幼馴染(7)「男くーん!あーそびーましょー♪」
幼馴染(8)「男くんサッカー上手でかっこいーー!」
幼馴染(9)「男くん!あたしからバレンタインチョコ!」
幼馴染(10)「男くん最近どうしてあそんでくれないの」
幼馴染(11)「男くん……。……あ、うん友子ちゃん行こ」
幼馴染(12)「え?男とは別に仲良くないよ。ただの幼馴染だよ」
幼馴染(14)「はいこれ。手紙」
幼馴染(14)「あ、あたしじゃないって。友子に渡してくれっていわれたの」
幼馴染(14)「ちゃんと返事してあげてね」
幼馴染(14)「……じゃ。勉強がんばれ」
幼馴染(15)「お、勉強がんばってるなー。私もここでやっていい?」
幼馴染「あんた昔はスポーツ大好き少年だったのにいまはすっかりガリ勉だね。あはは」
幼馴染(15)「暗くなってきたね。一緒にかえろっか……」
幼馴染(15)「そういえば。友子と付合わなかったんだね」
幼馴染(15)「せっかくなんだから彼女くらいつくっときなよー」
幼馴染(15)「みて!浴衣!似合う?」
幼馴染(15)「花火…綺麗だね。あーあ受験生じゃなければもっと遊べたのに」
幼馴染(15)「受験する高校きめた?」
幼馴染(15)「うわ、めっちゃ偏差値たかいとこじゃん」
幼馴染(15)「あたしの成績でいけるかな……ってなんでもないよ!なーんでもない!えへへ」
幼馴染(15)「ごめんママ。いま勉強忙しいから用事あとにして」
幼馴染「もうすぐ冬休みだねー」
幼馴染「ねぇクリスマスってさ……なんか用事ある?」
幼馴染「パパが会社のひとからもらってきた水族館のチケットあるんだけどさ…」
幼馴染「え、ほんと!? やった!」
幼馴染「約束ね!」
幼馴染「携帯つながんないや…」
幼馴染「もしもし………あーあんた!なんで今頃電話――――え?おばさんが?」
幼馴染「そんな………」
幼馴染「おばさん…うそ、だよね……」
幼馴染「なんで…」
幼馴染「聞いたよ。田舎で療養するんだってね」
幼馴染「じゃあ…親戚の家に引っ越すんだ」
幼馴染「しかたないよ。おばさんを大事にしてあげて」
幼馴染「謝らなくっていいよ」
幼馴染「な、ないてないもん」
幼馴染「さよなら…また、いつか会えたらね」
幼馴染(好きって…言えなかったなぁ)
幼馴染(16)「ごめんなさい。先輩とは付き合えません」
幼馴染(16)「気持ちは嬉しいけどほんとにごめんなさい」
幼馴染(17)「もういつまでもひきずってないで、忘れなきゃいけないのに…」
幼馴染(17)「ごめんなさい。聞いてませんでした。廊下に立ってます」
幼馴染(17)「店長ごめんなさい。今月いっぱいで辞めます」
幼馴染(17)「………はぁ。来年受験か…」
幼馴染(17)「だから付き合う気は……な…くはないかもしれません」
幼馴染(17)(これでいいんだよね? だってもうあんたはいないんだもん)
幼馴染(17)「来月には返事します。考える時間ください」
幼馴染(17)「なんであいつの顔浮かぶんだろ…もういないんだってば」
幼馴染(17)「彼女つくったかな?もう疎遠になって結構経つし…電話する勇気もないや」
友子「ねぇねぇ。テレビに映ってるの昔のクラスメイトじゃない?男くんだよね?」
幼馴染(17)「え…」
友子「きゃーん。いまでもかっこいいね」
幼馴染(17)「あいつ……部活続けてたんだ…」
幼馴染(17)「ぜ、全国大会!?すごいじゃん!!」
幼馴染(17)「うふふ、あははっ!」
幼馴染(17)(遠くに行ってもがんばってるんだね)
幼馴染(17)(元気もらっちゃったな)
幼馴染(17)「も、もしもし……あたしのことおぼえてる…?おひさ」
幼馴染(17)「テレビみたよ…準優勝おめでと。最後おしかったね」
幼馴染(17)「……………」
幼馴染(17)「……そ、それだけ。じゃあね。ばいばい」
幼馴染(17)(声低くなってた///)ドキドキ
幼馴染(17)「私、す、すきなひと…いるんで…」
幼馴染(17)「ほんとにごめんなさい。卒業しても変わらずお元気で」
友子「なんで付き合わなかったの?先輩チョーモテる人だったのにもったいない」
幼馴染(17)「いいんだぁ。恋愛とかきょーみないし」
幼馴染(17)「さて、高3最後の大会に向けてファイオー!」
幼馴染(17)(男、あたしがんばるよ!あんたも来年こそは優勝してよね!応援してるから!)
幼馴染(18)「ここから勉強漬けの毎日か…とほほ」
幼馴染(18)「でも少しはいい結果出せて満足だよね。楽しかったよ」
幼馴染(18)「そういえばあいつはどうなったんだろう」
幼馴染(18)「え?今年は県大会で負けてる…。なんで?」
幼馴染(18)「あんなに強かったのに」
幼馴染(18)「練習サボってたのかな?あいつに限ってそんなことないよね…」
幼馴染(18)「もしもし…あ、あのさ」
電話「だぁれ?悪いけど今男くんは忙しいので出られませーん♪またおかけなおしくださーい」
幼馴染(18)「え……」
幼馴染(18)(いまのだれ?若い女の声…)
幼馴染(18)「だって部活で全国レベルだし、勉強できるし、顔も悪くないしていうかかっこいいほうだし、優しいし…」
幼馴染(18)「うっ…うっ…あたしが…あたしが悪いんだ」
幼馴染(18)「もっと早くに勇気を出してれば…よかったんだ」
幼馴染(18)「いつまでもうじうじしてるなんてあたしらしくないぞ!」
幼馴染(18)「進学先であたらしい恋をさがせばいいんだ!うんうん!」
幼馴染(18)「うー勉強きつ…今からでほんとに間に合うのかこれ」
友子「どこ目指すの?」
幼馴染(18)「できるだけ上のほう」
幼馴染(18)「部活がないと勉強しかやることなくてつまんないね」
幼馴染(18)「友子、進学先はべつべつだけどたまには遊ぼうね」
幼馴染(18)「どっちが先に彼氏作るか勝負しよっか?えへなんちゃって」
幼馴染(18)「すいません…サークルはまだ考え中です」
幼馴染(18)「テニスサークルですか…テニス…」
幼馴染(18)(やってみてもいいかも)
先輩「あいつ絶対ほしい!」
幼馴染(18)(あんなレベルについてくの無理……)
幼馴染(18)「入部やめときます」スタスタ
先輩「えー、このあと新歓コンパあるのに」
幼馴染(18)「いまごろなにしてんのかなぁ。元気にやってんのかな」
ぽこっ
幼馴染(18)「痛っ!ったー…なんでボールが…」
幼馴染(18)「ちょっと!気をつけなさ――――え?」
幼馴染(18)「嘘……なんでここに…?」
幼馴染(18)「スポーツ推薦でもっと上いけたでしょ!?」
幼馴染(18)「なん…で?」
幼馴染(18)「テニ部があればどこでも良かった?!」
幼馴染(18)「……ならそれこそ推薦で都内の有名校でよくない?わっかんないなぁ」
幼馴染(18)「てかここテニサーしかないよ…」
幼馴染(18)「あんたばかでしょ。くすっ」
幼馴染(18)「でも部屋借りてるんだ?ふーんそっかぁ」
幼馴染(18)「えへへ。あんたひとりでよく戻ってこれたね」
幼馴染(18)「あ…一人じゃないか」
幼馴染(18)「何すっとぼけてんの。コレ、いるでしょ?かわいい彼女さん」
幼馴染(18)「幼馴染相手に隠し事しないでよ…」
幼馴染(18)「え゙……親戚の…かてい…きょうし……?」
幼馴染(18)「しかも叔母?!」
幼馴染(18)「ソ、そっかぁ。田舎に帰ってたんだもんね……アハハ」
幼馴染(18)(やばい恥ずかしっ。なに勝手に勘違いしてたんだろ)
幼馴染(18)「ん? ってことは、あんた彼女すらいないの?」
幼馴染(彼女いないんだ…)
幼馴染「ねぇ、そういえばテニサー入るの?検討中?」
幼馴染「まぁあんたの相手になりそうな先輩いなかったもんね」
幼馴染「新歓コンパどうする、いく?あんたがいくならあたしも…」
幼馴染「ば、バイト? へぇ新生活早速忙しくしてるんだ」
幼馴染「できればさ、おんなじ講義とろ!」
幼馴染「ほら、いざとなったとき便利じゃん?」
幼馴染「あんたこっちきたばっかだし、あたし以外に知り合いいないでしょ?」
幼馴染「まっかせなさーい」
幼馴染「あ、あたし元からこんな感じですぅ! 久々だからって忘れてるな?」
幼馴染(こいつはだいぶクールになったなぁ…結構やんちゃだった面影なし…)
幼馴染(やば…横顔なんかすごい良い)
幼馴染「え?風邪!?ちがうちがう!」
幼馴染「えー女の子の誘いを断られるとは…」
幼馴染「……もしかしてあんた節約中?あぁそっか一人暮らしだもんねえらいなぁ」
幼馴染「あたし実家から通いだから通学に一時間半……」
幼馴染「あたしもバイトして近くに下宿しようかなー」
幼馴染「いいじゃーん。みたいなー」
幼馴染「あ、わかった恥ずかしい物おいてあるんだ?くすっ」
幼馴染「ほんとかなぁ?ないなら別にあたしを上げても問題なくない?」
幼馴染「きまり!行こいこ」
幼馴染「生活感なさすぎ」
幼馴染「ふつー男子の部屋ってぐっちゃぐちゃじゃないの?」
幼馴染「そういえば昔の家のあんたの部屋って……うーん割りと綺麗にしてたかも」
幼馴染「ベッドの下とゴミ箱チェーック!うそうそなにマジになって焦ってんの」
幼馴染「………」
幼馴染「ねー、もうちょっと体に良いもん食べようよ何このゴミ」
幼馴染「コンビニ弁当ばっかりやめよ?」
幼馴染「これっぽっちも自炊とかしないわけ?」
幼馴染「あーっ!ていうかなんか足りないと思ったら、洗濯機ないじゃんこの部屋!」
幼馴染「コインランドリー?あきれた…それでよく自活っていえるね」
幼馴染「そんなんだからお金に困って苦学生してんのよ」
幼馴染「……。……ぁ、あのさ」
幼馴染「迷惑じゃないならね!」
幼馴染「……どう?」
幼馴染「あたし一応、なんでもできるよ」
スッ
幼馴染「ん?何これ…」
幼馴染「あ、合鍵……ですか」
幼馴染「それはちょっと…うーん、どうなんだろ…アハハ」
幼馴染「も、もらっとく!」
幼馴染(え~~これほんと!?そ、それってさ…つまり…///)
幼馴染「手料理なんてひさしぶりでしょ?」
幼馴染「若いんだからしっかり栄養とれよー?」
幼馴染「じゃ今日のところは帰るね」
幼馴染「あしたは掃除機かけにくる!うん、ばいばい」
幼馴染「パパママあのね。友達の家が学校のちかくで、たまに泊まっていい?」
幼馴染「月曜の1限目とか、すごく朝早くて辛くて…さぼっちゃいそいになるし」
幼馴染「ねっ!お願いたまにだから!」
幼馴染「いやいや、だって泊まるし」
幼馴染「は?なんでダメなの?」
幼馴染「合鍵ってこの部屋自由にしていいって意味じゃないの?」
幼馴染「ははーん。さては照れてますな」
幼馴染「部活一筋だった青少年がかわいい女の子と一つ屋根の下だもんねー」
幼馴染「……なんか自分で言ってて恥ずかしくなっちゃった」
幼馴染「うん、幼馴染だよね!友達友達!ただのルームメイト♪」
幼馴染「だからあたしの荷物くらい置かせてね」
幼馴染「んー別に」
智美「うっそだぁ。四六時中一緒に見えますけどー?」
幼馴染「そんなんじゃないってばぁ」
智美「じゃ、あたし告っていい?」
幼馴染「え?」
智美「だってイケてるじゃん!高校の時テニスでインターハイ行ったんでしょ?」
幼馴染「う、うん…」
智美「今日晩ごはんさそってみよーっと♪」
幼馴染「はぁ!? あ、そう…」
幼馴染(むぐぐ…)
智美「じゃあ行ってきまーす」
智美「大丈夫大丈夫。食べるだけだから」
カチャ
幼馴染「ただいまーって誰もいないし。つか人の部屋だし」
幼馴染「あーあ。いまごろなにしてんのかなぁ」
幼馴染「あいつってば智美にデレデレしてんのかなぁ」
幼馴染「友子といい、智美といい、あいつモテるなぁ…」
幼馴染「あーもう。関係ないじゃんあたし」ゴロッ
幼馴染「布団いいにおい…あいつのにおいだ…えへへ」
幼馴染「…//」すんすん
幼馴染「な、なんかヘン夕イっぽいからやめとこ!掃除掃除!」
幼馴染「晩ごはん…はひとりなんだよね」
幼馴染「虚しい…」もぐもぐ
幼馴染「彼氏でもない男の部屋で一人ご飯って…」もぐもぐ
幼馴染(あたしってなんなんだろ)
幼馴染「あははー何期待してたんだろ」
幼馴染「そうだよね…幼馴染なんて幼馴染でしかないよね」
幼馴染「ばかだなぁあたし…」
ガチャ
幼馴染「!」
幼馴染「え?!だ、だれ?」
幼馴染「と、智美とご飯いったんじゃ」
幼馴染「はぁ?ラーメン屋でささっと食ってきた??」
幼馴染「……あ、あきれた」
幼馴染「ふつーさ、ファミリーレストランとかで深夜まで長話するもんじゃないの?それで…その流れで」もにょもにょ
幼馴染「な、なんでもない!」
幼馴染「……え、まだお腹空いてるの?う、うん、ちょっとだけおかず残ってるよ!」
幼馴染「あたためなおそうか!?うん!」
幼馴染「そう?」
智美「あんたよくあんなのと一緒にいられるね」
幼馴染「…まぁ、腐れ縁だし」
智美「あれ無理だわ」
幼馴染「ラーメン屋いったんだって?」
智美「あれ?知ってるんだ?はぁ…プライベートでも連絡とりあう仲なのね」
智美「ふーん…」
幼馴染「な、なにさ」
智美「いいなーあたしも幼馴染の男がいて、むかえにこないかなー」
幼馴染「ばっかでー。デートで女の子をラーメン屋つれてくなんてふつーしないから」
幼馴染「レストランのあとは映画とかさーあるでしょ」
幼馴染「え。デートのつもりじゃなかった?そ、そう…」
幼馴染「もしかしてさ。誰に誘われてもついて行っちゃうの?」
幼馴染「……そーゆーの尻軽って言うの知ってる?」
幼馴染「んー、どこにしよっかな」
幼馴染「考え中…カラオケ…うーん密室はやだよね」
幼馴染「ボーリング…はあんた本気になってうざそう」
幼馴染(……そういえば、あの日から何年経つんだろ…あれは中3ときだったよね)
幼馴染「あ、あのさ…ん、何?先に言って」
スッ
幼馴染「……何このチケット」
幼馴染「おぼえてたんだ?」
幼馴染「そ、そっか…おぼえてたんだね…えへへ。えへへ」
幼馴染「行く!絶対行く!」
幼馴染「こ、これって…デート…のお誘いなのかな…」
幼馴染「…や、やるじゃん」
幼馴染「うわ。顔赤っ」
幼馴染「えーわかるよ」
幼馴染「何回も取り出そうとしたんでしょ。だってこのチケット…」
幼馴染「くしゃくしゃじゃん…うふふ」
幼馴染「日曜日、たのしみにしてるね!」
幼馴染「また…なのかな」
幼馴染「どうしてこうなるんだろ」
幼馴染「電話しよ」
幼馴染「……なんで出ないの」
幼馴染「なんのために携帯もってんの」
幼馴染「はー昨日泊まっておけばよかったかなぁ」
幼馴染「でも家にしかかわいい服置いてないし…」
prrr
幼馴染「!」
幼馴染「あっ、はい。え…警察…」
幼馴染「じ、事故……?」
幼馴染(うそ……)
幼馴染「全治三ヶ月だって?もーびむくりしたよ」
幼馴染「むぅ……いいかっこしぃなんだから」
幼馴染「でも、子供無事でよかったね」
幼馴染「さっき親御さんに会ったよ。すっごい感謝されて」
幼馴染「ってあたし他人じゃん!」
幼馴染「おばさん、お見舞いくるってさ会うの久しぶりー」
幼馴染「講義は大丈夫。智美もノート取るの手伝ってくれてる」
幼馴染「まぁあんたなら杖ついてでもくるんだろーけど」
幼馴染「もうしばらくは安静にしときなさいねー」
幼馴染「あーん。…手、不便でしょ。食べさせてあげるから」
幼馴染「幼馴染に遠慮すんな!」
幼馴染「おばさんご無沙汰してます」
母親「えっと……」
幼馴染「お、幼馴染の…」
母親「あー! おっきくなったねぇ」
幼馴染「えへへ」
母親「……」ジー
幼馴染「?」
母親「……あ、そっかぁ。それでこっちの大学いくって聞かなかったんだ」
幼馴染「え?」
母親「じゃ息子のことよろしくね」
幼馴染「えっ!? あ、はい…」
母親「あんた。ちゃんとこの子に感謝してる?」
母親「また来るからね。変なことして愛想つかされんじゃないよ」
幼馴染「あはは…さよなら」
幼馴染「おばさん元気そうでよかった」
幼馴染「はやく怪我なおしてアパート戻ろうね」
幼馴染「あーん♪ くすっ、おばさんの前じゃ流石に出来なかった」
幼馴染「けどギプスまだまだとれないし無茶しちゃだめだよ」
幼馴染「車いすのる?」
幼馴染「あたし押すよ?気にしないで、あんたの世話できるのあたししかいないじゃん」
幼馴染「…こんなときくらい頼っていいんだよ」
幼馴染「あたしはちょこちょこ着て掃除したり泊まったりまぁいろいろ」
幼馴染「座れる?手伝うね」
幼馴染「えへへ。病院は退屈そうだったもんねぇ」
幼馴染「やっとこさ自由だね」
幼馴染「……あ、そういえば」
幼馴染「お風呂…どうしよっか」
幼馴染「あたし…やろうか?」
幼馴染「恥ずかしい…よね」
幼馴染「こんなとき気の置けない男の親友がいればねぇ」
幼馴染「……ほんとに遠慮しなくていいよ」
幼馴染「あたしそういうの気にしないから」
幼馴染「困ったときはお互いさまじゃん」
幼馴染「体はその…片手動けばできるでしょ?」
幼馴染「タオルまいた? 入っていい?」
ガラッ
幼馴染「……なんか久しぶりだね」
幼馴染「七歳か八歳くらいまで、結構一緒に入ったりしてたような」
幼馴染「……」
幼馴染(背中ひろくなったなぁ……無駄なお肉全然なさそー)
幼馴染「かゆいとこない?」
幼馴染「入院生活でちょっと髪伸びちゃったねぇ」
幼馴染「あした切ってあげようか?」
幼馴染「えー下手じゃないもん。やったことないけど、たぶん」
幼馴染「ごしごし。ごしごし、わしやわしゃー♪」
幼馴染「シャンプーしてもらうのってきもちいいよね」
幼馴染「うー次は気をつける」
幼馴染「流すねー」
幼馴染「きれーなった」
幼馴染「……さてと、体も洗っちゃおっかな。なーんちゃって」
幼馴染「えぇ!?いいの!?」
幼馴染「いや……で、でもあたし」
幼馴染「あ、背中だけ。そうだよね。うん」
幼馴染「じゃあ泡立てるね」
幼馴染「手あったかいでしょ」
幼馴染「洗うね」
幼馴染「……」すりすり
幼馴染「……」すりすり
幼馴染「…な、なんか喋ってよ。気まずいじゃん…」
幼馴染「か、感想? うーんと……ごつごつしてますね」
幼馴染「背筋大事だもんね。さすが全国行っただけあるなぁ」
幼馴染「つつー♪」
幼馴染「あははっ!ごめーんいたずら」
幼馴染「なんて書いたかあててみてね」
幼馴染(わー何かこう。楽しー)
幼馴染「まってまって考え中!」
幼馴染「急かすな! うーんじゃあ」
幼馴染(ス…キ…)つつー
幼馴染(あれ…なんでスキって書いちゃったんだろ。やば!)つつー
幼馴染「わ、わかっちゃった…?」
幼馴染(やっぱそうなんだ…)
幼馴染(あたしはこいつのこと…)
幼馴染「ねぇ……はやく何書いたかあててみて…」
幼馴染「…わかんないならもう一回かくよ。何回でも書くよ」
幼馴染(好きだよ…大好き)つつー
幼馴染「わかったよね?」
幼馴染「口に出して言ってみて」
幼馴染「次は?言ってみて……」
幼馴染「……惜しいね」
幼馴染「こたえはスキーでした」
幼馴染「伸ばし棒あったでしょー?」
幼馴染「あははっ、なーに耳まで赤くして答えてんの!かわいーとこあるんだ」
幼馴染「怪我なおったらスキー行こうよ。ね?」
幼馴染(あぁあたしのバカ)
幼馴染「だめ?だよね…恥ずかしいもんね」
幼馴染「けどあたしもうどのみちびしょびしょだし、後で入り直すのめんどくさいからさ」
幼馴染「少しの間目…つぶっててくれるかな…だめ?」
幼馴染「すぐあらってでていくから」
幼馴染「それにいまさら裸でどうこう言う仲じゃないじゃん?」
幼馴染「み、見ちゃダメだからね」
幼馴染「見たら明日から手伝ってあげない」
幼馴染「…」
幼馴染(うわぁ脱いじゃった。好きな男の子の前で裸…うわわわ///)
幼馴染(いやいやむこうはこっちの裸になんて興味ないって!)
幼馴染(さっさと洗っちゃお)
幼馴染「じゃ。おさきに!」
幼馴染(ああああああああ///)
幼馴染「なんか柄にもなく大胆なことしちゃったよぉぉぉお」
幼馴染「絶対ヘン夕イだとおもわれた…ひかれた!あああころしてくださいー」
幼馴染「あたし…なんで最近舞い上がってるんだろ」
幼馴染「これじゃ彼女じゃん!」
幼馴染「うるさいな。こいつ効き手つかえないんだから仕方ないでしょ」
幼馴染「周りの人が手伝ってあげないと」
智美「じゃ手伝うのはあたしでもいいってこと!?」
智美「男くーん。たべさせてあげるよー。あーん」
幼馴染「や、やめてよ!」
智美「はい本性出た。くすくす」
智美「邪魔しないわよーっと」
幼馴染「か、からかわれてる!?あたし迷惑かな?」
幼馴染「いいの? 迷惑じゃないなら手伝う…あーん」
幼馴染「と、時々掃除に来てますので。あんまりにもだらしないものですから」
母親「ふぅーん」キョロキョロ
母親「食器おおいね」
幼馴染「! ええ、えっとそれは…来客用…だよね」
母親「誤魔化さなくていいのに」
母親「たすかるわぁ。こんなしっかりした娘がついてくれてるなら、安心できちゃう」
母親「もう胃袋もがっちりつかまれてるの?」
幼馴染「そ、そんなんじゃないですってばぁ!//」
幼馴染(19)「あーあもう雪解けの季節かぁ」
幼馴染(19)「スキーいけなかったねぇ」
幼馴染(19)「また来年かな」
幼馴染(19)「体の具合どう?かなり鈍ってる?」
幼馴染(19)「ん?何が残念なの」
幼馴染(19)「お風呂……? ば、ばかぁ!」
幼馴染(19)「なんで快気祝いでそういうこというかなー」
幼馴染「やっ、いまのうそ!」
幼馴染「はいるわけないじゃん!」
幼馴染「もうすぐ20歳だよ!? ないないっ!」
幼馴染「こらーもう一回骨おろうとするなー」
幼馴染「やっぱりうれしいもんなの?」
幼馴染(男の子ってそんなもんなのかなぁ)
幼馴染(すけべだ…)
幼馴染(男の子ってアレしたりしないのかな?)
幼馴染(っていうかあたしのせいでできなかったよね?)
幼馴染(こいつなんにも言わないけど、たまには気きかせて帰らなきゃだめかー)
幼馴染「じゃ、じゃあもうお世話いらないしあたし帰るね」
幼馴染「ばいばい」
くいっ
幼馴染「あんまり人に頼ってちゃ堕落するよー」
ぎゅ
幼馴染「!?//」
幼馴染「な、なに…?」
幼馴染「びっくりするじゃん…」
幼馴染「は、離してよ」
幼馴染(ていうかなんで急にだっこしたのー?!)
幼馴染(うう…わかんないよぉわかんないよぉ)
ぎゅう
幼馴染「……っ」
幼馴染「なに?苦しいよ…」
幼馴染「なんか言いなよ…」
幼馴染(あ……そっか)
幼馴染(こいつも、離れるの嫌なんだ)
幼馴染「ねぇ……終電なくなるまで、こうしてて」
幼馴染「くふ。おはよ」ツンツン
幼馴染「朝ごはんつくるね」
幼馴染「いつものことだから気にしないで」
幼馴染「そうだ。せっかくだから今日朝からどこかいこっか」
幼馴染「どこ行く?」
幼馴染「やっぱりあそこ?だよね」
幼馴染「水族館だけじゃなくて、パークの方も入れるチケット買お」
幼馴染「魚見るだけだとあんた飽きるでしょ?」
幼馴染「あとまだあんまし歩けないだろうし、休憩しながらにしようよ」
幼馴染「みて!これなんで他のお魚食べられないの!?」
幼馴染「ねーこの魚キモくない?あんたの寝顔みたいな顔してる」
幼馴染「タコみてたらたこ焼きたべたくなってきちゃったな」
幼馴染「みてみてペンギン~♪」
幼馴染「かわいすぎ!行進してる!」
幼馴染「一匹くらい持って帰っちゃだめかなぁ!?」
幼馴染「年甲斐もなくはしゃいじゃった」
幼馴染「だ、だって…」
幼馴染「ようやく一緒にこれたんだもん…」
幼馴染「…どうしたの?ちょっと疲れた?」
幼馴染「ご、ごめん、怪我明けにこんなに歩かせてきついよね」
幼馴染「パークの方にベンチとか芝生とかあるから休憩しよ」
幼馴染「お昼にしよっか」
幼馴染「お弁当。じゃーん。あんたの好きなおかずばっかりにしてみた」
幼馴染「うれしい?お祝いだからね」
幼馴染「いっぱい食べてね」
幼馴染「あーん……はもうしなくていいんだった//」
幼馴染「ごめん…ここ数ヶ月の癖で…」
ぱくっ
幼馴染「えっ…いいの? うん…じゃあ……あーん」
幼馴染「あーん」
幼馴染「ん~おいし~。自画自賛」
幼馴染「あんたにしてもらうのはじめて…えへへ」
幼馴染「これは……デートみたいだね」
幼馴染「って…デート…だったね」
幼馴染「そっかようやく……ようやくデートできたんだ」
幼馴染「長かったね…」ぽすっ
幼馴染「…ご、ごめ。なんか…わかんないけど、涙が」
幼馴染「おかしいね。こんなに嬉しいのに」
幼馴染「文字書くからあててみて…答えるチャンスは一回だけ」
幼馴染「……」つつーすいすい
幼馴染「…な、なんでしょう//」
幼馴染「……うん。正解だよ」
幼馴染「今度は…伸ばし棒なしだから」
幼馴染「好きだよ」
幼馴染「ずっと、側にいたいな」
友子(22)「招待状?」
友子(22)「……へぇ! そっか。そっかそっかぁ」
友子(22)「よかったね…」
友子(22)「慶んで出席…っと♪」
おわり
王道っていいよね
乙
>>1はやればできる子だと信じてたよ。