茶髪JD(え? 大学生だよね? この人入学から一緒だったから多分私と同い年だよね)
茶髪JD(髪の毛ボサボサ、無精髭。あまつさえ黒パーカーに生地のスレたジーンズですと? ないな)
茶髪JD(……たしかに彼氏いないけど……)
茶髪JD「すいません、無理です」
陰キャ大学生「何がですか?」
あーごめん、説明不足か。
この茶髪JDの頭のなかでは大学生で告白とか無くない?って考えな訳よ
お前大学生だよね?って思考はそういう意味
設定上それなりに遊んでるんで付き合う前にセ〇クス入るのが基本みたいな
茶髪JD(新しいなあ……)
茶髪JD「全体的に無理です。なんか一緒にいたら運気が下がりそうなんで」
茶髪JD「まず話したことありませんよね?」
陰キャ大学生「ええ。でも一年の頃から可愛いなとは思ってました」
陰キャ大学生「正直言わない方がよかったと後悔してます。エチケット袋要りますか?」
茶髪JD(なんかズレてんだよなあ!? 気遣うのそこ!?)
茶髪JD「あ、いや。いらないんでとりあえず距離とってもらっていいすか」
陰キャ大学生「あ。はい。――でもその前にLINE交換してもらっていいですか?」
茶髪JD「なぜこのタイミングでその台詞を吐けるんだ!? キモいんだけどあんた!!!」
茶髪JD「……と言うことがあったのさ」
清楚系ビッチJD「うわそれタチわるい奴やん。打たれ強い陰キャっつか」
茶髪JD「……そんなんいるの? 打たれ弱いから陰キャなんじゃなくて?」
清楚系ビッチJD「いるんだよねー。別に暗いわけでもないし、極端にキモいわけでもないんだけど。イマイチ性格が回りと噛み合わないから孤立するやつ」
茶髪JD「あぁ……」
茶髪JD(まさにあいつだ……)
清楚系ビッチJD「根っこからネジ飛んでたりするから気を付けた方がいいかも。フラれたのに応えない分、何してくるかわかんないよー」
茶髪JD「うわ……ほんっっとキモい……ありえない……」
陰キャ(……筋トレ、しまくって、少し逞しくなったかと思ってたんだけどな……)フッキンフッキン
陰キャ(やっぱりダメなものはダメか……)フッキンフッキン
陰キャ(……彼氏とつい最近別れたって聴いたから、チャンスかとおもったんだけどな)サンドバッグズドォッ
陰キャ(…………けっこう辛いな……フラれるのって……)ハイキックミドルキックジャブストレート
陰キャ「いやまて」ピタァッ
陰キャ「沈んでいてはなにも得られないな。かくなる上は、個人的感情から避けていたファッションに手を出すか……」
陰キャ「おはようございます」
茶髪JD「いやビビるわァ! なんだお前! 早速来たか! 警察呼ぶぞテメー!!」
陰キャ「……? え? 何かしましたっけ?」
茶髪JD「騙されんぞこのナチュラルサイコヤロー! それ以上近づいたら……って」
茶髪JD(あれ……なんか、雰囲気変わったな……髭剃ってるし……髪の毛も櫛通した感じある……)
茶髪JD(イケメンではないけど)
陰キャ「付き合ってもらえますか?」
茶髪JD「無理です」
清ビJD「……それもうストーカーと化してない?」
茶髪JD「よくよく考えたらそうだわ。でもまあ、二回目までは許すよ。三回目は流石に」
清ビJD「まぁ、なんかしらの対策を講じた方が良いよねぇ……」
茶髪JD「大体、陰キャってそういうとこ解ってないんだよね。好きでもないやつから熱烈なラブコールされたって嬉しくもなんともないって言うか」
清ビJD「あ、わかるー。芸がないんだよね。ゲーム感覚でやってるって言うかさ……」
茶髪JD「こっちにだって選ぶ権利ぐらいはあるんだから……」
ザワザワザワ……
清ビJD「……ん?」
茶髪JD「何々?」
何やら食堂のトイレ前に人が集まってざわついている。
清ビJD「……ちょっと見てくるわ」
茶髪JD「てら」
茶髪JD(何があったかって言うと)
茶髪JD(どうやら、学校のトイレの個室で髪の毛をブリーチしたバカがいるらしかった……)
陰キャ「只今」
陰母「おか……うわなにその頭」
陰キャ「染めた」
陰キャ「ちょっと洒落てみようと思って」
陰キャ「大学のトイレで」
陰母「ちょっとなに言ってるか解らない」
陰キャ「ゴミ処理すんの忘れたから明日回収しにいく」
陰キャ「今日は筋トレきつめにするからご飯もたんぱく質多目でお願い」
陰キャ「……あ、似合う? これ」
陰母「いや似合わないとは言わないけど金髪だけってのも変な感じ……」
陰キャ「そう」
陰キャ「おはようございます」
茶髪JD(昨日髪の毛染めたのこいつだなって速攻理解)
陰キャ「つきあ茶髪JD「むり」
陰キャ(……逃げられてしまった)
陰キャ(……三度目、か。――――もう、潮時なのかな……)
お昼、食堂――――
茶髪JD(……ちょっと似合ってて、ムカつくなぁ……無理なもんは無理だけど)
清ビJD「……うーん、なんか、そこまでいくと努力だけは認めてあげたくなるな……」
茶髪JD「ん、まあ解らなくもない。でも無理なもんは無理。生理的なものだからどうにもならんわ」
清ビJD「どうする?」
茶髪JD「もう我慢の限界、正直」
茶髪JD「何かいい方法ある?」
清ビJD「……んー、女だからっ侮ってる感じあるよね――男からなにか言われたらやめるかも。うちの彼氏貸そうか? なんなら明日、三人でその陰キャにガツンと言ってやろうよ」
茶髪JD(ほんの少し残酷な気もするけど)
茶髪JD(ぶっちゃけ迷惑だし、仕方ない)
陰弟「……兄貴、いつまで風呂入ってんの?」
陰キャ「……ごめん、もうちょい、待ってて」
陰弟「つって二時間は入ってんじゃん。いい加減にしろよ俺も入りたい」
陰キャ「……ごめん……」
陰キャ「あと少し……」ボロボロ
清ビ彼「呼ばれたから来ては見たものの」
清ビJD「なんか、今日は居ないね」
茶髪JD「……諦めたんかな」
清ビ彼「うーん、すでに三回フラれてるわけだしなぁ。陰キャ君のある種のボーダーラインを越えてしまったのかもしれない」
茶髪JD「ならいいんですけどね。せいせいしました、ええ」
清ビ彼「……彼氏いないならお試しでつきあってあげるとかどう?」
茶髪JD「ありえませんから」
茶髪JD「大体ね、努力がやすやすと認められる世界ならとうのむかしに世の中リア充だらけですよ。何をやったってキモいもんはキモいし無理なもんは無理です。その辺理解してとっとと見切りつけるのが男女の関係においてベストだと私は思いますけどね」
清ビJD(あかんめんどいモード入った)
清ビ彼(バカそうにみえていろいろ考えてるんだな……)
清ビJD「なんかー、隣町の医科大の人がちょうど三人女の子つれてきてほしいらしくてぇ」
清ビJD「どうする? 来る?」
茶髪JD「いや来る?……って、あんた彼氏居るじゃん」
清ビJD「うちの彼氏、あんまりうるさいこと言わないもん。男と酒飲むくらいなら」
清ビJD「医科大なだけあってみんなお金持ちっぽくてー。あたしらお金出さなくていいの」
清ビJD「遊ぶだけでも言ってみない? 最近散々だったしごほうびみたいな感覚でさ。もしかしたらいい男居るかもよ?」
茶髪JD「……んん……」
茶髪JD「……行く……じゃあ」
清ビJD「はい決まりっ! 授業終わったら直で行こうねー!」
茶髪JD(気のせい、ってことに、しておこう)
陰キャ自宅
陰キャ(…………)ボーッ
陰母(今日は学校にも行かず一日中テレビを見て過ごしてるわ……我が子ながらよくわからんやつね……)
陰キャ「あ!!」
陰母「」ビックゥ
陰キャ「……今何時?」
陰母「あぁ……16:30……そろそろバイトの時間よね……休む?」
陰キャ「……いや、行くわ。行ってきます」
陰母「だからといってトランクス一丁で外に出るのは不味い、服を着ろ」
清ビJD「やだー! へんたいー!」
チャラ男B「しょうがねえじゃん酔ってたんだから!」
清ビJD「えーじゃあまた出すのー?」
茶髪JD「……あいたくてあいたくてふるえるー」
茶髪JD(こいつらカラオケなのにちっともうたいやしねえ! 疎外感に震えるわ!)
モブ女「つか清ビ飲みすぎなーwwwwww」
清ビJD「彼氏と飲むとき高いお酒ばっかりだからこういう安っぽいのがいいのーwwwwたまにはーwwww」
チャラ男「えっ彼氏いんの!?」
清ビJD「……いるよー!? だからセクハラNGねー!」
チャラ男B「だってよチャラ男www……あ、トイレいってくるわ」
チャラ男「何で俺よ……!?w あ、俺も」
清ビJD「なんだ男二人で連れだってー!! ホモか!!?」
茶髪JD(うるせえ……)
茶髪「うぇるかむとぅいずざくれいじたぁぁいむ……」
チャラ男「ッッッッだよあのブス彼氏もちかよ!!! ふざけんな!」
チャラ男B「いや、まぁ。別によくね? どうせ酔わしてヤっちゃうのはかわらんしょ」
チャラ男「なんか気分さがんだよな、彼氏持ちだと」
チャラ男B「いんじゃねえの。まあ騒ぐかも知れんし、猿ぐつわぐらいは噛ました方がー……」
個室
陰キャ「………………」
チャラ男C(監視カメラついてないカラオケボックスなんてめったにない。ここは実は、レイプするのには最適の環境だ)
茶髪JD(……なんか、ダルい……)
清ビJD「……なんか眠くない……そろそろ帰る?」
モブ女「……解る……」
チャラ男「そうはいかねぇんだよなぁ……」
チャラ男B「お、効いてんじゃーん」
チャラ男「いい感じ。お前ほんといい具合の眠剤もってくるよなぁ……!」
チャラ男B「まぁうち、製薬会社だし……w」
茶髪JD(ちょいまて……どういうことこれ……)
茶髪JD(えっやだやだやだ、なんか触られてる。キモいキモいキモい……むりむりむりむり……!)
茶髪JD「……っ」ピクッ
チャラ男「おー濡れてきた濡れてきた」
チャラ男B「ギリ深い眠りに落ちないぐらいの効きだからな。まー普通よりは反応鈍いけど……」
チャラ男「結局女って酒突っ込んで触れば誰が相手でも濡れるんだなww」
チャラ男「にんげんだものwwwwww」
チャラ男C「俺、帰っていいかな」
チャラ男「おっとまてよ逃げんのか? 酒に薬入れたのはお前だぜ?」
チャラ男C「……」
チャラ男B「そこのモブはやるからたのしめよwwwwww」
コンコン
チャラ男「……は?」
???「お客様。ご注文の品をお持ちしました」
チャラ男「……いやなんも頼んでねぇっすけど……」
ガチャ
陰キャ「…………」チラッ
陰キャ「……………………………………」ビキビキビキビキビキッ
陰キャ「……なんでここきてんだよ……」ビキッ……
チャラ男「あの、聴こえてます? なんも頼んでねぇからとっとと帰れ」
陰キャ「……」
陰キャ(こいつ……やってんなぁ……)
陰キャ「いえ、お客様はご注文されましたよ。店内の各所に『ボックス内での不埒な行為は見つけ次第通報させていただきます』と言う貼り紙がされてるのにも関わらず、こんな行為をする時点で……」
陰キャ「『死にたい』……って注文と同義ですよね?」
チャラ男「……はいい? なにお前ちゅうに――――びょぉっっっ!?」
素早い足蹴りがチャラ男のキンタマにクリーンヒット!
即座にボックス内に入ると、後ろ手にドアをしめ!さらに室内にあった掃除用のモップでかんぬきを作って鍵をかけてしまう陰キャ……!
陰キャ「………………注文はしっかり承りましたので、安心して死ね。腐れ外道」ボキボキボキ
数分後
チャラ男「ひいいいっ……タマが……俺のタマがぁぁあ……」
チャラ男B「うるっっせえッッッッ!!! クソが……! ありえねえよ普通喧嘩で目狙ってくるかよ……!右目見えねえじゃねえか畜生……! 畜生ぉおぉがァァッ!!!」
チャラ男C(肩があがらない……外れてるわこれ……)
カラオケ店からレイパーたちは逃げてしまう。
ところかわって、ボックス内……
陰キャ「…………」フーーッ、フーーッ
茶髪JD「……あんた……なにしてんの……」
陰キャ「別に」
陰キャ「好きな女がレイプされそうになってるの喜んでみてる男なんか、いないから……」
陰キャ「……店長に救急車よんで貰うから、楽にしてて」
陰キャ(クビだなぁ……こりゃ)
次の日、茶髪さんは学校に来ていないようだ
陰キャ(そら堪えるよな……)
陰キャ(……俺のところにも警察ぐらいきてもよさそうなもんだけど……)
陰キャ(バイトは案の定クビだ。そりゃそうだ。なにも言わずあのまま家帰ったからな!)
陰キャ(ああっくそ、これから授業だってのに、全然集中できな――――)
茶髪JD「おはよ」
陰キャ「……おは……えぇ……」
茶髪JD「……なにその幽霊でも見たような顔は」
茶髪JD「……いやそりゃ応えましたよ。レイプされかけたのなんか始めてだし」
陰キャ「……」
茶髪JD「……一応、ありがとうって。それだけ」
陰キャ「……いや俺、ムカついて暴れただけですし。お礼言われるようなことなんか……」
茶髪JD「あんた来なかったらもっと深い傷おってたかもしんない」
茶髪JD「それ考えたら、お礼以外、言うことないよ。――警察にはあいつらが勝手に喧嘩始めただけって言っといたから」
陰キャ「…………」
茶髪JD「あ、あそこ見てみて」
陰キャ「え?」くるっ
パチン!
陰キャ「あっだっっっ」
茶髪JD「あ、やっぱピアッサーでも不意打ちだと痛いんだ」
陰キャ「えっなにこれ、えっ!? ピアス!?」
茶髪JD「そうだよ。彼女欲しいんならさ、こういう方向に洒落ないとね」
陰キャ「えっ……えっ?」
茶髪JD「あーでも、もしかしなくても興味ないよね。そう言うの」
陰キャ「……ええ、まあ……」
茶髪JD「じゃあさ――――」
茶髪JD「今度、一緒に服買いに行こっか」
陰キャ「…………」
茶髪JD「…………きちんと服かって、ご飯食べて……そんでさ」
茶髪JD「デートしたら、もしかしたら行けるかもよ」
茶髪JD「……四回目は、……さ……」
陰キャ「………………はい!!」
おしまい
恋愛もの書いたのはじめてだけど案外行けた