勇者「なにオロオロしてるんだよ」
魔法使い「魔法を間違えて>>4が大変なことになってしまったわ」
勇者「大変なことっていったい…」
魔法使い「>>8になってしまったのよ」
勇者「……」
勇者「あっ!本当だ!ない!!」
魔法使い「でしょう?」
勇者「なんでそんなことになったんだよ。自分のおっぱいに魔法かけたのか?」
魔法使い「もともとは>>12の魔法をかけるつもりだったんだけど…」
勇者「母乳出したかったのか?」
魔法使い「できるかなーと思ったんだけど、軽いノリでやっちゃいけなかったわ。これは超高等レベルの魔法だった」
勇者「しかしまぁ見事になくなっちまったな」
魔法使い「真下を見て足元が見えるのなんて何年ぶりって感じよ」
勇者「魔法で戻せないのか?」
魔法使い「…おそらく無理ね。やろうとしたわけじゃなくて『偶然失敗して』こうなっちゃったから…」
魔法使い「どうしてこうなったのか、まずその原理が分からないと…」
勇者「じゃあとりあえず>>15してみるか」
魔法使い「えっ!?私のおっぱいをなんとかする流れじゃないの?」
勇者「そんなもん自分でなんとかしろ!お前が変な魔法使うからだろが」
勇者「俺たちの目標は魔王を倒すことだろ」
魔法使い「そ、そうだけど」
勇者「おっぱいはそのあとでもいいだろ?今なにか不便なことがあるのか?」
魔法使い「不便というか…>>18なのよね」
勇者「何をだよ」
魔法使い「世の男すべてを」
勇者「おまえそんな色仕掛けとか得意なタイプじゃねーだろ」
魔法使い「本気を出せば無血で魔王も落とせたと思うんだけど」
勇者「ないない」
魔法使い「あなたが私をパーティに誘ったのも私の魅力に惹かれたからじゃないの?」
勇者「いや魔力が高かったからだけど」
魔法使い「……」
勇者「ほらつべこべ言わずに行くぞ!」
魔法使い「…えー、では、魔王城にワープ!」
ビビビビビ…
勇者「……おい!?なんかいつもと様子が違うぞ!?」
魔法使い「おかしいわね…違う魔法が出てしまったわ」
魔法使い「これは…>>23の魔法!」
勇者「は!?」
魔法使い「私たち魔法使い一族が代々受け継いできた、魔王を倒すための究極魔法よ」
勇者「その究極魔法が間違えて出ちまったのか!?」
魔法使い「そういう感じがしたわ」
勇者「でも魔王この場にいないぜ?不発じゃないのか?」
魔王城
魔王「ぐあああああああああああ!!!!!」
側近「ま、魔王様!?どうしたんですか!?」
魔王「と、突然…我が手足が消えてしまった…!」ゴロゴロ
側近「ひっ!?魔王様がダルマに…」
魔王「た、助けてくれぇ」ゴロゴロ
側近「わかりました!今>>27を呼びます!きっとなんとかしてくれるはずです!」
賢者志望の遊び人「呼んだー?」
側近「来た!早い!」
賢者志望の遊び人「パチですっちゃってゴロゴロしてたの~側近ちゃんお金貸して~」
側近「それどころじゃないですよ!魔王様が大変なことに!」
賢者志望の遊び人「あらら…芋虫みたいになっちゃったね」
魔王「ご覧のとおりだ…おそらく何者かの術によるものだと思う」
賢者志望の遊び人「もしかしてウチになんとかしろと~??」
側近「回復魔法が得意なあなたならなんとかできるはずです!」
賢者志望の遊び人「ん~でもウチがこうして遊び人やってるのは賢者になるためのベンキョーがイヤになっちゃったからで~」
魔王「直せるのか直せないのかどっちなんだ!?」クワッ
賢者志望の遊び人「やる気次第だよねぇ。直ったら>>33してよ。それならやってあげるよ」
魔王「なに…?」ピクッ
賢者志望の遊び人「今のまんまじゃとても魔王とは言えないし、直ってももう魔王とは名乗れないね~」ケタケタケタ
側近「なにむちゃくちゃ言ってるんですか!要するにできないんでしょう!?」
賢者志望の遊び人「できるよぉ。なんなら直し方、さわりの部分だけ教えようか」
側近「……!」
魔王「言ってみろ。それで本当に直るなら能力もなんでもくれてやる」
賢者志望の遊び人「んー、その決定的な瞬間を見てたわけじゃないから魔王の手足がどこに行っちゃったのかわからないけど」
賢者志望の遊び人「手足があった時間まで巻き戻しちゃえばいんじゃね?っていう話」
魔王「時間を巻き戻すだと!?そんな魔法が使えるのか?」
賢者志望の遊び人「使えるよぉ。ただすごく準備がめんどくさいんだよね~」
側近「なにがいるんですか??場所はここでできるのですか?」
賢者志望の遊び人「とりあえずまずは>>39と>>41を用意しようか」
魔王「……」チラッ
側近「ちょっと!?なんで私のほうを見るんですか!?」
側近「いや~確かに私は歴代側近の中で一番の美少女かもしれないですけど~??」テレテレ
魔王「腕時計を見たんだよバカ」
側近「あっ…ハイ…」
賢者志望の遊び人「ん~確かにいい時計だけどそれって結局側近ちゃんでも買えるレベルの時計でしょ?」
賢者志望の遊び人「もっとさぁ~何百年とか前に作られたすごいやつ…ないの?」
側近「そうするともう国宝レベルの時計ですね…どこかから盗ってきますか?魔王様」
魔王「この姿ではどうすることもできん」
側近「あっそうか…」
魔王「お前が行ってくるのだ」
側近「ええっ無理ですよぉ!私そういう悪いことはしない側近なので!」
賢者志望の遊び人「あ、ちなみに『生贄の美少女』は側近ちゃんでもOKだよ」
魔王「よし、時計を用意するか生贄になるか選べ」
側近「すぐに!行ってまいりますぅうう!」
側近「ただし私ひとりでは不安なので配下をひとりお借りします!」
魔王「では>>47が適任だろう」
賢者志望の遊び人「深刻な人手不足だね」
側近「でもその姿でどうやって動くんですか?」
魔王「方法はいろいろあるが…>>52が一番いいだろう」
側近「はっ?」
賢者志望の遊び人「えひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃwwwwwww」ケタケタケタ
側近「リュックから顔だけ出してって…仮にも魔王ともあろう方がそれでいいんですか!」
魔王「他に手はあるまい」
側近「さっき方法はいろいろあるって言ってましたよね…?」
賢者志望の遊び人「想像するだけで笑いがwww止まらないwwwwはひっwwwwww」
側近「魔王様どうですか?」
魔王「悪くないぞ」
賢者志望の遊び人「あーこの最高にシュールな絵面を皆さんにお見せできないのがほんと残念」
側近「魔王様意外と軽いんですね?」
魔王「手足がないからな…それと魔力でほんの少し私にかかる重力を軽くしている」
側近「そんなことが!じゃあ魔王様の魔力が尽きたら一気に重くなるってことですか」
魔王「安心しろ、他に余計なことをしなければ私の魔力などそうそう切れんからな」
側近「そうですかぁ、なら安心です。これ以上重くなったら私じゃ運べませんからね」
魔王「ところで側近よ、時計がありそうな場所の目安はあるのか?」
側近「うーん、とりあえず近いところで、>>58に行ってみようかと…」
魔王「毒ガスで荒みきったあの炭鉱の街か…」
側近「あそこの人たちはボロボロだから盗みくらい楽勝ですよ」
賢者志望の遊び人「ごめん、側近ちゃんわりとクズじゃない?」
側近「まぁでも、都合良くいい時計があるかどうかはわかりませんが…」
魔王「毒ガスはどうする」
側近「ガスマスクを持っていきましょう」
アッテムト
側近「シュコー…シュコー…」
魔王「シュコー…シュコー…」
アッテムトの住人「ガスマスクを付けた女がガスマスクをつけた子供を背負っておる…」
アッテムトの住人「死神じゃあ…もうだめじゃあ…」
側近「誰かこの中に、高い時計を持っている人はいませんか」シュコー
アッテムトの住人「と、時計??」
側近「もしちょうどいいものがあれば、お礼にこの街を苦しめる原因となったあの鉱山を消し飛ばしましょう」
魔王「おい、お前そんなことできるのか?」ボソボソ
側近「なに言ってるんですか、直ったあとに魔王様がやるんですよ!」ボソボソ
魔王「こいつ…」
アッテムトの住人「みんな時計だ!時計を持ってこぉい!この御方が我々を救ってくださるそうだぞ!」
アッテムトの住人「さぁ早く我々をお救いくだされ」
側近「まだですよ。一旦お城に戻って、賢者志望の遊び人さんに使えるかどうか聞いてこないと」
アッテムトの住人「えっ…」
魔王「すまんな」
側近「それでは皆さんまた後ほど~」スタスタ
魔王城
賢者志望の遊び人「ダメだね」
側近「えっ!」
賢者志望の遊び人「さっきも言ったじゃん。これ全部ただの『いい時計』だよ。もっとこうさぁ…どっかの王様が厳重に保管してるような…」
賢者志望の遊び人「別に腕時計じゃなくてもいいんだよ?」
魔王「そういえば超巨大な古時計があることで有名な>>65があるではないか」
賢者志望の遊び人「えぇ?デスパレスって魔王がずいぶん昔にぶっ潰したんじゃなかったっけ?」
魔王「そういえばそうだったかもしれない」
側近「と、時計は!?時計はどうしたんですか!?」
魔王「さぁどうしたかな…」フフフ
側近「フフフじゃないですよ!魔王様ボケてますね!」
魔王「誰がボケてるだと!?側近の分際で舐めた口を利くんじゃないぞ!」
側近「手足のない魔王様なんて怖くないですよ~」
賢者志望の遊び人「その時計ってさぁ」
賢者志望の遊び人「魔王がごきげんで持ち帰ってきたんじゃなかった?でしばらく飾ってたじゃん」
側近「えっ!?でもこの魔王城にそんな目立つもの…」
魔王「あーそうだ。持ち帰ってしばらく飾っていたんだが、しばらくしてから壊れた柱とすげ替えておいたんだ」
魔王「しかも時計のままだとなんとなくイヤなので表面を壁紙で覆ってしまったのだ。他の柱とは区別がつかん」
側近「このボケ~いらんことを!!」
魔王「黙れぇ!まさかこんなことになるとは思わんかったのだ!!」
魔王「うむ…それしかないな」
賢者志望の遊び人「頑張ってね~」
魔王「昔、勇者たちが攻めてきたときに戦ったフロアだ。でなければ柱が崩れるようなことはないからな」
側近「どこですかそれ??ここって広い割になにもない部屋が多いから戦おうと思えばどこでも戦えますよね?」
魔王「2階か3階だな…4階の可能性もあるが1階という線も捨てきれない」
側近「ガバガバですね」
勇者「来たぞ魔王ーーーーー!!!」
魔王「!?」
側近「え!?今の声…勇者!?」
魔王「こ…このタイミングでか!」
勇者「俺がその気になりゃ魔王なんて日帰りで倒せんだよ」
魔法使い「さっさと魔王を倒してこのかなしいおっぱいをもとに戻さないと」
賢者志望の遊び人「あららやっば~…隠れとこ」
魔王「まずいぞ、いまこの姿では奴らに太刀打ちできん」
側近「は、早く時計を探さないと!!」
魔王「それより武器を探せ」
側近「戦うんですか!手足がないのに!?」
魔王「お前がやるんだよ」
側近「私そういう戦える側近じゃありませんから!!」
魔王「お前はそればっかりだな!戦えないならせめて足止めとか、なにかできることはないのか!?」
側近「うーん…>>72ならできるかもしれません」
魔王「もうなんでもいいから行って来い!」
側近「勇者がスケベなら食い止められるかな!?」
ガチャッ
勇者「おっ誰かいる」
側近「あっやばい来た」
勇者「……魔王はどこだ?」
側近「さ、さぁどこでしょう…」
魔王(まずい、カバンに隠れているしかない…!)
勇者「あんた戦闘員か?邪魔するなら倒すぜ」
側近「ふっふっふ…」ヌギヌギ
側近「この美乳を見ろー!形、大きさともに歴代側近の中で最高と多くの魔物たちに褒めそやされた自慢の胸ですよ!!!」
勇者「なっ、なんだぁ!?痴女か!?」
魔法使い「なるほど確かにいいおっぱいね…でも全盛期の私ほどじゃないわ」
魔王(何を言っとるんだこいつらは…)
側近「はぁ??ぺたんこじゃないですか!テキトーなこと言っても虚しいだけですよ!」
魔王「ぺたんこだと!?」バッ
勇者「!?」
魔法使い「!?」
側近「!?」
勇者「女の後ろから魔王の生首が!?」
魔法使い「もしかして魔王を背負っていたの?」
側近「っていうかなんで出てきたんですか!?」
魔王「ぺたんこと聞いて、つい…」
側近「それって魔王様、もしかして…」
魔王「……白状しよう。私は貧乳派なのだ」
側近「なんですと!?」
魔王「魔王の側近はスタイル抜群の美人でなければならない…魔物たちが世話を焼いてそんな女ばかりをあてがってきたが」
魔王「私が本当に求めていたのは貧乳の部下なのだ」
側近「魔王様…」
魔王「すまんな側近。お前を嫌っているわけではない。だが本当は…」
魔王「ああいうのがいいのだ!」
魔法使い「……私?」
魔法使い「そうよ、今の私の姿は不完全で…」
魔王「不完全こそが理想なのだ」
側近「魔王様も手足がなくて不完全ですしねぇ!」ポイッ
魔王「ぐっ!」ドサッ
魔王「な、何をする!」
側近「魔王様最低です…デリカシーなさすぎです!そんなに貧乳が好きなら…」
側近「あの女と一緒に消えてしまえばいいんですよ!ついでに私の胸に興味を示さなかった勇者も消えろーっ!」
魔王「なぜそうなる!?」
魔法使い「女の子にひどいこと言うからよ」
勇者「俺さぁ胸より尻派なんだよな」
側近「確かこの魔王城にはいざってときのための自爆スイッチが支柱に隠されてるんですよね!」
側近「この柱の不自然な膨らみ!間違いなく自爆スイッチです!さよーなら魔王様!」ドンッ
ペラッ
側近「…?」
勇者「おい表面剥がれ落ちたぞ」
魔法使い「スイッチなんてないじゃない」
魔王「…それだ!それが古時計だ!!!」
賢者志望の遊び人「あ、見つかったんだ?」ヒョコッ
魔王「いいところに来た!」
賢者志望の遊び人「うん…これならいけそうかな。あとは…」
賢者志望の遊び人「生贄の美少女!」ガシッ
側近「えっちょっ…あれマジだったんですか!?」
賢者志望の遊び人「大マジだよ」
勇者「おいお前ら勝手になにやってんだ!?」
魔法使い「ちょっとまって、あれ魔法陣じゃ…?」
賢者志望の遊び人「他の準備はもうやっといたから。それじゃいっきま~す」スッ
側近「えっ」
魔王「おい」
勇者「おま」
魔法使い「ちょっ」
賢者志望の遊び人「究極魔法・時空逆行!!!!」
ピカッ!!!
魔法使い「時間逆行…そんな手があったなんてね」ボイィン
魔王「私の手足が戻ってきたぁあああ!っしゃああ!!」
勇者「まぁ、二人は、よかったんだろうけどさ」
側近「しくしく…」
勇者「あんたはなんで泣いてんだ?」
側近「私の胸が…なくなっちゃいましたぁ」グスン
賢者志望の遊び人「生贄って言ってもさー命まで取っちゃうのは可哀想だし、おっぱいだけで勘弁してあげたよ」
賢者志望の遊び人「魔法の範囲も狭くなっちゃったけど、いやー魔法使いちゃんはこの場にいてよかったねぇ」
魔法使い「ありがとう。あなたうちのパーティに入らない?」ボイィン
側近「私の胸が~」シクシク
魔王「そっちのほうがいいじゃないか。これからはもう少し可愛がってやろう」
側近「なに言ってるんです?あなたはもう魔王じゃなくなるんですよ?」
魔王「あっ…」
賢者志望の遊び人「そうそう」ニヤリ
能力と権力を失った魔王は、同じく最大の武器であった美巨〇を失った側近と、慎ましく暮らしたという
勇者「ところでおまえさぁ、なんで射乳の魔法なんて使おうとしたんだ?」
魔法使い「なんでだろう。忘れちゃったわ」
おわり