幼馴染「勝手に?はぁ?あんたがここ座っとけゆーから座ったら座布団の下になんかおったんやろが。なんや思うたら工口本やんけ」
男「別にいいだろ工口本ぐらい!!」
幼馴染「工口本がキモイゆーとんちゃうねん。中身や中身。なんやねんこれ。」
男「じゅ・・・純愛モノだろうが」
幼馴染「純愛?はぁ?純愛ぃぃ?美人が勝手にDTのこと好きんなるんがか。ご都合主義もええかげんにせえよ」
幼馴染「あんたこんなんばっか読んどるから周りからキモい言われんねや。」
幼馴染「・・・」
男「・・・」
幼馴染「せやな。ええわ。うちにはなーんも関係なかったわ。堪忍な。勝手に工口漫画読んで。ほなな」
男「あ、ちょ、帰んなよ!」
幼馴染「いや、うちくそキモイ奴のくそキモイ部屋におる趣味無いねん。短い付き合いやったの」
男「ちょ、待てって!謝る!謝るから!」
幼馴染「なんでうちがあんたに謝ってもらわなあかんねん。舐めとるんか。あ、ほんま胸糞わるなった。帰ろ」
男「じゃあどうすりゃいいんだよ!」
幼馴染「何キレとんねん」
幼馴染「その一冊捨てたとこでどないなんねん。どうせ他にも隠しとんのやろ。」
男「隠してねーよ!」
幼馴染「ほんま?」
男「おう、マジ」
幼馴染「んじゃ30分。・・・いや、10分でええわ。部屋出て10分入ってくんな。うち家捜ししとっから」
男「はぁ!?なんでそんな事されなきゃなんねーんだよ!ふざけんな!」
幼馴染「ほな帰るわ」
男「ちょっと待って!待ってって!なんでそうなるんだよ!」 ガシッ
幼馴染「ちょっ触んなや。工口本溜め込んどる汚い手でうちに触れんな」
幼馴染「なんでうちに聞くねん。どうしたらいいか自分で考えてみい」
男「えー・・・」 ガシガシ
幼馴染「・・・・・・」
男「えーっと・・・」 ソワソワ チラッ
幼馴染「・・・はぁ、もうええわ。埒あかん。ほなこうしよか。うちが家捜しして捨ててくか。あんたが自分で始末するか。選ばしたるわ」
男「あ!捨てる捨てる!自分で探して捨てる!」
幼馴染「ほか。なら部屋の前で待っとくわ。30分以内に全部始末せえ。」
男「わ・・・わかったよ・・・」
幼馴染「ほな外で待っとるで。この漫画と雑誌もろてくで。暇つぶし用や。ほなな。」
男「お、おう・・・あ!」
幼馴染「?」
男「か、帰んなよ」
幼馴染「なんやそれ。必死か。・・・もう始まっとるで。30分たったら押し入るでな」
ガサガサ
男「はぁ、せっかく久しぶりに部屋に誘えたのに。何してんだ俺」
ガサガサ
男「お、これ捨てたと思ってたらあんじゃん。この作者は尻描かせたら天才なんだよなー」 ぺらぺら
男「うーむ、これは捨てるには惜しい。隠しておこう」
幼馴染「~♪」 ぺらぺら
ガタン!ガタガタ!
幼馴染「あいつ張り切っとんな。ええ心がけや」
ガタタン!!ガタンガタン!
幼馴染「なんやえらい音しとるけど、大丈夫かあいつ。」
ガタンゴトン!ガタンゴトン!
男「ふぅー終わったぞ―」
幼馴染「遅いわ。何分かかっとんねん」
男「な!30分以内に終えただろ!」
幼馴染「女の子を外でマンガ読ませといてなにゆーとん。人に見られたらどないすんねん。変な奴や思われるやろ」
男「じゃぁ風呂場かトイレにいればよかっただろ・・・」
幼馴染「あんなきったない部屋の人間の風呂か便所に長いことおれるか。外のほうがマシや」
男「あーいえばこう・・・」
幼馴染「ほら、さっさと工口漫画ゴミ捨て場に持ってき。そこまでやって合格や。こっから捨てんの見とるからな。ごまかしたらあかんで」
男「はいはい。」 カン カン カン
幼馴染(あいつのことや。絶対何冊か隠しとるわ。)
幼馴染(うちは鼻が効くんで有名やねん!名探偵幼ちゃんを舐めとったらあかんで!!) キラーン
幼馴染(ベッドの下・・・テレビの裏・・・クローゼットの衣類の奥・・・山積みの雑誌の間・・・)
男「なにしてんだよ」
幼馴染「んー、早かったなー」 ガサゴソ
男「なにか探しものか?せっかく掃除したんだから散らかすなよな」
幼馴染「・・・なんや余裕やんけ。」
男「余裕も何も、やましいものなんて何もないんだから。慌てる必要ないだろ」 HAHAHA
幼馴染「ふ~~~ん・・・まぁええわ。せやな。見つけられん分はまぁ堪忍したるわ」
男(よし)
男「よーし。んじゃゲームでもしようぜー」
幼馴染「ゲームて。あんたそれが久しぶりに部屋呼んだ女の子とすることか」
男「え?でも他にするもんないよ」
幼馴染「なんかないん?映画とか。なんかおもろいもん」
男「ねえよそんなん。映画なんて最近見ないし。」
幼馴染「見る見んちゃうやん。用意しとくねんこういうときは。女の子退屈させんように」
幼馴染「ここ近くにないやん。先に用意しとかなあかん」
男「そうなの?越してきたばっかでわかんねーや」
幼馴染(こいつ全然女と遊び慣れとらんな。昔となんも変わっとらん)
今更だけど、5歳の頃関西から隣に越してきた幼馴染が高校2年で親の都合で大阪に戻り
男が大学進学を機に大阪に越してきて再び会うようになったって設定で
幼馴染「お?なにそれ新作なん?」
男「いや、今までの作品をまとめましたってやつ。シリーズ選んでやれんの」
幼馴染「?ようわらん」
男「見てろ。ちょっとやってみるから」
幼馴染「なんなんこれ。1枚で全部遊べるやん。未来の技術すご」
男「未来の技術じゃねーよ。出たのけっこー前だよこれ。中古だし」
幼馴染「でもあれやな。これ出たら今までの1枚1枚買ってた人丸損やな。かわいそ」
男「いや、それは別にいいんじゃねーの」
アオーンアオーンアオーン
ウォアアアァァァァ
幼馴染「おっしゃ勘戻った!!やっぱワンちゃん強いわ―ええこやわー」
男「ハンターでガロン使うのマジでやめろ。マジで」
幼馴染「なにゆーとん。ほら、はようちとワンちゃんのスーパーコンビ負かしてみ。はよう」
男「女の子相手だから手を抜いてやってんだよ。次負かす。そして泣かす」
幼馴染「またそのボインかドスケベ。ほんま好きやな。ド工口。ドスケベ。」
男「ドスケベ2回言ってんじゃねーよ。モリガン様の足を舐めろ!」
幼馴染「うわーきもいわー。」
幼馴染(・・・なんやかんやで熱なってもてるけど下手したらこれで今日終わってまうんちゃうんか)
アオーンアオーン
ギィェアアァァァ
幼馴染「せやな。うちも疲れたわ」
男「じゃあ1時間休憩な」
幼馴染(こいつほんまに今日ゲームだけで終わらす気か!?なんしに来とんねんうち)
幼馴染「えーっと・・・、そや!なんか食べよ~や。うち昼食べてないし、あんたもどうせまだやろ」
男「あーそういや今日なんも食ってねえな」
幼馴染「・・・・・・もしかしてなんもないん?」
男「あー・・・ちょっと待ってて」
男「冷蔵庫ん中もやししかねーわ。わかってたけど」
幼馴染「はぁ・・・。なんとなくわかっとったわ。ほんまなんもないなこの部屋は」
ガチャ
男「ペペロンチーノが安くてうまいのになー」
幼馴染「口くさなるやん。気ィ使いって。ほんま」
男「俺が食べるんだからいいじゃん。たらこも好きだけどさ―。」
幼馴染「ないわ。口近づけたら臭うやん。」
男「え、それって・・・。」
幼馴染「え?・・・!?なに意識しとんねん!!せんわアホ!!ドアホ!!」
男「なっ・・・!別に何も言ってねえだろ!」 あせあせ
男「ちょっ、ちょっと俺トイレだから!先食ってて!」
ガチャッ バタン
幼馴染「何焦っとんねんあいつ。アホや。アホ。」 ドキドキドキ
幼馴染「・・・・・・スパゲティ温めといたろ」
幼馴染「いや、せんにしてもペペロンチーノはないやろ。チンしたら部屋くさなるやん。ムードとか、ほんま考えんなあいつ」
ガチャッ
幼馴染「・・・なんやこれ」
幼馴染「・・・・・・工口本やんけ」
幼馴染「ふふ、なんか冷静なったわ。なに浮ついとんねんうちも。アホやなうち」 ぺら ぺら
幼馴染「・・・・・・・・」 ぺら ぺら ぺら
幼馴染「チンしたろ」
男(ふぅー落ち着け俺。今のはがっつきすぎだろ)
男(いや、でも今日はそういうつもりで呼んでんだし。ゆくゆくはそういう感じに、さ)
男(よーし俺落ち着け。別に今日キメなきゃってわけじゃない。慎重に、そして大胆にだ)
男(・・・・・・なんか臭いな)
ガチャッ
男「ふぅー。いやー手を洗うのに一生懸命になっちゃってさーちょっと長かったけどうんこじゃないんだぜー」
幼馴染「だれも何もゆーとらへんやん」 もぐもぐ
男「・・・・・・なんか臭くね?」
幼馴染「あんたのうんこちゃうん?」 もぐもぐ
男「だからしてねーって。あと女がうんことか・・・」
男「レンジが動いてる」
幼馴染「おいしい?」 ニコニコ
男「・・・なんかこれくせ
幼馴染「おいしい?」 ニコニコ
男「・・・うまいです」
幼馴染「そうかー工口本と温めたスパゲティがおいしいんかー」 ニコニコ
男「・・・あのさぁ、確かに俺も悪かったよ。でもさ、ちょっと今のは危ないんじゃないかな?」
男「レンジ開けたらすごい煙だったしね。ボヤ騒ぎになりかねないしね。なんか俺目痛いし」
男「なんでベランダに逃げた後閉めたの?何で閉じ込めたの?死んじゃったらどうすんの」
幼馴染「死んだらええねや」 ニコニコ
男「おいおい言い過ぎd
幼馴染「死んだらええねや」 真顔
男「すいませんでした」
男「いや、そういう訳じゃねーんだけどさ。なんていうか、あの人のは一種の芸術っつーか」
幼馴染「うわーキモイ」
男「きもいきもい言うんじゃないよ。傷つく」
幼馴染「次見つけたらガスで着火するで。覚悟しいや。」
男「・・・肝に命じておきます」
幼馴染「まだ臭いな。窓開けよか」
ガラッ
幼馴染「あ」
幼馴染「・・・・・・」
男「ゲホッ!ゲホッ!くっせ!むせた!」 ゲホッゲホッ
幼馴染「・・・・・・」
男「・・・どった?」
幼馴染「うち帰るわ」
男「おいまだ工口本のこと怒ってんのかよ。ごめんって。もうないって」
幼馴染「・・・」 スッ
男「おいおいおいちょっと待った待ってって!ごめん!もう絶対買わないから!他に隠してあるのも捨ててくるから!」
男「え?」
幼馴染「ほんまごめん。帰るな。ほんまごめん」
男「いや、なんで謝んの。お願いだから理由言ってよ。頼む。」
幼馴染「・・・ベランダ」
男「え?」
幼馴染「・・・・・ベランダの洗濯カゴにブラ入っとった」
男「あっ」
男「いやいや!違う!アレ違う!」
幼馴染「なにがちゃうん?だってあれブラやん。なんであんなんあるん・・・」
男「違う!ホント違う!彼女のじゃない!」
幼馴染「なにがちゃうねん!彼女のちゃうなら誰のやねん!お前んか!?」
男「いやいや、さすがにそれは
幼馴染「・・・・・・つけてみぃ」
男「へ?」
幼馴染「彼女のちゃうならつけてみい!!」
男「」
幼馴染「・・・・・・」
男「それでは、えー、僭越ながら、ブラ、付けさせて頂きます」
幼馴染「・・・どうぞ」
男「はい」 スッ
男(なんで俺こんなことしてんだろ) いそいそ
男(明らかにちっちぇえ。肩に食い込んでいってえ)
男(おーい幼ちゃんこれ無理あるぞ―もういいだろー) チラッ
幼馴染「・・・・・・」 ジー
男(中断はなしってか。最後までいけってか。何この羞恥。拷問じゃないか)
男(父さん、母さん。俺今好きな子の前でブラ付けさせられてるよ・・・)
幼馴染「・・・・・・」
男「なぁ、もうわかったろ。これ俺のじゃないって」 もじもじ
幼馴染「・・・・・・」
男「もういいだろ。野郎がブラつけようともじもじしてる姿はもういいだろ」
幼馴染「・・・・・・プッ」
男「おい笑ってんじゃねーか!んだよクッソ!こっちは真剣だってのによ!」
幼馴染「いやーわろてまうわ。なにしとんほんま。ごっつ引くわ。あはは」
男「え?マジで笑ってっんじゃんこの子。え?どっから冗談だったの?」
幼馴染「最初からやわ。なんでうちがあんたんちにブラあって怒らなあかんねん。なんで付けさせなあかんねん」
男「んだよそれつけ損じゃねーか。なんだよこんなもん」 ペッ
幼馴染「あはは。で、なんやねんそれ。あんたみたいな女遊びのおの字も知らんようなやつが彼女おらんやろ。誰んやそれ」
男「なーんか解散した後も家の方向一緒とか行ってついてきてさー。」
男「あーそうですかーって言ってたら俺んち着いちゃって。そしたら家真逆で終電ねーっていいだしてさ」
男「ほっとくのも悪いかなーって家上げたんだよね。そしたら、まぁ、いろいろあって忘れてった」
幼馴染「なんでそこまで来て端折んねん。しっかり言い。怒らんから」
男「えーっと、その・・・。お風呂貸して、迫られたけど、断って、服貸して、部屋泊めました」
幼馴染「ふ~~~~ん・・・」
男「いや!でも何もしてないよ!ほんと!何もしてないし、何も見てない!次の日になったら平気な顔して帰ったし!」
幼馴染「うりゃ」 ボカッ
男「いて」
男「いや、でもさ。俺だってまさかさぁ」
幼馴染「言い訳せな。あんたなぁ、そういう手合いは怖~いカレシとか2人も3人もおんねんで」
幼馴染「それに、何の新歓コンパか知らんけど、もしサークルとかなら変な噂たったら居づらなるやん」
男「はい、サークルのです・・・」
幼馴染「そういう手合いはサークルん中でも浮いとんねん。あんたそのお仲間と思われるん嫌やろ」
幼馴染「世の中アホとかキチガイなんて山ほどおるんやから、あんたがしっかりせなあかん」
男「はい。申し訳ないです」 ペコォ
男「え?」
幼馴染「あんたいろいろしてなさすぎ。うちかて、まぁ、女やん」
幼馴染「女の子呼びつける部屋やないで。やっぱ」
男「ごめん」
幼馴染「・・・ま、別にええけど。」
幼馴染「あんた、ほんまうちのこと女と思ってないなぁ。なんかちょっと悔しいわ」
男「!?」
幼馴染「うちやで怒らんかったもん、他の子やったらブチギレとるで。」
男「いや、俺は・・・」
男「いや、ちょっと・・・」
幼馴染「別に怒っとるんちゃう。ただ、うちはそんな安ないねん」
幼馴染「自分のことどうでもええみたいな男の部屋に、晩まではおれんわ。」
幼馴染「たしかに、あんたとうちは長い仲や。でも、もう子どもやないんやし、ええ年の女が男の部屋に晩までいたらおかしいわ」
男「・・・・・・」
幼馴染「あんたにとってうちが何かはしらんけど、子供の頃のままみたいにずっとはやってられんねん」
幼馴染「ほなな」
ガチャッ
バタン
男(全くダメだな俺は)
男(あいつのことを好きだ。って気持ちだけで、あいつのために何もしてない)
男(下着の件、やましいことは何もない。でもそれだけじゃダメなんだな)
男(もうガキじゃないんだもんな。ただ好きだって思ってるだけじゃどうにもならない歳になったんだな)
男(幼馴染が俺のことを嫌ってくれてないのはわかる。でも、「好き」になるには、全然足りてない)
男(一番嫌いじゃない。今まではそれで満足だったけど、今まで以上の関係になりたいなら・・・)
男(工口漫画みたいに、何もしてないのに簡単にいくわけないよなぁ)
男(・・・・・・)
男「追いかけるか」
幼馴染(てか今日何回帰るゆーとんねんうち)
幼馴染(あいつのこと嫌いやない。むしろ・・・)
幼馴染(でも、部屋に誘ったんやろ?誘ったんはそっちやろ?)
幼馴染(そんなん期待するやん。なんでも男がお膳立てせえなんて言わんよ。言わんけど)
幼馴染(うちかて女やし。女なら期待するやん。好きな男から部屋誘われて、平気でおられんやん)
幼馴染(うちが舞い上がっとるだけなん?ホントになんも思ってないん?うちは嬉しかったよ)
幼馴染(ずっと焦がれとったとかやない。そんなんやない。でも久しぶりに会って、話して、遊んで、やっぱ嬉しかったわ)
幼馴染(ええわ。もう帰ろ。別に今日だけやない。今日はなんもなくても、次は、もしかしたらええことあるかも・・・)
男「幼馴染!!」
幼馴染(なんで今くんねん)
幼馴染(遅いっちゅうねん。てか、そんなんわざわざ言いに来たんか)
男「俺、お前しっかりしてるし、どうせ何もしなくてもお前が何とかしてくれるって思ってた」 ハァハァ
幼馴染「・・・そんなん思っとったん」
男「いや!あの!はっきりそう思ったことはねーけど!でも、なんか、そう思ってた気がする!ごめん!」 ハァハァ
幼馴染(・・・・・・)
男「俺もっとしっかりするから!しっかり、ちゃんとお前のこと楽しませようとか、そういうのいろいろ考えるから!」 ハァハァ
幼馴染「・・・別に、あんたにそんなんしてもらわんでええ・・・」
男「俺がしたいんだよ!俺、お・・・俺お前のこと好きだ!!本気で!!」
幼馴染(・・・・・・)
男「だから、えと、しっかりした男になるから!そういうの見てて欲しい!おまえに!!」
幼馴染(・・・・・・)
幼馴染(やば、何ごっつ嬉しがっとんねん。うち)
幼馴染(でもうちはそんな安ないねん。そんな弱ないねん)
幼馴染(ここでうちも好きとかゆーんは流されとるだけや。ほんもんやない)
幼馴染(男、うち男のことごっつ好きや。やから、うちに好きって言わせる男にならなあかんで)
幼馴染(うちやない誰かに好きって言われても突っぱねなアカンで。うちだけを見とかなアカンで)
幼馴染(うちのこと好きって言ったんや。うちに好きやと思わせたんや。それぐらい当然や)
幼馴染(女ってずるいねん。卑怯で姑息で執念深くて負けず嫌いで・・・。怖いんやで)
男「・・・・・・なんか言ってくれよ・・・」 ドキドキ
男「えっ」
幼馴染「あんたはまだ女と付き合えるような男やない」
幼馴染「でも、もしあんたがこれから格好ようなるっちゅーなら、そのときは・・・」
男「そのときは・・・?」
幼馴染「そのときは、部屋に夜まででも朝まででもいたるし、口かていくらでも近づけたる。ブラかて欲しいなら置いてったるわ」
男「な!べ、別に欲しくねーよ!!」
幼馴染「ふふ、そうそう、その意気や。かっこええよ男」
男「・・・茶化すなよ」
幼馴染「茶化してへんよ。・・・追いかけてきてくれたんわほんま嬉しかった。ありがとうな」
ギュッ
男「!?」
幼馴染「ご褒美や」
幼馴染「今はこれだけやけど、これからもっともっといろんなコトしてこーな」
男「」 コクコク
幼馴染「あんた次第やでな。格好良うなって、うちにいろんな事させてや。約束やで」
男「あぁ・・・あぁ。」 コクリ
幼馴染「ふふ、ええ子やね。・・・・・・ほな、もう帰るわ」
男「あ・・・」
幼馴染「ほな、また。またな」
男「あぁ・・・また・・・。また来週!また来週うち来てくれよ!」
幼馴染「ふふ・・・もう、がっつきすぎやわ。 まぁええよ。ほな、また来週」
男「あぁ・・・」
男「・・・・・・」
男「いよし!」
ガチャッ
幼馴染「おじゃましまーっす」
男「別に誰も留守番してないんだから言わなくていいよ」
幼馴染「ちゃうねん。これは家の神様に挨拶してんねん」
男「賃貸に神様がいるかね」
幼馴染「そういう意識があかんねん。ちゃんと敬うもん敬わなあかん」
男「俺が敬ってるのは幼馴染だけだよ」
幼馴染「なんやねんそのアプローチ。0点や」
男「そりゃあな。座布団の下確認しとっか?ほれ。ほれ。」 パタパタ
幼馴染「もうわかったちゅーねん。調子のんなや」
男「あはは。あ、何か飲み物と食べ物出すよ。買ってあるんだ」 スタスタ
幼馴染(可愛いやっちゃ。ええ具合に調教が進んどるわ)
幼馴染(どれ、ちょっとうちからもええ女アピールしとっか)
男「えー、いいよいいよ。ちょっと待ってて。お菓子選ぶから」
幼馴染「ちょ、いくつ買っとんねん。気ィ使いすぎや」
男「幼馴染を喜ばすためさ。当然だよ」
幼馴染「もーなに言うとんねん。まぁ、ありがとな」
幼馴染(ちょっとやりすぎたかもしれんな。けどこいつ長続きするタイプちゃうし最初だけやろ)
幼馴染「ほなうちジュース用意したるわ」
男「え!?いやいいよ!俺やるって!!」
幼馴染「なに遠慮してん。あ、もしかして冷蔵庫ん中もジュースで一杯やったりするん。ごっつかわええやん」
男「いや!!その・・・そう!!ジュースが山積みで危ないんだって!!俺やるって!!」
幼馴染「おっじゃっましまーっす♪」
ガチャッ
幼馴染「なぁ、なんやねんこのクソ気持ち悪い本」
終劇
乙