」

女「……ふぅ……」ペタン

生徒会長「…女??」

女「…な、なんか、気が抜けちゃって…」エヘヘ…

副会長「まだまだ気を抜くな、これからだぞ?」フッ…

生徒会長「そうよ、これから…」ニコ

女「う、うん…」

女「このまま、何も起こらなければいいけど……」

副会長「起こらないさ」

女「…?」

副会長「僕に部活を、サークルを、…学校を牛耳る権利がある限り、絶対に起こさせはしない」フンッ

女「副会長さん……」パァァ

生徒会長「学校は言いすぎなんじゃな~い?」ウフフフ…

副会長「決して過言ではないですよ」フッ

副会長 (………僕は……)

副会長「………」グッ…

副会長 (………必ず、成功させるぞ……この文化祭を……!)

523: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 21:27:27.82 ID:wUeGfOuv0
夜 男の家

男「ただいま~」

母「おかえり」ニコ

母「あんた、今日はごちそうを作ったわよ!」フンス

男「え!?」

どーん

男「うわっ、すげぇ数……!」ビックーン

男「どうしたんだよ、いきなりこんなに作っちゃって…」アセアセ

母「あんた、文化祭、バンドで出るんでしょ?」

男「う、うん」

母「あんたが頑張ってるのに、母さんがいつまでもウジウジしてるわけにはいかないじゃない!」フンス

男「か、母さん……」

母「…頑張ろう、妹のぶんまで、ね?」ニコ

男「!! おう!!!」

母「あ、納豆あるわよ」ニヤリ

男「いらないよ!」アセアセ

524: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 21:31:38.43 ID:wUeGfOuv0

文化祭まであと12日

少しずつもとの姿を取り戻していく日常

欠けた姿は、不恰好なような気がしたけど、それでも

どこか美しくも感じるものだった

止まらないよ

最後まで……、最後の最後まで、駆け抜けるんだ

525: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 21:56:34.31 ID:wUeGfOuv0
朝 廊下

唯「他校のために校舎を丸々1つかしてくれるなんて、すごいよね~」スタスタ

澪「だよなぁ、ほんと、すごい学校だよ…」スタスタ

ドドドドドドド……

澪「ん…?」

しー「どいたどいたぁああああ!!!!!!!!!!!!」 ドドドドドドド!

梓「ま、待ってくださいよぉお! それ、私の~!!!///」アセアセ

澪「……梓!?」

梓「あ、澪先輩! それに唯先輩も、どうもです!」フンス

唯「あずにゃん、いったいどうしたの~?」

梓「そ、それが……///」ゴニョゴニョ

しー「おやぁ!? あーずさー! ぱんつ、いらへんのかー!?」オーイ!

唯「!?」

澪「ぱ、ぱぱぱぱ、ぱんつ!?////」ガビーン

ざわざわ… ざわざわ…

梓「ちょ!! そんな大声で叫ばないでください!!!!////」アセアセ

澪「…ってことは今、梓…、のーぱんなのか…?///」アセアセ

梓「違います!/// 替えのパンツです!!!///」

唯「すごいプレイしてるんだねー!」フンス

梓「プレイじゃないです!///」アワアワ

しー「あーずーさー!! ぱーんーつー!!!!!」オーイ!

梓「あぁあぁあ、もう!!!!////」ダッ

しー「にゃっはっは~! つかまえてみぃや~~!!!!」ダッシュ!

梓「ほ、ほんと、返してくださいよー!!!!///」タタタ…

唯「……いっちゃった」ポカン

澪「…世の中にはすごいプレイがあるんだな///」カァァ…

唯「パンツで追いかけっことはね~…」アハハ…

526: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 21:57:51.96 ID:wUeGfOuv0
教室

モブ美「できた!」

「「「 おぉ~~~!!! 」」」

サッカー少年「メイド服かぁ…」

陸上部「1から作るより、どっかで買ってきた方が早い気がしたんだけどな」

モブ美「手作りに意味があるの!!」プンスカ

クラスメイト1「試しに、誰か着てみなよ~!」

クラスメイト2「あ、そうだね~、実際に着てるとこ見たい!」

モブ美「そうだね…それじゃ、誰か……」キョロキョロ

女「………」ソロ~…

モブ美「女だぁ!!!!」

女「ひゃあ!?」ビックーン

527: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 21:59:20.28 ID:wUeGfOuv0

女「……ど、どう…かな……///」モジモジ

モブ美「おぉぉ~~~…」

クラスメイト3「…なんていうか」

クラスメイト4「ガチで可愛いよね……」

モブ美「いいじゃん! すごくいいよ!!」キラキラ

女「そ、そうかな…!///」テレテレ

サッカー少年「欲を言えば、もう少し痩せてる方が……」

女「ふんっ!!!」ドゴォ!

サッカー少年「ぐはぁっ!!!」オゲェ

陸上部「うわぁあああああああああああ!?」ビクッ

女「太ってて悪かったわね!!!」プンプン

モブ美「男も、どうよ? 女、すごく似合ってない?」ニシシ!

男「お? おう、すごく可愛いと思うよ」ニコ

女「!?///」ビクッ

モブ美「ほぅ///」ニヤニヤ

女「…あ、ありがとう……///」プシュ~…

男「?」

クラスメイト5「あらあら…///」ニヤニヤ

男「な、なんだよ…」アセアセ

モブ美「ささっ!クラスの女子全員の分が必要だから、いっきに作っちゃうよー!!!」フンス

「「「 おぉぉー!!!! 」」」

陸上部「…男、お前、罪作りな野郎だぜ……」

男「だ、だから何がだよ!」アセアセ

サッカー少年「おろろろろろろ」オゲェ…

528: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 22:14:57.06 ID:wUeGfOuv0
昼頃 屋上

みこ「見てみて! グラウンドの様子!」

姫「おぉ~、すごいね~!」

みこ「まだ骨組みしかないけど、あれがちゃんとステージになるんだね…」

姫「そう考えるとすごいよね」ニコ

みこ「うん!」

姫「…なんか、学校を頻繁に出入りしてるトラックとかを見てると、ここが学校ってこと…忘れちゃいそうだね」アハハ

みこ「わかるわかる!」アハハ!

みこ「もう、フェスの会場って気分だよね!」ニコニコ

姫「うんうん、だって、このグラウンドいっぱいに人が入るんだからねぇ……」

みこ「」

姫「…すごいライブになりそう……」フフッ…

姫「……期待してるよ、みこ!」ニコ

みこ「あわわわわ」ガクガク

姫「みこ!?」ガビーン

みこ「ここ、こんな広いところに、人が…人が、いっぱい……」ガクガクブルブル

姫「えぇ!? 想像してなかったの!?」ガビーン

みこ「考えてもみなかったよ……、せいぜい、ぽつんぽつんくらいかなぁって…」ブルブル

姫「それ、ライブじゃないよ…」

姫「…そういえばみこ、初ライブだよね」

みこ「う、うん!」

姫「初ライブが、こんな大きな舞台だなんてねぇ…」クスクス

みこ「ぁあうぅ……、き、緊張してくるから、やめてよぉ…」アセアセ

姫「あははは! ごめんごめん!」

ギュッ

みこ「!?///」

姫「…みこなら、できるよ」

姫「だって、私の大切な恋人だもん…/// どんなことだって、やり遂げられる…!」ニコ

みこ「……姫ちゃん……////」カァァ…

岩男「……屋上で飯食おうと思ったら………」

金髪「今いったら確実にお邪魔虫だね」アハハ…

男「あれ? 行かないんですか?」キョトン

岩男「……お前にはまだ早いな…」クスッ

男「…???」キョトン

529: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 22:27:17.31 ID:wUeGfOuv0
音楽室

ゲイ「新たな旅立ちにMotorbike おんぼろに見えるかい?

   Handleはないけれど、まがるつもりもない♪」

ジャジャーン…

ゲイ「Brakeが軋むなら 止まるのを諦めて

   Bikeと呼べなけりゃ 名前はどうでもいい♪」

ゲイ友「~♪」ボボン ブベボン…

ホモ「イェイ!」ドッタン ドドタン

ゲイ「心は空を裂く号令を聞いた 跳ね馬のように乱暴だけど

   それでもと遠くまで運んでくれる♪

   ただ必死にしがみついてたら 君が目の前に現れた

   Hey you この Big Machineに乗っていけよ♪」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ジャジャーン…

ゲイ「ふぅー、いいねぇ!」ニコニコ

ゲイ友「3ピースでできるか心配だったけど、何とかなったね」アハハ

ホモ「アレンジしまくっちゃったけどね!」ハハハ

ゲイ「ま、いいさ! 完成したんだ、胸を張って文化祭当日を迎えよう!」オォー!

ゲイ友&ホモ「おぉー!」

男「こんにちはー…、あれ? どうしたんですか? 部長…」

ちび「!?」ビクッ

男「部室の中、覗き込んじゃって……入らないんですか?」

ちび「い、今入っちゃだめー!!」アセアセ

男「え、えぇー…?」

ちび「なんとなく、危ないから!」アセアセ

男「危ない!?」ガビーン

530: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 22:33:02.24 ID:wUeGfOuv0

文化祭まであと11日

朝から晴れ渡る青空

頭上に広がるいっぱいの群青に、照りつける日差し

昼頃にはきっと、この町を、俺達を、焦がすように激しく降り注ぐのだろう

けど、かえってその方が、いいかもしれないな

その方が、夏って感じだ

夏の魔法、夏休み、俺達の_____________

531: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 22:43:22.42 ID:wUeGfOuv0
朝 通学路ちかく

サッカー少年「でな、その時、キュアマーチが……」

陸上部「マジかよ~! 可愛いすぎるだろそれ!」アハハ!

ドドドドドド…

サッカー少年「!?」

陸上部「…なんだ? 向こうから誰か走ってくる……」

サッカー少年&陸上部「!!??」ビクッ

???「うわぁああああああああ!!!!!!」ダダダ!

警察「だ、誰かー!! その下半身丸出しのヘン夕イを捕まえてくれー!!!」タタタタ!

サッカー少年&陸上部 (ぜったい嫌だッ!!!)ガビーン

スルー

???「ありがとう、君たち!」ダダダ…

警察「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」ヨロヨロ

サッカー少年「…だ、大丈夫ですか?」アセアセ

警察「き、君たち、な、なぜ、捕まえてくれなかったの、だね……」ゼェゼェ

陸上部「いや、だって……」

サッカー少年「キモイですし…」

警察「ですよねー☆」

警察「くそっ! 見失ってしまったではないか! 私としたことが…ッ!」クッ

警察「君たちも、早くここから離れた方がいい」

警察「またあの変質者が現れるかもしれないからな!」

陸上部「はぁ……」

警察「では、さらばだ!」タタタ…

サッカー少年「…大変だな、警察も」

陸上部「だなぁ…」

サッカー少年「俺、死んでも下半身丸出しの野郎なんて追いかけたくないもん」

陸上部「俺もだよw」

532: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 23:01:33.52 ID:wUeGfOuv0
昼頃 体育館

副会長「文化祭準備に、どうしてもいるのが収納場所だ」

副会長「あれを作ったはいいが、保管場所がなく、泣く泣く廃棄しなければならない、という事態が去年あったらしいからな」

モブ美「ふむふむ」

モブ美「それで体育館を保管場所にしよう、ってことなんですね?」

副会長「その通りだ」

副会長「…みんなには制約なく、のびのびと活動に励んでほしいからな」

スタスタ…

井上「すいませーん、教室に置けない物があって、体育館に保管したいんですけど……」

副会長「あぁ、かまわない、どんどん使ってくれ」

井上「ありがとうございます!」ペコ

副会長「……それは何だ?」

井上「河童です!」ニコニコ

副会長「……そうか」

井上「ありがとーございましたー!」タタタ…

副会長「………」じぃぃ

モブ美「…どうしたんですか?」キョトン

副会長 (これが河童…!?)

副会長 (…どう見てもゴーリキーじゃないか……)

「うわぁああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

副会長「……?」

モブ美「? 外から叫び声が……」

???「うわぁあああああああああああああああ!!!!!!!!!!」ダダダダ!

モブ美「」

警察「だ、誰かー!! その下半身丸出しのヘン夕イを捕まえてくれー!!!!!!」ゼェゼェ

副会長「」

???「!!? ここは体育館!? しめた!! 隠れてやる!!!」ダダッ!

警察「待てー!!!!」ゼェゼェ

副会長「……ッ!」ハッ

副会長「き、貴様! そんなハレンチな格好で学校をふらつくとは、許せん!!!!」ダッシュ!

モブ美「」

ギャー ギャー

533: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 23:03:10.42 ID:wUeGfOuv0

校内

ピーンポーンパーンポーン

『学園内に下半身丸出しの露出魔が紛れ込んだもようです、みなさん、気をつけてください』

ピーンポーンパーンポーン…

534: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 23:04:09.63 ID:wUeGfOuv0

教室

男「……露出魔?」ポカン

女「えぇえ…気持ちわるぅ……」オェ

サッカー少年「…ま、まさか……」プルプル

陸上部「…あ、あぁ、間違いない……」プルプル

ダッ!

男「あ!お前ら!どこ行くんだよ!?」

サッカー少年「ちょっくら散歩してくる!」タタタ…

陸上部「お前らは安心して作業してろ!」タタタ…

男「な、なんだぁ…?」アゼン

女「さぁ……」

536: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 23:18:07.29 ID:wUeGfOuv0
体育館

副会長「はぁ、はぁ、はぁ…!」キョロキョロ

警察「どこだ!? どこに隠れた!?」キョロキョロ

副会長「くっ…、僕は2階を探してきます! 警察殿はこの1階をお願いします!」ダッ!

警察「あ、あぁ!!」ダッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

コソコソ…

??? (…まいったな、ただあいつらに会いに来ただけなのに、こんな大事になるとは……)

??? (……早いところ抜け出さないと)コソコソ

副会長「見つけたぞ!!!」ダッ

???「!!? し、しまった!!!」ダッ

副会長「止まれ! そんな格好で校内をぶらぶらするなんて、どういう神経をしている!!」タタタッ

???「俺だって好きでブラブラさせてるわけじゃない!!!」タタタッ

??? (くそっ、こうなったら…!)ダッ…

副会長 (!? そっちはガラス張りのフロア……行き止まりだぞ…!?)タタタッ

???「うぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

パリィィーン!!!!

副会長「何ィィィ!!?」

ゴロゴロゴロ…

スタッ!

??? (あぶねぇ……、で、でも、成功したぞ…!!!)タタタタ…

副会長 (しまった…、あっちは校舎……! 生徒達にあんなヘン夕イを見せるわけにはいかないのに……!)アセアセ

537: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 23:25:46.96 ID:wUeGfOuv0
校舎と体育館の間らへん

サッカー少年「くそっ…いねぇ!」ゼェゼェ

陸上部「どこにいやがるんだ、あのヘン夕イ……!」ハァハァ

サッカー少年「だめだ、へばってんじゃねーぞ陸上部!! 学校のみんなには絶対、指一本も触れさせねーんだろ!?」グッ

陸上部「あったり前だろぉおおおお!!!!!! 俺らがあのヘン夕イからみんなを守るんだ!!!」フンス

ドドドドドド…

サッカー少年「!!!」ピクッ

陸上部「き、きやがった!!!!」

ドドドドドド…

サッカー少年「へっ! あっちから来てくれるなんて、探す手間が省けたぜぇ!!!」カマエ…

陸上部「好都合だ!!! 一気に片付けるぞ!!」カマエ…

ドドドドドドドド…!

サッカー少年「うぉぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!」

陸上部「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

538: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 23:30:57.03 ID:wUeGfOuv0
サッカー少年 (サッカーで鍛えた、超絶サッカーシュートッッ!!!)ブンッ

陸上部 (クラウチングスタートからの…頭突きッッ!!!!)ビュンッ

???「!!!!」

スカッ…

サッカー少年「なっ……」

陸上部「ぅあっ……」

ドサァァ…!

???「すまんな! 俺は止まれない!!」ダダダ!

サッカー少年「ち、ちくしょぉおおおおお!!!!!!! 止まれぇええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!」

陸上部「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

校長「そこまでだ」

???「!?」ピクッ

サッカー少年「…こ、校長!?」

陸上部「なん…だと…!?」

539: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 23:37:59.32 ID:wUeGfOuv0
???「…あんたがここの校長か……」

校長「そうだ」

???「……悪いが、あんたには用はない」

校長「俺もお前には用はない……、だが、学校を守るという義務があるからな……」

校長「ここを通すワケにはいかんのよ…」フッ…

???「俺は息子と娘に会いに来ただけだ…」ググッ…

ビュォォオオオオオオ….

サッカー少年「……ゴクリ…」

陸上部「…ど、どうなるんだ…いったい……!」

ヒュォォオオオオオオオオ……

???「通してもらうッ!!!!」ダッ!

校長「ッッッ!!!」

540: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/21(水) 23:46:01.95 ID:wUeGfOuv0
校長「あーッ! あれ何だ!!?」

???「え?」クルッ

校長「オラァ!!!!!!!!!」ドムンッ

???「オゲェ」

ドサァァ!

校長「ッしゃぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

校長「敵将、討ち取ったりぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

校長「アウッ! イエッ! アゥ!!」クネクネ

サッカー少年「こ、校長! いつまでクネクネしてるんですか!!」アセアセ

陸上部「早くそのヘン夕イを……ッ!!」

校長「おぉ!! そうだったぜぇええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!」

校長「…って、いねぇぞ??」ポカン

???「ッッッ……!」ゼェゼェ… ダダダダ!

サッカー少年「逃げられてる!?」ガビーン

陸上部「だ、誰かそいつを…!!!!!」

校長「さとみぃぃいいいイイ!!!!!!!!!! 俺だァアアアアア!!!!!! 結婚してくれぇえええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

バキッ ドゴッ ドカッ メキッ

サッカー少年「!?」

陸上部「!?」

校長「さとみッッッ!?」

教頭「こんにちは」ニコニコ

サッカー少年&陸上部「きょ、教頭!!!!」パァァ…

校長「さとみィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

542: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 00:05:34.88 ID:HkQ2A70f0

校長室

警察「ヘン夕イの捕獲にご協力いただき、誠にありがとうございました!」ペコ

教頭「いえいえ」ニコニコ

校長「アゥ! イエッ! アゥッ!!」クネクネ

???「俺はヘン夕イじゃない!」ジタバタ

警察「下半身丸出しでいて、ヘン夕イじゃない、だと!? どの口が言えるんだ!!!」

???「この口だッ!!」ジタバタ

教頭「えぇと、目に毒なので、そろそろ…」ニコニコ

警察「あ、すいません…」ペコ

警察「おら行くぞ! この毒キノコめが!」グイ

???「毒キノコ!? ふざけるなッ!」プンプン

警察「毒キノコだろうが!!!」

バタン…

教頭「…やれやれ、一時はどうなることかと思いましたよ」フゥ

校長「そうだな」

副会長「…申し訳ございませんでした」

教頭「…? 何故、君が謝るのだね」ニコ

副会長「…本来、校内の風紀を正すのは僕の役目…、悪い芽が出れば摘むのが僕の役目でしたのに……」

教頭「…君は、私たちの手を煩わせてしまったことに、罪悪感を感じているのかね?」ニコ

副会長「はい……」

校長「それは間違いだ」

副会長「……!?」

校長「確かに君は生徒指導であり、生徒会総権限をその手に持つ…」

校長「…しかし、それでも我々には及ばん事の方が多いのだ」

副会長「……はい」

校長「自惚れるな、君は我々の前では、一生徒に過ぎん」

副会長「……申し訳ありません………」

校長「…だがな」

副会長「…?」

校長「学校を担がんとする、その姿勢、心意気、俺は気に入っている」

副会長「……!」

教頭「………」ニコニコ

校長「…期待しているぞ」

副会長「…は、はい!」

544: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 00:12:44.80 ID:HkQ2A70f0

校内

ピーンポーンパーンポーン

『学園内に紛れ込んだ下半身丸出しの露出魔は、捕まりました、安心して作業を続けてください』

ピーンポーンパーンポーン…

545: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 00:17:33.01 ID:HkQ2A70f0
教室

男「…捕まったみたいだな」

女「ほっ…、よかったぁ……」

男「………」イソイソ

女「………」イソイソ

男「…服作るの、難しいな」アハハ…

女「そうね…」イソイソ

男「………///」ソソクサ

女「………///」アセアセ

クラスメイト1「……もどかしいわねぇ///」ウフフフ

クラスメイト2「若いっていいわぁ////」ウフフフフ

546: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 00:29:18.38 ID:HkQ2A70f0

夕方 屋上

べス男「………」

べス男「……空が……赤い………」

べス男「………今日が、終わる………」フッ

クラスの女子「…何言ってるの」

べス男「!!?」ビックーン

べス男「い……いつの間に………」アセアセ

クラスの女子「………あんた、前、ここで私に……告白してくれた、…よね……」ボソッ

べス男「……?」

クラスの女子「そ…、その…なんていうか……」モジモジ

クラスの女子「あ、あんた!!!」

べス男「ッッ!?」ビクッ

クラスの女子「その、ぼそぼそしゃべるの、やめなさいよ!!」

べス男「…………」ビクビク…

クラスの女子「……もったいないのよ…///」ボソッ

べス男「……?」ピクッ

クラスの女子「…せ、せっかく……かっこいいんだから……///」ボソボソッ

べス男「………」

べス男「…………」フッ…

クラスの女子「わ、笑うなぁー!!!////」プンプン

547: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 00:33:55.56 ID:HkQ2A70f0
夜 男の家

男「えーっと…、ここがこうで……」

ジャジャーン…

男「あぁ、そうか…こうなってるのか」フムフム

男「…難しいなぁ、弾けるかなぁ…」アセアセ

男「………」

ジャジャジャーン!!

ギュィィーーン!!

男「 ”弾けるかなぁ?”じゃない! ”弾く”んだ!」ウォオー!

男「俺はやるぞぉおおおお!!!!」フンス

ジャジャーン!

ジャカジャカジャーン!

ギュィィーーーーーン!

……………………………………………………………………………………………….

…………………………………………………………………………….

………………………………………………………………

555: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 08:42:49.10 ID:HkQ2A70f0

文化祭まであと10日

   オー ノー

   財布はジャリ銭ばっかりだ

   時は悠々なんだが でも金ないし

      急になんだか空しくなった

      社会に有用なナントカ?

      そんなものはない

         オノヨーコのような

         そんな才女が壁に「yes.」って書いても

         俺はジョンじゃないし

             友人にポールとリンゴが居たっけな

             だけどニックネームなんだな

             欧米人じゃない

                今日だけ

                有るだけ全部燃やしたい

                そうだ せめて今だけ

                焦げる浜辺 ダンスタイム

556: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 08:52:45.94 ID:HkQ2A70f0
朝 体育館

しー「……なんやぁこれ!!」

C`s Dr「ゴーリキー?」

井上「か、河童ですよ!」アセアセ

しー「河童ァ?? なんやお化け屋敷でもするんか?」

井上「はい、1年B組はお化け屋敷なんです」フフ

しー「へぇぇ」

井上「反応薄っ!?」ガビーン

しー「日本のお化けなんて、なんもこわないやん!」

しー「やっぱゴーストやわ! 海外のあの、ものっそいベタなヤツ! あれぐらいやないと、相手にならんわぁ」

井上「ひぇぇ、ゴーストですか…」ブルブル

赤木「井上く~ん、そろそろ戻るよ~」

井上「あ、わかったよー!」

しー「またなぁ」

井上「はい! 良かったら当日、見に来てくださいね!」タタタ…

C`s Dr「…どう見てもゴーリキーだろ……」じぃ…

しー「いつまでやってんねん! 行くでぇ!」スタスタ

C`s Dr「お、おう…」

557: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 09:06:39.00 ID:HkQ2A70f0
昼頃 音楽室

ちび「ワン・ツー・スリー・フォー!」

~♪ ~♪

男「~~~ッ♪」

ジャカジャカ 

金髪 (…やっぱりすごいな)フフッ…

金髪 (男くん、やっぱり君は…)

みこ「ひゃあ! ごめんなさい! 間違えちゃいました!」アウアウ…

ちび「続けて続けてぇ~!」フンス

みこ「は、はい!」アセアセ

ブボボン ボベボン

金髪 (…君の声は、やはり、”誰か”に届けるべきものなんだ……)

金髪 (……僕が口を出す必要はないみたいだね)ニコ…

男「--------ッ♪」

金髪 (もう、その ”誰か”は、決まっているんだろう…?……)フフッ

金髪 (……君の顔と、…この歌を聴けば分かるよ……)ニコ

ジャジャーーーーン….

ちび「イェーーーイ!!!」

みこ「ふ~……」ホッ

男「みなさん! すげぇいい感じでしたよ!!」フンス

ちび「いやぁ////」テレテレ

金髪「男くん、君もすごく良かったよ」ニコ

男「い、いやぁ///」テレテレ

ちび「よーし、それじゃあ少し休憩しようか~!」

558: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 09:23:06.11 ID:HkQ2A70f0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

男「そういえば、金髪さん、ギター続けてたんですね! 嬉しいですよ!」フンス

金髪「…あぁ、そういえば言ってたっけね…、僕は音楽をやめるかもしれないって……」

男「はい、だから、こうしてまた金髪さんのギターが聴けるのが、すごい嬉しくて!!」フンス

金髪「向こうの学校ではギターはやってないよ」ニコ

男「えっ!?」

金髪「…なんていうのかな」

金髪「新しい場所で、新しいことがしたいって、ずっと思ってたんだ」

金髪「ギターを始めたのも、この町に引っ越してきた頃だったから」ニコ

男「へぇぇ~…、それで、ギターを……」ポカン

金髪「…僕はいろんな世界が見たいんだ」

男「……世界、ですか?」

金髪「うん」ニコ

金髪「ギターを始めたことで、”音楽”という世界を垣間見ることができた……」

金髪「…僕は、そうやって新しいものに触れることで見える ”世界”が、たまらなく好きなんだろうね」アハハ

男「ほぇぇ~……、…なんか深いですねぇ…」

金髪「そんなことはないよ…」アハハ

金髪「……君はどうだい? ギターを始めてみて、見えた ”世界”は……」

男「う~ん…」

男「…上手くは言えないですけど、なんていうか……」ウーム…

男「……すっごい、楽しいです」フンス

男「誰かと音を合わせるって、こんなにも楽しいんだって…」

男「 ”音楽”があることで、人は変われるし、希望を見出せる……」

男「……誰にでも、どこにいても伝えられる、届けられる、”魔法”みたいなものっていうのかな……」

金髪「………」

男「…とにかく、不思議な ”世界”ですよ」ニコ

金髪「…そうか」フフッ

金髪「僕も同じように捉えていたよ……、この ”世界”をね」ニコ

男「そうだったんですか! 俺達、気が合いますね!!」ワァー!

559: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 09:27:21.80 ID:HkQ2A70f0
夕方 グラウンド

ブロロロロ~…

ウィィーン… ガシャン… ガシャン…

男友「………」

作業員「おら、邪魔だ邪魔だ!」スタスタ

男友「………」ぼーっ

作業員「おい!聞こえてるのか!?」

男友「…あ、すいません!」アセアセ

作業員「ったく…」スタスタ

男友「………」

男友 (…音楽……、かぁ…)

560: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 09:41:34.64 ID:HkQ2A70f0

文化祭まであと9日

 Along the master plan

  Heading to the barricade

   Diversity or skepticism falls into my brain

       I rubbed it with the bow

        And I listened to the string

         Then the whisper of the end

           Slipped into the dialogue

                  I’m a ghost in the rain

                   The rainbow

                    You can’t discern

                     I’m standing there

                      Ghost in the rain

                       The same old

                        You carry on

                         The world will find you after all

   基本計画に沿って

    バリケードへと向かう

     多様性 それとも疑い 僕の頭をよぎるんだ

          僕は弓を引き

           弦の響きに耳を傾けた

            終末のささやきが

             対話の間に聴こえたんだ

                 僕は雨の中の亡霊

                  虹だよ

                   見えなくても

                    僕はここいいる

                        僕は雨の中の亡霊

                         同じ歳のね

                          そのままでいい

                           やがて世界は君を見つけ出すから

562: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 09:53:24.68 ID:HkQ2A70f0
朝 職員室

吹奏顧問「どういうことですかこれはッ!!!」ダンッ

教頭「校長のご判断です」ニコ

吹奏顧問「今年のメインステージが軽音のみ!? ふざけないでくださいよ!!!」

吹奏顧問「いつからこの学校は軽音推しになったんですか!!!」

教頭「そう言われましてもねぇ…」ニコニコ

吹奏顧問「むがががが…!」プルプル

クルッ… スタスタ…

吹奏顧問「認めん…断じて認めんぞ……!」ブツブツ

バスケ部顧問「どうしたんですか? 先生…」

吹奏顧問「何でもありません!」

バスケ部顧問「そ、そうですか……」ビクッ

モブ先生「…あの、お茶淹れましたけど……」

吹奏顧問「なぜ野郎の淹れたお茶を飲まねばならんのだね!!!」

モブ先生「ヒィ!野郎ですいません!!」ビックーン

吹奏顧問「…………」イライラ…

バスケ部顧問「…どうしたんですかね、先生……」ヒソヒソ

モブ先生「さぁ…また軽音部関連じゃないですか…?」ヒソヒソ

バスケ部顧問「あぁ~……」ヒソヒソ

バスケ部顧問 (……男のやつ、軽音部でちゃんとやってるかなぁ)フム…

565: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 10:13:28.57 ID:HkQ2A70f0
1年E組 教室

しー「……おぉ?」クンクン

しー「…たこ焼きのにおいや……」クンクン

じぃぃぃ…

E組生徒1「……な、なんか窓ガラス越しに…すっごい見てくる人がいるんですけど………」アセアセ

E組生徒2「ほ、ほっとこう! どうせすぐ立ち去るよ…」アセアセ

じぃぃぃ…

しー「…………////」ベタァァ…

E組生徒1「いやぁぁぁああ、窓ガラスにべったりくっついてきたぁぁ……!」ウルウル

E組生徒2「ま、負けないで! 私たちのたこ焼きに目が奪われてるだけだよ!!」アセアセ

どろぉ~ん

しー「…………////」どろろぉ~ん

E組生徒1「いやぁあぁぁぁぁぁ…よだれが滝のようだよぉ……」ウルウル

E組生徒2「あぅうう………」アセアセ

ガラガラ!

E組生徒1「ヒィ!!!!」ビクッ

E組生徒2「うわぁ!!!」ビックーン

しー「そのたこ焼き! 売ってくれへん!!?////」キラキラ

E組生徒1「……で、でも、私たち、まだ練習中だし……」アセアセ

E組生徒2「うん…まだ、形良く焼けないし……」オロオロ

しー「かまへん! 作るモンがどんだけ食いもんに愛情を注いだかが重要やぁ!!!」

しー「形なんて、二の次や!!!」フンス

E組生徒1「!!!」

E組生徒2「……な、なら、お1つ……」スッ

E組生徒2「………ど、どうぞ……」ホカホカ

しー「おおきにぃ!////」ワァ!

しー「いただきまぁーす……」パク

しー「もぐもぐ」

E組生徒1「ドキドキ…」

E組生徒2「ドキドキ…」

しー「まっずぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」オゲェ

E組生徒2「」

567: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 10:44:03.01 ID:HkQ2A70f0
昼頃 屋上

ちび「じゃじゃーん! 今日は焼きそばパンなのです!!」フンス

男「おぉー! いいなぁー!」キラキラ

岩男「今日もいい天気だな」ムシャムシャ

金髪「だね」ニコニコ

ギタ娘「もぐもぐ……、あ、4弦娘、それおいしそう…」

4弦娘「やらねぇよ?」モグモグ

ギタ娘「あぁーん意地悪ぅー!!!」

4弦娘「可愛い子ぶったって無駄、お前の素のキャラそんなんじゃねぇし」ムシャムシャ

ボカロ「う~ん! 今日もお弁当がおいちい!:*.;”.*・;・^;・:\(*^▽^*)/:・;^・;・*.”;.*: ワーイ♪☆ミ」モキュモキュ

べス男「………午後の甘いひととき…………」ボソッ

ドラ子「もぐもぐ」

ギタ娘「そーいえばさー、ちびんとこのバンド、名前なんていうの??」モグモグ

ちび「ちびじゃないし!」プンスカ

男「あ~…そういえば、バンド名……」

ちび「……決めてなかったっけ?」ポカン

男「決めてないですね…たぶん……」

ギタ娘「今までどうやって呼んでたんだか…」ハァ

金髪「この際ですし、ここで決めたらどうですか?」ニコ

ちび「それもそうだね~!」フンス

べス男「………漆黒の堕天使…………」ボソッ

岩男「それはダサい」キッパリ

べス男「!?」ガビーン

ボカロ「やっぱここはキャワイイのがいいよねぇー!v(‘ω’*v)ピースピース(v*’ω’)v☆ミ」

男「か、可愛いのは……」

ちび「ダメダメ! ロックなのじゃないとダメだよ!!」フンス

ボカロ「Σ(□ ̄; )Σ(    ;)Σ( ; ̄□)Σ( ̄□ ̄;) ガガガガビーン!!!」

4弦娘「かっこいいの……ロックかぁ……」

ギタ娘「いやヘビメタだろが」ボソッ…

4弦娘「あ”?」

ギタ娘「お”?」

岩男「ス、ストップ!!!」アセアセ

男「う~ん……何がいいかなぁ……」

金髪「悩むねぇ…」ニコニコ

男「ですねぇ…」ムムム…

ドラ子「ドドドドドドドドドド…」

568: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 10:44:50.73 ID:HkQ2A70f0
ちび「う~ん……」

男「むぅ~…」

金髪「ふむ……」

岩男「うむむ……」

ギタ娘「んー…」

4弦娘「ふむむ…」

べス男「………」

ボカロ「 (/-(エ)-\)アタマイター 」

ドラ子「ドドドド…」

569: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 11:08:28.78 ID:HkQ2A70f0
べス男「………漆黒の堕天使…………」ボソッ

岩男「ダ」

男「サ」

ギタ娘「い」

べス男「!?」ガガーン

ボカロ「………!!!!!!」キュピーン

ボカロ「(」゚ロ゚)」おぉ(。ロ。)おぉΣ(゚ロ゚」)」おぉ「(。ロ。「)おぉ~」

男「!?」ビクッ

ギタ娘「ど、どうしたの!?」

ボカロ「閃いたよぉ!オオーw(*゚o゚*)w」

ちび「ほんと!?」キラキラ

金髪「ぜひ聞かせてください!」ニコニコ

ボカロ「ふっふっふ…!(-ω- )☆ミ」

ボカロ「その名も、メッセンジャー!!!☆*~゚⌒(‘-‘*)⌒゚~*☆ウフフ♪☆ミ」

ちび「…め、めっせんじゃー?」

金髪「メッセンジャー…、伝える人……か……」フム…

男「おぉぉ!」パァァ

ギタ娘「うん、ヘビメタじゃないけど、なかなかいいんじゃない?」

4弦娘「まぁ…バンド名は演る音楽と、そう関係なくてもいいからなぁ」

ちび「いいね!!!!」キラキラ

岩男「……ちょうどいいじゃねぇか」ニシシ

ドラ子「ドドドドドド!」ドッタン! ドドタン!

男 (……音楽は ”伝える”もの…、前に姫さんが言っていたこと……)

男 (…そして、メッセンジャー……伝える人…!……)

男「決定です!! それめっちゃいいです!!」スクッ

ボカロ「おぉ!? 思ったより好印象!?Σ(・ω・ノ)ノ! びっくりっ!☆ミ」

べス男「………ナイス…………」フッ

ちび「よぉぉーし!! 今日から私たちは『メッセンジャー』だぁああ!!!!!!」

男「おぉぉー!!!」フンス

金髪「はい!」ニコ

ボカロ (……Linkin Parkの、The Messenger……)

ボカロ (私が男くんに……、君に送る歌……メッセージだよ…)

ボカロ (……君はね………)

570: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 11:14:46.92 ID:HkQ2A70f0

When you feel you’re alone

Cut off from this cruel world

Your instincts telling you to run

Listen to your heart

Those angel voices

They’ll sing to you

They’ll be your guide

Back home

When life leaves us blind

Love keeps us kind

It keeps us kind

When you suffered enough

And your spirit is breaking

You’re growing desperate from the fight

Remember your love

And you always will be

This melody will bring you right

Back home

When life leaves us blind

Love keeps us kind

When life leaves us blind

Love keeps us kind

571: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 11:30:48.71 ID:HkQ2A70f0

文化祭まであと8日

               ステージに立つあなたの前で 僕はただの少年

                スポットライトに憧れる 僕はただの少年

                   突き抜ける 鼓膜の奥

                   かき鳴らす 右腕の衝動

              ステージに立つあなたの前で 僕は恋をした少年

                   初めて胸は躍ると知った

                    僕は恋をした少年

                  心を奪われたまま 立ち尽くす

                  忘れてなかった 目を開くこと

                  忘れてなかった 飛んでみること

                     探していたんだ

                   間違いだらけのテストの裏

                    たった一つの正解を

                     探していたんだ

                    転がるだけの世界の裏

                     たった一つの正解を

                     たった一人の英雄を

                     そして今 僕は今

                     ステージの上

                     歓声を吸いこんだ

                    あの日見た 光の中

                      鳴らせ 少年

572: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 11:40:26.20 ID:HkQ2A70f0
朝 グラウンド

作業員「ふ~、だいぶできてきたな…」

教頭「おはようございます」ニコ

作業員「あぁ、教頭さんじゃないですか」オォ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

教頭「それにしても大きなステージですねぇ…」

作業員「せっかく作るんですから、どうせならデッカイ方がいいと思いましてね」

作業員「校長さんに言われてた大きさより、ちっとだけ、デカイですよ」ニシシ

教頭「ほう…」ニコ

作業員「いやーしかし、大きな学校ですねぇ」

作業員「…いいライブが見えそうですな」

教頭「はい」ニコ

作業員2「お~い、そろそろ休憩終わりだぞ~!」

作業員「おう~、すぐ行く~!」

教頭「…では、このへんで失礼しますね」スクッ

作業員「はい、それでは、また」ニコ

教頭「頑張ってください」ニコ

573: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 11:48:13.15 ID:HkQ2A70f0
昼頃 生徒会室

女「えぇと、体育館の使用状況をチェックしなきゃ……」アセアセ

女「…1年A組、B組~……、CとD、E……」イソイソ

女「…ぅあぁぁああ、Zまであるよ~……」ズゥゥン

副会長「半分かせ」スッ

女「!? …副会長!?」ビクッ

生徒会長「私も手伝うわよ」スッ

女「お、お姉ちゃんまで!?」

副会長「…まったく、1年で文化祭実行委員長とは、無理をする……」

女「え、えへへぇ…」アセアセ

副会長「会長もだ、姉妹だからといって、強引に推薦し推し通すなんて無茶なマネをよく…」

生徒会長「…え、えへへぇ」アセアセ

副会長「…まったく」ハァ

副会長「……まだまだたくさん仕事はあるんだ、急ぎましょう」フンス

女「は、はい!!」

生徒会長「おぉー!!」

574: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 11:59:19.85 ID:HkQ2A70f0
夕方 教室

サッカー少年「うわぁあああああああああああ!!!!!!!!!!!」

モブ美「ど、どうしたの!?」

サッカー少年「窓開けてたら、ハ、ハチがぁぁああ!!!!」

ブ~ン…

陸上部「……ブフォォwwwwww」

サッカー少年「!?」

陸上部「あ、あはははははは!!! ハチごときで、う、うわぁあああ、だなんて!!!!」ギャハハハ!

サッカー少年「な、なにをー!?////」アセアセ

陸上部「野郎がハチなんかで狼狽えてんじゃねーよ!!!」ギャハハハ…

ブ~ン…

ピトッ

サッカー少年「…あ、鼻の上に……」

陸上部「ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

サッカー少年「!?」

陸上部「ととっと、取ってくれぇええええ!!!!!!!!!」ダダダダ!

サッカー少年「ちょ、こっち来んなァア!!!!!!」ガビーン

ギャー ギャー

モブ美「あーもう、うるさぁあああい!!!!!!!!!!!!!」

サッカー少年「たた、助けてくれモブ美ィィィイイイ!!!!!!!!!!!!!」ダダダ…

陸上部「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

モブ美「……はぁぁ」

モブ美「男くん! ハチを退治して!!」

男「えぇ!? や、やだよ!! 俺だって怖いし!!!」ビクッ

モブ美「誰かが追い払わないと、あの2人がいつまでもうるさいのよ!!!!」モゥ!

男「え、えぇぇぇ……」

陸上部「男ぉぉおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ドドドド

男「う、うわああああああ!!! く、来るなぁあああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ギャー ギャー

575: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 12:10:37.77 ID:HkQ2A70f0

文化祭まであと7日

Why, do you always do this to me?

Why, couldn’t you just see through me?

How come, you act like this

Like you just don’t care at all

Do you expect me to believe I was the only one to fall?

I can feel, I can feel you near me, even though you’re far away

I can feel, I can feel you baby, why

It’s not supposed to feel this way

I need you, I need you

More and more each day

It’s not supposed to hurt this way

I need you, I need you, I need you

Tell me, are you and me still together?

Tell me, do you think we could last forever?

Tell me, why

581: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 13:07:34.64 ID:HkQ2A70f0
朝 廊下

男「………」ぼーっ

サッカー少年「どうした?」

男「…空、見てるんだ」ぼーっ

サッカー少年「…UFOでも探してるのか??」

男「違うよw」

陸上部「俺もたまに空見るよ」フンス

陸上部「なんていうか、ぼーっとしてさ、無心で眺めるんだよな」

男「そうそう、何かいいよな~」

サッカー少年「…あ、あぁ、わかるわかる!」ポン

サッカー少年「俺も休日は、ベランダに全裸で寝っ転がって、空を眺めるもん!」

陸上部「ねーよ」

男「ねーよ」

サッカー少年「えぇ!?」ガビーン

モブ美「こらそこー! 話してないで、さっさと教室に戻ってよー!!」プンプン

陸上部「ほ~い」

男「おう~」

サッカー少年「くそぅ!くそぅ!」

582: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 13:18:04.16 ID:HkQ2A70f0
1年Z組 教室

べス男「………午後の紅茶………」フッ

ゴクゴク…

べス男「…………甘…………///」ボソッ

クラスの女子「あ、あんた! そんなの飲んでないで、さっさと作業に戻りなさいよ!!」

べス男「!?」ビクッ

Z組生徒1「おいおい、あんまり怒るなよ~」

Z組生徒2「べス男の性格知ってるだろ?」

クラスの女子「知ってるからこそ、ムカツクのよ!!!」プンプン

べス男「…………鬼…………」ガクガクブルブル

クラスの女子「なんですってぇ!!?」

べス男「ヒィ!」

Z組生徒3「まぁまぁw」

Z組生徒4「ほらほら、さっさと仕上げようぜ!」

クラスの女子「………むぅ////」プンプン

べス男「…………」ブルブル

クラスの女子「…………///」

べス男「………ッ」チラッ

クラスの女子「!? な、何見てんのよ!!!!////」バッチコーン

べス男「ぐほぁッ!!!!」ズサァァ…

Z組生徒1「べス男ぉおおおおおお!!?」ガビーン

Z組生徒2「大丈夫か?」アセアセ

べス男「」ピクピク

クラスの女子「…そ、そんなに強く叩いてないわよ!」アセアセ

Z組生徒3「嘘つけ!! べス男、6mくらい吹っ飛んだぞ!?」

クラスの女子「正確には6.5mよ!!!///」アセアセ

Z組生徒3「計算して叩いたの!?」ガビーン

べス男「」ピクピク

Z組生徒4「べス男ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!」

583: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 13:28:50.91 ID:HkQ2A70f0
昼頃 屋上

男「………」

ちび「おー? どうしたのー? 新入りくん」トテトテ…

岩男「おう~」スタスタ

ギタ娘「やぁやぁ、今日もいい天気だぁ!」

4弦娘「暑い……」

金髪「やぁ、男くん」ニコ

みこ「こ、こんにちは!」ペコ

ボカロ「(*^o^*)コ(*^_^*)ン(*^ー^*)ニ(*^ー^*)チ(*^O^*)ワーー!☆ミ」

ドラ子「ドドド」トテトテ…

男「…! みなさん!」ハッ

男「ちょっと、空を見てたんです…」エヘヘ

ちび「空かぁ…」

岩男「今日も雲1つないな…」

ちび「………」

男「? そういえば、べス男がいない…」

4弦娘「ん? べス男なら、さっき保健室に運ばれていったぞ?」

男「!?」

ちび「新入りくん!」フンス

男「わわ、何ですか??」

ちび「それに、みんな!!」フンス

ギタ娘「んー?」

ちび「あの管理室の上にいこう!!!」

「「「 へ?? 」」」

ちび「いいから!! いこう!!!」ダッシュ!

男「ちょ、ちょっと、部長!?」アセアセ

ボカロ「おもしろそー!ゎぁぃ♪ ヾ(*⌒∇⌒)八(⌒∇⌒*)ツ ゎぁぃ♪☆ミ」タタタ

岩男「部長が言うなら、行くしかないッスかね…」スタスタ

ギタ娘「何しようとしてるのかね??」スタスタ

………………………………………………………………………………………………………….

………………………………………………………………………………………

……………………………………………………………………

584: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 13:41:00.40 ID:HkQ2A70f0

みこ「……た、高いよぉ………」ブルブル

金髪「大丈夫かい?」ニコ

みこ「な、なんとか……」ブルブル

ちび「いやぁー! やっぱりいい眺めだなぁここは!!」ウォオー!

岩男「へぇ…管理室の上に上れるようになってたんスねぇ…」

ギタ娘「高ッ!」

4弦娘「すごい景色だな…、山の向こうの隣町まで見えるぞ……」キョロキョロ

男「あの…、部長、どうしてここに…?」

ちび「むっふっふ~」

ちび「ここの方が空に近いでしょ?」ニカッ

男「!!」

ちび「さぁさぁ、みんなぁ! ここに一直線に並んで~!」

ボカロ「わぁい!ピューッ!≡≡≡ヘ(*゚∇゚)ノ☆ミ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ギタ娘「…で、一直線に並んで、何をするの??」

ちび「みんなで叫ぶの!!」フンス

4弦娘「何だそりゃ…」

ボカロ「おもしろそーーーー!!!! サンッ ハイッ!(ノ^▽^)ノ ̄ w(゚0゚*)w オォー w(゚⊿゚;)w オォー w(゚ロ゚;)w オォー☆ミ」

岩男「ちょ、ボカロ先輩落ち着いてくださいッス!」アセアセ

金髪「いいですね、叫びましょう!」ニコニコ

みこ「ぇえ~…、なんか恥ずかしいなぁ…」モジモジ

男「何を叫ぶんですか?」

ちび「う~ん…」

ちび「…文化祭、がんばるぞー!とかでいいんじゃない??」ニコ

岩男「よっしゃあ!!!!」

ドラ子「ドドドド!!」フンス

ギタ娘「まー付き合ってやろうじゃない、ね?」

4弦娘「お前に言われなくても…」

ギタ娘「あ”ぁ”?」

4弦娘「あ”ぁ”?」

ちび「はいはいそこまでー! じゃあ、いくよー!!」

ちび「…さん、はいッ!」

「「「 文化祭、がんばるぞぉぉおおおーーーーーー!!!!!!!!!!! 」」」

585: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 13:51:41.63 ID:HkQ2A70f0
ちび「………」

男「………」

ちび「……えへへぇ///」

ちび「…妹ちゃんに届いたかな?」ニコ

男「!!」

岩男「届いたッスよ、きっと…」ウンウン

金髪「えぇ、もちろん!」ニコ

みこ「そうですよ! これだけ、高いところですもん!」フンス

男「……みんな………」ジワァ…

ギタ娘「妹ちゃああああああああああああああああん!!!!!!!!!! 見ててねぇえええええええええ!!!!!!!!!!!!!!」

4弦娘「ぜったい、成功させるからぁあああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

男「!! 先輩……!」ポロ…

ちび「…ぜったい、成功させよう」

ちび「……妹ちゃんのところまで、響かせよう、ね?」ニコ

男「は、はい…!」ポロポロ…

みこ「……」ニコ

ギタ娘「…まったく、やっぱり敵わないな、ちびちゃんには!」

ちび「むぅ!! ちびじゃないよ!!!」プンスカ

4弦娘「あははは!」

ちび「むぅーー!」プンプン

男「あはは…」

 _____届けよう、この想いを

   伝えよう、どこまでも

     響かせよう

   この空の向こうまで

586: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 13:57:21.59 ID:HkQ2A70f0
夕方 音楽室

ゲイ「う~ん、もう1曲できそうだよなぁ……」

ゲイ友「それ当日のプログラム?」

ホモ「見せて見せて!」

ゲイ「ほら、時間的に少し余裕があるじゃん? 自分達のところ…」

ゲイ友「なるほど、確かにもう1曲できそうだね」

ホモ「ならやろう!! せっかくなんだしさ!」

ゲイ「だね! 何を演ろうか…」

ゲイ友「う~ん…」

ホモ「うぅ~~~ん……」

ゲイ「何がいいかなぁ……」

591: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 19:19:13.46 ID:HkQ2A70f0

文化祭まであと6日

本日も快晴

雲一つない空の下を駆ける

朝から鳴き散らすアブラゼミの、けたたましい鳴き声

ラジオ体操帰りの子供たち

花壇に咲き誇るヒマワリ

群青に黄色が映え、目を奪われ、足を止めるサラリーマン

新聞配達をようやく終え、安堵した顔で自転車をこぐ青年

幼い少女の手に握られた、父親の大きな手

何気ない日常だった風景

気付けば、こんなにも綺麗だったんだなって、少し涙が出た

たぶん、すれ違う人たちからは、何があったんだろう?って心配されただろうな

もしくは、なんだこいつ!とか…

でも、涙が出たことは事実

感動したのも事実

____妹の生きた世界は、こんなにも綺麗だったんだなって、思ったんだ

592: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 19:25:47.06 ID:HkQ2A70f0
朝 屋上

しー「んぁあ~! 今日もいい天気やなぁ!!」ノビ~…

梓「いい天気すぎて、暑すぎるくらいですけどね」

しー「まぁ、そんぐらいの方が、いかにも夏!って感じやろ!」ニヒヒ

梓「…でも、暑いのは苦手です…」グデーン

しー「なんやぁ、弱いやっちゃなぁ」

梓「しーさんが元気すぎるんですよ…」ハァ

しー「人間、元気が1番やからな!!!」フンス

梓「あうぅ…しーさん見てると、余計あっつくなってきましたよ…」アゥ~…

しー「そうかそうか! ならもっと暑くなるがよい!」ジリジリ

梓「ちょ、やめてください! ほんと、暑いんですから!!」アセアセ

しー「ほらほらぁ!」ダキッ

梓「ふにゃ!?//// あ、暑いッ!!」ジタバタ

しー「逃がさんでぇ!!!」フッフッフ

梓「いやぁあー!!!///」ジタバタ

593: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 19:32:47.97 ID:HkQ2A70f0
昼頃 音楽室

男「~♪」

ジャカジャカ

みこ「………」アセアセ

ボボン ボボボ…

金髪「………」ニコ

ジャジャーン!

ちび「やぁー!」

ドダダダ ドドタン!

ジャジャーーーン…

男「ふーっ……」

みこ「やった! ノーミスで弾けた!」パァァ

ちび「おっ、やったなぁ!みこちゃん!!」フンス

みこ「はい!!」ニコニコ

金髪「おめでとう!」ニコ

みこ「ありがとう! お兄ぃ!」ルンルン♪

男「お、俺がけっこうミスっちゃったなぁ…」アセアセ

ちび「どんまい!」

金髪「弾きながらだから、多少は仕方ないよ」ニコ

男「うぅぅ…、すいません……」シュン

ちび「気にしない気にしない! ほら、もう一回いくぞー!!」ウォオー!

みこ「はい!」

金髪「了解です」ニコ

男「は、はい!!」アセアセ

594: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 19:47:23.75 ID:HkQ2A70f0
夕方 体育館

副会長「…かなり狭くなってきたな」

モブ美「そりゃ三校もいるんですから、体育館もいっぱいになりますよ…」

副会長「ふむ…、しかし、1番スペースを取っているのが我が音波高校というのは、なぁ……」

モブ美「あははw」

副会長「…まぁ、これ以上増えることはないだろうな」

副会長「今日1日A、B、C棟の作業の進行具合を見て回ってきたんだが…」

副会長「ほぼ全てのところが、完成間近の所まできていたからな」

モブ美「じゃあ、大丈夫みたいですね」ホッ

副会長「あぁ、たぶんだがな…」

井上「すいませーん、また物を置きに来ました~」スタスタ

副会長「!?」

モブ美「…あれ? それ、前も見たような……」

井上「はい、また河童作っちゃいました」テヘ

副会長「…これで最後にしろ」

井上「……ほぇ?」

副会長「我が音波高校が1番スペースを取っていると言ったが、その中でも1番スペースを取っているのは貴様ら1年B組なのだぞ!?」クワッ

井上「えぇ!? で、でも…!」アセアセ

副会長「でも何だ!? そんなにそのゴーリキーが必要なのか!?」

井上「ゴーリキーじゃないです! 河童です!!」アセアセ

副会長「どっちでもいいわ!!」

副会長「っていうか、体育館の半分がゴーリキーで埋まってて、怖いんだよ!!!!」

井上「別に可愛いじゃないですか」ニコ

副会長「気味悪いわッ!!!!」ズビシッ

モブ美「副会長がツッコんだ!?」ガビーン

副会長「そこ実況しなくていい!!!」オィイ!

595: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 19:50:06.65 ID:HkQ2A70f0

文化祭まであと5日

奏でよう

君のために

596: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 20:02:39.73 ID:HkQ2A70f0
朝 ダンス部の部室

ダンス部長「今年…ステージで踊れないなんてな……」

ダンサー1「はぁ…ストリートダンスかよぉ……、転んだら絶対痛いっての…」

ダンサー2「じゃあ、あんまり激しくないのを踊るか?」

ダンサー3「そうだな」

ダンサー4「う~ん、激しくなくて、盛り上がれるやつかぁ…」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ダンサー1「話し合いの結果、プリキュアダンスに決定しました」

ダンス部長「何で!?」ガビーン

ダンサー2「いやだって今ノリノリじゃないですか彼女ら」

ダンス部長「そりゃそうだけど、俺ら全員♂だぜ!? あれは女の子が踊ってこそ……」

ダンサー3「部長の馬鹿野郎!!」

ダンス部長「えっ!?」

ダンサー4「大馬鹿野郎!!!」

ダンサー1「おたんこなす!!!!」

ダンサー2「人でなし!!!」

ダンサー3「早漏!!!!」

ダンス部長「お前ら俺になんの恨みがあるんだよ!?」ウォオイ!

ダンサー1「とにかく俺ら、プリキュアになりたいんです」

ダンス部長「……は、はぁ……」タジタジ

ダンサー2「だから今年のダンス部のダンスは、プリキュアダンスなんです」

ダンサー3「よっしゃ俺キュアハッピーね!!」

ダンサー4「俺がハッピーだぞ!!!」

ダンス部長「お前らの頭の中がハッピーだよッ!」

ダンサー1「部長もプリキュアになりましょう」

ダンサー2「いっしょにアカンベェを倒すんです!」

ダンス部長「もう意味わからん…」ゲッソリ

597: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 20:18:09.99 ID:HkQ2A70f0
昼頃 ジャズ研の部室

ジャズ研部長「はぁ…まさか今年はステージで演奏できないなんてね……」

JAZZ1「気を落とさないでください、部長」

JAZZ2「そうですよ、今年は校長がアホすぎたんです」

JAZZ3「来年に期待しましょう」

JAZZ4「いや来年もっとアホになってたらどうするの!」

ジャズ研部長「いやその前に、来年は私卒業してていないよ!!?」ガビーン

JAZZ1「あ、そっか」

JAZZ2「すいません」

ジャズ研部長「……はぁぁ」

ジャズ研部長「高校生活最後の文化祭だっていうのに……」

JAZZ3「こうなったら部長」

ジャズ研部長「ん……?」

JAZZ4「高校生活最後の、最高の思い出を作りましょう!」

JAZZ1「いいね、それ!」

JAZZ2「思いっきりハジけちゃおうよ!」

JAZZ3「賛成!」

ジャズ研部長「み、みんな……!」パァァ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

JAZZ1「話し合いの結果、プリキュアダンスに決定しました」

ジャズ研部長「何で!?」ガビーン

JAZZ2「いやだって今ノリノリじゃないですか彼女ら」

ジャズ研部長「そりゃそうだけど……、いくら私たち全員女の子でも、もう高校生なんだから……」

JAZZ1「部長のバカ!」

ジャズ研部長「!?」

JAZZ2「うんこ!!!」

JAZZ3「うんこ!!!!!」

JAZZ4「うんこぉ!!!!!!!!」

ジャズ研部長「みんな語彙少なすぎじゃない!?」ガビーン

ジャズ研部長「っていうか、初めてこんな大人数にうんこってせめられた…」

JAZZ1「よぉーし私キュアマーチね!!」

JAZZ2「私がマーチだよ!!!!」

ジャズ研部長「ちょっと待ッチくれよ!!!」

JAZZ3「寒……」

ジャズ研部長「ご、ごめんなさい…」

JAZZ4「部長もプリキュアになりましょう」

JAZZ1「いっしょにアカンベェを倒すんです!」

ジャズ研部長「もう好きにして……」ゲッソリ

598: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 20:26:23.82 ID:HkQ2A70f0
夕方 教室

男「よ~し、これで最後だ……」

女「これで女子全員分のメイド服が完成するのね」

サッカー少年「あ~疲れたぁ~!」

陸上部「今日の帰りみんなでどっか寄っていこうぜ!」

モブ美「あ、私は生徒会の仕事あるから、パスね」

女「私も忙しくて…」

男「俺は母さんが心配するから、すぐ帰るよ」

サッカー少年「男…、お前いつから優等生になったんだ……」

陸上部「みんなつれないなぁ! お前は行くよなー!?」

サッカー少年「みんな行かないなら、俺も行かない」

陸上部「」

男「諦めろってことだなw」

女「はー、暇人が羨ましい…」クス

モブ美「だねぇw」

陸上部「お、お前らそりゃないぜ!」ガビーン

サッカー少年「たまには寄り道せず帰れってことじゃないか!?」ニヤニヤ

陸上部「むがががが…!」

599: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 20:29:46.61 ID:HkQ2A70f0

文化祭まであと4日

奏でよう

未来のために

600: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 20:39:43.36 ID:HkQ2A70f0
朝 廊下

しー「なぁ」

梓「はい?」

しー「女の子同士って、どう思う?」

梓「!?///」ビクッ

しー「…なに顔真っ赤にしてんねん……」

梓「い、いきなり何てこと言うんですか!!」プンプン

しー「へ??」

梓「そ、そりゃ、そういう人たちもいますけど…その……、私は…べ、べつに……///」モジモジ

しー「……何を言うとるん?」ポカン

梓「……ほぇ?」

しー「バンドの話や、バンド、全員女の子って、どんなもんかなぁって思ってな」

梓「…あ、あ~、バンド…ですか……」

しー「……!」ピーン

しー「…さては梓、えっㄘなこと考えとったんとちゃうんか…?///」ニヤニヤ

梓「!?///」ボッ

しー「にゃはは!!! 図星かいなぁ!!!」

梓「ち、ちがいますってば!!!///」アセアセ

しー「顔真っ赤やで?」ニヤニヤ

梓「!!? も、もぉー!!!!!!///」プンプン

しー「怒った怒ったぁ! 逃げろぉー!!!!!」ニシシ!

梓「こらぁー!!!///」

601: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 20:52:30.09 ID:HkQ2A70f0
昼頃 プールサイド

岩男「さすがにここは誰もいないな」

金髪「プールは閉鎖されているからね」ニコ

岩男「好都合だ、あれだけの人間の中にいたら、疲れちまう…」フゥ

金髪「もう見渡す限りの人、だもんなぁ…」

岩男「ま、とりあえず、飯食おうぜ」

金髪「そうだね」ニコ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

岩男「どうだ? あっちでの生活」モグモグ

金髪「悪くないよ、部活やサークルも充実してるし」モグモグ

金髪「ただ、校舎はこっちの方が断然大きいけどね」ハハ…

岩男「そりゃ、ここにデカさで勝てる学校なんざ、そうないだろw」ハハハ

金髪「…いい学校だよ」モグモグ

岩男「だな…」ムシャムシャ

金髪「そういえば、岩男のバンドのドラム、どう?」ムシャムシャ

岩男「あぁ…あいつな、まだ完治してねぇんだ」モグモグ

金髪「そうなんだ」モグモグ

岩男「…最近になって言い出したんだけど、あいつ、『俺はもうドラムの神様に見放されちまったんだ!』って…」ムシャムシャ

金髪「ぷっ、なんだよそれ…」アハハ

岩男「さぁな、あいつ、けっこう繊細なヤツだからさ」ハハハ

岩男「何かあったんじゃないか?」モグモグ

金髪「彼女にフラれた、とか?」パクパク

岩男「あいつは彼女いない歴=年齢だぜ?」モグモグ

金髪「じゃあ、テストの結果が悪かった、とかかな?」パクパク

岩男「そんなところだろうなぁ」ムシャムシャ

岩男「…まぁ、割とどうでもいいけどなw」

金髪「だねw」

602: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 20:58:05.47 ID:HkQ2A70f0
夜 男の家

男「~♪」

ジャカジャカ

男「~♪」

ジャカジャカーン

母「へぇ、上手くなったわね」

男「え、マジで!?」

母「うん、2ヶ月前より、格段に上手くなった」ニコ

男「へへへ!」テレテレ

男「母さんも見に来てね、文化祭」ニコ

母「もちろんよ!」フンス

母「最前列で見ようかしらって思ってるぐらいだから!」フンス

男「お、おぉう…」

603: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 21:07:57.68 ID:HkQ2A70f0

文化祭まであと3日

 コミュニケーションブレイクダンサー

 DAN DARI DOO WA DEE

 目と目だけで通じ合えりゃ こんなことぁないのに

   怒るこたぁないじゃん なぐるこたぁないじゃん

   ほめたつもりがネジレ伝わった

     あれ・・・ま やっちまった なんかひどいこと言った?

     「ちがうんだ」つっても 裏返るばかり ハイ残念

        コミュニケーションブレイクダンサー

        DAN DARI DOO WA DEE

        目と目だけで通じ合えりゃ こんなことぁないのに

        悩むこたぁないのに

   どなることたぁないじゃん 泣くほどじゃないじゃん

   ジョークひとつがナイフに変わって

       またも・・・ やっちまった? 深くさしちまった

       おどけてみたって もー 波は荒れるばかり ハイ残念

           コミュニケーションブレイクダンサー

           DAN DARI DOO WA DEE

           目と目だけで通じ合えりゃ こんなこたぁないのに

           悩むこたぁないのに

               コミュニケーションブレイクダンサー

               DAN DARI DOO WA DEE

               目と目だけで通じ合えりゃ こんなこたぁないのに

               悩むこたぁないのに

                    こんなこたぁないのに

                     悩むこたぁないのに

604: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/22(木) 21:21:34.06 ID:HkQ2A70f0
朝 1年Z組の教室

べス男「………」ビクビク

クラスの女子「………///」

クラスの女子「…ちょ、ちょっと、作業、止まってるわよ!!///」バシン!

べス男「ぐふッ」

Z組生徒1「おいおい! またかよ!」アセアセ

クラスの女子「ここ、こいつが作業の手を止めてるのが悪いのよ!!!!///」アセアセ

Z組生徒2「もー、いい加減、仲良くやれよぉ…」ハァ

べス男「…………ょ…………」ボソッ

クラスの女子「!!?」ピクッ

べス男「……き、綺麗……です………よ………」ボソッ

クラスの女子「!!!!?????////」

バッチコーン!

ズザザザザザァァァァアアアア…!!!!

クラスの女子「なななななあなあああああ、何言ってんのよあんたぁあああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!/////」

べス男「」ピクピク

Z組生徒3「ベ、べス男ぉぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!!????」ガビーン

Z組生徒4「お、お前ぇええ!!! マジでべス男死んじゃうぞ!!???」アセアセ

クラスの女子「ここ、こここっこ、こいつが変なこと言うからァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!////」カァァァ…

べス男 (…褒めてもダメ……)ピクピク…

べス男 (……いったい、どうすれば………)ガクッ

Z組生徒1「べス男ぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

611: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 00:02:20.39 ID:V+gKSu++0
昼頃 校長室

校長「アゥ! イエッ! アウッッ!!!」クネクネ

教頭「失礼します」ガチャ

校長「何だね」

教頭「作業員の方々がお呼びになっております」ニコ

校長「!!!! ついに完成したか!!!!!!!!!!!!!」

教頭「らしいですよ」ニコ

校長「アゥッッッッッ!!!!!!!!!!」ズン チャ ズンズン チャ

612: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 00:11:06.37 ID:V+gKSu++0
グラウンド

ざわざわ… ざわざわ…

男「すげー……」アゼン

ちび「でかー……」アゼン

しー「ほんまに建てよった!! すごすぎるやろ音波高校!!!……」ガビーン…

男「校長、すごいのかすごくないのか分からないなぁ…」アセアセ

ちび「だね…」アハハ…

「おい、見ろ! 校長だ! 校長が来たぞ!!」

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!

しー「謎の大歓声やなw」

男「校長www」

ちび「ほぇーw」

校長「静まれぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

シーン….

男「……」

しー「……」

ちび「……」

校長「静まれッつってんだろぉぉおおおがぁぁあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

しー「!?」

校長「アゥッッッ!!!!! イェアッ!!!!!!!!!!!!!!!!! アウッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!

校長「さとみィィイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!俺だァアアアアアア!!!!!!けっこn(ry」

作業員「ども、校長さん」ペコ

校長「うむ、作業、ご苦労であった」

しー「!!?」

613: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 00:17:27.77 ID:V+gKSu++0

「見ろ!!! 校長と作業員の人が何かやり取りをしているぞ!!!!!!!!!!!」

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!

「そして、その後からの……!!!!」

「か~ら~の~ッッッ!!!!!!!???????」

ざわざわ… ざわざわ…

校長「ッッッ!!!」ガシッ

作業員「ッッッ!!!」ガシッ

「熱い抱擁だぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

校長「アウッ!!!! イエッ!!!! アウッッ!!!!!!」クネクネ

作業員「アウッ!!! イェェエアッ!!!!! アゥッッ!!!!!!!!!!!!」クネクネ

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!

しー「……なんなん、これ………」ポカン

男「お、俺に聞かれても……」アセアセ

ちび「大人の世界なのかなー?…」フムム?

614: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 00:36:22.25 ID:V+gKSu++0
夕方 生徒会室

女「えーっと、これがここで~…これが~、っと……」テキパキ

女「あ、報告書の作成、まだだった…」

モブ美「私がやるよ」ニコ

女「ありがとう!」パァァ

モブ美「最近、女すごく頑張ってるからね、私も負けてられないよ」アハハ

女「そんな、ただ職務に追われてるだけだって…」テレテレ

モブ美「うぅん、それでもすごいよ」ニコ

女「…い、いやぁ……///」エヘヘ…

副会長「…あれ? 茶葉が切れてる……」

副会長「モブ美くん、茶葉を買ってきてくれるかい?」クル

モブ美「いま女のお手伝いをしてるので、自分で行ってください」キッパリ

副会長「…そうか」

副会長「仕方ない、僕が行くか…」スタスタ

ガラガラ… バタン…

モブ美「…もぉー! いつもそうだけど、雑務を私にすべて押し付けてくるのは何故!?」プンプン

女「モブ美が扱いやすいから、かなぁ?」

モブ美「私、そんな軽くないよ!!!」

モブ美「きっと、私に嫌がらせをしたいからに決まってるよ……」ズゥゥン…

女「…あ、あはは」

女 (たぶん、無意識のうちにモブ美に頼んでるんだろうなぁ……副会長さん……)

女 (お姉ちゃんは先輩だし、私は実行委員長だから、頼めそうな人っていうのが、モブ美しかいない、ってだけなんだろうな)フムム

モブ美「……私の顔に何かついてる?」ジトー…

女「へ!? な、なにもついてないよ?」アセアセ

モブ美「………」

モブ美「くそぅー……」

女 (がんばれモブ美……負けるなモブ美……!)フンス

615: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 00:48:28.09 ID:V+gKSu++0

文化祭まであと2日

足元がふわふわしてる そんな感覚だよ

きっと これは夢で 目が覚めたら学校はいつもの姿をしていて

何気ない日常が 繰り広げられるのさ

なんてことを思いながら 学校へ急ぐ

目まぐるしい文化祭準備の日々 賑わしい校舎

近付く 当日

落ち着いて一つ一つに 向き合っている時間がないんだ

でも それでいいんだって 心から安心している自分もいる

文化祭がもし なかったとしても 日常はこんなにも美しくて輝かしいんだ

____うん 自分でも何を言ってるのか よく分かってないんだ

たぶん いろいろあったからだね

まとまらない思いをぶらさげたまま 今日も ”今日という日”を生きてもいいだろ?

止まらないって言ったのは 自分だろう?

止まらなくていいんだ

進め 行け 突き進め

616: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 01:06:36.86 ID:V+gKSu++0
朝 廊下

律「うわぁ…スティック、削れまくってるなぁ…」

澪「替えはあるのか?」

律「あると思うけど~…、ちょっと心配だな……」

澪「あとで確認しとけよ?」ハァ

律「わかってるって!」ニシシ

べス男「…………」スタスタ

サッカー少年「でさぁ、そん時、キュアビューティが……」

陸上部「マジで!? キュアビューティさんまじビューティ!」ハァハァ

しー「お、ちょいとごめんよぉ~、通るでぇ~!」ヨッヨ

C`s Gt「本当にすごい人の数だな…」

C`s Ba「俺、少し酔ったかも」オェップ…

C`s Dr「吐くならトイレ行けよ?」

C`s Ba「だ、大丈夫だ……」ウェ…

ギタ娘「だぁぁぁかぁぁぁぁらぁああああ!!!! ヘビメタだって!!!!!!!!!!!!」

4弦娘「ロックだって言ってんだろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ボカロ「ま、まぁまぁ!2人とも落ち着いてぇー!\(;゚∇゚)/ヒヤアセモン☆」

ドラ子「ドドド…」アセアセ

岩男「たこ焼きのいいにおいがするなぁ」クンクン

男「本当だ…、どこのクラスが焼いてるんですかね?」キョロキョロ

ちび「たこ焼きかぁー…、久しぶりに食べたいなぁ///」ジュル…

みこ「文化祭といったら、たこ焼き! ですよね!?」キラキラ

ちび「さすがみこちゃん! 分かってる!」フンス

金髪「いや、出店はたこ焼き屋以外にも、たくさんありますよ…?」

ちび「たこ焼き屋以外は認めないよ!」ウォオー!

みこ「その通りです!」ウォオー!

クラスの女子「ったく、べス男のやつ、どこへ逃げやがった!!?……///」キョロキョロ

紬「今度こそ、焼きそばを食べてみせるわ! 梓ちゃん!」フンス

梓「そ、そこまで焼きそばが食べたかったんですね…」アセアセ

紬「うぅん、ただの焼きそばじゃない! 文化祭で食べる焼きそば! そう、文化祭焼きそばが食べたいの!!!!」フンス

梓「ぶ、文化祭焼きそば……」

617: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 01:17:29.19 ID:V+gKSu++0
昼頃 屋上

ダンサー1「いっつだって ワ~クワ~ク♪」

ダンサー2「ドッキドッドキ、プーリキューア♪」

ダンサー3「スッマイッルゥ♪」

ダンサー4「プッリキューア♪」

ダンス部長「………」

ダンサー1「分かりましたか?」

ダンス部長「いやいやいや!!!!!!!!!」ガビーン

ダンス部長「ちょっと待って! は、恥ずかしい!!! 恥ずかしいよ!!!!///」アセアセ

ダンサー2「死ね!!!」

ダンサー3「羞恥心の塊めがっ!!!」

ダンサー4「禿げて死ね!!!」

ダンス部長「だからお前ら、俺に何の恨みがあるんだって!!」アセアセ

ダンサー1「部長も野郎でしょう? 覚悟を決めてください」

ダンス部長「えぇぇー?……」ガビーン

ダンス部長「野郎が覚悟を決めて、プリキュアダンスを踊るって、どういうことだよ…」

ダンサー1「根性なし!!!」

ダンサー2「腐れ外道!!!!!」

ダンサー3「アホ丸出し人間!!!!!」

ダンサー4「人間やめろ!!!!!!!!!!!!」

ダンス部長「もうやめてよぉ!」

ダンサー1「…では、踊ってください」

ダンス部長「……わかったよ」ハァ

ダンサー2「ため息つくんじゃねー!」

ダンス部長「るっせぇ!!!」ガビーン

ダンス部長「っつーか敬語!!! 敬語使いやがれ!!!!」プンスカ

618: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 01:24:22.98 ID:V+gKSu++0
夕方 ジャズ研の部室

JAZZ1「いっつだって ワ~クワ~ク♪」

JAZZ2「ドッキドッドキ、プーリキューア♪」

JAZZ3「スッマイッルゥ♪」

JAZZ4「プッリキューア♪」

JAZZ1「分かりましたか?」

ジャズ研部長「……かっ」

JAZZ1「…?」

ジャズ研部長「…かわゆす……」ポー…

ジャズ研部長「決めた! 私、踊る! 全力で踊るよ!!」フンス

ジャズ研部長「だって、こんなにもプリキュアダンスが可愛いんだもの!!!」

JAZZ1「部長ォ!」ダッ

JAZZ2「部長ぉ!!」ダッ

JAZZ3「部長ぉぉ!!!」ダッ

JAZZ4「部長ぉぉぉ!!!!」ダッ

ジャズ研部長「ちなみに私がキュアマーチだから!」

JAZZ1「なっ、私がキュアマーチですよ!」

JAZZ2「私ですよぉ!!!」

ギャー ギャー

619: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 01:27:03.55 ID:V+gKSu++0

文化祭まであと1日

音楽には魔力があるッ!

620: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 01:31:26.35 ID:V+gKSu++0
朝 男の家

男「いってきまーす!」ガチャ

母「いってらっしゃい!」ニコ

バタン…

母「…さて、そろそろ私も出かけようかな……」

母「……そういえば、新聞読んでなかったわ」

ガサ

母「サラッと読んで出かけよう……」

母「………」フムフム

母「……」

母「……痴漢、脱獄?……」

621: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 01:40:36.81 ID:V+gKSu++0
昼頃 校長室

校長「………」

教頭「ふふ、朝から落ち着きが無いですね」

校長「…あぁ」

校長「……所詮、生徒……ただの子供だ」

教頭「いえ、校長先生の話ですよ?」ニコ

校長「………」

校長「……っお」

校長「おっへぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

校長「ついに明日だァアアアア!!!!! 文化祭、明日だぜぇえええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

校長「もう興奮!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

校長「興奮して昨日眠れなかったぞぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

校長「青春のにおいッッッ!!!! たまらねぇ香り!!!!!!!!!!!!!!!!! 芳しい!!!!!!!実に芳しい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」オッヘェェエ///

校長「リンゴ飴買っちゃうぅううううう!!!!!!!!!!!!!!!! とうもろこし食べちゃうぅぅうううう!!!!!!!!!!!!!!!!!! たこ焼き買い占めちゃううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

校長「ひゃああぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!!!!!!!!!!!」

教頭 (実にキモイ)ニコニコ

622: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 01:48:44.01 ID:V+gKSu++0
夕方 生徒会室

副会長「三校すべて、明日を満足のいく形で迎えられそうだ」フッ

女「!!!」

モブ美「やったぁー!」

副会長「去年と同等、数団体は間に合わず、断念するところが出てくるだろうと思っていたが、まさか……」

生徒会長「ぜんぶの団体が間に合うなんて、とんでもないミラクルね」ウフフフ

生徒会長「これも全部、女が実行委員長になってくれたから、じゃない?」ニコ

女「そ、そんな、私は……!」アセアセ

副会長「…かもしれないな」フッ

女「!!!」

副会長「ありがとう、女くん…」

副会長「最高の形で無事、文化祭が迎えられる」

副会長「……だが、これからが本番だ」

女「……!」ゴクリ

生徒会長「………」フフッ…

副会長「最後まで頑張るぞ!」グッ

女「はい!!!」

モブ美「ハイ!!!」

626: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 20:39:32.39 ID:V+gKSu++0

文化祭 当日

このライブが最後となることを、すっかり忘れていた

軽音部は文化祭後、廃部になるんだった

でも活動の拠点が変わるってだけで、

音楽を奏でることができなくなるってワケじゃないんだ

それでもやっぱり寂しいけどね

627: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 20:46:24.08 ID:V+gKSu++0
学校

「いらっしゃーい!! たこ焼きだよぉー!!!」

「焼きそば売ってま~す! 安いですよ~!!」

「わたあめいりませんか~~!!!」

わいわいざわざわ…

ちび「うひゃ~、すごい人だなぁ」アセアセ

岩男「三校の生徒に加え、一般の客も、ッスからねぇ」キョロキョロ

金髪「迷子になりそうですね」ニコニコ

ちび「むぅ! ちびっ子扱いするなぁー!」プンプン

みこ「あはは!」

岩男「そういえば、男のやつはどうしたんスか?」

ちび「あー、メールしたんだけど…、寝坊かなぁ?」

みこ「寝坊!? それ、まずいんじゃ…」アセアセ

金髪「いや、僕たちの出番はまだ先だから、大丈夫だよ」ニコ

岩男「それまでに来ねーとな」

ちび「新入りくんなら大丈夫だよ」フンス

628: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 20:56:28.21 ID:V+gKSu++0
C‘s 楽屋

しー「さぁ今日は本番や! 最初から本気モードでいくでぇ!!!」

C`s Gt「もちろんだ!!」

C`s Ba「トリは俺らだからな、気合入れていかないと」

C`s Dr「おう!」

放課後ティータイム 楽屋

唯「えーと、演る曲は、ギー太に首ったけと、Unmei♪wa♪Endless!かぁ…」

梓「歌いだしに気をつけてくださいよ?」フンス

澪「唯はよく忘れるからなぁ」

唯「大丈夫だよ~、いっぱい練習したんだから!」フンス

律「とか言いつつ、忘れるのが唯クオリティ!」

紬「ゆいちゃんクオリティ!」

唯「もぅ~! りっちゃんにムギちゃんまでぇ!」プンプン

アハハハ…

THE ゲイバンド 楽屋

ゲイ「今日は楽しもう! この日のために練習してきたんだからな!」

ゲイ友「うん! 派手に踊っちゃおう!」

ホモ「踊りはしないけどな!」

出演順

1.放課後ティータイム
2.THE ゲイバンド
3.メッセンジャー
4.C‘s

629: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 21:08:01.27 ID:V+gKSu++0
校長室

校長「ふぉぉぉおおおおおお!!!!!!!!! テンション上がってきたぁああああああああああ!!!!!!!!!!」

教頭「校長、大変です!」

校長「何だぁああ!!?? 便秘か!!!!!????」

教頭「今日も快便です!!! それよりこれを!!!」

校長「ん……何の紙だ?……」ピラッ…

校長「!?」

校長「…シリウスブラックが脱獄…だと……?」

教頭「この前の変質者ですよ! 脱獄したのは!!」

校長「あぁ、あの下半身丸出しのロックな野郎か…」

校長「しかし、別に脱獄したからと言って、この学校に来るわけが…」

教頭「それが、もうこの学園内に紛れ込んでいるらしいんです!!!!」

校長「!!? 何でだ!!!??」

教頭「分かりません……、何故、またここへ戻ってくるのか……」

校長「………ん? そういえば」

校長「そいつ、この前、こんなことを言っていた……」

校長「 ”息子と娘に会いに来た”と…」

教頭「…つまり、この学校にいる子供たちに会うために、また戻ってきたと…?」

校長「そう考えるのが妥当だろう……」

教頭「ぐっ…、しかし、今日は文化祭…一般の方々がいる学園内に、あの下半身丸出しがいるとなると……」

校長「……大惨事になる前に捕まえろ、ということだな」

教頭「はい……」

校長「よし、たこ焼きやとうもろこしより、生徒や一般の方々の安全だ! 探しに行くぞ!!!」ダッ

教頭「はい!!!」ダッ

630: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 21:15:58.32 ID:V+gKSu++0
グラウンドの端っこのほう

「おい見ろ!!! あっちでプリキュアダンス対決がやってるぞ!!!」

「なんだと!?? 行く行く!!!」

ざわざわ… ざわざわ…

ダンス部長「ぜぇぜぇ…」

ダンサー1「くっ! あっちの方が息がピッタリだ!!」アセアセ

ダンサー2「一糸乱れぬ統率力!! ジャズ研恐るべし…!!!」

JAZZ1「男子がプリキュアダンスとか、たかが知れてんのよ!!!」

JAZZ2「うんこー!!」

JAZZ3「うんこー!!!!」

ジャズ研部長「ぜぇぜぇ…」

「すげぇぞこいつら!! どんだけ踊り込んできたんだよ!!!?」

「最高にスマイルだぜ!!!!!」

ウォオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!

ダンサー3「あぁ!? 足がもつれた!!!」バターン

ダンサー4「うわぁあ!!! 俺も!!!!!!」バターン

ダンサー1「な、何やってんだ!!!!」

ダンサー2「早く立ち上がれ!!! 差をつけられるぞ!!!」ハァハァ

ダンス部長 (差って何のだよ……)ゼェゼェ

JAZZ1「やったわ! 今がチャンス!!」

JAZZ2「クライマックスいくよー!!!!!!!!!!!」

JAZZ3「おー!!!!」

JAZZ4「おぉぉーーー!!!!!」

ジャズ研部長「ぜぇぜぇ……」

631: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 21:23:13.74 ID:V+gKSu++0
JAZZ1「いっつだって ワ~クワ~ク♪」

JAZZ2「ドッキドッドキ、プーリキューア♪」

JAZZ3「スッマイッルゥ♪」

JAZZ4「プッリキューア♪」

チャチャーーーン!

ジャズ研部長「あ、…あぅ……」

ジャズ研部長 (…私のセリフがなかった……)

ダンサー1「うぎゃああああああああああ!!!!!」バターン

ダンサー2「ひぃぃぃいぃ!!!!!」バターン

ダンサー3「うげぇええええ!!!!!!」ビターン

ダンサー4「あうううああああああああ!!!!!」ベターン

ダンス部長「………」ハァハァ…

JAZZ1「やったぁぁ!!!!!」

JAZZ2「プリキュアダンス対決、私たちの勝ちだよ!!!」

JAZZ3「いぇええええい!!!!!!!!」

JAZZ4「私たちがプリキュアだッ!!!!!!!」

ジャズ研部長「………」ゼェゼェ…

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!

「よかったぜぇええ!!!!!」

「最高のスマイルをありがとう!!!!!」

「可愛かったよーー!!!!!」

ワー ワー

ジャズ研部長 (……嗚呼、私の高校最後の文化祭………)

632: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 21:29:57.76 ID:V+gKSu++0
教室

サッカー少年「よっしゃー! 準備も終わったし、あとは全部、女子たちに任せてもいいんだよな?」

モブ美「うん、だってメイド喫茶に野郎なんかいらないもん」フンス

陸上部「うへぇ、酷い言われ様だぜw」

女「さ、行った行ったぁ!」

サッカー少年「いこうぜ!! グラウンドのメインステージが気になって仕方ねぇ!!」

女「!」

陸上部「あぁ! 軽音だろ!? 俺も見たかったんだよ!! 行こうぜ!!!」

タタタタ…

女「…私も見たいなぁ」

モブ美「……男くんの出番のとき、いってきなよ」ニコ

女「え!? で、でも…」

モブ美「大丈夫! 私が2人分働くからさ!」ニシシ

女「モブ美……」

女「ありがとう! 愛してる!!」ギュッ

モブ美「いやぁ、大切な親友のためだもん、これぐらいわけないよ!」ニコニコ

女「えへへぇ///」

633: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 21:36:58.12 ID:V+gKSu++0
生徒会室

生徒会長「始まったわね…」

副会長「えぇ…」

生徒会長「何事もなく終わればいいけど…」

副会長「えぇ…」

ガラガラ!

教頭「副会長くん! この前の変質者がまた学園内に紛れ込んだ!!!!! いっしょに探してくれないか!!?」

副会長「」

生徒会長「??? 変質者…?」ポカン

副会長「…会長は気にしないでください」スタスタ…

生徒会長「……??」

副会長「文化祭を満喫してください、ってことです」フッ…

副会長「…行きましょう、教頭先生」

教頭「ありがとう、恩に着るよ…!」

タッタッタッタ…

生徒会長「……??? 何だったんだろう……」ポカン…

生徒会長「…あ、そうだ」

生徒会長「女ちゅわんのメイド服を拝みにいかないとねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」デュフフフフフ

634: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 21:43:15.70 ID:V+gKSu++0
グラウンド メインステージ

ざわざわ… ざわざわ…

母 (…えーと、男のバンドは、3番目かぁ……)

母 (最前列は取れなかったけど、ここでも十分すぎるぐらい、見えるわね)フフフ…

ドォォオーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!

母「!?」ビクッ

「何だ!? 花火が上がったぞ!!?」

「そろそろ始まるんじゃないか!?」

ざわざわ… ざわざわ…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

舞台袖

律「よし、それじゃー、がんばっていこう!」フンス

澪「さ、さすがにこの人数は、緊張するよな…」ドキドキ

紬「リラックスリラックス♪」ニコニコ

梓「いつもどおりにやりましょう!」フンス

唯「おぉー!」

635: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 21:51:27.16 ID:V+gKSu++0
メインステージ

唯「ど、どうもーーー!!!!」

ワァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

澪「ぉぉお…、すごいな……」ドキドキ

律「リラックスリラックス~!」

澪「お前はリラックスしすぎなんだよ!」

梓「あ、いつもの調子に戻りましたね」アハハ

澪「う、うぅぅ…」アセアセ

紬「ゆいちゃん、やろ?」ニコ

唯「うん!!!」

唯「それでは聴いて下さい!!! ギー太に首ったけ!!!!!!」

ワァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

舞台袖

しー「やっぱ放課後ティータイムは安定しとるなぁ」

ちび「みんな上手いよねぇ」ニコニコ

しー「やなぁ…、とくに、ギタボのあの子が、1番上手いなぁ…」

しー「何より、ものっそい楽しそうに演奏しよる…」フフフ…

ちび「音楽は楽しむものだからねぇ…」ニコニコ

ヴヴヴヴヴヴ…

ちび「?」

しー「ん? 電話かぁ?」

ちび「そうみたい……、!!!!」

ちび「新入りくんからだ!!」

しー「男ォ!?」

ちび「もしもし、新入りくん!? どこふらついてるの!?」プンプン

男『もしもし、部長ですか!? た、大変なんです!!』アセアセ

ちび「…へ??」

男『お、追われてるんです!!!!』

ちび「!!?」

636: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 21:59:51.62 ID:V+gKSu++0
ちび「お、追われてる!? いったい誰に!?」アセアセ

しー「追われてるぅ!?」ガビーン

男『それが、連中全員、覆面かぶってて、顔が見えないんです!!!』アセアセ

ちび「ふ、覆面…」

ちび「って、今、連中って言った!? まさか、大人数に追いかけられてるの!?」アセアセ

男『そのまさかです! た、助けてください!!! めっちゃ怖いんです!!!』アセアセ

男『…うわぁ!!! いつの間に!!!! ちょ、待っ……」プツン

ツー… ツー…

ちび「…な、なんてことに……」

しー「なんや、男は追いかけられとるんか!?」アセアセ

ちび「そうみたい…」

しー「なんでや…」

ちび「わからない……」

ちび「と、とにかく! みんなに知らせないと!!」ダッ

しー「あ、ウチもいく!!!」アセアセ

637: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 22:03:33.53 ID:V+gKSu++0
メッセンジャー 楽屋

岩男「追われてる!!?」ガビーン

金髪「いったい、誰に!?」アセアセ

ちび「わからない…、みんな覆面かぶってるって言ってた…」

みこ「そんな……」

ギタ娘「おいおい…、もう放課後ティータイム、演奏終わるぞ? 時間、まずくないか?」アセアセ

4弦娘「3番目だろう? 早くしないと…」ゴク…

ちび「むぅぅぅぅぅ……」アセアセ

「クックック…ざまぁねーなぁ、軽音部……」

ちび「!?」

ギタ娘「お、お前は…!?」

638: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 22:07:41.25 ID:V+gKSu++0
町のどこか

タッタッタッタ…

男「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ!」

覆面1「待ちやがれぇぇええええええ!!!!」

覆面2「ボコボコにしてやるぅぅ!!!!!」

男「こ、こえぇぇええ!!!!!」

覆面3「止まれ止まれェ!!!」

男 (や、やべ…もう体力が……!)ゼェゼェ

ガクンッ

男 (しまっ!? こ、転ん……!!!)グラァッ

ドサァァ……

覆面1「チャァァアアアアンス!!!!!」ジャンプ!

男「くっ!」グルン

ダン!

男「お前らいったい…!」ググッ

男「誰なんだ!!!!!!!!!!!!!!」ガバッ

覆面1「あ、や、やめ……ッ」

パサッ…

男「!!?」ビクッ

639: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 22:15:38.23 ID:V+gKSu++0
バスケ部員1「くっ…バレちまったか……」

男「な、何で…!?」

覆面2「……」パサッ

覆面3「……」パサッ

覆面4「……」パサッ

男「お、お前ら!!! 何でこんなことをッ!!!」

バスケ部員1「黙れ! それはこっちのセリフだ!!!!!」

男「!?」

バスケ部員2「引退試合を近くに控えていたっていうのに、お前は部を辞めた!!!」

男「そ、それは…!」

バスケ部員3「俺たちは、先輩方をみんなで送り出したかったのに、お前が辞めたせいで、それが叶わなかった!!!」

バスケ部員4「お前のせいだ!!! お前のせいで先輩方に良い思い出をプレゼントできなかったんだ!!!」

男「お、俺は!!! 俺はやりたいことができたんだ!!!」

男「バスケよりも!!! 何よりも!!!! それを優先して、何が悪いっていうんだ!!?」

バスケ部員1「悪いね、悪すぎる!! 完全に自己中心的な言い訳だ!!!」

バスケ部員2「お前のその身勝手な行動が、この事態を招いたんだよ!!!!!」

バスケ部員3「これは受けるべき罰だ!!!!!!!!!!」ダッ

男「くっ!!」ダッ!

バスケ部員4「あ、待ちやがれ!!!!」ダダッ

640: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 22:21:53.22 ID:V+gKSu++0
男 (…確かに、身勝手だ)タッタッタ…

男 (完全に、自己中心的な動機で部を辞めた……)

男 (……でも)

……………………………………………………………………………………………………………..

男 (めっちゃCDあるなぁ)キョロキョロ

男友「ちょっと試聴しちゃおうかなぁ…いや楽しみはとっておくべきか…」ブツブツ

男 (…?何だこのバンド…)

男 (試聴できるのか…、…ちょっと聴いてみよう)スチャ

ポチ

男「!!!!!!」ビク

………………………………………………………………………………………………………………..

男 (…あの時、体中に走った衝撃)

男 (あれは……本物なんだ…………)

男 (嘘なんてつけないッ! 俺は、音楽の魔力をあの時、初めてその身で感じたんだ!!!)

男 (…俺の意志だ)

男「俺は音楽が好きなんだ!!!!!!!!!!!!!!!」ダッダッダ!

641: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 22:32:25.34 ID:V+gKSu++0

「俺もだ」

男「!?」

バスケ部員1「だ、誰だ!?」

「漆黒の衣を纏いし者……」

べス男「……名もなき戦士……といったところか………」フッ

男「べス男!!?」

バスケ部員2「だ、誰だコイツ!?」

バスケ部員3「まさか、こいつも軽音部の…!?」

べス男「…男………」

男「!?」

べス男「……俺も音楽が好きだ……」フッ

べス男「…だが」

べス男「……それ以上に、お前の声が好きだ」フッ

男「ベ、べス男……!」

べス男「……行け、ここは任せろ」

バスケ部員1「な!? やる気かお前!!!」

男「1人で相手しようって言うのか!? 無茶だ! 危なすぎる!!」アセアセ

べス男「………俺は悪魔の子、地獄からの使者だ」フッ

べス男「大丈夫だから、行け……」

べス男「みんなが待っている…」

男「!!!」

男「…ありがとう、でも、無理だけはするなよ!!!」ダッ

べス男「………」フッ

バスケ部員2「あ、待ちやがれ!!!」ダッ…

ザッ…

べス男「………ここは通さん………」フッ

バスケ部員3「むがががが…! き、貴様……!」ギリ…

べス男「…………」

べス男 (……やばいどうしようどうしようどうしようどうしよう)ガクガク

643: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 22:45:45.42 ID:V+gKSu++0
タッタッタッタ…

バスケ部員5「いたぞ! こっちだ!!」

バスケ部員6「学校へは絶対に行かせるな!!」

バスケ部員7「うぉぉおおおお!!!!!」

男「!? まだいたのか!!?」

男「くそっ!」ダッ

男「はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!」タッタッタッタ

バスケ部員5「お前ら軽音部とは違って、こちとらバスケ部!」タッタッタ

バスケ部員6「体力じゃあ天と地ほどの差があるってもんよ!!!」タッタッタ

バスケ部員7「逃げられると思ってんのか!!?」タッタッタ

男「く、くそぉおおおお!!!!!!」ゼェゼェ

「はぁい♪ 元気なボーヤたち!o(*^▽^*)oあはっ♪☆ミ」

ボカロ「楽しそうだね~!私もまぜてよ!!((┗┓( ̄∀ ̄)┏┛))ウッシャッシャッシャッ☆ミ」

男「!? ボ、ボカロ先輩!?」

バスケ部員5「誰だあの女!!?」

バスケ部員6「馬鹿、先輩だぞ!!」アセアセ

バスケ部員7「この際もう関係ねぇ!! 邪魔するってんなら、女でも容赦しねぇぞ!!」

ボカロ「男くん! ここは私が引き受けるから、先に行って!」

男「で、でも…!!」アセアセ

ボカロ「届けるんでしょ!!!」

男「!!」

ボカロ「妹ちゃんに届けるんでしょ!!! ほら、さっさといく!!!!」

ボカロ「でないと、私、怒るよ!!!」フンス

男「は、はい!!!…ありがとうございます!!!」ダッ

バスケ部員5「待て!!!」ダッ…

ザッ…

ボカロ「てめぇらの相手は、この私だろ?」ニヤリ

バスケ部員6「くっ……!」

644: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 22:54:10.92 ID:V+gKSu++0
メッセンジャー 楽屋

ギタ娘「お前は……!」

バスケ部長「ククク……」ニヤニヤ

バスケ部長「哀れだなぁ軽音部……」ニヤニヤ

ちび「…もしかして、お前が黒幕なのか?」

岩男「!」

バスケ部長「ハッハッハッハー!!! ご名答!! その通りだよ!!!」ギャハハ!

バスケ部長「お前ら軽音部には恨みがある……それを今日、晴らさせていただこうっつーワケだぁ…」ニヤニヤ…

ちび「お前……ッ!」ギリッ…

バスケ部長「あいつが来なければボーカルがいない!! つまり、お前らは演奏ができない!! 出場できないってことだろ!!?」

バスケ部長「あ~あ!!! せっかくの文化祭、晴れ舞台だってのに、可哀想なヤツらだぜぇ!!!!」ギャハハ!

金髪「………ッ」ギロ

みこ「……ひどい……」オロオロ

岩男「…覆面のヤツらは、バスケ部だったってわけか……」

バスケ部長「その通りィ!!! いやぁ最高なヤツらだぜぇ!!!! 部長権限でどんなことでも命令できるッ!!!!」

バスケ部長「もう快感!!!!! それ以外のなにものでもないね!!!!!!!!」ギャハハハハハァ!!!

岩男「……よし」

金髪「……岩男?」

バスケ部長「………?」

岩男「お前、殴るわ」

646: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 23:07:29.95 ID:V+gKSu++0
バスケ部長「!!!??」ビクッ

4弦娘「ちょっと! それはさすがに!」アセアセ

岩男「こんな屑野郎、もう先輩ですらねぇ」

岩男「ぶん殴らねーと、俺の気が収まらねぇ……」ジリジリ…

バスケ部長「ヒ、ヒィィ!!!」アセアセ

ちび「岩男! 暴力はダメ!」

岩男「だって、こんな屑野郎のせいで、男は今頃……!!!」

バスケ部長「…ハッ! そうだよなぁ! やっぱり軽音部だぜ!!!!」アセアセ

みこ「!?」

バスケ部長「お前らは野蛮だ!!! 何かあれば、すぐ手を上げるッ!!!」

バスケ部長「野蛮人の集まりだ!!!!!!!!!!」ヒャァハハハハ!

岩男「こいつ……ッッッ!!!!」ビキビキ…

金髪「岩男!!!」ガシッ

ちび「…もういいよ、こんな屑」ハァ

バスケ部長「……は?」

ちび「みんな、ほっとこう」

ギタ娘「だな」

4弦娘「ちびが言うなら、そうだな」

バスケ部長「な、何……」アセアセ

バスケ部長「お、お前ら!!! 男はもう来ねぇんだぞ!!? 何で焦らな……」

ちび「くるよ」

バスケ部長「!?」

バスケ部長 (…そういえば、軽音部のあの変わり者の3人がいない……)

バスケ部長「もしかして……!?」プルプル…

みこ「…もうしゃべらないでください」

バスケ部長「!?」

金髪「口臭が酷いので、口を開けないでください」

バスケ部長「!!?」

ちび「あの3人なら、新入りくんの居場所がわかる…」

ちび「…だって、新入りくんが初めてセッションしたバンドだもの」ニコ

バンドっていうのは…

仲間っていうのは 心のどこかで繋がってるんだ

ちび「…まぁ、屑の君には理解できないだろうね♪」フフン

バスケ部長「~~~ッッッ!!!!」プルプル

648: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 23:15:23.55 ID:V+gKSu++0
町のどこか

ドダダダダダダダダダダダダン!!!!!!!!!!!!!!!

バスケ部員8「ぎゃあああ!!!」バターン

バスケ部員9「うひゃあああ!!」ビターン

バスケ部員10「あひぃぃぃ!!」ブターン

バスケ部員11「ほひぃぃぃ!!」ベターン

バスケ部員12「ぶひぃぃぃ!!」ボターン

バスケ部員13「あげぇええ!!」パターン

バスケ部員14「あdこkfms」ピターン

バスケ部員15「じだそ@vwh」プターン

ドラ子「………ドド……」

男「ドラ子さん…!」

男 (すごい…バスケ部全員をバスドラのみで……)

ドラ子「ドドドド」

男「!?」

ドラ子「ドドド」クイ クイ

男「…行けっていうこと…かな…?」

ドラ子「ド」コク…

男「…………」ニコ

男「ありがとう! ドラ子さん!」ダッ

タッタッタ…

ドラ子「………」

ドラ子「がんばってください、男さん…」ボソッ

649: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 23:23:35.96 ID:V+gKSu++0
メインステージ

ジャジャーーーン….

ゲイ「センキューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「すごい格好良かったぞー!!!!」

「ゲイのくせにやるなー!!!!」

「見直したぜーーー!!!!!!!!!!!!!」

ゲイ「ゲイでもいいんだ!!! 自由なんだぁああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

メッセンジャー 楽屋

ちび「………」ムムム…

岩男「…遅いッスね、男……」ソワソワ

金髪「大丈夫…、もうすぐで…」

みこ「………」ソワソワ

ガチャ…

ちび「!!!」

しー「じゃまするでぇ!」ヒョコ

ちび「…なんだ、しーかぁ……」

しー「なんだとはなんや!」プンプン

しー「せっかく順番変わってやろう思うたのに!」プリプリ

ちび「…え!?」

しー「まだ男、きてへんのやろ?」

しー「ほな、ウチらが先に演ったる!」フンス

ちび「しー…!」パァァ

しー「あんたらがトリや! しっかり締めぇやぁ!?」ニシシ

ちび「ありがとー! し~!」ダキッ

しー「おっとと!」

650: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 23:30:10.84 ID:V+gKSu++0
ギタ娘「…ほっ」

4弦娘「ありがたいな、少し時間ができた…」フゥ

金髪「あとは男くんが来るだけ…」

岩男「……頼むぞ、男……!」

みこ「急いで…男くん!…」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

メインステージ

ワァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

しー「順番変更やぁ!!!! C`s、ただ今参上!!!!!」

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

しー「にっしっし、えぇなぁやっぱり……///」ウフフフ

しー「この大歓声…最高やぁ///」ゾクゾク

C`s Gt「バカ言ってないで、演るぞ!」

しー「お、おぅ!!」シャキッ

C`s Ba「準備OK!」

C`s Dr「ワン・ツー・スリー・フォー!!!!」

しー「いくでぇぇえええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ウォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

651: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/23(金) 23:43:21.84 ID:V+gKSu++0
校門前

タッタッタッタ…

男「はぁはぁ…、やっと着いた…」ゼェゼェ

男「……ん?」

男 (校門の前に誰かいる……)

男「……!!!」

男友「よぅ…」

男「……男友」ゴク…

男友「……ここまで来たってことは、他のバスケ部の連中全員を出し抜いて来たってことか…」

男友「さすがだぜ、男……」ハハッ

男「………」

男「…頼む、男友…、そこを通してくれ……」

男友「……俺さ」

男「…?」

男友「分かってたんだ…」

男「…?? 何を……」

男友「…お前が、バスケ部に戻らないこと」

男「!!!……」

男友「どれだけ言っても、絶対、戻らないんだって、分かってた」

男友「……本当、誰よりも…な」

男「………」

男友「俺達、付き合い長いからさ、そういうの、分かっちまうもんなんだよ」ヘヘ…

男「…男友……」

男友「…部長の命令は絶対だったんだ、だから、嫌々、お前をずっと戻そうとしてたんだ…」

男友「…お前との関係が崩れるのが怖かった、けど、やるしかなかったんだ…」

男友「……本当に悪かった」

男「…………」

男友「…でも、もういい」

男友「……行けよ」スッ

男「!!」

男友「……お前の選んだものを、俺に見せてくれ」

男友「聴かせてくれ…」

男「…あぁ、分かった」

男友「……サンキュー…」ニコ

男「じゃあ、またな…!!」ダッ

661: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 09:24:00.29 ID:JpPra6va0
町のどこか

べス男「………」ゼェゼェ

バスケ部員1「おらぁ!」ドゴッ

べス男「ぐはっ…!」

ドサッ…

バスケ部員2「よし、急いで男のあとを追うぞ!!」ダッ…

ガシッ

バスケ部員2「!?」

べス男「………ま………て…………」ハァハァ…

バスケ部員3「くっ! 死にてぇのか!!!」バキッ

べス男「ッッッ!!!!」オゲェ

バスケ部員4「行くぞ!! 急げ!!!」ダッ

バスケ部員2「待て!! こ、こいつ…まだ……!!」アセアセ

べス男「………行かせない…………」ゼェゼェ…

べス男「……男は、……俺の、初めての……」

べス男「…友達……だか、ら……」ググッ…

バスケ部員3「てめぇ!! いい加減にしやがれッ!!」ドガッ

べス男「ぐっ!?」

ドサァァ…..

べス男「…………」ハァハァ…

662: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 09:30:17.98 ID:JpPra6va0

……………………………………………………………………………………………………………

男「…え、えっと…あの……みなさん…、どれくらい…楽器をやってらっしゃるのですか…?」アセアセ

べス男「……ベースと共に生れ落ちた……16年」ボソ

ボカロ「ボーカルに楽器歴とかないゾ☆!?」ニッコリ

ドラ子「ドッタン!ドッドッタン!ドッタン!ドッドッタン!」カタカタブルブル

男「……」

べス男「…ベース、見つかったんだろう…?」ボソ

男「…あ、あぁ、見つかったよ…仮だけど…」

べス男「……俺が呼ばれると思っていたが……」ボソ

男「…呼んでほしかったのか?」

べス男「……さぁな」フッ

男「……」クス

男「ありがとよ、べス男」ニコ

男「…でも、I`ve Got a Feelingをセッションした時に入ればよかったんじゃないの?入りたかったのなら…」

べス男「…俺は……」

しー「あー…そういえば、決めてへんかったなぁ、バンド名……」ムシャムシャ

梓「決めてなかったんですか…」モキュモキュ

しー「何がえぇかな!? みんな!」フンス

男「うーん……俺は何でもいいかな…」ガツガツ

べス男「おまかせでッ!!!」モグモグ

しー「うぉ、なんやえらい元気になっとるな……べス男……」ビクッ

男「いや呼んでないでしょ俺!何で来ちゃってるんですか!」アセアセ

男「つか風って何だよ今日驚く程吹いてねぇぞ風!!!」

べス男「…君の心の中を吹く…風……」ボソ

べス男「……」フッ

男「…」

ボカロ「練習!☆ミれんすーするお!w|;゚ロ゚|w ヌォオオオオ!!」ジタバタ

男「痛い!ちょ、暴れないで!」オロオロ

ドラ子「ッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ドドドドドドドドドド….

男「ドラ子さんもバスドラで叩かないで!」

663: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 09:35:20.14 ID:JpPra6va0

べス男「………楽しみにしてる……」ボソッ

男「へ?」

べス男「……お前の歌が、この文化祭で聴けること………」フッ

男「………」ニコ

男「ありがとな、べス男」ニコ

男「…最初会ったときは、なんか嫌なヤツーって思ったけど…」

男「けっこう、いいヤツだよな、お前…」フフッ

べス男「………俺は堕天使だ………」ボソッ

べス男「……俺も音楽が好きだ……」フッ

べス男「…だが」

べス男「……それ以上に、お前の声が好きだ」フッ

男「ベ、べス男……!」

…………………………………………………………………………………………………………………

べス男「…………」ポロポロ…

べス男「……絶対に………」ググッ

べス男「………行かせない………ッ!!!」ギロッ

バスケ部員1「うざってぇ!! 放せっつってんだろ!!!」ドカッ ドカッ

べス男「ッ! …ッぐ!! ……ッ」

べス男「うぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「やめろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

664: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 09:44:04.65 ID:JpPra6va0
べス男「!?………」ハァハァ…

バスケ部員1「……誰だ」

クラスの女子「………べス男、さがってて」

べス男「……し、しかし………」ゼェゼェ

クラスの女子「 さ が っ て ろ ! ! ! ! 」

べス男「ひゃ、ひゃい!」ビックーン

バスケ部員2「……そうか、俺達の邪魔をするのか……」

バスケ部員3「邪魔するのなら、例え女子でも容赦はしない!」

クラスの女子「……べス男、格好良かったわよ」

べス男「………」

クラスの女子「………休んでて、ここは私が殺る」

べス男「!?」

べス男 (……やるの「や」の字がマジだ………)ガクガク

バスケ部員4「行くぞオおらぁぁぁぁぁああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」ダッ

クラス女子「ぉぉぉおおおおおッ、…しゃらぁぁああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」ブンッ

バッチコォォォォオオオン!

バスケ部員4「ひでぶ!」ズサァァァ…

バスケ部員1「!?」

バスケ部員2「!?」

バスケ部員3「!?」

べス男「!!!!………」

クラスの女子「……あんたら、こっちこそ容赦しないわよ?……」ゴゴゴゴ…

クラスの女子「……よくも」

クラスの女子「よくも私の惚れたべス男に、傷をつけてくれたなぁぁあああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

665: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 09:47:12.94 ID:JpPra6va0
バスケ部員1「ヒィィィィィィイイイイイ!!!!!!!!!!!」

クラスの女子「うぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

バスケ部員2「ぎゃああああああああああああああああああ!!!!!」

バスケ部員3「助けてぇええええええ!!!!!!!!!!!!」

ギャー ギャー

べス男「………」アゼン

べス男「………た、助かった……のか………」ペタンッ

べス男「……ありがとう……」フッ…

670: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 22:15:27.07 ID:4MHRxJDQ0
校内

副会長「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ…!」タッタッタ

ざわざわ… ざわざわ…

副会長「あっちにはいませんでした!」ゼェゼェ

教頭「こちらにも……」ハァハァ

校長「諦めるな!! ヤツは必ずこの学園内にいる!!!」ダッ

副会長「でも、いったいどこに!?」

校長「それが分かれば苦労はしていない!!!!」タッタッタ…

教頭「副会長くん、私はあっちを探します!」タッ

副会長「は、はい! では僕は向こうを!」ダッ

671: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 22:23:21.17 ID:4MHRxJDQ0
メッセンジャー 楽屋

男「遅れてすいません!!!」ガチャッ

ちび「!!!!」

岩男「男ォォオ!!!!」

金髪「男くん!」

みこ「男クン!!!」

男「すいません、本当にすいません!」アセアセ

ギタ娘「気にするな! それよりもうすぐ本番だぞ!?」

男「は、はい!」

4弦娘「C‘sが順番を変わってくれた、後でお礼を言っておくといい」

男「え!? C‘sが……?」

ちび「とにかく!」

ちび「無事で良かった!!!」ダキッ

男「!!?///」ビクッ

岩男「男ぉぉおおおおお!!!!!」ダキッ

男「し、師匠まで!?」アセアセ

ちび「心配したんだぞぉおぉぉ!!!」

岩男「俺もだぁああ!!!! マジで心配してたんだぞぉぉお!!!!」

男「部長……、師匠……」

金髪「…そろそろ、C‘sの演奏が終わりますよ」

みこ「……いよいよだね」フンス

ギタ娘「頑張ってこいよ!!」

男「………」ブルルッ

4弦娘「?? どうした、男?」

男「…ちょ、ちょっとトイレ行ってきます!!」ダッ

ちび「新入りくん!?」

男「すぐ戻ります! トイレです!!」アセアセ

岩男「思いっきりぶっ放してこいよー!!」

みこ「////」アセアセ

672: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 22:25:32.46 ID:4MHRxJDQ0
トイレ

ガチャッ

男「急げ急げ~…」アセアセ

???「!?」ビクッ

男「!!?」ビクッ

???「……お、男……?」

男「親父!?」

673: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 22:32:16.55 ID:4MHRxJDQ0
親父「男か!! おぉぉぉ!!! 男なのかぁ!!!?」

男「親父、何でこんなところに!?」アセアセ

男「っていうか、何で下半身丸出しなんだよ!? いや、それより、何で俺達を捨てたんだ!?」

親父「ま、待て! 俺はお前達を捨てたわけじゃない!! それに下半身の件は不可抗力で……!」アセアセ

男「不可抗力で脱げるパンツがあるかッ!!」

男「親父がヘン夕イだなんて話はいい!! それより、何で俺達を……!」

親父「妹は元気か……?」

男「!!!」

親父「俺はあの日、不可抗力でパンツが脱げたせいで、指名手配人として、追われる身になってしまった…」

親父「今も逃げ続けている……、だが、お前らの顔が見たくてな……」

親父「なんとか、戻ってきたんだ…」ニコ

男「………」

親父「…妹も、この学校にいるんだろう? どこにいるんだ…?」

男「……いない」

親父「…?」

男「……妹は、死んだ」

親父「…!?………」

674: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 22:37:43.52 ID:4MHRxJDQ0
親父「な、何を言って……」プルプル…

男「…不治の病に罹ったんだ」

男「……助からなかった」

親父「………」

親父「…………」ポロ…

親父「何でだ……」

親父「何で……妹が……」ポロポロ

男「……ごめん」

親父「……何でお前が謝るんだ…」グスン

男「助けられなかった…」

親父「……不治…なんだろう?……、お前のせいじゃない……」

男「………」ギリ…

親父「……? お前、…楽器、始めたのか…?」

男「……うん」

親父「……ギターか……」

男「………うん」

親父「……妹に、伝えてくれないか?」

男「!?」

親父「……これから、演奏するんだろ? …だから、俺の想いも、伝えてほしい…」

男 (…親父も、音楽の魔法を……?)

675: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 22:48:08.20 ID:4MHRxJDQ0
親父「お前達を、愛していた…と」

男「………」

親父「こんな下半身丸出しの父親だけど、行く先々で、お前達を忘れたことは一度もなかった…」

親父「もちろん、母さんもだ……」

親父「俺は、お前達を……想い続けていたんだ」

男「………」

親父「……そして、これからも、想い続ける……と…」

親父「……そう、伝えてくれないか?」

男「………」

親父「…今更、父親面するなと言われるのは分かっている」

親父「でも、これが真実なんだ」

親父「……本当に、すまなかった」

男「……いつ、帰ってくるの?……」

男「…母さん、1人で大変なんだ……」

親父「……俺はいずれ、無実を証明する……」

親父「…それまで、何年かかるかは分からないが、でも約束しよう」

親父「……必ず戻る」

ガチャッ!

校長「いたぞヘン夕イがいたぞぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」

親父「!? しまった…!」

男「親父!!!」

校長「おっしゃああああ捕まえたぁあああ!!!!!!!!!!!!」ガシッ

親父「約束だ!!!!!」

男「……ッ」

校長「教頭ぉおおおおおおおおお!!!! こっちだぁああああ!!!!!!!!!」

親父「必ず、戻るッ!!!!」

校長「暴れるな!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

親父「そして……ッ」

親父「俺の想いも伝えてくれよな!!!! 頼んだぞ!!!!!!!!!!!!!!」

バタン…

男「……いまさら、父親面かよ………」ポロ…

男「…バカ親父……」

男「不可抗力で脱げるパンツって……何なんだよ……」

676: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 22:53:36.58 ID:4MHRxJDQ0
メッセンジャー 楽屋

男「…戻りました」ガチャ

ちび「おかえり!!!」

金髪「……? どうしたんだい? 元気がないように見えるけど…」

男「な、なんでもありません!」アセアセ

岩男「気合入れていけよ!! すごい客の数だからな!!」

男「はい!!!」

みこ「頑張りましょう!!」フンス

ギタ娘「ファイト!」ニコ

4弦娘「お前たちならできる!」グッ

男「ありがとうございます!!!」

男 (……いろいろありすぎて、頭がパンクしそうだ)ハハハ…

男 (…でも、やることはハッキリしてる)

男「届けるんだ!!!」グッ

ちび「メッセンジャー!!! いくよぉぉおおおお!!!!!」フンス

「「「 おぉぉーーー!!!!!! 」」」

677: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 23:00:44.88 ID:4MHRxJDQ0
メインステージ

しー「いやーーーーっほぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおう!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ジャジャーーーーン!!!!!

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「かっけぇえええええ!!!!!!!!!!」

「C‘s!! C‘s!! C‘s!! C‘s!!」

「しーさぁぁあああああん!!!!!!!!」

しー「おおきにぃ! ほんま、おおきにぃ!!!!」アハハ!

しー「……みんなぁ! ちょっと聞いてやぁ!!」

ざわざわ…! ざわざわ…!

「アンコールか!!???」

「しーさまぁああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

「アンコール! アンコール!!」

しー「残念ながら、アンコールやないんやなぁ」ナハハ

しー「次のバンドのことや!!」

ざわざわ… ざわざわ…

しー「次は、ウチの友達がおるバンドや!!」

しー「あいつらはほんま、楽しそうに演奏すんねん!! やから、ウチ、めっちゃ好きなんや!!!」

しー「見てて、聴いてて、これほど幸せになれるバンドは~、そうおらんねん!!」

ウォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!

678: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 23:09:10.32 ID:4MHRxJDQ0
しー「っちゅーわけや!! そやから、みんな、聴いたってな!!!!」

しー「ぜぇーったい、聴くんやでぇ!!!!!!!!!」フンス

ウォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

舞台袖

ちび「しー……」ウルウル

男「うおぉぉおおお!!! しーぃぃい!!!!」ウルウル

みこ「しーさん…」ウルウル

金髪「一気にハードルが上がったね…」ニコ

男「やってやるですよ!!」フンス

ちび「そうだとも! 新入りくん!」ニコ

ちび「私たちは、『メッセンジャー』なんだ!」

男「はい!」

ちび「届けよう!!」

男「はい!」

ちび「伝えよう!!」

男「はい!」

金髪「あ、しーさん! お疲れ様です!」ニコ

しー「あんがとさん!」ニシシ

ちび「しぃぃ! ほんと、ありがとぉ~!」ギュゥゥ

しー「だって、ほんまのことやもん!」ニャッハッハ!

しー「ウチ、あんたらが好きやで!」ニコ

みこ「あ、あぅぅ////」モジモジ

しー「そ、そっちの意味ちゃう!!////」アセアセ

ちび「私もしー大好きだよぉおおお!!!!!!!!!」ギュゥゥゥ

しー「うぐぅ! く、苦しいて!」アセアセ

男「あはは!」

金髪「…さぁ、そろそろ行きましょう!」ニコ

男「!!!……」

みこ「男くん、行こう?」ニコ

ちび「いざ、メッセンジャー!」フンス

男「はいッ!」

679: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 23:12:50.46 ID:4MHRxJDQ0

きみの帆は満ちて 航行は順調

      きみは船が沈むなんてこれっぽっちも思っちゃいない

            きみの悪いところは一か八かにかけすぎるところだけど

                  それがきみの強さでもあるんだ

           時々心配になるよ

              でもきっと強風の中でもやり遂げるんだろうと思う

                           例え行き止まりにぶちあたってもね

680: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 23:34:27.84 ID:4MHRxJDQ0
メインステージ

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

みこ「す、すごい歓声…!」アセアセ

ちび「しーのバンドが温めてくれたからだね!」フムフム

金髪「さすがC‘s…」ニコ

男「じゃ、さっそく……!」

ちび「名刺代わりの1曲……!」ニシシ

みこ「はい!」フンス

金髪「OKです!」ニコ

男『Two Wrongs Don’t Make A Right, But Three Rights Make A Left!!!!!!!!!!!!!!』

681: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 23:35:44.13 ID:4MHRxJDQ0

ジャジャーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!

ウォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ちび「やぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!」ダン!ダン!

みこ「やぁーーー!!!!!!!!!」ボボ ボボン

男『Fuck it!!!!!』

男『I get the feeling tonight that it’s going down

     I get the feeling she might hit the fan

        I get the feeling cause she left without a reason

           But I don’t care! She’s a fucking nightmare!!!』

682: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 23:37:03.95 ID:4MHRxJDQ0

男『Like a fool, back in school, run around on the weekend

    Took a bit of time but now I see it like a bee can

      When I’m not around you’re with another dude streeking

         Like bount chica bount bount chica bount-bount!!!!!!』

ちび「ばんちかばんばん! ばんちかばんばん!!」キャッキャッ!

ドッダン! ドドダン!!

男『I spy a girl gone wild weekend

    I spy that you’re hittin’ up my best friend

     I spy you’re going down in the deep end

       6-6-6, my antichrist girlfriend!!!!!!!!!!』

ワァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!

男『I take back all the shit I gave you

     I take back every word I said to you

       I take back everything except the part where I said we were through

         I take back all the shit I gave you

           I take back every word I said to you

             I take back everything except the part where I said we were through!!!!!』

683: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 23:38:57.97 ID:4MHRxJDQ0

金髪 (楽しい!)フフッ…

ちび「いぇぇええええええええええええい!!!!!!!!!!!!」

みこ「やぁぁああー!!!!!!!!」

ワァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!

男『Bust it!!!!!

    I get the feeling she might sleep with other guys

       I get the feeling tonight she’s not alone!!』

684: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 23:40:19.52 ID:4MHRxJDQ0
男『I get the feeling cause he picked her up this evening

           But I don’t care! She’s a fucking nightmare♪』

みこ「へい!!!」ピョン

男『 Smokin’ kools by the pool

    Saw your tail when I was peeking and

      Went to grab a beer and heard the box spring squeakin’

        Walked into the room and there you were freakin’

          LIke bount chica bount bount chia bount-bount♪』

ちび「ばんちかばーん!!!」キャッキャッ

ドッダン! ドドダダダ!

男『I spy a girl gone wild weekend

    I spy that you’re hittin’ up my best friend

      I spy you’re going down in the deep end

        6-6-6, my antichrist girlfriend!!!!!!!!!!!!!!』

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!

男『 I take back all the shit I gave you!

    I take back every word I said to you!

      I take back everything except the part where I said we were through!

         I take back all the shit I gave you!

           I take back every word I said to you!

              I take back everything except the part where I said we were through!!!!!!!!!』

ワァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!

691: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 07:52:24.55 ID:TysWj2e30
校門前

親父「はなせよ! はなせよ!!」ジタバタ

警察「大人しくしろ! 毒キノコめが!!」

親父「俺のキノコに毒なんてない!!!」ジタバタ

警察「ヘン夕イの捕獲にご協力いただき、誠にありがとうございます!!」ペコ

校長「もう脱獄なんてさせるなよ?」

警察「はい!! もう絶対に逃がしはしません!!」ケイレイ

副会長「………」

教頭「そろそろ……」

警察「あ、すいません」ペコ

警察「おら! 行くぞ毒キノコめ!!」グイ

親父「ひゃぁん!」ズルズル…

副会長「…………」

校長「よっしゃあああああ、文化祭楽しむぞぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」

校長「ヒャッホィ!!!!!」ダッシュ

教頭「副会長くん、協力ありがとう」ニコ

教頭「助かったよ」ニコ

副会長「いえ、僕は…」

教頭「君も文化祭を楽しんでくれたまえ…」スタスタ

副会長「…………」

「大丈夫? 痛くない??」スタスタ

「OK牧場…………」スタスタ

副会長「……?」

692: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 07:58:18.69 ID:TysWj2e30
副会長「君らは……」

クラスの女子「あ、副会長さん…」

べス男「……こんにちは………」ペコ

副会長「…!?」

副会長「ど、どうしたんだ、べス男!?」

べス男「…………」ボロッカス

副会長「ボロボロじゃないか!? いったいどうした……」

べス男「…………別に、なんでもありm」

クラスの女子「バスケ部です」

べス男「!?」

副会長「………なんだと?」ピクッ

クラスの女子「バスケ部の連中が、べス男をこんなになるまで、やったんです」

副会長「……………」

べス男「………お、俺は、大丈夫………」アセアセ

副会長「……許さん」

べス男「……??」ビクッ

副会長「屑どもが………」

693: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 08:03:32.00 ID:TysWj2e30
メインステージ

サッカー少年「男ぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」

陸上部「男ぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!」

女「…………男」ドキドキ

ワァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

母「男ーーーーーーーーー!!! いいわよぉー!!!!!!!!!!!」ウォオー!

ジャジャーーーン…

男『どうも! メッセンジャーです!!』ゼェゼェ

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!

ちび「新入りくん! 休んでる暇はなっしんぐ!!」フンス

みこ「次、いきましょう!」

男「は、はい!!」アセアセ

男『じぶんROCK!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ジャジャッ!!!!! ギュィィイーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!

金髪「いくよ……!」

694: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 08:14:38.74 ID:TysWj2e30
舞台袖

唯「ほえ~! かっこいいねぇ~!!!」キラキラ

澪「ボーカルの男くん、いい声してるなぁ!」キラキラ

律「じぶんROCKって選曲も、いいな、盛り上がるよ!」

梓「ちびさん、男さん、ファイトです!!」フンス

紬「じゃかじゃかじゃ~ん♪」フリフリ

しー「やったれ男ぉぉおお!!!!!!!!!!!」ウォオー!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ズン! ズン! ズン! ズン!

男『今日も君は信じること

   忘れずに目覚められていますか?』

男『時が經つと自分さえも

    信じれなくなる時代のようです!』

男『自分では気付かないのがこの症状の特徴で

        唯一ある予防法…は

           「自分にウソだきゃつかない事」!!!!』

ワァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!

男『忘れてたまるもんかよ!!

    僕がボクじゃなくなったら

       たとえ生きてたって生きてる意味すら

          見つからんだろ!』

男『声にならない叫びは僕が声を枯らして

       叫んで歌って伝わるまでわめいて

           届くまで止めない!!!!!!!!!!』

695: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 08:26:11.42 ID:TysWj2e30
女 (…声にならない叫びは僕が声を枯らして…)

女 (叫んで歌って伝わるまでわめいて 届くまで止めない……か)

女「……そのまんま、男の気持ちを表してるような歌……」フフッ

生徒会長「がんばれーー!!!! 男くーん!!!!!!!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

男『今日もキミは回り続ける』

男『誰が泣いても怒っても止まらず』

男『ためしに僕が、風をひいても もちろん止まることなんて…』

ちび&みこ『ねーわぁ!!!』

人生も同じように 止まることはなく進むし

男『だから そうさ今日も人はお手手のシワとシワをあわせんの!!!』

ジャジャーーーン….

男『終わらせちまう事なんか

    誰にだってできんだろ?!

       たとえ 終わっちまったって

          次のスタ一ト すぐきれんだろ?!』

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!

男『今キミが思うキセキも

    底上げさせてしまえば

      もう その時点でそのキセキは

         君にとっちゃ必然のお仲間さ!!!!』

ワァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!

700: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 21:16:10.19 ID:Ouvk+Wbz0
男「はぁ、はぁ、はぁ……」ゼェゼェ

ワァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!

みこ「男くん!」

男「?」ゼェゼェ

みこ「えへへ!!」ピース!

男「あぁ!!」ピース!

金髪「…最後の曲の前に、MCを」ニコ

男「はい!」

ざわざわ… ざわざわ…

男『どうも、メッセンジャーボーカル、男です!』

ワァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「かっけぇーぞー!!!!」

「いい声してんなーーー!!!!!!!!」

「最高だぜーーーーー!!!!!!!!!」

男『ありがとう! ありがとう!』テレテレ

男『…今日は、この文化祭に来てくれて、本当にありがとう』

男『皆さんに会えて、皆さんの前で……』

男『皆さんに曲を、想いを届けられることが、本当に嬉しいです』

ワァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!

男『…俺は、ここにいる皆さんだけでなく……』

男『とある英雄たちにも、この想いを届けたいと思っています』

701: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 21:23:09.17 ID:Ouvk+Wbz0
男『……皆さんは、光の届かない…暗黒の世界を知っていますか?』

女「!!!………」

男『誰の温もりも感じられない、暗黒の世界…』

母「………」

男『目は世界の姿を映すことはなく、広がるのはただ、闇』

ちび「………」

男『耳は世界の発する音楽を聴くことはない… 暗黒の世界……』

金髪「………」

男『そんな世界に迷い込んだ、11人の英雄たちを、俺は知っています』

その中の1人……とある少女の話

彼女も、暗黒の世界に足を踏み入れた1人

いや、自分からではなく、誰かに騙されたかのように、唐突に、その世界に迷い込んだんだ

世界は色を失った

702: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 21:26:55.74 ID:Ouvk+Wbz0

その目はもう、この世界を映してはいなかった

その耳はもう、俺の声を受け入れてはくれなかった

その手はもう、俺の手を握ってくれることはなかった

その口はもう、買ってきたケーキを食べることはなかった

鼻は、世界の匂いを感じることは、二度となかった

男『……それでも、俺には分かっていました』

「彼女はまだ、諦めてはいない
    彼女はまだ、希望を捨ててはいない」と

______最後まで戦い抜き、彼女はこの世界を去った

____長い、想像もつかないほどに長い、戦いだったと思う

誰の手も借りられない、声援も受けることもない、孤独の戦い

11人の英雄たちは、戦い抜き、去っていった

703: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 21:32:14.76 ID:Ouvk+Wbz0

男『………俺は、その英雄たちに、花束を贈りたい』

男『よく戦い抜いたね、お疲れ様…あとはゆっくり、休んでくれ、と………』

男『俺は… 俺たちには、去った彼らに花束を贈る術はないけれど、一つ、思いを ”伝える”方法があります』

それは、音楽を ”奏でる”こと

男『遠くへ旅立った彼らへ… ”響く”音楽を… 音楽の ”魔法”を……』

俺たちには 魔法に ”想い”をのせて、彼らの心へ伝えることができるんだ

男『………最後の曲になったけど、聴いてほしい』

男『全力で歌うから……』

 __________届けるよ

704: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 21:37:23.52 ID:Ouvk+Wbz0

….パチパチ…

パチパチパチパチ…..

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

ワァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ちび「……いいんだね? 新入りくん……」

男「……はい」

金髪「届けよう…」

みこ「…最後だよ」

男「………」ニコ

男「My Favorite Song……!」

ちび「やぁぁぁぁああああああああああああ!!!!!!!!!」

ドッタン! ドドタン! ドドドタン! ドドタン!

ウォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

705: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 21:47:34.71 ID:Ouvk+Wbz0
しー「……My Favorite Song! ELLEGARDEN!!!」フンス

梓「あぅぅ……」グスン

しー「……」

梓「うわぁぁああああん!!!!」ビェェエエエン!

しー「…よしよし」ナデナデ

梓「……ひっく、しーさぁあん!……」ボロボロ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

岩男「いけぇええええええええええ!!!!!!!!!! 男ぉォォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!」

ギタ娘「叫べぇぇぇぇええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!」

4弦娘「届けろぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

岩男「想いを、伝えろぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

母「……男……」グスン

母「立派になって……」

母「………ありがとう、……ありが、とう……」ポロポロ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

サッカー少年「うぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」

陸上部「暴れるぜぇぇぇえええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!」

女「男………!」ポロポロ

生徒会長「……男くん」

生徒会長「………あなたなら、届けられる」ニコ…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

校長「いよぉぉおおおッしゃぁぁぁぁぁあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」クネクネ

校長「アウッ! イエァッ!! アウッッ!!!!」クネクネ

作業員「アウッ! イェアッ!! アウッッ!!!」クネクネ

バスケ部顧問「……やるじゃないか、男…!」

モブ先生「弾きながら歌ってるなんて…、しかも、すごく響く声…!」ドキドキ

吹奏顧問「むががが……!!」アセアセ

706: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 21:51:01.89 ID:Ouvk+Wbz0

男 (響け! 届け!! この……!!!!)

ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

金髪「うぉぉおおおお!!!!!」

みこ「やぁぁあああー!!!!」ピョン

ちび「ひゃああああああああああああああああ!!!!!!!!!」キャッキャッ

男 (まだだ!! まだ……!!!!!!!!!!)

男「うぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

707: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 21:55:05.64 ID:Ouvk+Wbz0

「おかえり」

「腕前はほんと、まだまだだけど、私も誰かに伝えたいの!」

「また僕を、君のバンドに入れてほしい」

「お前は俺の弟子だからな」

「君がそう言ってくれたから、私は奇跡を信じられるんだよ」

「 『お好み焼きロックの名は、世界に轟くゥ!』…ってな!」

「もう暴れちゃう!!! 暴れちゃうから私!!!!」

「アレンジしまくっちゃったけどね!」

「音楽に壁はありません、ジャンルは違えど、音楽は”伝える”ものだと思っています」

「……母なる大地に降り注ぐ、神々の涙……」

「…女、お姉ちゃんはね、あなたのメイド姿が見たいの」

「ドドドドッドドドドドドドド…!!」

「ほらほらぁ行くよ!いざ漆黒の堕天使、しゅっぱーつ!! _/\○_  ε=\_○ノ イヤッホーゥ!☆ミ」

「……お前の選んだものを、俺に見せてくれ」

「あったり前だろぉおおおお!!!!!! 俺らがあのヘン夕イからみんなを守るんだ!!!」

「…僕がいる以上、勝手に軽音部は廃部には”させません”からね」

「誰かが追い払わないと、あの2人がいつまでもうるさいのよ!!!!」

「ある意味ロックだな…」

708: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 21:57:32.30 ID:Ouvk+Wbz0

嘆き合って迎える朝

現実は何度覚めても現実だった

徐々に解れバラバラになっていく自分を、ただ見ていることしかできなかった

____なにも、できない自分がいたのも、現実だった

でも、そんな俺を必要としてくれる人がいるのも現実で、

俺を待っていてくれる人がいるのも現実

709: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 22:02:45.95 ID:Ouvk+Wbz0

____覚めぬ夢に、何度も頽れ泣いたこともあった

目まぐるしい日常に、思わず心が躍ることもあった

心の底から楽しいって、叫びたくなるようなこともあった

怒りで自分がめちゃくちゃになったこともあった

何もできない自分の無力さに、逃げ出すこともあった

けれど、それでも待っていてくれる人達がいたんだ

自分に、『音楽には魔力があるんだ』って

『音楽は、魔法そのものなんだよ』って、気付かせてくれた

大切な仲間______

_________その中のキミがどこかへ行ってしまって、死ぬほど辛い思いをしたよ

_____でも、今はキミに、伝えたいんだ

キミは、どこにいるのかな?

_____どこだっていいね、関係ないんだ

どこへいても届けるよ

710: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 22:06:45.94 ID:Ouvk+Wbz0

…………………………………………………………………………………………………………………

妹「……手」ボソ

男「……?」

妹「…手、握ってほしいな……、…なんて……」ゴニョゴニョ…

男「……いいよ」ニコ

男「…ほら、かしな…手……」スッ

妹「…えへへ////」ギュッ

妹「……あったかい」ギュッ…

男「………」

妹「…どうしたの?」

男「…なんか、懐かしいなって思って……」フッ

男「妹が小さかった頃、よく、こうやって手を握ってきたなぁって…」

妹「そ、それは…///」

男「甘えん坊さんだったよな」アハハ

妹「ち、小さかったんだから、別にいいの!////」フンス

男「あはは……」

…………………………………………………………………………………………………………………

711: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 22:14:51.92 ID:Ouvk+Wbz0

ワァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

男『うぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』ポロポロ…

ちび「ッッッ!!!」ボロボロ

みこ「男くんッ…!!」グスン

金髪「………ッ」ポロポロ…

男『届いてっかぁああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ポロポロ…

ウォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!

ジャジャーーーーーーン……

ドドダン!…..

男「………」ハァハァ…

ちび「…………」ゼェゼェ…

みこ「………」ゼェゼェ…

金髪「…………」ハァハァ…

男『……ありがとう………』

ワァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!

712: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 22:26:13.29 ID:Ouvk+Wbz0

ワァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

男「………」ポロポロ

ちび「…新入りくん」スタスタ…

ギュッ

ちび「……今は、泣いていいよ」

ちび「…思いっきり……ね?」ニコ

男「…は、はい……ッ」ボロボロ…

金髪「ありがとう、男くん、…君の歌声に救われた気がする」グスン…

みこ「あの日と同じ…それ以上に、きたよ!……」グスン

みこ「私からも、ありがとうって、言わせて……!」ポロポロ

男「はい……! っ、ひっぐ…、はい………!!」ボロボロ

ちび「……ありがとぉ、新入りくん」ギュッ…

ちび「……妹ちゃんも、ぜったい、喜んでるよ?……」ニコ

男「……ぅ、ぅあぁぁあ………」ボロボロ

男「ぅぁああぁぁぁあああああぁぁぁあああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ボロボロ…

ウォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!

…………………………………………………………………………………………………………………

……………………………………………………………………………………………..

……………………………………………………………………………

713: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 23:30:35.87 ID:exkinReq0

ありがとう

714: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/25(日) 23:33:31.91 ID:exkinReq0
これで文化祭は終了ですが、後日談が残っているのでもう少し続きます
最後までお付き合い頂けると嬉しいです
721: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 12:19:05.88 ID:kOe6Dv3U0

数日後

夏の匂いは遠のき、空の青さは夏の頃よりも、弱くなった

それでもまだ暑さは残っていて、じっとりと汗ばむ今日この頃

ぽつぽつと空に浮かぶ不恰好な雲

青いプールで自由きままに泳ぐ

________空は、こんなにも広い

722: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 12:40:29.64 ID:kOe6Dv3U0
朝 新しい部活・バンド部の部室

岩男「だから、そうじゃない!! こうだ!!」フンス

男友「全然分かんないッスよ!!!」アセアセ

副会長「もっとゆっくり弾いてくれないか?」

岩男「もう十分ゆっくりだわ!!」

岩男「いいか? ちゃんと人差し指で…」スッ

男友「無理ッス!!!」

岩男「やれよ!!!!!!!!!!」

副会長「…難しいな」ペキョ…

岩男「……はぁ」

岩男「ったく、何で俺がお前らにギターを教えないといけねぇんだ……」

男友「俺は男に習おうと思ったんスけど、男のヤツ、「俺より師匠の方が教え方がウマイ!」って言うもんスから…」

岩男「…完全に面倒事を押し付けてきやがったな……」ハァ

副会長「無駄話はいい、早く教えてくれ」

岩男「だいたいお前は、何で俺に!?」ウガー!

岩男「お前の父親、ギター好きなんだろ?? 弾けるだろ!?」

副会長「……父には教わらないさ」

副会長「………弾けるようになって、驚かせてやりたい」

岩男「…………」

男友「………」

岩男「……お前、けっこう可愛いなw」

副会長「なっ!?///」ビクッ

男友「バスケ部を潰された時は、嫌なヤツ~!とか思ってたッスけど、何か可愛いッスねw」

男友「嫌いじゃないッスww」

副会長「う、うるさい! 黙れ黙れ!!///」アセアセ

副会長「それより、早く教えろ!!!」

岩男「はいはいw」

副会長「いつまで笑ってるんだお前は!」アセアセ

723: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 12:49:41.62 ID:kOe6Dv3U0
屋上

ビュォォオオオオオオオオオオオオ….

ギタ娘「………」

4弦娘「………」

ボカロ「ドキドキ…(〃゚д゚;A アセアセ…」

ドラ子「ドド…」

ギタ娘「…まぁ、確かに…ロックも……捨てたモンじゃないな……」フッ

4弦娘「……ヘビメタも、いいモンだな、…勢いが好きだ……」フッ

ギタ娘「……へへ///」ニカッ

4弦娘「……ふふ///」ニコッ

ガシッ!

ボカロ「ふぅ~……ヾ(;´▽`A“ よかったぁ~!☆ミ」

ドラ子「ドドドド!!!!」ドッダン! ドドダン!

ギタ娘「これからもよろしく頼むよ! 相棒!!」ニシシ

4弦娘「あぁ! こちらこそ、よろしくな!!」ニカッ

ギタ娘「もちろん、お前達もよろしくな! ボカロ!ドラ子!」

ボカロ「……ふぇ?」

ドラ子「!!!」

ギタ娘「私たちのバンドには、お前らがいなきゃな!」フフンッ

4弦娘「ボカロのデスボイス、ドラ子のドラムテク、私はすごく好きだぞ」ニコ

ボカロ「」

ドラ子「………ドドドド!」フンス

ボカロ「またのど死んじゃうよぉ~~~!!!。・°°・(((p(≧□≦)q)))・°°・。ウワーン!!☆ミ」

724: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 12:54:08.54 ID:kOe6Dv3U0
1年B組 教室

ヴヴヴヴ…

姫 (…メールだ! ……誰からだろう……)カチカチ

姫 (!!! みこからだ!!!)キラキラ

姫 (…『来週の日曜日、遊びに行ってもいいかなぁ??』……)

姫「……あぁ、みこ………////」ポワ~ン…

姫「えっと、もちろん、大丈夫っと…」カチカチ

姫「送信!」ピッ

姫「……うふふ/// 楽しみだな…////」ポワ~ン…

725: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 13:02:56.63 ID:kOe6Dv3U0
グラウンド

校長「アウッッッッッ!!!!!!!」ビシッ

サッカー少年「あ、あうっ!!」アセアセ

校長「イェアッッッッ!!!!!!!!!!!」ズビシッ

陸上部「い、いぇあっ!!」アセアセ

校長「ンンンアゥッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」ズビシーン!

サッカー少年「んんあぅっ!!!」アセアセ

陸上部「んんあう!!!!」アセアセ

サッカー少年「………」ゼェゼェ

陸上部「………」ハァハァ

サッカー少年「ちょっと、教頭先生!!」

教頭「何ですか?」ニコニコ

サッカー少年「俺達はあの日、あのヘン夕イを止めることができませんでした…」

陸上部「だから、もっと強くなりたい!と思って、こうして教頭のもとへ弟子入りに来たのですが……」

校長「アウッ!! イエアッ!! アウッッッ!!!!」クネクネ

サッカー少年「あんなのやってて、強くなれるんですか!?」アセアセ

教頭「なれますよ」ニコニコ

陸上部「えぇぇ!?」ガビーン

教頭「さ、校長先生の真似をして! ついていくのですよ?」ニコニコ

サッカー少年「む、むむむ……」アセアセ

陸上部「本当かなぁ…?」オロオロ

校長「カモンベイベーーー!!!!!!!!! トゥギャザーーーーオーケーーー!!!??????」クネクネ

サッカー少年「お、おーけー!!」アセアセ

陸上部「お、おk!」アセアセ

教頭「子供は元気でないと…」ニコニコ

726: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 13:08:39.70 ID:kOe6Dv3U0
昼頃 男の家

母「あー忙しい!」バタバタ

母「掃除にお洗濯、庭の花の水やり……、そうだ、隣の家の人に回覧板を渡しに行かなくちゃ……」アセアセ

母「あぁ~、やることがいっぱいだわ!!」アセアセ

パシン!

母「でも! 負けてられないわね!!!!」フンス

母「よ~っし!!! 頑張るわよぉーーー!!!!!!!!!!」オォー!

727: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 13:28:55.51 ID:kOe6Dv3U0
学校の図書館

べス男「……あの………」

クラスの女子「な、何よ……///」

べス男「…こ、この問題……分かりません………」

クラスの女子「こ…こんな問題も分からないなんて、ダメダメね!! ほんと!!!!」アセアセ

クラスの女子「しょうがないから、私がみっちり教えてあげるわ!!!////」ドキドキ

べス男「…さ、さんくす……」アセアセ

クラスの女子「…何よ、私がせっかく教えてあげるんだから、ちょっとは嬉しそうな顔ぐらい、しなさいよ……////」モジモジ

べス男「………」

べス男「………(嬉しそうな顔)」ニコ…

クラスの女子「///////」プシュ~…

べス男「!?」ビクッ

べス男「だ、大丈夫……?」アセアセ

クラスの女子「……だ、だいじょうぶ………//////」プシュゥゥゥゥ~…

クラスの女子 (……やばいやばいやばいヤバイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!///)ドキドキ

べス男「……??」アセアセ

クラスの女子「……ほ、ほら、さっさとノート開いて!////」アセアセ

べス男「…は、はい!……」アセアセ

728: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 13:34:06.48 ID:kOe6Dv3U0
生徒会室

生徒会長「………ウェヘヘヘヘヘヘヘヘwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」ニヤニヤ

生徒会長「文化祭の女ちゅわんのメイド服姿、テラモエスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」ニヤニヤ

生徒会長「写真撮りまくっておいて良かったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」ウェヒヒヒwww

生徒会長「もうwwwwwwwwwwwwwwwwもうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwもうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」ハァハァ

生徒会長「wwwwwwwwwwwwこの写真だけでご飯3杯は楽勝wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」ハァハァ

生徒会長「ハァハァハァwwwwwwwwwwブヒィwwwwwwwwwwwwwwwブヒィィイイイイイイイイイイイイイイイイwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww女ちゅわんマジ天使wwwwwwwwwwwwwwかわゆすwwwwwwwwwwwwwwww」ハァハァ!

モブ美 (………嗚呼、生徒会…………)

729: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 13:43:01.42 ID:kOe6Dv3U0
しーの家

ズン!ズン!ズン!ズン!

カランカラン…

しー「いらっしゃあ~い!」

しー「…!? か、母ちゃん!!?」ビクッ

しーママ「元気やった? しー!」ニコ

しー「げ、元気元気! そ、それより、どないしたん? 急に帰ってきはって…」

しーママ「…ウチ、この家の手伝いすることにしたんよ」ニコ

しー「!!!!」

しーママ「父ちゃん、新しい商売、上手くいっとるようやし、これならウチが働かんでもえぇな、思って…」フフッ…

しー「母ちゃん……!」ウルウル

しーママ「…今まで心配かけさせてもうて、ほんまごめんな?……」

しー「うぅん、えぇよ! 仕方ないことやったもん!」グスン

しー「それに、これから、ずっと一緒におれるんやもん! ぜんぜん、平気や!!」ニシシ!

しーママ「しぃ…!」ウルウル

しー「母ちゃん………!」ウルウル

730: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 13:53:18.09 ID:kOe6Dv3U0
学校 職員室

吹奏顧問「………」

モブ先生「先生、お茶です」

吹奏顧問「………」

モブ先生「……先生?」ポン

吹奏顧問「!!?」ビクッ

吹奏顧問「うわぁ!!! な、なんだ、君かね……」アセアセ

モブ先生「…何を熱心にお聴きになられていたのですか…?」

吹奏顧問「へ? い、いや、別に……」アセアセ

モブ先生「それと、少し音漏れしてましたよ?」

吹奏顧問「えぇ!?」ガビーン

吹奏顧問「こ、これは…その、あれだ! …ク、クラシックを聴いていたのだ!!」アセアセ

モブ先生「ほうほう……」

吹奏顧問「………」フゥ

モブ先生「…最近のクラシックって、すごく激しいんですね」ニコ

吹奏顧問「!!!!」ビックーン

モブ先生「では失礼します~」ニコニコ

吹奏顧問「……む、むがが……」アセアセ

731: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 14:03:41.72 ID:kOe6Dv3U0
夕方 屋上

男「~♪」

ジャジャーン…

ちび「ブラボー!」パチパチ

女「ほんと、上手くなったわねー!」パチパチ

男「いやぁ///」エヘヘ

女「…私をバンドに誘ってくれてた頃が懐かしいわね」フフッ

男「あぁ~、そういえば、そんな頃もあったなぁ…」

女「私にメンバーを探してくれ!ともね」ニヤ

男「あの時は頼りっぱなしだったな、ごめんな?」タハハ

ちび「ほぇ~、そんな時期があったんだぁ」

男「……本当、よかったです」ニコ

ちび「うん?」

男「……みんなと出会えて、みんなとバンドが組めて……」

男「…すごく、今が楽しいんです」ニコ

女「いいことだね」フフッ

男「うん、そうだと思う…自分でも……」ニコ

ちび「私も、男くん、君に会えて良かったよ」ニシシ

ちび「もちろん、女ちゃんにも、ね?」ニコ

女「ありがとうございます!」テヘヘ

男「………」

ちび「…おや? どうしたの??」キョトン

男「…あ、いえ……、そういえば、初めて部長に名前で呼ばれたな~って」

ちび「…あ~、そういえば、そうだね」

ちび「ずーっと新入りくん!って呼んでたもんねw」アハハ

女「へぇ~w」

男「ちょっと感動ですよw」

ちび「……太陽が沈むね」

男「……はい」

女「綺麗………」

ちび「…そだ!」ポン

男「?」

732: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 14:17:13.36 ID:kOe6Dv3U0
ちび「女ちゃん、君もバンド、やらない!?」フンス

女「えっ!?」

ちび「副会長くんが新しい部活作ってくれたし、女ちゃんも興味、あるでしょ!?」キラキラ

ちび「いっしょに届けようよ!」ニコニコ

女「う、う~ん…、確かに文化祭も終わって、生徒会の仕事も落ち着いてきていますけど…」

男「いいじゃん! ちょうどいい機会だぜ?」キラキラ

男「バンドやろうぜ!」フンス

女「……だが断る」

ちび「えぇぇえー!?」ガビーン

男「そんなぁ!」アセアセ

女「…私は、やっぱり客席から、みんなを見ていたい…かな…?」ニコ

女「…それに」

男「…?」

ちび「…?」

女「…男や部長さん、岩男先輩やギタ娘先輩、みんなが……みんなが演奏してるところ、好きなんです」ニコ

女「みんなの想いを、私は受け取る側でいたいんですよ」ニコ

ちび「女ちゃん……」

男「そっかぁ…それなら仕方ないかぁ…」

女「うん、ごめんね?」

男「いや、いいよ、女の気持ちが分かったし…」

男「……ありがとう」ニコ

女「そ…そんな、お礼を言われるようなことでは……///」アセアセ

ちび「男くん!!」フンス

男「は、はい!?」ビックーン

ちび「私はいま、もーれつに感動しているッ!」キラキラ

男「……は、はい!」アセアセ

ちび「だから、いま、何か歌ってくれ!」フンス

男「え、…えぇ!?」ガビーン

女「あ、私も聴きたい!」ニコニコ

男「う、それなら…」モジモジ

男「……こほん」

男「…では、弾き語らせていただきます!」フンス

ちび「いぇーい!!」パチパチ

女「わぁーい!!」パチパチ

男「……ワン・ツー・スリー・フォー…」

733: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 14:25:59.61 ID:kOe6Dv3U0

夏は終わり、文化祭も幕を閉じた

でも、音楽に終わりはない

魔法はどこまでも、いつまでも響き続けるよ

キミにも届いただろうか?

____いろんな想いなんだ、受け取ってくれてたら、俺はすごく嬉しい

歌い続けるよ

いつまでも

歌い続けるよ

どこまでも_______

 ________空は、こんなにも広いんだ

734: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 14:27:28.29 ID:kOe6Dv3U0

                         お  わ  り

735: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 14:29:25.69 ID:kOe6Dv3U0
作中使用させていただいた曲を書いていきたいと思います
738: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 14:51:02.03 ID:kOe6Dv3U0
ASIAN KUNG-FU GENERATION – アンダースタンド、エントランス、マーチングバンド、稲村ヶ崎ジェーン

Avril Lavigne – Why

BUMP OF CHICKEN – 飴玉の歌

The Beatles – I`ve Got a Feeling、black brid

ELLEGARDEN – No.13、My Favorite Song

Green Day – American Idiot

the HIATUS – Ghost In The Rain

miwa – ありえない!!

MONGOL800 – 小さな恋のうた

Oasis – She`s Electric、Whatever、Don`t Look Back In Anger

ONE OK ROCK – じぶんROCK

Revocation – Fields Of Predation

Super Butter Dog – コミュニケーション・ブレイクダンス

Skinless – The Optimist

Stevie Salas – Bring It Easy

Steve Vai – Selfless Love

Whitesnake – Still Of The Night

Zebrahead – Two Wrongs Don’t Make A Right, But Three Rights Make A Left

チャットモンチー – 少年のジャンプ

放課後ティータイム – ふわふわ時間、ギー太に首ったけ、Unmei♪wa♪Endless!

ポルノグラフィティ – ハネウマライダー

アジカン好きなため、ちょっと偏った選曲になってしまいましたw

739: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/26(月) 14:56:43.28 ID:kOe6Dv3U0
最後に……

ここまで読んでくれて、本当にありがとうございました!
途中、妹のとこらへんで何度も挫けそうになりましたが、皆さんがコメントしてくれたおかげで、最後まで書くことができました

本当に感謝です

まだ自分の頭の中で、男やちびたちの物語は続いていますが、ここで切りたいと思います

このSSを機に多くの人が音楽にハマり込んでくれると、嬉しいです!

736: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月) 14:34:03.05 ID:S+4BGj+Vo
乙!
目から変な汁出てるんだけど・・・誰か止めてくれwwwwww
742: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) 2012/03/26(月) 15:41:33.28 ID:MHXv70m70
妹のところマジで泣いたぜ
740: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月) 15:11:46.81 ID:MgJp+gEDO
>>1乙
すげぇ良かった
>>1のせいでアジカン好きになりそうだわww
741: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月) 15:28:59.55 ID:GKDejj9DO
乙!

自分の好きなバンドも結構出てたし、楽しませてもらったよ!

743: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月) 15:42:21.99 ID:cZASJPHn0
乙!
このSSを読んでバンドに興味がでたwww
744: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/03/26(月) 16:06:49.71 ID:UHwM14vl0
読んでて楽しかった!
俺もギターの練習しようと
747: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) 2012/03/26(月) 17:57:44.88 ID:zyalqFp2o
乙!!
バンドっていいな

引用元: 男「バンドやろうぜ!」 女「だが断る」