武道家「…う、うん、そう…オイラ…オイラが見つけたんだ…、……へへ…」
女魔導士「へえ、そうですか…はじめてみましたよ、こんなの……え、……で?」
戦士「いや…、お前にやるよ。俺たち装備できないし」
女魔導士「いやもちろん、そうでしょうけど…、まあ…ありがたく受け取っておきます」
武道家「はあ…はあ…」
僧侶「受け取ってくれるんだねっ、き、君ならきっと似合うとおも…」
女魔導士「明日にでも防具屋に売って、旅資金の足しにしますね」
僧侶「…あ?」
女魔導士「え、なんですか…、わたし何か変なこといいました?」
戦士「え、え?」
武道家「………」
僧侶「いやいやいや…」
女魔導士「え?」
戦士「いや、えっ、って…おま…いや…おまえ…装備しないの?」
女魔導士「え、装備って…な、なにをですか?」
僧侶「いや…そりゃ、危ない水着…装備しないの…?」
女魔導士「はあ…?」
こんなきわどい水着でフィールドとかダンジョン練り歩いてたら、わたし変態じゃないですか」
………
女魔導士「え、いやどうしたんですか、3人とも…わたしなにか…」
戦士「ははっ」
女魔導士「(何ワロとんねん)」
僧侶「いや…変なこともなにも…あぶない水着はれっきとした装備品じゃあないか!
普通に着てたってなんの違和感ないとおもうけどっ!?」
女魔導士「いやいやいや…冗談でしょう。装備品って…、こんなの着るの遊び人くらいのものでしょう。守備力も低そうだし…、
こんなん着て敵にブッ叩かれたら私、一撃で死んじゃいますよ」
戦士「いいじゃん死んだって!僧侶が蘇生するじゃん」
女魔導士「いや、よくないでしょ普通に。蘇生されたって死ぬの痛いし、嫌でしょ」
武道家「はあ…はあ…女魔導士のあぶない水着姿…はあ、はあ…!オイラ…
オイラもう…へぶう!!」
戦士「いや、すまない女魔導士!武道家のことは気にしないでくれっ!」
女魔導士「…な、なんか3人とも今日はおかしいので、わたし、これで失礼しますね」
僧侶「ま、まってくれ女魔導士!話を聞いてくれ!
その、君の来てるローブ…、初めて会った時からずっと装備してるよねっ!」
戦士「いやいや、いつまでもそのローブじゃあ、この先やっていけないって!だから…」
女魔導士「いや、いっときますけどこのローブ、まあまあいいローブなんですけど!?
結構守備力ありますし、魔力も結構アップしますし!」
戦士「いやけど、ローブ、もっさいし、だっさいし、みりょく値低いじゃん!」
女魔導士「」
ケモノの毛皮でつくられたローブとかなんとか…お父さんが昔かってくれたやつで…」
戦士「いやもうそういうのいいからさあ…知ってる?あ、あぶない水着は魅力値がめっちゃ高いんだぜっ!?」
女魔導士「いや、みりょく値とかいります!?みりょく値って冒険に何のメリットないと思うんですけどっ!?
実用性0なパラメータにこだわる必要なんてありませんからっ」
僧侶「はあ…わかってない…わかってないよ女魔導士…武道家も何かいってやってください」
武道家「はあ、はあ…おいら…オイラ…知ってる…女魔導士…、
普段ローブ着ててわかりにくいけど…結構、胸がおおき…へぶうっ!」
戦士「いやいや、武道家のことは気にしないでくれっ!」
女魔導士「いや何急に!?装備しないっていってんでしょ!?」
僧侶「じゃ、じゃあ妥協策としてローブのすぐ下に着るのはどうかなっ!?」
女魔導士「妥協策って何!?なんかその方が変態みたいになるんですけどっ!?」
武道家「女魔導士ぃ…!オイラ…オイラあ…!!」
女魔導士「いや何なのさっきから!?なんで泣いてるんですか!?」
くそキモチ悪いんで、わたし、もう失礼しますね」
戦士「はあ!?何なんそれ、逃げるん!?なんかもう、
そこまであぶない水着装備しないお前のほうがキモチ悪いんだけど!?」
僧侶「そうだよっ」
女魔導士「え!?どういう理屈!?」
戦士「なんかもう、逆にむかついてきたわ、むしゃくしゃする」
僧侶「ぼくも…、ここまで下手にでてるのに…女魔導士が憎くなってきた…」
女魔導士「え!!?なんなのこの人たち!?」
装備してって、あぶない水着。はよして」
女魔導士「いや急に何いってんですかっ!?」
武道家「はあっはあっ、女魔導士のローブ…オイラ…オイラ…欲し…へぶう!!…欲じい!!!!
水着姿も…見だい!!見だい!!」
戦士「うわ、アカン…武道家のやつ…なぐっても黙らんくなった…、耐性ついてきた」
女魔導士「い、いや…なんですか…なんか気持ち悪い通りこして怖っ!逃げ…」
しかし回りこまれてしまった!
武道家「ふひひ…」
戦士「ふふ…」
僧侶「くくく…」
女魔導士「げ…だ、誰か!!助け…!助けて…!」
戦士・武道家・僧侶「!!??」
戦士「げ、ゆ、勇者…やば…」
僧侶「いや…これは…あのその…」
勇者「え……、何その反応…、もしかして、パーティ内で…なにかもめごとだったりして…」
武道家「あ、あうう…」
女魔導士「勇者…!あ、あのじつは…」
戦士「と、とにかく女魔導士、そういうことだからっ!それ、ちゃんと装備しろよっ!渡したからなっ!じゃ、じゃあなっ」
女魔導士「するか!しねっ!ばーか!」
俺も皆を引っ張っていくリーダーシップがなくて頼りないのも悪いけど…」
女魔導士「いやいや、あの3人が悪いんですよっ!
いやしかし勇者が来てくれて助かりました、礼をいいますっ」
勇者「え、俺なにもしてないけど…、いったい何があったん」
女魔導士「実はかくかくしかじかで…」
勇者「ふうん…よくわかんないけど…、まあ実用的な装備品じゃないし…装備を強要するのはよくないよな…
いや、しかしエロいなこれ…ほとんど覆うところないじゃないか」
女魔導士「手に取ってまじまじとみないでください…変態みたいです」
勇者「え、い、いや…おれは別にみてただけで…そういう気じゃ」
女魔導士「まあ、やはり、このあぶない水着はうっぱらって資金の足しにすることにします」
勇者「うん、役に立ちそうにないし、それでいいとおもうけど…
こんなの、大した額にならない気がするけど、まあ、売ったお金で自分の装備品を新しく調達したら?」
女魔導士「え?」
自分の装備を整えるのを遠慮してるなら悪いとおもって…」
女魔導士「……、やはり、もさいですかね…このロープ…ださいですかね」
勇者「え?」
女魔導士「あんまり魅力的ではないでしょうか…実用性はバリバリあるのですけど…」
勇者「え…な、何の話?………、ん?」
女魔導士「も、もしもですよ…もしも、勇者が、私にそのあぶない水着を私に…着てほしい…というのであればですよ…
その……その…、装備してあげてもいいかなって…」
女魔導士「いや!常には無理ですよ、常には!こんなかっこでフィールド出たら、モンスターにぶっ殺されますからねっ、
け、けどその…ふ、二人きり…のときだけ…なら…あ、あなたに…なら…まあ、」
勇者「あ、あれ、ちょっと待って!今調べたら、あぶない水着って結構高級品らしいぞ!すげえ!これ売ったら、
すごいお金になるぞ!これなら、女魔導士の装備を整えてもおつりがくるぞ絶対!」
勇者「よし!さっそく明日、売りにいこう!」
女魔導士「………」
女魔導士「ああもう、いいですから、早く返してくださいそれ!」
女魔導士「明日、私が自分で売ってきますから!勇者にはびた一文あげません!そんで売った金で、もっと実用性バリバリの高級なもっさいローブかってきますから」
勇者「え、いや、何怒ってんの!?よくわかんないんだけど!?」
女魔導士「うるさい!しんじゃえ!ばーか!」
おしまい