幼「こうなることが予想できたはずなのに言う方が悪い」
男「マジかよ俺は勇気を出して言ったっていうのに…」
幼「嘘だね。だいたいことあるごとに同じこと言って同じ結果になっているじゃないか。学びなよ」
男「諦めないことが大事なんだよ!だからこれからも同じこと言い続けるよ」
幼「へえ」
男「へえってお前、もうちょっと反応くれたっていいんじゃないの?」
幼「…頑張ってね」
男「他人事みたいに言うな!」
幼「え?さっきのボクに言ってたの?」
男「本当に他人事だった!」
幼「だってボクには関係ないでしょ?」
男「あるよ!何でお前は告白もまともにとってくれないの?」
幼「んー、嫌だからかな」
男「直球ストレートど真ん中!?」
幼「諦めずに何度もぶつかれば道は開けるさ、頑張れ」
男「まさか振った本人にそう言われる日が来ようとは…」
男「でも裏を返せば何度も言えば受け入れてくれると!そうなんだろ?幼」
幼「え?本読んでて聞いてなかった」
男「せめて聞いて!」
男「ああ、大好きだ!」
幼「…どのくらい」
男「すごく!」
幼「それだけ?」
男「何よりも!」
幼「…ふう、君の発想は残念だね」
男「世界中を敵に回してもお前を愛するぐらい好きだ!」
幼「臭すぎ」
男「どうしろってんだよ!」
幼「無い頭絞って考えてみれば?」
幼「いい、もういいから黙ってよ。やかましい」
男「やかましい!?酷い!」
幼「まったく、連呼しすぎだよ」
男「というか何でいつの間にかフード被ってんの?可愛い顔が見えないじゃん」
幼「…別に見なくていいよ」
幼「ボクは君が嫌いだよ」
男「嫌いって言うなら何でいつも俺の家にいるんだ?」
幼「…………居心地がいいから、かな」
男「居心地がいいからってわざわざ嫌いな奴の家に来るとは」
幼「あと君をいじるのがすごく楽しい」
男「酷い!」
幼「パーカーが好きだし便利だからね」
男「便利?」
幼「君の顔が見たくないときにはこうやってフードを被れば見なくてすむからね」ぱさ
男「」
幼「さぁ?」
男「お前は可愛いから笑顔とかもっと可愛いと思うんだけどな。見せてくれたらなぁ」
幼「そう、かな…」ぱさ
幼「…もう一回言って」
男「見せてほしいなぁ」
幼「その前」
男「お前は可愛いから笑顔とかもっと可愛いと思うんだけどな」
幼「もう一回」
男「お前は可愛いから笑顔とかもっと可愛いと思うよ」
幼「もっと」
男「お前は可愛いから笑顔とかもっと可愛い」
幼「さらに」
男「お前は可愛いから笑顔とかもっと可愛いよ」
幼「うん、いくら言ってもしないけどね」
男「じゃあなぜ言わせた」
幼「嫌がらせ、かな」
男「マジすか…」
幼「秋だね」
男「秋といえば」
幼「読書の秋」
男「芸術の秋」
二人「味覚の秋」
二人「ということで」
男「どっか食べに行こうぜ」
幼「何か料理つくってよ」
男「え?」
幼「ん?」
幼「ボクは君の手料理が食べたいって言っているんだよ?君の、手料理」
男「いや、どっかに…」
幼「ああそうかい、君がいつも言っているボクへの愛はそんなものかい。ボクの頼みを断るんだ」
男「いや、だから…」
幼「それじゃ、ボクは帰るよ。もしかしたら二度と来ないかも」
男「分かった分かった!俺が作るから」
幼「ふふ、よろしい」
幼「どれどれ」
_____
___
_
幼「美味しかったよ」
男「そりゃよかった…」げっそり
幼「60点かな」
男「辛口!」
幼「長い付き合いだからね。君が誉めると調子に乗る性格なのはよく知ってるよ。だから60」
男「本当は?」
幼「秘密」
幼「ボクは嫌いだよ」
男「大嫌いって言わないだけ俺に好意が少しはあるんだよな?」
幼「…感覚麻痺ってないかい?」
男「へ?」
幼「…触ってみるかい?」
男「いいのか?」
幼「いいよ…君だしね」
男「じゃあ遠慮なく」ナデナデ
幼「ん、お、おい。何か…ん、ちが、違うぞ」ナデラレ
男「おっと失礼」さわさわ
幼「ふう、次やったら怒るからね?」
男「ごめんごめん、ついな」
幼「…で、どう?」
男「すごく手触りが良く良い髪質です」
幼「そ、そうか…君のため…じゃないけどいつも時間をかけて手入れしているからね。髪の長さに比例して手入れにかけなきゃいけない時間も長くなるから大変だよ」
男「そりゃご苦労なことで」
幼「そ、そろそろいいかな?」
男「いや、もう少し」
幼「し、仕方がないね…あと少しだけだよ?」
幼「うわっ、ボクは嫌いだ!こっちに来るな!」
男「」ガーン
男「…」
幼「うわ、いつも以上に落ち込んでる。そんなに落ち込まないでよ」
男「………はぁ」
幼「ボクが悪かったよ。ごめんって。あぁめんどくさいなーもう」
幼「うわ、めんどくさい」
男「大好きな幼にここまで嫌われるなんて…死のう」
幼「…分かったよ。おいで」
男「?」
幼「目をつぶって」
おお?押して駄目なら引いてみな作戦は成功か?
め、目をつぶれってことは…ま、まさかキス?
ギュ
幼「目を開けたら殺した上で絶交するから」
前から抱き締められて耳元で呟かれる。物騒すぎる内容だが
いや、それでも嬉しいわ。大きな胸が…
幼「はい終了」
幼「何その物足りなさそうな顔」
男「…いや」
幼「しつこいストーカーを撃退する方法が載っている本」
男「え」
幼「少し試してみたいな」
男「あ、あの…何で俺を見て言っているんでしょうか」
幼「ねぇ男」
男「あ、俺そろそろ帰らなきゃ…」
幼「ここ君の家だよ?」
男「…そうでした」
幼「ボクのお願い、聞いてくれるよね?」
男「な、内容によります」
幼「聞いてくれるよね?」
男「な、何でしょうか」
幼「…抱きついてきていいよ?」
男「マジで!?じゃあお言葉に甘えて!」バッ
幼「ふんっ!」
一本背負いで吹っ飛ばされ、綺麗に弧を描いて飛んでいく俺だった
男「ぎやああああ!」
ドッガーン
幼「流石に洗濯ぐらいきちんとしてるよ。君じゃないんだから」
男「俺だってちゃんとしてるよ!」
男「そういう意味じゃなくてスカートとか履いたりしないの?ってこと」
幼「ヘン夕イ(男)対策にスカートは履かないことにしているんだよ」
男「あれ?『ヘン夕イ』に妙な含みがあるような気がしたんだが」
幼「気のせいだね」
男「?まあいいや、たまにだけでいいから履いてほしいなぁ」
幼「…似合うと思うかい?」
男「元からすごく可愛いお前が似合わないわけないだろう」
幼「そうか、そうか。なら検討するだけしてみるよ」
幼「ボクは嫌いだよ」
男「もう挨拶みたいになってきたな」
幼「ふふ、確かに」
男「そういえばお前って何でいつも無表情なの?」
幼「いつもってわけでもないよ」
男「そうなのか?お前の他の表情ってあまり見ないぞ?」
幼「君なんかにボクの笑顔を見せるのはもったいないからね」
男「酷い、俺が何をしたって言うんだ」
幼「何も?ただの嫌がらせだよ」
男「…そういえばこの間ゴキブリが出たときは珍しく表情が…」
幼「それ以上言ったら殺す」
男「あ、はい…」
幼「いきなり後ろから抱き締められたりしたら流石のボクも驚くかな」
男「ほほう」キラーン
幼「…」←読書中
男「今だ!」バッ
す
ダーン
次の瞬間、俺は宙を舞っていた
幼「自分の弱点を言ったすぐ後で警戒しないわけがないだろう」
ですよねー
男「何を今さら!当たり前じゃないか!!」
幼「じゃあボクで工口い妄想もするの?」
男「まあな、大好きなんだからしないわけはない!いつも自室の布団であんな妄想やこんなm」
幼「もしもし警察ですか」
男「しまった誘導尋問だったか!」
幼「もしもしセクハラパワハラ猥褻物陳列罪に詐欺罪の超絶キンクオブヘン夕イが目の前に」
男「何そのネーミング!罪状がすごい増えてるし!百歩譲ってセクハラは事実でもその他全部は冤罪だしパワハラに至ってはかすってすらいねえ!」
幼「いやはや君は全くもっていじりがいがあるね。君が友人でボクは本当に幸福者だよ」
男「なんだろう、素直に喜べない…」
男「どうした?いきなり」
幼「いや、今読んでて気になってね。普段ボクのことを好き好き言っている君はボクのために死んでくれたりするのかな?」
男「作中のは死んだふりだけどな。ま、お前のためならするかもな」
幼「そう、じゃやって見せて」
男「え」
幼「はいナイフ」
男「え?ええ?ええええ!」
幼「ほら早く、早く」
男「何でそうなった!お前は俺に何の怨みがあるんだ!」
幼「とぼけるな!君はボクの父を殺した仇じゃないか!!」
男「それロミジュリじゃなくてハムレットだろうが!」
幼「いいじゃないか君は両親がいないんだから」
男「死んだみたいに言うな、まだ健在だ。たまにしか帰ってこないだけだし」
幼「そんな天涯孤独な君に毎日会いに来ているんだ。むしろありがたいと思って欲しいね」
男「おい、天涯孤独って誰のことだよ」
幼「ん?君のことだよ?」
男「俺両親生きてるから!何度も言うけど生きてるから!」
幼「ちっ」
男「ち!?」
幼「ま、安心して良いよ。そんな哀れすぎて目も当てられない君のところにはボクが毎日来てあげるから」
男「どうしよう、泣きそうだ」
幼「感謝と感動で?」
男「いや、悲しみで」
男「…そうかな?お前がそう言うならそうなんだろうな。そろそろ切りに…」
幼「ボクに切らせて」
男「ちょっと行って来るわ!」
幼「逃がすか」
男「いやぁああ」
幼「待て、何故逃げる。好きな人が髪を切ってくれると言うと男は喜ぶはずじゃないのかい?」
男「お前は絶対嫌がらせ目的だろ!!」
幼「大丈夫、学んだ」
男「何で?」
幼「ピカソの絵」
男「俺をどうする気だ!!!」
幼「ゲルググ」
男「は?」
幼「…間違えた。ゲルニカだ。ゲルニカを君の頭全体で表現してみた」
男「するなよ!酷いにもほどがあるよ!!」
幼「これぞ芸術」
男「人の頭で芸術を作り上げるな!」
幼「君が頭を差し出したんじゃないか」
男「差し出してないよ!一瞬で意識刈り取ったのはどこのどいつだ!」
幼「ボクだね」
男「…はぁ、どうしようこれ」
幼「そのまま学校行きなよ」
男「これで行くぐらいなら坊主にするわ!」
※>>1が投稿する直前に見直すまでマジでゲルググだと思っていました
幼「あ、猫」
男「本当だ。ここら辺は多いしな」
幼「ほら、おいで」
<ニャー
猫は何の警戒もせずに幼の元へ行き、抱きかかえられるままに大人しくしている
男「お前って本当に猫に好かれるな」
幼「猫ちゃんたちもボクの良さが分かるんだよ。君とは人間としての出来が違うんだね」
男「うっせーな、俺にもモフらせろ」
<ニ゙ャ゙ー
男「ギャー、手を伸ばしただけなのにひっ搔かれた!」
幼「どんまいだね。ぷぎゃーとも言う」
男「あぁ、猫にも嫌われるのか俺は」
幼「…ボクより?」
男「え…」
幼「…」
男「あ、いやお前のh」
幼「はい時間切れー失格」
男「え、失格って何の話」
幼「今のに瞬時に返せるようじゃなければ君はボクの彼氏となる資格は無いね」
男「」
幼「…反論は?」
男「いやもちろんお前のほうが可愛いとは思ってるし今答えられなかったのはいきなりだったからだしもう一度チャンス欲しいよ」
幼「うん、嫌だ」
男「…」
幼「うん、君はどうでもいいけどここで本を読むのは楽しいよ」
男「どうでもいいんかい」
幼「うん、むしろ本を読むのに邪魔かな」
男「」ガーン
幼「」ペラ←再び本に集中
男「」
幼「」ペラ
男「」
幼「…」
男「」
幼「……」
男「」
幼「…暇、やっぱり黙らないでよ。いつも通り退屈でつまらないバカ話して」
男「どっちだよ!ってか誰の話が退屈でつまらないバカ話だ!」
幼「うん、それでいい。いつも通り壊れたラジオのように不快な声でしゃべり通しておいて」
男「本当に何なのお前…せめて話すときぐらい本から顔上げろよ」
幼「いや、君をいじるのは本当に楽しい。好きだよ」
男「だから素直に喜べないのは何でなんだ」
男「幼」
幼「…」
男「また読書に集中してら。幼?」
幼「ん?」
たまにはいたずらしてやるか
男「足元にゴギブr」
幼「やああぁぁああ!」ガタタ
男「ぷっ」
幼「…」
幼「…///」カァア
幼「だ、騙したなぁ!」
男「ふっ、俺をいつもからかっている罰だ」
幼「こっ、ころ」ビリ
男「ビリ?」
幼「あ…あ」
幼「ぼ、ボクのパーカー…」
や、やべ…
幼「…ど、どうしよう。ボクのパーカー…破れちゃったよ」ウル
男「幼…」
幼「弁償」
男「…分かったよ。えーと?いくら?」
幼「それだけじゃダメ」
男「じゃあ何を…」
幼「君も一緒に来てボクに似合うの探してよ」
男「えー」
幼「君のせいだろ」
男「はいはい…ごめんって。悪かったよ。そうするから」
幼「」ムス
男「だからごめんってば」
幼「…じゃあボクに似合う服を三秒以内に見つけて来てよ」
男「ごめん、無理」
幼「何秒でも良いから今すぐ」
男「お、おう」
幼「地味すぎ」
男「じゃあこれは」
幼「…派手かな」
男「これ」
幼「…微妙」
男「どうだ!」
幼「問題外…ってそれパーカーじゃないし」
男「いいじゃんたまには露出度の高いもの着てくれたって!」
幼「うるさいよ。ほら次」
幼「色が気に食わない」
男「」ばっ!
幼「その文字要らないな」
男「これなら!」
幼「そのハートマークはボクにあわない」
男「ええい!モコモコ付き!」
幼「それ冬用」
男「袖なし!」
幼「夏はもう終わったよ」
男「キャラ物!」
幼「もう卒業した」
男「クールな模様付き!」
幼「それ男物」
男「ケモ耳パーカー尻尾付き」
幼「返して来い」
男「あのアニメキャラ仕様の限定パーカー」
幼「なんでそれがここにあるの…ってか流れがおかしくなってない?」
男「巫女服!ナース服!」
幼「もはやただのコスプレじゃないか!」
幼「また…うん、これは気に入ったよ」
男「良かった。これは絶対お前に似合うって思ったんだ。可愛いよ」
幼「…ありがと」
さっそくパーカーを買って何故か顔を隠すようにフードを深く被る幼だった
男「幼!学校行こうぜ」
幼「遅い、もっと早く来い」
男「良いじゃないか。早く来たって何も無いし」
幼「学校という憂鬱な場所に行く前に少しぐらい朝の空気を吸いつつ寄り道でもしたいんだ」
男「自分一人ですれば?」
幼「君みたいないじり相手がいないとつまらない」
男「…さいですか」
幼「君みたいないじりがいのある玩具が一緒のクラスにいることだけがボクが唯一学校で正気を保てる理由かな」
男「お前の大事な存在になれてるようで俺はすごく嬉しいよちくしょう」
幼「嬉しいか、それは良かった。君はMだね、ドMだね」
男「お前はまごうことなくSだよな。俺は痛いのは嫌いだからお手柔らかにな」
幼「保証はしない」
男「だと思った…」
幼「…男、先に入りなよ」
男「…?まぁいいけど」
ガラッ
男「あぶなっ!」
ジャバッー
上からバケツに入った水がっ!
何とか避けきれたぜ
幼「ボクのためにトラップ解除お疲れ、さぁ入ろうか」
男「分かってて俺を先に入らせたな」
幼「何を当たり前のことを」
男「はぁ…ってこんなことをするのはお前らしかいねえだろゴラ!謝れ!!」
友「…知らんなぁ」
女「知らないねぇ、やはは」
男「このいたずらっ子どもめ…」
幼「賑やかなのは良いことだよ」
男「俺が被害を受けなければな」
男「全然だ。難攻不落にもほどがあるぜ」
友「回りからしたらじゅうぶんラブラブだとさ」
幼「よしてくれ。ボクがこんなのにデレるわけないじゃないか」
女「素直じゃないねー。本当は今すぐにでも甘えたいくせに~」
幼「そんなわけないじゃないか。だいたいボクにそんなのは似合わないよ」
男「まぁ確かに違和感は気持ち悪いくらいにあるかもな」
幼「気 持 ち 悪 い?」
男「あ、いや、可愛いです。はい」
幼「よろしい」ドヤッ
幼「ん?」
男「大好きだ」
幼「が、学校に来てまで言うな!」
男「嫌か?」
幼「好かれるのは悪い気はしないよ?」
男「マジ!?」
幼「ふふ、でも嫌だ」
男「……期待させといて落とすとか酷くね?」
幼「ボクは楽しいよ?」
男「何を当たり前のことをむしろ愛してる!地球のへそで愛を叫んだっていい」
幼「エアーズロックを汚すのはやめようね。じゃあこの教室で愛を叫ぶことは出来るかな?」
男「お安い御用だ!」ガタ
幼「へ?」
教壇に立つ男
男「皆!聞いてくれこの俺男は」
ザワザワ…ザワザワ…
男「我が愛しき幼馴染に愛を…」
幼「ちょちょ、ちょっと待って!///」
幼「そりゃ止めるよ…さすがのボクもあの場で言おうとするとは思わなかった…///」
要注意だ。ボクの幼馴染はこんなにも恐ろしい
男「ってか顔赤くなってないか?」
幼「…夕日のせい」プイッ
男「空青いけど?」マワリコミ
幼「うるさい」パサ
…せっかく回り込んで顔見てやろうと思ったらフードで隠しやがった
幼「ボクも好きだよ」
男「え!?マジ!?」
幼「この数学の教科書くらいには」
男「それお前の一番嫌いな強化だよな!?」
幼「数学の教師と教科書とあとアルキメデスには滅んでもらいたいね」
男「遠まわしに俺に死ねって言っているよな!?あとアルキメデスさんとばっちり!もう死んでるけど」
男「ん?」
幼「……もしボクが誰か君以外に彼氏を作ったら君は…どうする?」
男「…まじめな答えとふざけた答え、どっちがいい?」
幼「前者」
男「…そうだな、お前が本当に幸せならそれで良いって手を引く…かな」
幼「不正解」ボォッ
男「ちょっと待てそれ、お前がライターで炙ってるそれ!!俺が苦労して手に入れた某アイドルの超シークレット写真集」
幼「ボクの痛みよ世界を焼け」ボォオッ
男「油注ぐなぁ!!」
_____
___
_
幼「…お前をものにするまで諦めないぐらい言って見せろヘタレ」
男「…酷い」orz
幼「…聞いてる?」
男「うぁああ!あれもう手に入んないのにぃいい!!」
幼「ど、どうしよう。や、やりすぎちゃった…かな」オドオド
男「…そうか?」
幼「うん、こんなにも君の顔を見つめているだけで幸せになれるとはボクは思わなかったよ」
男「そうかそうか」
幼「うん、大好きだよその顔。あぁ幸せだなぁ。こんなにも、こんなにも」
幼「君の苦しそうな顔を長々と見れるとはね♪」
男「知るか!助けろ!!!」
幼「男、男、野球拳しよう!」
男「…は?」
幼「野球拳だよ、それとも君はバカだから知らないのかな?」
男「ちょっ、待てって、お前それどんな遊びか知ってるのか!?」
幼「じゃんけんで負けたほうが脱ぐ。でしょ?」ドヤ
男「いや、そうだけど…お前後悔するぞ?」
幼「ふふ、ちなみに今日は裸パーカーだよ?ブラも無し」ムネチラ
男「やろうじゃないか!」
女「幼ちゃん幼ちゃん」
幼「何だい?」
女「突然だけど~男くんと野球拳をしてもらうんだよー!」
幼「な、なっ、なぁー///」
女「にぱー☆」
幼「や、やるわけ無いだろ!!///」
女「男女でやると更に仲がよくなるんだよ~」
幼「…で、でも…だな///」
女「…ふ~ん、やらないならいいよ。この水泳の授業のときに偶然撮れた写真を男くんに~」
幼「わ、分かった!やる!やる!///」
幼「あいむ、うぃなー」ドヤ
男「…で、俺は脱ぐのか?///」
幼「顔を赤らめるな、気持ち悪い」
男「酷くね!?」
幼「うるさい。…でも脱ぐのも気持ち悪いな」
男「更に酷い!」
幼「よし、ツイスターゲームをやってもらうよ」
男「おぉ!!」
幼「ただし君一人で」
男「」
幼「あぁ、幸せ」
男「このドSがぁああ!!!」
幼「腹から声出すともっと苦しいよ?」
男「ぐ、ぐぬぬ…」
男「お、お前が『いい』って言ってくれれば俺は解放されるんだ…」
幼「ふふ、『良くない』」
男「ぬおぉおぉおおお…」
幼「どれどれ?お馬鹿な君に手取り足取り教えようじゃないか」
男「」つ『流石』
幼「『さすが』」
男「」つ『五月雨』
幼「『さみだれ』」
男「」つ『深淵』
幼「『しんえん』」
男「」つ『男』
幼「『バカ』」
男「おいこらてめぇ!」つ『秋刀魚』
幼「『さんま』」
男「」つ『鰯』
幼「『いわし』」
男「」つ『乾飯』
幼「『かれいい』」
男「よっしゃ!『いい』って言ったな!」
幼「えっ、あっ、しまった!」
男「どや」
幼「ぐぬぬ…」
男「ん~、お前が昼休みにそんなこと言うなんて珍しいなぁ。しりとりでもするか?」
幼「発想が残念だね」
男「うっせえ、じゃあお前考えろ」
幼「…しりとり」
男「結局やんのかよ。りんご」
幼「ごりら」
男「らっぱ」
幼「ぱんだ」
男「大好きだ。幼」
幼「っ…」パサ
男「いきなりフード被ってどうした?」
幼「な…何度言われてもボクの答えは変わらないよ。嫌いだ」
男「大好きだよ」
幼「よ…よるな気持ち悪い」
男「いいかげんオッケーしてくれよ。こんなにもお前のことが好きなんだってば」
幼「ば…バカ、だよ……君は///」
幼「日も何も幼馴染なんだから物心ついたときから一緒だったじゃん。それから長い間ずっといっしょにいたね」
男「寝よう!いっしょに!今すぐ!!」
幼「愚の骨頂だ!!」
男「大好きだ!幼結婚してくれ!!」
幼「例によって断る」
男「ルビーの指輪とかどうかな?婚約指輪」
幼「わくわくするね。気合入れて婚約指輪を用意して期待に胸を膨らませた君を振って絶望させるのが」
男「が…ガーン」
幼「…もう終わり…?」
男「だってもう授業始まるし」
幼「………ちぇ…」
男「幼!大好きだ!!」
幼「大嫌い…ってほどでもないかな。でも嫌いです」
男「好き!付き合って!」
幼「天地がひっくり返ってもありえませんです」
クラスメイト一同(まだやんのかよ!)
男「好きなんだ!!」
幼「ダチョウクラブのノリで熱湯に突っ込まれてしまえばいいのにです」
男「好きだ!何よりも!!」
幼「モズクの方が食べて美味しい分君より好きです」
男「好きだよ。世界中の誰よりも」
幼「もうやだ、早く終わってくださいです」
男「好きだ!」
幼「だが断ります」
男「好きだったら好きだ!!」
幼「抱きしめていいよ。そんなに好きなら。サボテンを…です」
男「好きだぜ、愛してる」
幼「流島の刑になってボクの目の前から姿を消せばいいのに…です」
男「好きなんだ。この愛は宇宙より大きい!」
幼「意味不明すぎる…です」
男「好き…」
クラスメイトのモブ「なぁ、あれって…」
モブ「あぁ、最後、むりやり『です』に繋げてるよな」
女「きっと何だかんだ言って『好き』って言ってほs…」
幼「」ギロリ
モブ’s「ひぃ!」
男「なぁ幼」
幼「何?」
男「お前ってクーデレだよな?」
幼「…まぁ、そうだね」
男「クーデレって素直クールとも言うよな」
幼「今はあまり聞かないけどね」
男「すな…お…?」
幼「…何か?」
幼「何言ってんだい?ボクは素直だよ」
男「どこがだ」
幼「いつも君にな素直に気持ちを打ち明けているじゃないか」ス
男「っ!?」
お、おお幼が俺に体を寄せてきただと!?
デレですか!?デレですか!
幼「ふふ」
さ、更に俺にもたれかかってきた!
幼「男」
男「な、何?」
幼「おーとこ♪」
なんだろう、ここまでデレると逆に気味悪い
幼「さて、いつも通り君に素直な気持ちを言おう」
男「おおう!?」
幼「男、ボクは」
男「うん!」
幼「ボクは君のことが」
男「うん!」
幼「だいっっっっきらいだ♪」
男「」
男「」
幼「あれ、気絶しちゃったよ」クスクス
幼「君が気絶している間に膝枕してあげたよ?」
男「あなたは天使だ・・・」パァア
幼「無論嘘だが」
男「ですよねー」
幼「だいたい覚えてないんじゃ意味無いんじゃないのかい?」
男「じゃあ逆に聞く。お前が寝ている間に俺がキスをしたらどう思う?覚えてないから意味無いと思うか?」
幼「違うね」
男「だろ?されたことはどっちみちうれし…」
幼「知った時点で君を殴り殺してる」
男「180度方向が違った!」
幼「まさか」
男「ほんとに!?」
幼「うん嘘」
男「鬼!」
幼「ふふ、面白いな君は」
男「ふざけんなこら」
幼「いや、本当に君はからかうと面白いな。そういうところは好きだよ。ずっとこうして一緒にいたい」
そう言いながら身を寄せてくる
男「お前の愛歪んでね?」
幼「そもそも愛なんか君には無いけどね」
男「ですよねー(泣)」
男「そうだな、でもコタツ出したからいいだろ?」
幼「…手が寒い、かな」
男「じゃあ手もコタツに入れれb」
幼「手が寒いかな」
男「だから手も入r」
幼「手が寒い」
男「分かったよ。手を出せ」
幼「ん」つ
男「これでいいか?」
幼の手を俺の両手で包み込んだ
幼「うむ、君の手は暖かいな」
幼「ふう、色々あって男を教室に置いたままけっこう離れてしまった」
幼「む?どこかから説明乙と聞こえた気がするな…」
教室
美少女「あの、男くん好きです!」
男「えと…あー」
教室外
幼「えっ、え…ど、どういうこと…?」
幼「お、おとっ、男が…」オドオド
女「告白されてるねー」
友「しかもあいては学年一の美少女と来た」
幼「うわっ、君たちどっから」
女「いいのー?」
友「取られちゃうぜー?」
幼「ん、ぼ、ボクは男のことなんか嫌い…だからね。おと、男がっ、じゃ、だ、誰に告白されようと関係ない…もん…ね」
友「そのわりには涙目だぜえ~?」ニヤニヤ
女「涙目だね~?」ニヤニヤ
女「もしオッケーしてしまったらどうしよう」
友「あぁ、ボクは今まで嫌いって言ってきたもの。ボクのために思いとどまるなんてしないだろうなぁ」
女「あぁ男、こんなことならもっと好きって言っておくべきだったなぁ」
友&女『とか思ってるでしょ!』
幼「お、思ってやいよ!…ないよ」
友「嚙んだ!」
女「噛んじゃったねー」
友「内心そう思っていたってことだな」
女「手遅れにならない内になんとかしたほうがいいんじゃないかな?かな?」
幼「…」
下を向いて拳を握り、唇を噛む幼
幼「…うん」
正面を向く
男「それが…」
ガラッ
幼「お、男っ!」
男「幼?」
幼「そ、その、えと…おと…男…えと…」
目線が泳ぐ、でもそれはほんの数秒のことですぐに男をまっすぐと捕らえる
幼「ぼ、ボクは君が…きだ」
美少女「…」
男「?」
幼「だ、だからその女に返事なんかしないでほしい。ぼ、ボクは…ボクは君に…」
男「あぁ今断るところだったよ」
幼「え?」
美少女「ああ大丈夫ですよ。そもそも告白自体違うんで」
二人『へ?』
美少女「ごめんね、実は全部嘘なの」テヘ
幼「え?え?」
友「ネタバラししちまうとー」
女「あたしと」
友「俺が」
女「仕組んだことなんだよー」
幼&男「」
友「姉御が嫉妬するのが見たくて女ちゃんが美少女さんに嘘告白させたことなんだよね」
男「な、なんじゃそりゃー!」
幼「じゃ、じゃあボクの…も嫉妬も覚悟も全部…全部…」
女「ぜーんぶあたしたちの手のひらの上だったんだよね。にぱー☆」
幼「よ…よ…四人とも大嫌いだー!」
女「にぱー☆」
男「俺とばっちりだろ!」
幼「男、嫌いだ」
男「俺まだ何も言ってないよ?」
幼「ついでだ。面白い物を見つけてね」
男「ついでで人の心を切りつけていくな」
幼「やだなぁ、ボクは君の心に刻み込んでいるだけだよ」
男「何を」
幼「青春の痛みを」
男「ただのいじめだよ!」
幼「ついでだ。君もいつものあれを言うといい」
男「いつもの?」
幼「ほら、あいさつのように毎日言っていることだよ」
男「?」
幼「ほ、ほら…ぼ、ボクに…お、お前のことが…って」
男「…ああ!」
ようやく合点がいったように手を叩く男、鈍いよまったく
男「俺はお前が大好きだ」
幼「ボクは君が嫌いだよ」
男「言わせておいて酷くね?」
幼「知らないね」クスクス
幼「これだよこれ」
男「アルバムか、懐かしいなぁ…ってこれどこにあった」
幼「君の机の中」
男「漁ったんかい」
色々見られたくないものがあるんだけどな~
幼「いまいち君が二次元派なのか三次元派なのか良く分からなかったよ。とりあえず巨*ものは全部処分しておいたから」
男「見られたく無いもの丸々見られてた!それどころか分別しやがった!!」
幼「あんなちゃちな隠し場所に隠すほうが悪いね」
男「」orz
嘘だろ、あの隠し場所は完璧だったはず。だって
重さ数十キロはくだらない机の下の床と見分けがつかないカーペットの下の隠し扉のような床下収納スペースの二重底の更に下の鍵のかかった横穴に更に隠し扉付けて黒い箱の中に入れて…
それでも見つけるのかよ
幼「懐かしいね。このときのボクは君にべったりだったなぁ」
小さな俺に抱きついて頬ずりしてる口リ幼馴染、かわゆす
男「この写真と同じことしてもいいんだよ!さぁ!!」
幼「死ねばいいと思うよ」
男「えーっ」
幼「そ、それは…わ、渡せっ!!///」カアァ
男「おぉ!お前が赤くなるなんて珍しぃ!」
幼「う、うるさいよっ///」ぱさ
パーカーのフードを被る
幼「っていうか何でそんなの撮ってあるの!?とりあえずその写真渡せ。処分してやる」
男「ダメだ、こいつは俺の宝物だ」
幼「そんなもの宝物にするなぁ!///」
男「ん?いいけど…俺しか写ってないぞ?」
幼「うん、それでいいんだよ。これがいいんだよ」
それは俺が一人で最高の笑顔をして笑っている写真だった
幼「ふふ…」
幼は柔らかく笑うと写真を大事そうに胸元のポケットにしまった
男「二人で写っている写真じゃなくていいのか?」
幼「それはボクの家のアルバムにも入っているからいいよ。でも君一人が写っている写真は無いからね」
男「撮ってもいいぞ?」セクシィーポーズ
幼「気色悪い」
男「ですよねー」
それは俺と幼が手を繋いでおり、後ろから姉ちゃんが二人を抱きしめて笑っている写真だった
幼「懐かしいね。君の家族とボクの家族でいっしょに沖縄旅行に行ったときの写真だっけ」
姉「その通りなのよ!呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん」バァーン
男「うわっ、姉ちゃんいつの間に!」
幼「どっから沸いた!というか呼んでもない」
姉「何よその言い方」ジトー
新キャラ、もとい俺の姉ちゃんである。別名めんどくさい人
姉「せっかくいいもの持ってきてあげたのに」
幼「いいもの?」
姉「ショタ時代の男の泣き顔を撮った写真よ」ドヤ
男「おいこら」
幼「もらうよ」
男「おいこらぁ!」
何のために来たのだろうか。ちなみに既婚である。相手の人はどうしてあんなのと結婚しようと思ったんだろうか
幼「本当にいいものをもらってしまったよ」クスクス
男「沖縄といえば俺が現地で仲良くなった女の子と良い雰囲気になると必ず邪魔してきてたなお前」ニヤニヤ
幼「…何で君はそんなどうでも良い事を覚えているかなぁ…」ハァ
男「思えばあん時からお前は嫉妬深かったっけ。確か小3のバレンタインの時…」
幼「それ以上言うな」ジトー
男「は、はい…」
幼「悦ぶ?」
男「気持ちいいとかなんとか」
幼「ソースは?」
男「女」
幼「何だデマか」
男「お前の中では女が言うこと=デマなのか」
幼「あれは自分が楽しむために他人を平気で騙すからな」
男「じゃあ試してみるか?」
幼「何を?」
男「頭撫でてやろう」
幼「…いいだろう。やってみなよ」
幼「ふん、このくらい、どうということもないな」
ちなみに今は互いの顔を見つめながら撫でている
_____
___
_
男「おい幼、何故目線を逸らしている?」ナデナデ
幼「いや…なんとなく」
_____
___
_
男「おい幼、何故俯く?」ナデナデ
幼「いや、なんとなく…」ウツムキ
_____
___
_
男「あれ?顔は俯いているから分からないけど耳が赤いような?」ナデナデ
幼「き、気のせいだよ…こ、この部屋、暑く…ない?」
_____
___
_
幼「ね、ねぇそろそろ…やめても…いいんじゃない?」
男「何で?やっぱり気持ちいいんだろ?」ナデナデ
幼「そ、そんなわけない。何も…感じない…もん」
男「可愛いなぁもう」ナデナデ
幼「…」
_____
___
_
幼「も、もういいよっ!」バッ
手を払われた
幼「…」ぱさ
そしてフードで顔を隠す
男「顔が見えないな」
幼「うるさいよ…」
男「可愛いなぁ」
幼「うっさいっての…」
…
それから数十分後
幼「ねぇ、撫でたかったら…やっぱりもう少し撫でててもいいよ」
男「じゃあ遠慮なく」ナデナデ
幼「…」ウツムキ
幼「…お腹すいたな」
男「…」←ゲーム中
幼「…お腹すいたな」
男「食らえ!クリムゾンスマッシュ」
幼「聞け」ブン
男「うわっ!分厚い本投げてきやがった」
男「だー!ハードに当たってフリーズしやがった」
幼「君がボクを無視するからだよ」プイ
幼「…君が作ってくれればなんでもいいよ。ただしインスタントで済ませたら怒る」
男「はいはい。せっかくだ、手間かけて作ってやるから数十分待ってろ」
幼「うん、待ってるよ」
_____
___
_
男「はい出来た」
幼「うん、中々」
男「そりゃ良かった。で、代わりに何か作ってくれたりはしないのか?」
幼「面倒だよ」
男「デスヨネー」
幼「…そんなにボクが作ったものが欲しい?」
男「もちろん!」
幼「…2月辺りを楽しみにしているといいよ」ぱさ
男「遠いなー…てお前何でフード被ってんの?」
幼「…さあね」ウツムキ
幼「男、trick and treat」
男「いや、 and じゃなくて or な」
幼「いや and でいいんだよ」
男「え?」
幼「trick and treat 、 trick and treat!」
男「…まさか『おかしかイタズラか』では無く」
幼「そう、『おかしとイタズラ』だ」
男「…帰る」
幼「ここ、君の家だよ?」
男「そうだった」
幼「さあお菓子を作るがいい。その後で君にいたずらをする」
男「俺に何のメリットが!?」
幼「おお、流石主夫」
男「誰が主夫だ」
幼「ボクの夫が嫌かい?」
男「大喜びします!」
幼「ふふ、ボクは嫌だけどね。君の妻なんて」
男「酷い!」
幼「では君の泣きそうないい顔を肴にケーキに舌鼓を打つかな」パク
男「ドSめ…」ぐぬぬ
幼「ふふ、良い顔だ。好きだよ」
男「やっぱりお前の愛歪んでるよ!!」
男「お粗末様…その「ご馳走さま」にはケーキ以外も含まれている気がする…」
幼「では君にいたずらを…ふふふふ」わきわき
男「く、来るな。頼むから手をわきわきさせながら近づいてくるな!」
幼「ふ ふ ふ」
男「幼馴染が壊れた!」
男「嫌だ!逃げr」
幼「逃げたら絶交」
男「」ピタ
幼「ほら捕まえた。ふふふ」
男「しまった!」
幼「ほーれこちょこちょこちょこちょ」
男「あははははははは、ちょ、やめ、ははははは」
幼「ふふふふ、苦しいだろ苦しいだろ」コチョコチョコチョ
男「いやぁははははは、し、死ぬははははは」
幼「ふふふ、その苦しみながら笑っている顔すごく良いよ」コチョコチョコチョ
こ、このどSめぇぇええええ
幼「あ、このポテチ男が発売を楽しみにしていた新味だ」
幼「買って行ってあげよ。ふふ、男喜んでくれるかな」
幼「おっと、自然に顔がニヤついてしまっているな。あれの前ではポーカーフェイスを保たないとね」
あいつはたまに不意打ちしてくるのが卑怯だ。…本当に卑怯だ
…たまに危なかったこともあったけど何とかなった
あいつに赤くなっている顔なんて見られたくないからね。パーカーは本当に便利…かな
「…可愛いなあー」
ん?この声
幼「男?」
コンビニの窓から男が見えた
…知らない女の子と歩いている男が
どちらも楽しそうに笑いながら
ねえ、君はボクが一番好きじゃなかったの?
その笑顔はボクに向けられたものじゃ無かったの…?
何で、何で…
君の心は、その笑顔は…ボクのものだと思っていたのに…
幼「男…」
大好きなのに…
男「河合、かわいなあ…たしかあっちだよ。案内するよ」
よくある展開だよな、ただ道を聞かれただけだよ。あと河合→かわい→可愛いと聞き間違えるとか良くあるよねうん
幼「男」
男「え?幼?」
いきなり現れた我が幼馴染
男「お前なんでこんなところに…ってあれ?泣き後?なんか涙の痕があるような…」
幼「」ギュ
男「え?え?」
いきなり抱きしめられた
そして
幼「お願い、ボクの元からいなくならないで…」
男「えっ、えっ?ええ?」
さらに強く抱きしめられる
幼「お願い…男ぉ」グス
男「え?お前泣いてんの?え?どうした!?」
幼「これで…分かったでしょ?…誰が、一番か…」
男「え?何の話!?えっ?」
幼「…き」
男「え?」
幼「大好きだよ…大好きだ」
男「ちょっと待て!俺道案内してただけだ!!」
幼「え?」
男「何を勘違いしてんだお前」
幼「…だ」プルプル
男「え?」
幼「き、君なんか大っっっっっ嫌いだああああああ!///」ダッ
男「顔を真っ赤にして走り去っていった…」
女子「…追いかけなくていいんですか?」
男「追いかけたいのは山々なんだが…色々急展開過ぎて理解がまだ追いついてないや…とりあえず道案内は出来そうに無いや。ちょっと待ってね」
友「おk、俺は道案内しててやるからお前は幼の姉御をちゃんとフォローして来いよ。お前らは互いに互いが一番合っているんだからな」
男「ああ」
_____
___
_
男「幼!」
幼「何さ、この浮気者…」グス、ヒック
男「それは違うって言ったじゃないか」
幼「…うん、分かっているんだよ」ギュ
俺に抱きついて胸に顔をうずめた幼
幼「ボクが素直になれないのが悪いんだよ。君が悪いんじゃない」
幼「でも…でも今だけは…こうさせて」
男「…あぁ」ギュ
男「ちなみにさっきのは告白と取っていいよな?」
幼「だめ」
男「おれたちこれから付き合っt…え?」
幼「ボクは君が嫌いだ。君と付き合うなんてまっぴらだね」
男「いやなんだよそれ。さっきのは!?」
幼「夢、君の夢」
男「夢オチ!?」
幼「そう、君の夢」ぱさ
男「なんでフード被るんだよ」
幼「…さあね」
男「あ、メールだ」
幼「何その誰かが爆死しそうな着信音」
from.友
sub.助けてくれ
本文
あの子を道案内してたら女にばったり出くわして浮気かって言われて修羅場になった\(^o^)/
男「友、お前もか」
幼「あの女と付き合うんじゃ大変だろうね。怒らせたら怖いってレベルじゃないし」
男「何かネチネチやってきそうなんだけど…」
幼「一瞬で社会的に殺される」
男「何それ怖い!」
幼「この間2組の坂口って子が転校したじゃん?あれ…友くんを逆ナンした三日後だよ。女曰く『この学校全ての人間の弱みは握っている』と」
男「何それ本気で怖い」
辛味噌!辛味噌!♪
男「あ、今度は電話か」
幼「だからその着信音のセンスは…」
女『あたしは君たちの弱みも握っているからねー。男くん、この間×××を○○○で△▽してたね?』
男「!?」
女『うふふふふ、あたしには逆らわないことなんだよ。にぱー☆』
男「」
ガチャ、ツー、ツー、ツー
幼「何だって?」
男「いや、脅迫された」
幼「何それ」
とりあえず頑張れ友、俺は何があっても友人でいてやる
男「実は俺今日星占いで第一位なんだよ」
幼「へえ、良い事あるといいね」
男「そうだな、何があるかワクワクするぜ」
男「!?」
幼「どうしたの?まぬけがまた間抜けな顔をして」
男「誰がまぬけだ。ほら見ろ!love laeterだ」
幼「love letterね。そろそろ許してあげなよ…ってえっ?」
男「流石俺!今日は俺の最高の日だってのは本当だったのか!ひゃっほう!」
幼「」ビリビリビリビリ
男「っだあああぁぁああ!!何してくれてんだお前えぇぇええええ」
幼「いや、破くのにちょうどいい紙があったなと。ほら紙を破くとストレス発散になるじゃん?」
男「ラブレターですんな、しかも俺宛だぞそれ」
幼「うるさい、こんなの貰って喜ぶな」ボアァァア
男「ぎゃあああ、極め付けに燃やしやがったああ」
幼「よし、これで復元できない」
男「灰にしやがった」orz
幼「ふふ。さぁ、教室行こうか」
男「ちくしょおおおお」
男「あ、そういえば読みたい本があったんだ。幼、図書館付き合ってくれないか?」
幼「いいよ。ボクも何か新しい本に手を出してみようかな、面白い本はあるかな」ふふ
_____
___
_
図書館
男「うん、ここはいつ来ても迷宮だな」
幼「まったく、本棚を迷路の壁のように配置しないで欲しいよ」
男「…どんな図書館だよ」
幼「ふう、新しく入った小説57冊読み終えてしまった。この図書館の本はこれで全て読んだな」
男「…」←熟読中
幼「…暇だな」
男「…」←熟読中
幼「男?」
男「…」←熟読中
幼「…はぁ、暇だよ。男」
男「…」←熟読中
幼「ねえ男、男ってばぁ」
男「…」←熟読中
幼「…バカ」バコ!
男「いった!」
幼「…ボクを置いて他のものに集中するな」
男「…本に嫉妬するとは新しい」
幼「…」ギリギリギリギリ
男「痛いイタイイタイ!ごめん、ごめんってば」
幼「違うボク?良く分からないな」
男「いやクーデレだけじゃなくてツンデレとかデレデレとかデレデレとかデレデレとかデレデレとかヤンデレとか」
幼「そんなにデレて欲しいか…そうかそうか」
男「あの、幼さん、その右手の包丁は何に」
幼「浮気なんて悪いことした罰は受けてもらおうかな、かな」
男「いやだからあれは道聞かれただけって…なんでヤンデレが一番最初!?」
幼「殺して殺して殺しても殺し足りないかな、 き み を (はぁと)」
男「殺す気満々!?ってかただのヤンヤンじゃん!病みしか無いじゃん。闇しかないよ!」
幼「さて殺そうか」
男「ちょ、本気で包丁を突きつけてきた!」
男「あ、あ、あーっ!」
男「マジ!?やった!なんか血を1.5リットル抜かれたけど…」
幼「き、君の事なんて大嫌いなんだからね」
幼「べ、別に死ねとか普通に思っているんだからね」
幼「だ、大嫌いなんだからね」
幼「き、君なんて本当に頭悪くてバカみたいな顔はしてるし可愛い子にデレデレするし顔は間抜けだし本当に大っ嫌いなんだからね」
男「なんだろう、ツンデレに見せかけてただ罵倒を浴びているだけのような気がする」
幼「はいツンデレ終わり」
男「デレは!?」
幼「ん?無いよ」
男「ツンデレですらねえじゃん!」
幼「…してほしい…の?」ぱさ
男「もちろん!」
幼「…まったくしょうがないな君は」
男「おお?」
幼「…目を瞑ってくれ」
チュ
男「え?」
一瞬唇に柔らかい感触が…
幼「ではボクはもう帰るよ」
男「お、おい待てよ。今のって…お前…」
幼「…うるさいよ。引き止めないでくれ」
男「せめてフード取って顔見せろって」
幼「…それは絶対に嫌…だよ」
…
男「やっぱり占いって当たるときもあるんだな」
幼「ひゃっ!い、いきなり何だ!///」
男「いや、いきなりお前を抱きしめたくなった」ナデナデ
幼「そ、それはいいけど…パーカーのフードを…被らせてくれ///」
男「嫌だ、たまにはその真っ赤で可愛い顔を見せろ」
幼「い、いやあ…///」
男「可愛いなぁ」ナデナデ
幼「も、もういいでしょっ」グイ
男「あぁ、被られた」
幼「むぅ…」
幼「何?」
男「昨日のデレについてなんだが」
幼「…それについては忘れてくれると嬉しい、かな」ぱさ
男「忘れられるわけが無い!あの唇の柔らかいかんsy」
幼「忘れろっての!///」ドカッ
男「いたっ!」
広辞苑で殴られる瞬間にパーカーのフードから覗いた幼の顔は真っ赤になっていた
※季節外れっていうレベルではありませんが脳内保管してください
幼「…はぁ、プールか……」
男「?嫌なのか?」
幼「嫌っていうか…ボクは…」チラ
男「あぁ、俺に水着姿を見られるのが恥ずかs」
幼「わざわざ口に出して言うな!///」
幼「どうしてそうなった」
男「いいじゃないか。いつも真っ先に水着姿見てるの俺だし」
幼「まあ…そう、だけど」
男「なら良くない?それとも何か不安でもあるのか?」
幼「…お」
男「お?」
幼「お腹…回り、が…その…ちょっと…」
幼「…むぅ」ウツムキ
男「あぁ、太っt」
幼「あぁ゙?」
男「すんませんっした」orz
男「大丈夫だよ。だってほら」ピラ
幼「ちょっ、君!」
男「ちゃんとウェストは細いし」
幼「ふ、服を捲るなぁ!///」
男「相変わらず可愛いへそだ」さわさわ
幼「ひゃぁあああ///」
男「反応が可愛いなぁ、幼は俺の嫁!」
幼「いい加減にしろこのヘン夕イ!///」ゲシッ
男「ゴモットモォ!」
男「この暑い中何故パーカーを着てフードを被る」
幼「…そのためにクーラーを着けたんだよ。やっぱりボクはパーカーじゃないと」
男「まぁな、お前ほどパーカーが似合う奴はいないもんな。本当に可愛い」
幼「…うるさいよ」
男「褒めてるじゃねえか」
幼「………うっさいっての」ウツムキ
男「ん?」
幼「いつものあれは?」
男「いつもの?…」
幼「…」ジトー
男「ま、待て…お、覚えているぞ!…え、えと…」
幼「…」ジトー
男「…えっと…えと」
幼「…3」ジトー
男「え?」
幼「…2」ジトー
男「えっ、え?」
幼「…1」ジトー
男「ちょっと待て!ちょっと待て!!えっと…えっとぉ…」
幼「……俺は…お前、が」ボソッ
男「あ、俺はお前が好きだ!」
幼「ふふ、ボクは君が嫌いだよ」
男「…」
幼「…ねぇ、男」
男「何?」
幼「……ボクの水着…買いに行く、んじゃ…無かったの?」
男「あ、忘れてた。買いに行かなきゃ」
幼「……まったく、自分で言っといて忘れないでよ」
男「悪い悪い、っていうか自分で言ったということはお前…実は付いて来て欲しかったんだろ?」
幼「…ていっ」ぺちっ
男「いたっ、図星だからっt」
男「ってあれ?さほど痛くない」
幼「当たり前だよ。ボクは照れ隠しに暴力振るうようなヒロインとは違うからね」
男「お前ちょくちょく本で殴ってくるj」
幼「」ギロ
男「のは違ったな、うん」
幼「そう、その通り」
男「でも照れ隠しってことは照れていることとヒロイン発言は否定しないどころか自分から言うんだな」
幼「うるさい、早く行くぞ」ぱさ
男「パーカーのフードを被るってことはやっぱり赤くなってr」
幼「standby…」ス
男「結局六法全書で殴る気満々じゃねえか!」
幼「流石に炎天下では薄い服一枚だよ。透けそうで恥ずかしくはあるけどね」クスクス
男「一枚?ってことはまさかノーブr」
幼「なわけあると思う?」
男「ですよねー」
男「でもぶっちゃけブラが必要なほどに胸があるとは思えn」
幼「どこかの72といっしょにされては困る。ま、まぁ…確かにボクのは、小さい…かもしれない。が、壁じゃないよ。ほ、ほら…一応服の上から膨らみが分かる」
男「へえ?」
幼「こ、これならどうだ?」ムニ
男「!?」
な、何が起こっているかはみんなの想像に任せるが…な、何というサービス回
※えᘄちいことはしていません。脱いでもません
幼「ほら、確認したならとっとと行くよ…」グイ
男「お、おい引っ張るなって」
幼「…水着、楽しみにしているんだよ」ボソッ
幼「何だこの怪しさ、いやむしろ妖しさ満点の店」
男「友と女が紹介してくれたんだよ。あの二人なら絶対安心だろ?」
幼「ごめん、むしろ俄然今すぐ逃げ出したい気持ちが…」
男「ちなみに女の伯父が店主だとか」
幼「…うわ、絶対に入りたくない」
男「まあ行こうじゃないか。あいつらのお勧めなら悪いようには成らないだろ」
幼「ちょ、やめ、離してよ」
幼「へぇ、店名と違って品揃えはいいんだな」
男「ああ、女g」
店主「ええそうですとも!ここはこの町一番の品揃えですからね!」フフフフフ
男「うわっ、どっから湧いた!」
店主「ふひひひひ、あっしはこの店の店主ですからな。湧くも何も元々いましたぜ」
幼「そうなのか…じゃあボクは選ぼう、かな…」
男「あ、俺もえらb」
店主「ところで君、このモテモテ海パンを買わないかね!?」
男「いらないよ!何その妖しげな物」
店主「名前のところに好きな人の名前を書いて一定時間履きながら泳ぐと名前の人からモテるという某縁結びの神社お墨付きの魔法の海パンだよ」
男「すっごい怪しい!しかもこれ『前原圭一』とか書いてあるし。前の持ち主ホモかよ!そもそも他の人が履いた海パンなんて履きたくない!ついでに言うと売られたってことは効果無かったんだろ!」
店主「じゃあこの股間から白鳥の首が生えている海パンは?」
男「もっといらんわ!」
店主「ほうほう」ジー
幼「うわっ、何?」
店主「B:[ピーーー] W:[ピーーー] H:[ピーーー] じゃな」
男「うっわ、すげえ当たってやがる!」
幼「わざわざ当たってるとか教えるな!」ボカ
男「いたっ」
店主「ふふふ、あっしは見ただけで瞬時に人の3サイズが分かるんじゃよ」
※実際にそういうへんt…人はいます
男「すげー」
店主「ふふふ巷(ちまた)では《全てを見透す眼(インビジブルアイ)》の名で通っているわ」
幼「そんな厨二店主のいる店で買い物したくない…」
幼「鷹はホークね」
店主「暗闇でも胸と腰と尻だけははっきり見える《暗闇の眼(ダークネスアイ)》」
店主「女性の局部のみを拡大して脳内保存出来る《スコープアイ》」
店主「相手が何も言わなくても心の中のデレが見える《静かなる眼(サイレントアイ)》」
店主「足に付いた鏡で何でも反射、パンツは絶対に見逃さない《鏡眼(ミラーズアイ)》」
店主「等がいるのだ!これが我が業界が誇るセブンス☆アイズ!」
幼「何がセブンスアイズだただのヘン夕イ集団じゃないか!」
幼「鷹と鷲間違えているし3っつ目と4っつ目に至ってはもはや妄想だし最後なんかただの犯罪者じゃん!ただの覗きじゃん!!しかも古い手」
店主「君、いいツッコミだね。君も《口喧しい(アンチサイレントマウス)》としてあっしらの仲間になりませんか?」
幼「喧嘩売るなら買うよ?」
幼「ふん、もろい」
男「おぉ」
幼「さぁ、選んでくれよ?」
男「へ?俺が選んでいいのか?」
幼「うん、むしろ…君が選んでくれ…」
男「よし、分かったぜ。お前にぴったりなの探してくるよ!」
幼「…君のほうがボクにぴったりなのを探してこれるからね。服選びのセンスは君のほうがあるんだ…悔しいかな、女子力で負けるのは」
幼「…」
幼「…今度、男の好きな料理でも…聞こうかな」
幼「アホか!」
男「いたっ!」
幼「一発目からネタを仕込むな、スク水は学校ので十分だ」
男「じゃあビキニ…なんて大人っぽいの、もとい巨*御用達は幼には合わないな」
幼「あ?ちょっと貸せ!試着してやる」
_____
___
_
幼「ど、どう…だ?」
男「プワハハハ、子供が背伸びしているみたいで可愛い!やっぱビキニはちᘄぱいが着ると違和感のかたまr」
幼「…///」ゴゴゴゴゴ
男「っは、ま、まて…話せば分かる」
幼「そ ん な に 巨*がよければ…巨人とでも付き合えこのバカ!」
男「ごめんなさーい!」
幼「…及第点、としておくよ。うん、悪くない」
※>>1が水着や服のセンスが無いため結局何を選んだかは決めないでおきます。各自これだと思う一押しの水着で脳内保管してください
男「その割には嬉しそうだな」
幼「一応君からの贈り物になるからね。ふふ」
幼「これ買うよ。店主、まけろ」
店主「え?流石にそれは…」
幼「またボコされたいの?それとも聞こえなかった? ま け ろ 」
店主「はいぃぃいい!」
男「…おい幼、俺が払うからまける必要は無いんだぞ?そんな脅さなくても…」
幼「君は気にするな…ただの私怨だ」
店主「こ、こわぁ…」ガクブル
幼「…そういえばさ」
男「ん?」
幼「学校のプールって学校指定のスク水だったよね」
男「あぁ」
幼「今日水着買いに来た意味、あった…?」
男「………どうだろう」
幼「無いでしょ」
男「……………………………どうだろう」
幼「無いよね?」
男「…すんませんありません」
幼「…はぁ、しょうがないな」
男「え?」
幼「…そ、その…あれだ…こ、この水着買った意味…な、無くすのは…あれだし、そうだ、うん…」
男「?」
幼「き、君さえ良ければ……そ、その…プール、一緒に行かない…か?学校のじゃなくて…」
男「おお!お前のほうから誘ってくれるとは…嬉しいなぁ!」ギュー
幼「ひゃあ!だから抱きつくなって、歩きにくい!///」
男「顔が赤くなって可愛いなぁ」ナデナデ
幼「これは夕日のせいって…撫でるな!あーもう」
幼「ボクは君なんて嫌いだ!」
幼「…遅いよ」
男「…待ち合わせは30分も後のはずだが」
幼「気のせいじゃないかな。君のことだから時計を読めなくてもおかしくはないからね」
男「そんぐらい読めるわ!だいたいこいつはデジタルだ。誰が読み間違えるか!」
幼「なら君はアナログ時計は読めないと、うむ納得だ」
男「このやろう」
幼「さて入ろうか、泳ごうか、水着になろうか」
男「おいたまには俺をからかったのに対してお詫びをしやがれ」
幼「知らないね。ほら早く行こう。こんなに待たせた上に更に待たせる気かい?」
無表情でぐいぐいひっぱる幼、ふむ、たまには
たまにはからかってやろうか
男「…あー、俺気分悪くしたなあ」
幼「…え?」
男「あんな悪口言われたら泳ぐ気もしないわあ。というわけで帰るわー(棒)」
幼「ちょちょちょ、ちょっと待ちなよ」
男「ん?何?」
幼「き、君はボクとプールに行きたかったんじゃなかったのかい?」
男「いや、悪いけど俺帰るから」
幼「待って、おね…がい、だから」ギュ
服の裾を掴んで控えめに言いながら下から俺の顔を見上げる幼
うむ、これは中々
男「なら言うことがあるんじゃないかな?」
幼「…わ、悪かったよ。あ、謝るから…」
男「から?」
幼「プール、いっしょに、行きたい…」
男「よしっ」
勝った
男「あ」
幼「あ?」
男「…」
幼「…」ジトー
男「ぷ、プール行こうか」
幼「待て」ガシッ
男「ひぃ!」
幼「君も言う事あるよね?」ギリギリ
男「…む、胸が背中に当たって幸せです」
幼「…///」ギュゥウ
男「ぐえっ、く、苦し…」
幼「まだ喋れるよね?」
男「す、すんませんっ…した」
幼「よろしい」パッ
男「げほっ、げほっ、お、溺れる前に窒息死するとこだった」
幼「いっそ溺れてしまえ」ジトー
男「…まぁいいものも見れたしいいか」
幼「…罰として君には今度何か一つ言う通りにしてもらおう」
男「うわ、嫌な予感」
幼「ふふふ、楽しみだな。どんな頼みを聞いてもらおうかな」
男「…お手柔らかにな」
幼「保証はしかねるよ。さて、まずはプールだ」
男「それは頼みに入るか?」
幼「入らないよ。それを使わなくても君は頼みを聞いてくれるって思っているからね」
男「…はいはい」
結局は負けたがまあいいか
___
_
プール内
幼「…お、男、ど、どう…かな」モジモジ
男「無表情でモジモジされても可愛くないn」
幼「そんなこと聞いてないっ!」
男「いたっ、じゃあ何だよ」
幼「水着が似合っているかどうかを聞いたに決まっているじゃないか」プイッ
幼「そうだったね、君のセンスはボクも認めるところだよ」
男「そうだろそうだろもっと褒めろ」
幼「よ、日本一の水着コーディネーター」ジト目
男「何だろう、罵倒されているように感じる」
幼「だって女の子の水着を選ぶのが得意ってまるでヘン夕イじゃないか」
男「…そんなヘン夕イな俺を好きなお前は何なんだ?」
幼「きっとボクも君と同じヘン夕イなんだろうね」
幼「も、もちろんボクは君が嫌いだけどね」プイッ
男「かわいいなぁお前」ナデナデ
幼「ふん、どうだった?ボクのツンデレの演技は」
男「演技かよ!」
幼「うん、一部は嘘だよ」
男「一部?どこが嘘でどこが本当か詳しく聞きたいかな」ニヤリ
幼「っ……さぁ早く泳ごう」グイ
男「わっ、引っ張るnっ!?」
幼「」ニヤリ
ドッボーン!
男「のわー」
幼「水の中でそのまま全部忘れてしまえ」
___
_
男「楽しかったな、おい」
幼「そうだね」
男「プールの度に俺を沈めようとすんのやめい」
幼「知らないなぁ」
男「うん、その反応は分かってた」
幼「そろそろ寒くなってきたね」
男「そうだな、こたつでも出すか」
幼「そうしてくれ」
男「…手伝って」
幼「あげない」
男「まあそうだろうな」
幼「ほれほれ頑張れ」
男「はいはい」
幼「何を達成感に満ちたような顔してるんだか」ぬくぬくー
男「そういうお前は幸せそうだな」
幼「君んちのこたつは居心地が良いからね」ぬくぬく
男「で、俺はどこに座れば」
幼「…隣来なよ」
全身、顔の半分までかけ布団にうずめて俺を見上げる
男「狭くない?」
幼「いいよ…」
幼「…このまま」ガシ
男「え?」
幼「このままでいいっての…」
男「でもこのままじゃきつくないか?身体も密着して俺は辛いぞ」
いろんな意味で
幼「むしろそれでいいんだよ」ギュウ
幼「ふふ、幸せ」スリスリ
男「どうせスリスリするんなら俺の頬にしてほしいなぁ」
幼「ボクは君が嫌いだから嫌だ」
男「ちぇ」
幼「…ボクは君が嫌いだからね」
男「…なんで二回言った」
幼「……ボクは君が嫌いだ」
男「あぁ、俺はお前が好きだ」
幼「うん…うん」
………ふむ
幼「…料理、してみようかな」
男「料理?お前がか?程々にしといてくれよ」
幼「…何でだい?」
男「太られると俺が困る」
幼「…バカ」
男「あはは、悪い悪い、女には禁句だったか。でも本当に程々にしといてくれよ?」
幼「そこじゃないよ」ドカ
男「いてっ」
男「?」
…これにわざわざ作ってあげるのもどうかなって思えてきた…
男「ん?何だ?」
幼「あ、あの…あのさ…」
男「?」
幼「…えと、その…だね」
男「どうした?珍しく歯切れが悪い」
幼「…う、うん。あの、さ。君の…好きな料理って何…かな?」
幼「あ、いや、ぼ、ボクの気持ちとかは関係無くて、ね…ほら、ただの好奇心というか…まぁ、そういうので…」
男「…焼肉!」
や、焼くだけ…
幼「そ、そういうのじゃなくて…もっと、その…料理のし甲斐がある…的な?」
男「料理したいのか?」
幼「あ、いや…まぁ、そうだが…でも君にじゃないぞ?ただボクが料理どれだけ出来るか試すのにいい料理がないかなって探しているだけだからな、うん。君なんかに作るくらいなら豚に作ったほうがましだよ」
男「…カレー」
幼「君はシチュー派だったじゃないか!」
男「あ、やっぱ俺の好きな料理にトライしたかったわけか」
幼「っ…違うよ。誰が君なんかに」
あ、危なかった。もう少しで赤くなってしまうところだった
幼「…とりあえずもう少し複雑な料理で何か。早く言え」
今がまさにそうだな、うん
男「…焼きりんご」
幼「いいかげんにしてくれないか?」
おおう、顔が怖い
男「まぁ冗談として、そうだな…」
幼「」ワクワク
無表情ながらも目が輝いている幼、うん、俺も大分無表情の中の微妙な変化が分かるようになったな
男「大好きなお前が作ってくれたものなら何でも嬉しいよ」ナデナデ
幼「なっ、わっ、だからそういうのじゃなくって!///」あたふた
男「お、珍しく赤い」
幼「っ!」ぱさっ
高速で手を払いのけられてパーカーのフードを被って俯く幼
幼「…卑怯もん」
幼「男、ボクは君が嫌いだ」
男「俺はお前が大好きだ!」
幼「うん。ところで男、面白いものを見つけた」
男「おぉアルバムか…ちなみにどこを探してて見つかったんだ?」
幼「あそこ」
男「…頼むからそこはあまり漁らないでくれ…」
幼「………それは…これがあるからかい?」
男「うわあああああ!俺の幼の写真コレクション」
幼「…盗撮?」
男「出来心だったんだ!ついだったんだ!可愛いお前を常に見ていたくてついなんだ」
幼「」ぱさ
幼「…し、仕方ないね…そ、それはそのまま取っておいて良いよ。た、ただし………他の誰にも見せちゃダメだからね?分かった?///」
男「ありがとう!幼様!かわいい!最高!大好き!」
幼「う…うるさいよ///」
幼(それとも…そんなに冷たい子だと思われているのかな…)
_____
___
_
以下、幼の想像
男「幼、写真とってもいいか?」
幼「ボクの写真が欲しいのかい?」
男「ああ、いつでもお前を見つめていたいからな」
幼「しょうがないね君も、まあいいさ。ほら撮りなよ」
男「脱いで」
幼「ん?」
男「ヌードが撮りたいんだ!可愛いお前のヌードが!」
幼「しょ、しょうが…ないね、君はまったくヘン夕イなんだから…」スルスル
_____
___
_
妄想終了
幼(ないないないない!そんなのダメ!///)カァア
幼(だいたいボクのキャラじゃなかったね。うん)
男「?」
男「そっか、ショックだなぁ、嫌いだなんて言われちまって…」
幼「え?」
男「ごめんな、嫌いなのにしつこくして」
幼「あ、あれ?」
男「もう好きなんて言わないよ」
幼「え、いや。え?」
男「はあ…」
幼「ち、ちが…」
男「落ち込むなぁ」
幼「そ、そうじゃなくて…ほら、い、いつもの…」
男「じゃあな、俺帰るわ」
幼「ちょちょ、ちょっと待ちなよ」ガシ
男「…俺にしがみ付いてどうした?」
幼「…違うよ…ぼ、ボク…は」
幼「」ハッ
男「」ニヤニヤ
幼「…」ギリギリ
男「あだだだだ!ごめんマジごめん」
幼「うるさい死ね、君なんか大嫌いだ!」
男「痛い痛い、俺はお前が好きだから!大好きだから!」
幼「そ、そんな安い言葉で許すわけがないだろ!」ぱさ
男「その割にはフードで顔を隠し、いだだだだ、ごめんなさい!すいません!」
幼「うっさい、このばか!///」
幼「もうするなよ?」ジトー
男「はい、もうしません」
幼「…でろ」
男「はい…はい?」
幼「だ、だから…その…だな、頭…を、撫でてくr…いや、撫でろ…」
男「頭?撫でりゃいいのか?」
幼「…いいから早くしろ」
男「ああ」ナデナデ
幼「ん…男」
男「これでいいのか?」
幼「…もう少しやって」
男「分かったよ」ナデナデ
幼「ふふ…好きだよ」ボソ
男「?何か言ったか」ナデナデ
幼「…ボクは君が嫌いだ」
男「俺はお前が大好きだ」ナデナデ
幼「…うん」
俺の胸に身を寄せてくる幼
幼「ねえ、男」
男「ん?」
幼「…冬だね」
男「そうだな、コタツとみかんが最高の組み合わせとなる時期だ」
幼「…12月だね」
男「冬休みが楽しみだな~、でも寒いのは嫌だぜ」
幼「…ボクが言いたいのはそれじゃないよ」
男「?」
幼「…ほら、大事なイベントがあるよ」ぱさ
男「…ふーむ」
幼「…またわざと?」
男「待て、いや待て、本気で分からん」
幼「…ほら…12月の、下旬に」
男「冬休み?」
幼「違うよ」
男「年末」
幼「違うって」
男「お正月」
幼「一月じゃん」
幼「…ク」
男「く?」
幼「……リ」
男「ト」
幼「…///」グシャ
男「ぐっほぁ!」
蹴り飛ばされた。う~む水色か
幼「このやろ///」ゲシッ
男「ぎやあっ!」
男「…蹴ってから聞くな…」
幼「見てない?」
男「…見てない」
幼「…空色」
男「あれは水色って言うんじゃ…」
幼「や、やっぱり…///」
男「し、しまったぁ!」
幼「忘れろ!」ガン
男「むごっ!」
男「」チーン
幼「少々やりすぎてしまった…」
幼「で、でも…恥ずかしかったし…いや…男だからいいけど…でも恥ずかしいのはそうだし…」
幼「お、男…?」
幼「ボクが悪かったよ…起きて」
幼「…し、死んでる」
幼「わけないか」
幼「ほら、起きて…」ペチペチ
幼「反応無し…」
幼「…!」
幼「…」ニヤリ
気絶だけど…意識がないことは確か…だよ、ね
幼「起きて…ない、よね」
…
確かに寝てる。うん、うん…
幼「…」ドキドキ
寝てる男の顔を覗き込む
幼「…」ドキドキ
手を伸ばしてみる。男の頬に、首に、当ててくすぐる
男「…うぅ」
確かに寝てる
幼「…いい、よね」スリスリ
頬ずりをする。男の温もりを感じる
幼「…大好き、だよ」ギュウゥウ
男「…」
男は寝息も立てず静かに眠っている
怒るかな…
でも
幼「…大好き」
チュ
幼「…ん…ふ」
クチュ、レロ、ジュル…
幼「ぷはぁ…男…男…男ぉ」ギュウ
男の体にしがみ付くように抱きしめる
幸せだ…幸せ…頭の中はそれだけで満たされていった
本当は分かっている
君はこんなの望みっこない、ボクがしてほしいと言ってくるのを願っているんだ
幼「…分かっているくせに」
君は知っているのにボクに無理矢理はしてこない。知っているはずなのに、ボクが口に出すのを待っている
幼「ボクだって…知っているくせに…」
言えば何だって男は叶えてくれることを。嫌な顔一つせずに、ボクを全て受け入れてくれるって知っているくせに
幼「…ごめんね」
ボクも、君みたいに…素直になりたいよ。いつか話していたように、ボクは
素直クールになんかなれっこないようだ
幼「…好き、なのに…分かっているのに」
大好き
そう呟いて、もう一度キスをする
幼「すぅ…すぅ…」
男「寝てる…」
可愛い寝息を立てて俺を抱きしめるようにして寝ていた
男「?」
幼の目元に一滴の涙があった
俺はそれを拭ってやると頭を撫でる
幼「男ぉ…ぃ好き」
男「分かっているよ」ナデナデ
幼「…すぅ」
愛おしいなぁ
男「お、起きたか」
幼「っ!?///」カァア
男の顔が覗き込んでいた。いや、この体勢は
ひ、膝枕…
幼「こ、な、な、んで、こんな…え、えと///」アタフタ
男「嫌だったか?」
幼「い、嫌じゃない……よ」
男「じゃあ起きたしもう膝枕は…」
幼「ま、待て…」
男「何?」ニヤニヤ
幼「ま、まだ…寝足りない。そのままで…いて」
男「はいはい」
幼(男の…膝枕)スリスリ
男&幼(幸せだなぁー)
男「よう幼」
幼「…おはよう」
男「大丈夫か?顔色悪いぞ」
幼「気にしないで、寝不足…」
男「ちゃんと寝ろよ。それとも不眠症?」
幼「違う…寝ないだけ」
男「いや、ちゃんと寝ろって」
幼「そういうわけには…いかないんだよ…」
男「いや、目が今にも眠りそうになっているぞ」
幼「うるさ…い…ほっと…け」スー、スー
男「結局寝た…」
幼「うるさいクソムシ…」Zzz…
女「ありゃりゃ幼ちゃんおねむ?」
男「らしいな。本気で眠いときは寝起きが悪いんだよ」
友「姉御どうしたんだよ。最近授業中寝ること多いし」
男「さあな、たまに幼の考えていることはよう分らん」
女「ふーん…ところで友くん」
友「な、何だ?」
女「明日、クリスマスだよね?どっか連れて行ってくれるよね?」
友「か、金…」
女「うふふふふ~」
友「」
友「相棒助けてくれ!搾り取られる!」
男「無理だ、諦めて精も金も搾り取られろ」
女「にぱー☆」
友「死んじゃうよ!」
クリスマス…か
幼「お、男…明日、開いている…だろうか」
男「空いているぞ。クリスマスのお誘いか?」
幼「…」コクン
友「おぉ!あの姉御が自分から誘うたあ、こいつは明日は嵐か台風か」
幼「うっさいモブ」
友「誰がモブじゃ!」
女「そうだよあたしの彼氏はモブじゃないよ。奴隷以下だよ」
友「泣いていい?」
男「プギャー」m9
女「プギャー」m9
幼「ふっ」m9
友「ちくしょー!何だよ姉御まで」
男「お前が考えてあるんじゃねえのかよ」
幼「…こういうのは男性がリードするものでしょ?」
男「へいへい」
幼「…乗り気じゃないならやめる」
男「じゃあやめるか」
幼「…」ジトー
男「冗談だよ睨むなよ」
幼「よろしい」
男「さて…どうすっかな」
幼「…楽しみにしてるよ」
男「努力するよ…」
男「よう幼」
幼「遅い…」ジトー
男「いや、集合1時間前なんだけど」
幼「普通は女性より一時間早く来るものだよ」
男「だから一時間前じゃん」
幼「ボクより一時間早く来るべきだよ」
男「更に一時間!?」
幼「………何のことかな、ボクはそんなまぬけじゃないよ。君じゃないんだから」
男「俺だってそこまでまぬけじゃねえよ」
幼「…嘘だ」
男「何がだよ!だいたい違うならなんで早く来たんだよ。どうせ俺とのクリスマスデートが楽しみすぎて早く来すぎたんだろ?」ニヤニヤ
幼「…………そんなわけないだろ。早く行くぞ」
男「じゃあそのフード取ってみろよ」
幼「うるさい、早くどっか連れて行け」
男「やっぱりかー可愛いなぁ」
幼「うるさいっての…」
幼「今更…」ボソ
男「何だって?気合入れてきたんだからもっと早く気づけだって?」
幼「言ってない。ボクは可愛さ基準で選んだりしてない」
男「いやはや、その服はピンク色だし可愛いモコモコ付いているし。そんな可愛い服を着ても似合うもんだな。っていうか持っているのが驚きだぜ」
幼「余計なお世話だ…それにこの服が一番暖かいから着てきただけであって君にかわいいって言われたいから着てきたわけじゃ無い…し」
男「いや、本当に可愛いよ」ナデナデ
幼「…うるさいよ…///」
男「もちろんだ、行くぞ」
幼「ちょ、ちょっと待ってくれ」
男「何だ?」
幼「…」つ
男「?」
幼「寒い、暖めて」
男「…ああ、分ったよ」
手を繋いでやる。自然に幼が恋人繋ぎしてくる
幼「ふふ…」
男「お、無表情なりに笑った」
幼「無表情だよ。笑ってない」
男「…嬉しいか?俺と手を繋いで」
幼「…別に、ほら、早く連れて行って」
男「…あいよ」
歩き出す
幼「…」ス
幼が身を寄せてきた
男「歩きづらいぞ」
少し意地悪なことを言ってみた
幼「…知らないよ」
そう返される
幼「…幸せ」ボソ
小さくそう言ったのを聞き逃しはしなかった
幼「?」
男「寒いんだったら手袋すれば?」
幼「…分ってるくせに」
男「言ってもらわなきゃ分からんな」
幼「…いじわる」
男「Sのお前には言われたくないな」
幼「…座布団一つ」
男「何の話!?面白い話何もしてないけど!」
男「お前の手は冷たい、心が冷たいからだな。もっと俺に優しく…」
幼「…」ギュー
男「いだだだ!手の骨折れる!割れる!」
幼「ボクの心は温かいよ。君にも優しいつもりだ」
男「嘘付け!」
男「へえ、じゃあ俺の心は冷たいってか?」
幼「そうは言っていない。手が冷たい人は心は温かいと言うがその逆は聞かないからね」
男「少なくとも前者は間違っているだろうな、だってお前の心は冷え切って…いだだだだだ」
幼「まだ言うか、死ね」
男「死ぬ!手が死ぬ!」
男「聖なる夜を性なる夜にしようってkいだだだだ」
幼「誰がそんなくだらないことを言えって言った?ん?」ギュー
男「冗談だって、ギブギブ」
幼「で、どこに行くんだい?」
男「ここだよ」
幼「?水族館か。君にしては分っているじゃないか」
男「俺はいつもお前のことを考えているからな」
幼「嬉しいね。じゃあ入ろ」
幼「まずはクラゲたちか。綺麗だな」
男「知っているか?クラゲは漢字にすると海の月、英語にするとジェリーフィッシュって言うんだ」
幼「へえ、どっちもこの不思議な生物の良さをきちんと表しているね。付けた人のセンスはとても素晴らしいよ」
男「そういえば不死身のクラゲってのがいるらしい」
幼「そうなの?」
男「ああ、寿命が尽きたら若返って再び成長を繰り返すっていうサイクルで死ぬことが無いんだ。あくまで寿命では、だけどな」
幼「面白いね。やはり生き物の不思議っていうのは知って楽しいよ」
男「ネットで聞いた話なんだがな。クラゲは目がとても良いんだけど実は、目から入ってきた情報を全て処理できる程の脳みそが無いんだ」
幼「へえ、不思議な話だね」
男「そのことから海は実は全体で大きな一つの生き物でクラゲはその目なんだ。っていうとんでも理論を唱える人すらいるほどなんだ」
幼「へえ、そりゃすごい。ありえないだろうけど、すごくロマンがある考えだよね」
男「っていうのはガセらしい。目が良い云々のとこから」
幼「…」ギリギリ
男「いたたたた!や、やめ」
幼「無駄に感動して損した。感動を返せ」
男「いや待て、実はだな。この話はあやふやなんだ。実はググったらクラゲは目が全然良くないっていうし、聞いたのがずいぶん前だからもしかしたら他の生物かもって調べたんだ」
男「でも出てこない。まとめに乗っていたスレだったはずなのにそのスレすら出てこない。大王イカがとても目が良いっていう事は分ったけど今のとんでも理論が乗ってないし他にあるかもしれない」
男「誰かこれを読んでる人、知っている人がいたら情報提供よろしくー」
幼「ボクをほっておいて何を言っているんだ君は!」
男「は、一応クリスマスデートだった」
幼「一応じゃなくてそうだろ、ん?」ギリギリ
男「ごめんごめん、愛してる」
幼「…」ギリギリ
男「痛い痛いごめんなさい!」
幼「…クリスマスだから期待してたんだよ」ボソッ
男「何だって?もっと甘甘ラブラブ工口工口工口なクリスマスを期待していただって?」
幼「…メリークルシミマスだからだ。苦しめ!」ギリギリ
男「痛い痛い!やめ!」
幼「…バカ」
男「」チュ
幼「!?///」
男「これでいいな?」
幼「」バッ
男「はっはっは、今更フードを被ろうが可愛い真っ赤な顔は見れたぜ」
幼「う、うるさい!い、いつもいつもみゃくりゃくが無さすぎなんだよ君はっ!///」
男「お、噛んだ」
幼「…っ///」
幼「へえ、性転換する魚か。おもしろいな」
男「そうだな、例えばの話、俺がいきなり女になったらどうする?」
幼「…どうもならないかな」
男「彼しが女になったってのに何にも感じないと!?悲しむとか無いの!?」
幼「誰が彼氏だ。ボクは君の彼女なんかじゃないよ」
男「え、さっきデートだって…」
幼「…こ、言葉の綾」ぱさ
男「使い方間違ってね?」
幼「君の生き方ほど間違ってはいないよ」
男「酷い!」
幼「そうだね、この紫色なんか綺麗だ。こっちの青も好きかな」
男「でもお前のほうがk」
幼「臭いセリフは聞きたくないよ」
男「せめて最後まで言わせて…」
幼「やだ」
男「お前n」
幼「2点」
男「一言も言わせないのか!…ちなみに10点中?」
幼「100点満点で」
男「酷い!」
幼「へえ、かっこいいね」
男「そうだろ、このヒレ、広げたときのかっこよさは魚界随一、このかっこよさったらないぜ。しかも猛毒」
幼「かっこいい…ひょっとしたら君より数千倍位かっこいいんじゃないか?」
男「そうそう俺なんかより…ん?」
幼「ほら、次々」
男「お、おう」
男「…食ったら美味い」
幼「…」ジト
男「いや、俺サカナくんじゃないからそんなに豆知識無いんだよ!これで全部」
幼「あっそ、じゃあ普通に楽しもう」
男「ああ」ほっ
幼「それにしてもこれ男そっくりだね」
男「どれどれ?」
ニュウドウカジカ
男「」
幼「ね?そっくりだろう?」
男「いや待て、俺こんなにおっさんか?のっぺりしてるか?」
幼「うん、そっくり。双子?」
男「…お前の目はどうなってんだ。泣くぞ」
幼「写真に撮るから泣いて」つカメラ
男「あんまりだー!」
幼「そうだね」
男「まったくもってペンギンってのは何でこんなにもかわいいのか。ああ可愛いなぁ」←動物好き
男「ああ、可愛いなぁ」
幼「…男」
男「可愛いなぁ、おいでー…ん?何だ幼」
幼「…忘れてない?」
男「ん?何が?」
幼「…」ムス
男「あ、すまんデート中だったな」
幼「デートじゃないよ」プイッ
男「怒るなって。それにしてもペンギンに嫉妬なんてお前も可愛いとこ…ろ…が」
幼「…」ジト
ゴゴゴゴゴ
男「あ、いえ、ごめんなさい。無言で怒るのが一番怖いです」
幼「そうだね」
男「まったくもってペンギンってのは何でこんなにもかわいいのか。ああ可愛いなぁ」←動物好き
男「ああ、可愛いなぁ」
幼「…男」
男「可愛いなぁ、おいでー…ん?何だ幼」
幼「…忘れてない?」
男「ん?何が?」
幼「…」ムス
男「あ、すまんデート中だったな」
幼「デートじゃないよ」プイッ
男「怒るなって。それにしてもペンギンに嫉妬なんてお前も可愛いとこ…ろ…が」
幼「…」ジト
ゴゴゴゴゴ
男「あ、いえ、ごめんなさい。無言で怒るのが一番怖いです」
幼が何かスマホを弄る
幼「…」ス
見せてきた。メモ帳に「罰」と書かれている
男「『罰』?」
幼「……」ス
男「『抱きしめろ』?」
幼「…」コクン、パサ
頷く。フードで顔は見えない
男「ごめんな」ギュ
幼「…」ボソ
男「…すまん、今のはマジに聞こえなかった」
幼「いや…独り言…だよ」
クリスマスだもの
たまには…
たまには甘えたって…
いいよね
幼「ん…」ギュ
幼「…」ギュ
男「俺の服の裾を掴んでどうした?」
幼「…いや、巨大な水槽って少し…怖くないか?」
男「ああ、お前こういうの苦手だっけ」
幼「…あと迫ってくる大きな魚も…不気味」
男「ああ、メガマウスの口怖いよな」
幼「…ひぅ!」ギュ
男「大丈夫だよ」ナデナデ
幼「やめろ、撫でるな///」
幼「楽しかったね。良い思い出が出来たよ」
男「そりゃ良かった」
幼「少し休みたいな」
男「そうだな、そこらへんのイスに…」
幼「お腹すいた」
男「ああ、そろそろお昼か」
幼「ん」
男「じゃあ何か食べに行くか」
幼「そうだね…あそこに良さそうな店があるよ」
男「…魚料理か」
水族館に行ってすぐに魚食うとは…
幼「嫌?」
男「いやまあいいけど」
男「え?え?」
幼「あーん」
男「あ、あーん」
幼「よし」パシャ
男「」
幼「見なよ。餌を待つ鯉のような間抜けな君の顔」クスクス
男「こ、このやろ!」
幼「はい」
パク
男「むぐ…」モグモグ
口封じか飯を口に突っ込まれる
幼「ほら、返しは?」あーん
口を開ける幼。そうかそうか、じゃあカメラを…
幼「撮ったら絶交」
男「ごめんなさい、ほらあーん」
幼「よろしい、あーん」あーん
パク
幼「ん…」モグモグ
男「どうだ?綺麗だろ」
幼「…すごい、綺麗」
それはイルミネーションだった。ここらで一番すごいと言われるイルミネーション
男「惚れたか?」
幼「イルミネーションにね」
男「人物には?」
幼「このイルミネーションを作った人には惚れるかな」
男「俺には」
幼「…」
男「おい、反応しろよ」
幼「…」ぱさ
男「せめて反応して!」
男「ん?」
幼「じ、実は…その…えと」モジモジ
男「どうした?トイレか?」
幼「…分かっていて言っているだろ」
男「まあな」ニンマリ
幼「」ブン!
ゴン
男「あだあ!…って紙袋?」
幼「…開けてみて」
男「お前、まさか最近寝不足だったのはこれを作ってい…」
幼「何も言わずに付けてみて」
男「いやあ嬉しいなあ、幼が俺のためn…」
幼「何も言わずに付けてみろ!」
男「はいはい…おお!温かい」
幼「…うん、よく似合う。色で悩んだ甲斐があった」
男「嬉しいよありがとう」ナデナデ
幼「ん…///」
幼「…」
男「開けてみてくれ」
幼「…」パカ
幼「っ///」
男「驚きすぎて言葉を失ったか?」
幼「ゆ、ゆびっ、指輪…///」
男「お、珍しくにやけて…」
幼「」ぱさ
男「あ、顔隠しやがった」
幼「お、男…こ、これ…て」
男「指輪だよみたまんま。値段は聞くな、あの重労働をあまり思い出したくない。」
幼「そ、そんな高価なもの…」
男「いいって、とっとけよ。いずれ結婚指輪のときにもっと高価な物も用意してやる。それまで代わりに付けてろ」
幼「け、結婚…いや、で、でも…その…えと…えと…」
だんだん声が小さくなる幼
男「ああもう、良いから黙って受け取れって」
幼「…分った。ありがと」
すごく大事そうに胸のポケットにしまう幼、すごく嬉しそうだった
幼「…そう、だね…もう、こんな時間だ」
男「…」
幼「…」
男「…そろそろ帰らなきゃな」
幼「……そう…だね」
男「今日は楽しかったか?」
幼「うん」
男「それは良かった」
幼「…………」
男「幼?」
男「ん?」
幼「…今日はクリスマスだ」
男「ああ、そうだが」
幼「クリスマスには…どんな奇跡が起こっても不思議じゃない」
幼がフードを取る。顔が俺をまっすぐに見上げている。すごく可愛い、いや…
美しかった
男「…何が…言いたいんだ?」
幼「だからこれは…クリスマスに起こったただの奇跡だ。一夜の夢だ。現実とはかけ離れた非現実だ」
幼の顔が近づいてくる。もう
すぐそこにあった
幼「明日には…忘れてくれ」
チュ
一生懸命背伸びをして、つま先で立って…俺の唇に唇を重ねる
気がつくと俺は幼を抱きしめていた。少し幼の体を持ち上げる
幼も俺にしがみつくようにして抱きついてくる
互いに舌を絡ませる。クチュクチュと音が頭に響く
幼「ん…ふ…んん…んふ…ふ…ん」クチュ・・・クチュ・・・レロ・・・
雪が降ってきた。綺麗な、真っ白な雪が
口を離した。互いの口から一本の糸が垂れていた
幼「…」パサ
フードを被って顔を隠す幼
男「幼、俺はお前が大好きだ」ギュ
幼「…ボクも、だよ」
幼「…綺麗だね」
男「こんな日は雪景色を見ながらコタツでみかんだな」
幼「…こんな日にアイスってのも中々良いよ」
男「アイス?この寒い日にか?」
幼「…甘いアイスがね」
男「そうか?寒いのにアイスは嫌になるな」
幼「…いや、寒くて冷たいけど…アイスは冷たくて甘いんだ。たまには…そんな日も、いいんじゃないかい?」
男「…そうだな、たまには…いいかもな」
電話がかかってきた
友『男!助けてくれ』
男「どうした」
友『女が家に来てって言うから来たんだが。来た瞬間服脱がされて亀甲縛りにされた!この間約0.5秒!』
男「…なんじゃそりゃ」
友『しかもあいつ嬉々としてビデオカメラを設置してやがる!色々ヤバイ、今すぐ助けに来てくれ!』
男「…やめとく」
友「何でだよ!親友だろ!」
男「いや、邪魔したら俺がどうなるか分かったもんじゃない」
女『その通りなんだよ~ここからはあたしのお楽しみ~絶対に邪魔されたくないもん~うふふー、男くんが話の分かる人で良かったよ~』
男「…すまんが一言二言言いたいから友に替わってくれ」
女『いいよ~』
友『相棒!何か思いついたか!?』
男「いいか?友」
友『ああ』
男「お前がどうなろうと何がネットに流されようと俺はお前の親友だ。それだけは変わらない」
男「good luck」
友『このやろおおぉぉぉおおお』
女『ばいばーい』
ツー、ツー、ツー
…さて、寝るか
男「あの日、大丈夫だったか?友」
友「…聞くな、何も、聞くな」
男「気持ち良かったか?」
友「…聞くな」
幼「何があったんだいったい」
女「あたしは楽しかったよー」
幼「…何かつやつやしてる…」
女「そういう幼ちゃんはクリスマス何か無かったの?」
幼「何か?」
女「例えば…」ミミカシテ
幼「?」
女「ピーーーとか、ピーーとか、ピーーーーとか」ヒソヒソ
幼「な、あ、あ、あるわけないだろ!///」
男「どうした?」
幼「な、なな、何でもにゃい!」
幼「…噛んだ///」
男「?」
女「にぱー☆」
幼「こ、これ…は」
友「へえ、指輪か」
女「この指にはめてあるということはー?」
友「」ニヤニヤ
女「」ニヤニヤ
幼「ち、ちが…ちがうよ。こ、これは…えと、えと…とにかく違う!」
女「じゃあそれを貰ったときのこと思い出してみて」
幼「貰ったとき…?」
幼「…」
幼「…」
指輪だよ… 結婚指輪 クリスマスの奇跡 夢 好きだよ チュ
幼「…///」
女「あー、やっぱりその反応は男くんだ」
幼「う、うるさいうるさい!」
女「あははは、幼ちゃんじゅんじょー」タタッタタ
幼「くそ、待てっ」タタタタ
男「平和だなー」
友「だなあ…」
男「もう12月もおしまいか。2014年はどんな年になるかな」
幼「君が死ぬ記念すべき年になるといいね」
男「何でだよ!あとどっから湧いてきた」
幼「虫以下の君に虫のように言われたくないね。普通に窓から入ってきたよ」
男「あの、ここ二階ですが」
幼「ふふ、鍵はきちんと閉めておかなければ不審者が入ってきてしまうよ」
男「不審者お前だろ!あとここ二階だっつうの」
幼「ささいな問題じゃないか」
男「どこがだ」
幼「少なくともボクにとっては些細な問題だね」
幼「コタツでぬくぬくするためかな」
男「そっかそんなにも俺と同じコタツに入りたかったのか」
幼「勘違いしないでくれ、コタツが気持ち良いだけだ」
男「何だ残念」
幼「そう残念がるな、君と新年を迎えたかったのもある」
男「え?マジ?」
幼「ボクが嘘を言うわけ無いじゃないか」
男「幼!よく言っている気がするが今回はその発言を信じるぞ!」ギュー
幼「い、いきなり抱きつくな…///」
男「お、顔赤い」
幼「うるさい、うっかりパーカーを着てくるの忘れたから顔を隠せないんだ。見るな///」
男「うっかり?わざとだろ?」
幼「違う。ボクがパーカーをわざと忘れるわけ無いだろ///」
男「うっそだー。たまには赤くなった可愛い顔を見せてくれようと、そげぶっ」
幼「いいかげん黙れ///」ボカッ
男「違うの?てっきりそうなんだと」ギュゥ
幼「違うよ。ボクは君が嫌いだ」しれっ
男「俺はお前が好きだ。じゃあ何故来たし」
幼「君を弄って迎える新年もいいだろう?」ニヤリ
男「お帰りください」
幼「嫌だよ」
幼「毎年あるじゃないか。多分2014年もあって当たらないよ?」
男「俺の予言!2014年こそは幼と子作りする!」
幼「それ予言じゃなくて願望、セクハラで警察呼ぶよ?」
男「不法侵入で捕まるなお前」
幼「ここボクの部屋だし」
男「嘘付け」
幼「ほら、置いてあるものとか配置とか一緒」
男「お前が俺と同じものばっかり買うからだろ」
幼「…別に良いじゃないか。偶然だし」
男「どんな偶然だ」
大きなビンに入ったジュースと小さな箱を持って母が入ってきた
男「お、ありがと」
幼「あ、お邪魔してます」
母「あ、窓から入ってきたのね。別に玄関から来たって拒まないのに。」
幼「いえ、男を驚かせたかったので」
母「分かるわその気持ち。じゃ、ゆっくりしていきなさい」
幼「おかしいのは君の頭だろう。何をそんなに騒いでいるんだい?」
男「いやいや平然と窓から入ってきたこと認めてしかも肯定してるし!何でダメだって言わないんだよ!」
幼「ボクが信用されているだけの話でしょ」
男「不法侵入者に信用も何もないわ!」
幼「?、君が何を騒いでいるのかわけが分からないよ」
男「ふざけろこの野郎」
幼「ふふ、それよりあの女が珍しく気を利かせてくれたんだ。早くそのジュースを注いでくれ」
男「いやおかしいから」
幼「何がだい?君は客に飲み物も出せないのか」
男「不法侵入者だろ、何が客だ」
幼「…そうか、じゃあ帰るよ」
男「そうか、じゃあな」
幼「…」
男「…」
幼「止めてよ!」
男「何でだよ!」
男「理不尽だ。ってかDTだからなんだ」
幼「何だまだDTなのか情けない」
男「逆に俺がお前以外の女とヤっててDTじゃなかったら満足か?」
幼「そ、そうなのか?」ズイ
男「い、いやもしもの話だ」
幼「何だ、そうか」ホッ
男「ほっとしたか?」
幼「してない」
男「本当にそうだったら嫌だったんだろ?」
幼「うるさい、そんなわけないだろう自意識過剰か」
男「怪しいなあ」ニヤニヤ
幼「黙れ…」
男「可愛いなあ」ナデナデ
幼「うるさい撫でるな…///」ウツムキ
ジュースを注ぐ
幼「うん」ゴクゴク
男「美味しいな」
幼「ヒック…そう、だね。でも…変な味/」
男「うーん、飲んだこと無い味だな。もしかしてあまり有名じゃない珍しい飲み物じゃ…」
幼「ヒック…なんだか…ふわふわして…気持ち良い//」
男「ん?」
幼「男ぉ、これいいねえ///」
男「…顔、赤くね?」
幼「大好きな君といると赤くもなるよぉ…ヒック///」
男「?、??」
男「………お酒?」
幼「ヒック…もっと///」ゴクゴク
男「わー!それ以上飲むなぁ!!」
幼「えへへへ、男ぉ、抱きしめて」
男「後で友に抗議して一週間友に無視させてやる」ギュー
幼「男、愛しているよ」
男「すげー調子狂う…」
男「え?何で泣いてんの!?」
幼「男が好きって言ってくれないよぉ…」グスン
男「あ、大好きだよ。もちろんだよ」
幼「本当?」ウルウル
男「当たり前じゃないか」
幼「じゃあキスして。キース」
男「はいはい」
チュ
ほっぺにキスする
男「え?」
幼「らめ、そんなんじゃだめ!唇にきしゅしてクチュクチュして」
男「」
幼「何引いてんの?ボクのこと嫌い?」
男「い、いやそんなことは…」
男(こいつ酔うと相当めんどくせえ!!)
幼「じゃあしてよぉ」
男「しょうがないなぁ」
チュ
時間は、もうそろそろ今年が終わる。そんな時間だった
何故か俺はキスをした次の瞬間、幼に押し倒されていた
幼「ぷはぁ…男ぉ…だいしゅき…」ネパァ
口から涎が垂れている
幼「もっとぉ…ふっ、んっ…」チュ、クチュクチュ、ジュル・・・レロォ
男「…」
もうどうにでもなれぇ…
ゴーン、ゴーン
ピピピピピ
男「?」
母さんがジュース、もとい酒と一緒に置いていった箱から何か鳴っている
一旦幼から口を離して見てみる
それはタイマーがセットされた時計と手紙だった
手紙「そのあたし特製のお酒は少量媚薬も入っているんだよ。ちなみに効果が零時丁度で切れるようになってるからね♪面白い展開を期待しているよ、にぱー☆」
時計<零時っす
男「」
男「おおお、幼…さん?」
幼「…」
恐る恐る顔を幼に戻してみる
幼「・・・」ウツムキ
男「あ、あの…」
幼「…ぼ…ボク、は」ボソ
男「ご、ごめんなさい!」
幼「男…」
男「い、いや…あの…流れに任せて…」
幼「…謝らないでくれ」
男「いや、本当にごめん!」
幼「謝るな!」
男「…」
男「…あれ?酔いの効果は醒めたはずじゃ…」
幼「ふん!」ブン
男「いだっ!」
幼「ボクは正気だよ、さっきの記憶もある」
幼「だ、だから…その…えと」モジモジ
男「?」
幼「だ、だから…その、願いは…叶ったし、そ、その…君とのキスも…ほ、本当に…嬉しかった///」モジモジ
男「お前…」
幼「だ、だから…え、えと………し///」
男「し?」
幼「新年明けましておめでとう!///」
俯いて服の裾を握り締めながら顔を真っ赤にして言う幼
男「ああ、明けましておめでとう」
幼「…」
男「噛んだな」
幼「言うな…///」
幼「うるさい、大晦日と元旦ぐらい良いだろ。好きにさせろ」プイッ
顔はそっぽ向きながらも体は俺に寄りかかる
男「可愛いなぁ、毎日デレてきてもいいんだよ?」ギュ
幼「それは流石に…無理」
幼「うん、そうだね」
東の窓に寄る
男「今日は快晴だな。空も明るんできたし、そろそろだ」
幼「…」
男「幼?」
幼「…めて」
男「もっと大きく」
幼「抱きしめて…」
男「ああ」ギュ
幼「もっと強く…」
男「こうか?」ギュゥ
幼「ふふ…初温もり」ボソリ
男「俺も初、初幼温もり」
幼「語呂悪すぎだよ」
男「うん、俺も思った」
幼「男…大好き」
男「俺も大好きだぞ」
幼「…ふふ」
幼「…綺麗」
男「そうだな」
幼「君と一緒に見れて良かったよ」
幼「やっぱり、来てよかった。…温かい」
抱きしめている男の手を取って頬ずりする幼
男「幼…」
幼「ずっと…こうしていたい。ずっと…」
男「…ずっと一緒だよ。ずっとな」
幼「だと…嬉しい」スリスリ
男「な、何で!?初詣には行かないのか?」
幼「…着替えて来るんだよ、察して」
男「あ、そうか。すまんな」
幼「すぐ着替えるから待ってて」
男「ああ」
___
_
幼「お待たせ…ってまさかずっと家の前で待っていたの?」
男「ああ、そうだが」
幼「寒いから外で待ってなくても良かったのに…」
男「可愛いお前の姿を一早く見たくてな」
幼「…ありきたりすぎ、40点」
男「辛口だな」
幼「甘いアイスでもいるかい?」
男「そうだな、口を冷やしたい」
男「やっぱり和服は日本人の心!幼可愛い!大和撫子万歳!幼可愛い!やっぱり巫女服と和服は最高!異論は認めない!幼可愛い!巫女服と和服に合うのは黒髪ロング!これも異論は絶対認めない!幼可愛い!」
幼「…やっぱり君はバカだ」
幼「でも…嬉しい、かな」
手を握られる。自然と恋人繋ぎになる
幼「初詣、行こうか?」
男「やっぱり人が多いな」
幼「そうだね、…はぐれたくないからちゃんと、手、握っててね?」
男「ああ」ギュ
幼「ふふ…正月は、良いものだ」
男「まったくだな」
男「祈願、それには500円が必要なのだ…」
幼「…勿体無いね。ボクは無難に五円だよ。ご縁がありますようにってね」
男「ふ、情弱め。ていりゃあああ!」
ガツ
モブ「あいた!」
男「あ」
幼「…ばーか」
<あはは、次は気をつけてね。はい500円、願い叶うと良いね
_____
___
_
男「良い人でよかった…」
幼「君は実に馬鹿だねまったく」
男(幼と一生一緒にいられますように)
幼(いつまでも男と幸せに暮らせますように…結婚とかしたいし子供も男似で、でも性格は似てもらっちゃ困るな、それはボク似で。あと…)
_____
___
_
男「妙に時間長くなかったか?お前」
幼「気のせいじゃない?」
男「…絶対違う」
幼「で、何お願いしたの?」
男「お前と同じだと思うよ」
幼「…だと嬉しい、かな///」
男「?顔赤いな」
幼「…うるさい///」プイッ
男「…ははあ、さては工口いお願いをs」
幼「なわけあるか!」ゲシッ
男「ぎゃー、げたで蹴った!」
幼「やかましい!」ボカ
男「豚がぶった!」
幼「誰が豚だ!死ね!」
幼「…凶か、お焚きあげでもしてこようかな」
男「お、大吉」
幼「へえ、どれどれ」
男「恋愛運。今年は特に恵まれ、ハーレム完成m」
幼「そりゃっ」びりっ
男「うわああ!せっかくの大吉がああ!」
幼「これはボクがついでにお焚きあげしてきてあげるよ。感謝してね」
男「」OTL
友「やあ大将に姉御あけおめんちかつ!」
男「よう、友、女ことよろーすかつ!」
幼「何だ君たちか。そして挨拶くらいちゃんとやれ。なあ女、君もそう思う…」
女「深夜のテンションのままなんだよ!うっひょぉぉおおおおお!」
幼「一番まともじゃなかった…」
男「友…よく見りゃやつれているな…」
友「あのテンションの女に一晩中玩ばれてな。勘弁して欲しかったぜ…」
男「何故そうなることが分かっていて家に入れた」
友「戸締りは完璧だったはずなのにいつの間にか入ってきて連れ去られた。気が付いたら女の家にいた」
男「何それ怖い」
女「いい?戸締りが完璧な家に忍び込むコツはね…」
幼「ふむふむ…それならボクでもでk」
男「言うな!聞くな!教わるな!」
幼「…」読書中
男「…」ゲーム中
幼「ねえ男」
男「…何だ?」
一緒のコタツに入って互いにくっつきながらそれぞれ思い思いにすごしていると幼が突然口を開いた
目線は本のままに
幼「冬休み、今日で終わりだね」
男「ああ」
幼「…終わってほしくないな」
男「…しょうがねえさ」
幼「…こうやって君と一日中過ごしていられるのも最後だもの」
幼「………そんな一言じゃ納得できないよ」
幼「皆がいる前でこんなことできるか」ギュゥウウ
男「や、やめれ、ほっへひひへふー(ほっぺ千切れるー)」
_____
___
_
幼「…ごめんね、臆病で。……ごめん」
男「…はぁ」ポリポリ
男「不器用なのはお互い様だな。来いよ」
幼「うん…」
ギュ
幼「今日は…ずっと、こうしていたい」
男「あい、よ」
男「おはよう、お前の制服姿久しぶりに見るな」
幼「といっても二週間程度じゃないか」
男「まあそうなんだけどな。じゃ、行くか」
幼「ん…」つ
男「ん?」
幼「手、寒いから温めて」
男「分かったよ、この甘えん坊め」ギュ
手を繋いでやる
幼「何のことかな、ボクは暖房器具程度にしか役に立たない君を役立たせてあげているだけじゃないか。むしろ感謝してくれよ?」
男「はいはい」
男「そろそろ学校に着くな」
幼「…」
手を離す幼
男「もういいのか?」
幼「もう温まったよ」
そう言いながら手袋を着ける
男「あるなら最初から着けりゃ良いのに」
幼「うるさい、わざとでしょ」
男「まあな」
幼「」ペシ
男「いたっ」
女「ラブラブだねー、あたしたちもだけど。うふふー☆」
幼「…君たちも元気そうだね」
友「はっはっは、俺は元気だよ」
幼「棒読みだがどうした」
男「なに、こいつのレ*プ目と首輪と鎖はデフォルトだ」
友「なわけあるか!突っ込めよ!俺が首輪と鎖つけて女にペット扱いされているこの現状に突っ込みいれろよ!」
男「え、異常なの?」
幼「君たちなら日常じゃないか」
友「んなわけあるかー!」
女「にぱー☆」
友「何で俺ばっかり…」
男「女は全ての先生の弱み握ってるし」
幼「仮に効かなくても口が上手いから何かあっても逃げられるだろうしね。君を置いて」
女「楽しかったねー☆」
友「っざけんなこんちくしょー!」
友「逃げられると思うのか?」
女「にぱー☆」にっこにっこ
男「…思わねえな」
幼「…見た目は天使でも中身は悪魔でもドン引きなドSド外道だからね」
女「何かなー?」にこにこ
男「ひぃっ」
幼「女の手前言っているんじゃないの?」
女「」にっこにっこ
友「やめて、女がすごい笑顔でこっち見てるからやめて。こいつの笑顔と狂気は比例するからやめて」
男「で?本音は?」
友「いや、本当に好きだよ。建前じゃなくて」
女「えへへ、あたしも好きー」ギュウ
友「これがあるから別れられないんだ」ナデナデ
男(飴と鞭…)
幼(飼いならされてる…)
友「Sヤンだろ。サディスティックに病んでる」
男「何それ怖い」
幼「ボクがクーデレで良かったね」
男「お前たまにSになるだろ。Sクーだ」
友「語呂悪ぃな」
幼「ていうかデレは?いらないの?」
男「俺は幼が好きだ」
幼「新年一発目から何だ君は、気持ち悪いからやめてくれ」
男「素直じゃないな、学校でもデレればいいのに」
幼「うるさい、デレたことなど一度も無いだろ」
「本当は男くんに思いっきりデレて色々したいけどクラスの人目が怖くてできないんだよぉ。(モジモジ」
女「バーイ、幼ちゃん!」
幼「何がバーイだ!そんなこと思ったことないぞ!///」
友「姐御、顔」
幼「はっ///」フードぱさ
男「」ニヤニヤ
女「ニヤニヤ」
友「乙」ニヤニヤ
幼「いつか覚えてなよ…」
幼「何だい?」読書中
男「お前ってホラーは読まないのか?」
幼「…読まないね、人を怖がらせることを目的とした陳腐な小説なんておもしろくもない」
男「…怖かったr」
幼「無い、このボクがただの文体に怖がるわけが無いだろう。違うかい?」
男「いや、お前は実際に怖いだけだろう」
幼「ふん、さっきも言ったがこのボクがただの文章にビビるとでも?」
男「…お前、ライトノベル好きだよな」
幼「うん?好きだよ。君以上に」
男「さらりと本以下発言されたがそれはさておき、このラノベをお勧めしよう」
幼「『断章のグリム』?」
幼「へえ、いい挿絵だね。この表紙の娘のジト目がたまらないよ。ま、借りておこう」
男「いや、今読みなよ」ニヤリング
幼「ふむ、君がそういうなら…」
___
_
幼「いやあ!」
男「うおっと、本は大事にしろよ!投げんな!」
幼「こ、こんな怖いなんて聞いてないよ!ぐ、グ口イと怖いは別なのにこの人のはしっかりどっちもカバーしてて怖いよ!」
幼「ていうか設定がまず痛いよ!リストカットしてその痛みと引き換えに敵を炎で焼く能力って何!しかも描写がリアルで読んでて痛い!」
幼「目玉抉るシーンも痛いし、この子の狂い具合も怖いしもうやだあ…」
男「へえ、やっぱり幼は怖がりなのか。残念だな、それを読み終わったら抱きしめてナデナデしてあげようと思ったのに」
男「やっぱり幼はヘタレだったんだな、ショックだわ」
幼「…」ペラ
幼「…き、君にバカにされたまま終わらせてたまるか…」
…分かりやすい
___
_
幼「よ、読み終えた」
男「お、読み終わったか。涙目だな」
幼「うるさい!怖かったんだよ!頑張って読んだけど怖かったんだよ!」
幼「もうやだ…特にあれがきつかった、体中の毛穴と言う毛穴から茨が生えてくる奴とのっぺらぼうが『ダマサレタ』って言うシーン」
男「よしよし、よく頑張ったな」ギュー、ナデナデ
幼「バカ…君なんか嫌いだ」
男「俺はお前が好きだよ」ナデナデ
男「よし、今度はホラー映画を見に行こう」
幼「絶対嫌だ!」
モブ「幼ちゃん、その左手ってもしかして…」
幼「」さっ
モブ「隠しても無駄だよー、今薬指に指輪はめてたでしょ!」
幼「いや、い、今のは…えと、その、えと…」
幼「た、ただのファッションで…その、決して、もらったわけ…じゃ…」
幼「じゃ、なくて…えと…あう…///」
幼「だ、誰っていうか…そ、その…じ、自分で…買ったし…お…誰かに貰ったわけじゃ…///」
モブ2「何言ってんだ幼さんが貰うとしたら男以外にありえないでしょ」
幼「お、男は関係無いよ!」
幼「あ………///」
モブ「自白した!」
幼「ち、違う。関係無いって言ったし」
モブ「私の目を見て…」
幼「…」
モブ2「目を逸らした!」
幼「…うぅ」
幼「や、やめ」
モブ2「男くーん!」
男「何だ?」
モブ「幼ちゃんの指輪について知っていることを吐きなさい。というか渡したのあなたでしょ?」
男「…」
モブ2「どうなんだ?ネタは割れているんだぞ!」
男(…幼がすごい睨んで来てるんだが)
男(しかし、言うしかあるまい)
男(なぜならばなんか展開的に面白そうだからだ)
男「そうだ、その指輪は俺が幼にプレゼントしてやったものだ」
幼「あ…あ…あ、あう、あぅぁぅ…///」
モブ「なんだやっぱりそうなんじゃん」
モブ2「結婚おめでとう!」
幼「男ぉ!何で言ったの!!!!///」
男「いやあ、展開的に?」
幼「うわああ!絶交だ!!」ダダダダ
男「お、おい待てって!」
男「幼、悪かったって」
幼「…何で言ったの?」ジトー
男「いや、あたふたして顔真っ赤にする可愛い幼が見たくてつい…」
幼「バカ…これで満足?」
男「今度は近すぎるんだが…」
チュ
男「!?」
幼「ふふ、いっぺん死ね」
い、今キスされたぞ!?一瞬だけ
幼「誰がデレツンだ。ほら、教室に戻るよ」
_____
___
_
教室
モブ「二人っきりでどこ行ってたの!?」
モブ2「まさか誰もいないところでチュッチュイチャイチャ」
モブ3「果てはあんなことやこんなことを。キャー!」
幼「…」ドガッ
男「何で俺が殴られんの!?」
幼「うるさい死ね!///」
男「理不尽だ!!!」
男「もう2月だな」
幼「どうせ君の頭の中には『バレンタイン』の一言しか無いんでしょ?」ジトー
男「何故分かった」
幼「長い付き合いだからね」
男「彼女として?」
幼「誰が彼女だ。君の友人としてだよ」
男「ああ、正式に彼女になったのはつい最近だもんな」
幼「…ボクは君の彼女になるとは一言も言ってないよ」パサ
男「そう言いながら フード被るってことは赤くなっているかにやけているかだな」
幼「うるさい、ボクは君が嫌いだ」
男「俺はお前が好きだよ。大好きだ」
幼「…」フー
男「嬉しかったか?」
幼「………別に」
男「何?子供は何人欲しいかって?」
幼「そんな話した覚えは無いよ」ジト
男「じゃあいつ初夜にするk」
幼「話し合って決めるもんでもないだろ!///」ボカッ
男「あだっ、突っ込みにしてはいつも以上に痛い!」
男「あ、もしかして内心幼もヤりたっかたり?あだだだだ」
幼「何を言っているんだ君は」グリグリグリ
男「やめ、梅干は痛い!痛いって!」
男「そうだな…お前の」
幼「『お前の作る料理なら何でもいい』は封印で」
男「…オムライス」
幼「…分かった。練習してみるよ」
男「今からかよ」
幼「うるさい、明日楽しみにしてなよ?」
男「首を長くして待ってる。愛する幼の料理だからな」
幼「伸ばしすぎて千切れてしまえばいいんだよ」プイッ
男「可愛いなあもう」
幼「うるさいうるさい。そういうわけでボクは帰るよ」
男「ああ、じゃあな」
幼「味も見た目も完璧な物を作らなきゃ…」
幼母「せいが出るわねえ。教えてあげようか?」
幼「いい、自分で全部やらなきゃ…意味無いもの」
幼母「あらあら、張り切っちゃって」
幼「おはよう、作りにきたよ」
男「誰がやつれるまで練習に没頭しろと言った」
幼「してない、徹夜も没頭もしてない」
男「まあいいや。早く作ってくれよ」
幼「うん、ちょっと待ってて」
男「お、珍しいドヤ顔」
幼「うるさい早く食え」パサ
男「何で隠すかな!」
幼「…で、その…どう、だい?」
男「文句無しの100点!すごく美味しい」
幼「やったあ!」
男「可愛いなあ」ナデナデ
幼「やめろ撫でるな!フードを取るな!///」
幼「心配しなくてもちゃんと考えてあるよ」
男「去年みたいに激辛カレールーをチョコーティングしただけだったり一昨年みたいに虫が入ってたり人肉が入ってたりしないだろうな」ナデナデ
幼「最後のは身に覚えが無いよ」
男「とりあえず今年は普通だろうな?」
幼「さあね、楽しみにしているといいよ」
男「またそれか」ナデナデ
幼「というかいつまで撫ででいるんだ///」パッ
男「あ、逃げられた」
幼「…まったく」
登校路
男「おはようチョコレート!」
幼「それ以外には言うことないのか!」ズボォ
男「げほっ、げほぉ、包装紙ごと口に突っ込んでくるなよ!」
幼「ふん」
男「それにこれすぐそこの百円均一で売ってるやつだし」
幼「ボクの君への愛はその程度だってことだね」
男「百円!?」
男「何でだよお!愛する幼の手作りチョコを早く食べたいんだ!」
幼「そうやって悶々とする君を半日見ていたくてね。ふふ」
男「このドSめ!」
幼「だってボクだよ?」
男「それで許されると思ってんのかこのやろう」
幼「君はボクに手を上げられないからね」
男「ぐ…」
幼「好きだよ?」上目使い
男「あざとい!許す!」ギュー
幼「うわ、いきなり抱きしめてくるな!くそ、離せ!///」
幼「くそ、何だこの敗北感…///」
男「可愛いなあもう」ギュウ
幼「いい加減離せ」
モブ「ねえ見たよ!さっき熱く抱き合っていたよね!」
モブ2「朝っぱらから盛るなんてやるなあ」
幼「案の定見られているじゃないか」ギリギリ
男「ぐ、が、や、やめ…首絞めんといて…し、死ぬ」
男「」チーン
幼「お、男!しまった!」
幼「…ごめん」シュン
男「いや、もう慣れた。生死の境を彷徨いすぎて今も三途の川の川渡しに『また君か』と言われてきたところだ」
幼「面白い臨死体験だね」クスクス
男「お前反省してるの?」
幼「さあ?」
男「この野郎…」
モブ美「あの、男さん。これ受け取ってください!」
男「お、チョコか」
モブ美「じ、実はそれ本命なんです!ど、どうぞ美味しく味わってください!」
男「そうなのか、嬉しいよありがと」ニコリ
モブ美「はうっ!///」
モブ美「そ、それではまた!」ビュン
男「うむ、それではいただきます。と」
幼「男!そのチョコは何!?」
男「げ」
男「お前が信じられないならこれはきっと嘘なんだ。そう、この世の中信じられないものは全部切り捨てていいはずだ。そうだろ?」
幼「そんなアホ理論でボクを騙せると思うのかい?」
男「ですよねー」
幼「で」
男「はい」
幼「そのチョコレートはどうするつもり?」
男「…食べます」
幼「ボク以外から貰ったチョコを?」
男「彼女じゃないなら良くない?」
幼「………………か、彼女…で、ある…ボク以外から貰ったチョコをあろうことかボクの目の前で食べるつもりかい?///」
男「よっしゃ、正式来た!」
幼「…///」ムス
幼「ボクの気持ちは踏みにじってもいいんだ。ふーん」
男「お前めんどくさいな」
幼「何を今更」クスクス
男「でもなあ、食べないのも悪いし」
幼「ボクの彼氏を名乗るならちゃんと決断してね」
男「…よし、食おう」
男「あ、ひでえ!」
幼「君が食うくらいならボクが食う」
男「せっかくの…」
幼「うむ、甘すぎる。この甘さは絶対に君には合わないね」
幼「う、ナッツが入っている。君はナッツが嫌いだったよね」
男「いや別に嫌いでもなんでもないけど」
幼「まったく作るなら相手の嫌いなものくらい把握しておくべきだね」
幼「柔らかすぎて食感がいまいち、うん、全部まとめて20点」
男「酷いな」
幼「食べたら後悔するレベルだよ。君は食べなくて良かったね」モグモグ
男「お前性格悪いってよく言われない?」
幼「ふふ、何を今更」
男「だよねー」
男「あ!今美味いって言った!絶対言った!美味しかったんだぞそれ!」
幼「でもボクのに比べたらゴミクズ以下だね」
男「お前最低だな!」
幼「ふふ、自覚はしてるさ」
男「しかも自覚ありかよ!」
幼「男、そろそろボクの手作りチョコが恋しくなってきたんじゃないかい?」
男「分かってんなら早くよこせ」
幼「ふふ、家に帰るまで我慢」
男「ぐあー糖分が欲しい!愛情と真心でトッピングされたチョコレートが欲しい!」
幼「ふふふ、そうやって悶々とするところを見たかったんだよ」ニヤニヤ
男「こんな時だけ笑顔を見せるな!」
男「いらねえ死ね」
友「いつにも増して酷い!」
男「男に愛を貰う趣味はねえ」
幼「というかそれは女からの貰い物だろう?そんな簡単にあげちゃっていいのかい?」
友「あの女がすごいニコニコしながら渡してくるときはろくなことが無いんだ!このチョコだって『放課後あたしの家に来てから食べてね』なんて言ってたんだぞ!」
男「十中八九眠り薬か媚薬が入っているな」
幼「精力増強剤もありそうだね」
男「まさかの全部?」
友「す、捨ててやる…」
幼「そうすればいいじゃないか」
友「もう5回やったけど何故か戻ってくる。知らないうちにポケットに戻ってきてる」
男「何それ怖い」
幼「雪が降ってきたな…」
男「またか、寒いから勘弁してほしいなあ」
幼「ふふ、まあいいじゃないか。ホワイトバレンタインなんてのも中々乙でさ」
男「そうか?」
幼「そうだよ。ボクの手作りとは別にホワイトチョコレートでも買っていこうか?」
男「そうだな、普通にコンビニに売っているだろうし」
幼「さあ召し上がれ」
男「お、チョコケーキか。でかいな」
幼「ボクの愛の分だけ大きくした」ドヤッ
幼「…いや待った、今のセリフ無し。言ってから恥ずかしくなってきた」
男「大好きな幼の愛の分だけ大きいケーキだもんな、ちゃんと食べなきゃな。うん可愛い幼が愛をたっぷり注いで作ってくれたんだもんな」
幼「やめろ、言うな。言わないで、お願いやめて///」
男「ああもう可愛いなあ」ナデナデ
幼「うるさい早く食え!///」
チュ
幼「っ!///」
男「いただきます」
幼「ひ、卑怯者!!///」
幼「で…味は、どう?」←フードで顔を隠してる
男「最高!美味しい!可愛い!愛してる!」
幼「ぼ、ボクの想像とは少し方向の違う感想だったが」
男「嬉しくないのか?」
幼「………嬉しい、よ」
幼「え、そ、それはホワイトデーだけで充分…」
男「頭を撫でるか抱きしめるかキスをするか」
幼「い、いや…いらない。し」
男「絶対に」
幼「じゃ、じゃあ…き、君が…そこまで、言うのなら…」
幼「抱きしめて…頭撫でて」
男「分かった」ギュ
幼「ん…」
男「フード被ってたら頭撫でられないよな」
フードを取る
幼「ちょ、まっ…///」
男「可愛いなあ」ナデナデ
幼「う…うるさいよ///」
友「なんだか今日は天気が悪いな」
男「夜に嵐が来るらしいぞ」
幼「…そうなのか?」
男「ああ、しかも雷雨とか」
幼「…」
女「あたし怖いなあ。夜は友君に逃げて甘えようかなー(チラッ」
友「やめろ、二度とお前を家に泊めるつもりはない!」
男「前回何があったんだよ」
友「…精も根も尽き果てる羽目になった…」
男「…恐ろしいな」
女「にぱー☆」
幼「や、やあ男…」
男「どうした?」
幼「いや…その、家に…入れてくれ」モジモジ
男「まあ、それはいいけど」
ゴロゴロ…
幼「」ビクッ
幼「う、うるさい!いいから早く中に入れて!早く!」
男「…何を焦っているんだ?」ニヤニヤ
幼「焦ってなんかない!早くしt」
ドッカアアアン
幼「ひゃあ!」
男「お前、怖いのか」
幼「…」フイ
幼「うるさい、早く入れろ。頼むから」
男「認めればいいぞ。雷が怖くて俺を頼りにしにきたってな」
幼「ま、まさか。君が最近ボクといちゃ付いてないから寂しく思っているだろうと思ってね」
男「べつにいいや。じゃあな」
幼「待て、扉を閉めようとするn-」
ビガアアアアン
幼「ひぃゃあ!」
可愛い
男「流石に涙目になっててかわいそうだから入れてやろう」
幼「なってないし」
男「じゃあ入れない」
幼「…てます」
男「もっと大きく」
幼「…なってます…」フイ
男「かわいいなあもう」ギュー
幼「…///」
ドッカアアアン
幼「ひゃっ!」
男「いやあ、いいものが見れた」
幼「うるさい忘れろ…」
男「いやあ、絶対忘れられないってあんな可愛いのは」
幼「…いつも…」ボソ
男「え?」
幼「いつも…は?」
男「そりゃもちろんいつも可愛いよ!それにも増して可愛いってことよ」
幼「あ、そ」ぱさ
男「あれ?何でフード被ったの?」
幼「さあ…ね」
男「ああそうか。自分で言わせといて恥ずかしくなっt」
幼「うるさいだm」
ビガアァアアン←落雷
幼「うひゃあ」ギュー
男「可愛いなあ」ナデナデ
幼「忘れてくれ…グス」男の部屋
男「いやあ、いいものが見れた」
幼「うるさい忘れろ…」
男「いやあ、絶対忘れられないってあんな可愛いのは」
幼「…いつも…」ボソ
男「え?」
幼「いつも…は?」
男「そりゃもちろんいつも可愛いよ!それにも増して可愛いってことよ」
幼「あ、そ」ぱさ
男「あれ?何でフード被ったの?」
幼「さあ…ね」
男「ああそうか。自分で言わせといて恥ずかしくなっt」
幼「うるさいだm」
ビガアァアアン←落雷
幼「うひゃあ」ギュー
男「可愛いなあ」ナデナデ
幼「忘れてくれ…グス」
幼「無理…今日家に誰もいなくて…こんなときに限って…停電して…」
男「で、たまらなくて俺に泣きついてきたんだな」
幼「…もう、それでいい…雷だけは無理…何であんなに音が大きいの…」
男「キャラ崩壊が…」
幼「そんなボクも可愛いんだろ?」ギュー
男「まあな」
ビガアアアアン
幼「うっ…~っ!」ギュー、ブルブル
男「大丈夫、大丈夫だから」ナデナデ
幼「うぅ…男ぉ…」
男「え、悪いしいいよ」
幼「ボクはよくないよ。泊めてもらうんだからこのくらいはしなきゃ…」
男「泊まる気!?」
幼「いいよね?」
男「いいわけないだろ!まずいって!」
幼「…頼むよ…今日、誰も家にいないんだ…」
男「…」
幼「…君は、帰ってくるのか?」
男「いや、今日は帰ってこないが」
幼「なら…いい、だろ?」
男「…お前、風呂は?」
幼「君のあとに入るよ」
男「…着替えは?パジャマは?下着は?」
幼「君のを借りる」
男「待てこら」
男「おおありだわ!ほら、俺も一緒に行ってやるからお前の家に行くぞ」
幼「い、いや君にそこまでやらせるわけにはいかないしわざわざ取りに行く必要は無いよ」アセアセ
男「じゃあ一人で行け」
幼「…怖い…」
男「…だったら着いていく」
幼「いや、いいって」
男「ダーメ」
幼「…ちぇ」
幼の家
男「うわ…本当に暗い…」
幼「男…男?そこにいる?」
男「いるよ」ギュ
手を握ってあげる。本当に怖いんだな、震えてた
_____
___
_
男「取ったか?」
幼「うん、取ったよ」
男「じゃあ戻るか」
チャプ
幼「ふう…いいお湯」
幼「…男が入ったお湯……ふふ」チャプチャプ
は、いけないいけない、こんなニヤけている顔を見られたら困る
男が風呂場に入っきてすぐに罵倒を浴びせられるようにしないと
幼「ふふ…早く来い」
___
_
幼「来ない…」ブクブク
幼「これでのぼせてもあれだし…出なきゃ」
幼「…バカ」
___
_
男「おお、あがったか」
幼「このバカ、覗きにくるなって言っただろ!」
男「行ってないから!」
幼「うるさい!空気を読め!」
男「ええええええええ!?」
幼「このヘン夕イ!」
男「理不尽!かつて無いほどに理不尽!」
幼「…まだ雷雨止まないし泊まっていく」
男「はいはい、今布団敷くから」
幼「…同じ布団で良いのに」
男「…どうしたお前」
幼「デレ期だ、いいだろ…///」プイ
男「可愛いなあ、まあいいか」
幼「…やった///」
幼「…襲ってくるなよ?」
男「襲わねえよ」
幼「…フリだよ?」
男「聞いてない、何も聞いてない」
___
_
幼「ふふ…幸せ」ギュ
男「はいはい、可愛いなあ」ナデナデ
幼「ん…大好き」ギュゥ
男「はいはい、俺も大好きだよ」ギュ
幼「ふふ…」チュ
幼のほうからキスしてきた
男「どうした、突然」
幼「ボクはね、あまり信じちゃいないけど君と出会えた幸運だけは何かに感謝したくなる時があるんだよ」
幼「男と出会わせてくれてありがとう、神様。とね」
男「」
幼「…はい失格」
男「え?何の話!?」
幼「可愛い彼女がこっぱずかしいこと言ったのに洒落た返しの一つも言えない男なんか彼氏失格だね」
男「待て待て待て!分け分からないし!いつもとまったく違うキャラでいきなり喋り倒されたら誰だって言葉失うわ!どっから持ってきたその少女マンガみたいなキラキラしたエフェクト」
幼「うるさい君なんか嫌いだ近寄るな」
男「ええええええ?」
男「り、理不尽な…」
幼「嫌いだ」
男「…うるせえよ…」
幼「…返しが違うでしょ」
男「…?」
幼「ボクは君が嫌いだ」
男「…俺はお前が好きだ?」
幼「…何で疑問系なのさ」
男「俺はお前が好きだ!」
幼「ふふ…」
幼「ん?」
男「恥ずかしいこと言ってみたくて言ったけど後から予想以上に恥ずかしくて誤魔化しただけじゃ…」
幼「…君のゴミみたいな頭じゃその程度の的外れな推理をするのがせいぜいなようだね」ぱさ
男「そう言いながらフードを被って顔を隠すのを見ると…」
幼「余計な詮索をするなバカ…」
幼「飽きた」
男「飽きた!?」
幼「うるさいな君は。ボクが甘えたいときに甘えさせてくれればそれでいいんだ」
男「じゃあ今甘えてきてもいいんだぞ!」
幼「気分じゃない」
男「ああ、そう」
男「何だ?」
幼「最近、あまり遊んでくれないね」
男「いや、それは」
幼「いや、いいわけはいい。どうせ浮気でしょ」
男「何でだよ!」
幼「いつも一緒にいて欲しいなんで贅沢は言わないよ。でも、もう少し…」
男「…はぁ、車の教習だよ」
幼「車?」
幼「…」ニヤリ
男「」
男「…お、俺帰るわ」
幼「ちょと待ちなよ」ガシッ
男「…ああ、神様…あなたは非情だ」
男「…一番?」
幼「うん、一番。絶対に一番最初で」
男「…何で一番に拘るんだ?」
幼「まあいいじゃないか。楽しみにしてるよ」
___
_
幼「聞いたよ!取れたって?」
男「げえ、関羽!」
幼「誰が関羽だ。で、免許取れたんだって?」
男「…まあな」
幼「ふふ、ドライブデート行こうじゃないか」
男「…お誘いは嬉しいが怖いからやだ」
幼「拒否権は無いよ?」
男「運転すんの俺なのに!?」
男「レンタルだよ」
幼「しゅっぱーつ」
男「お前、俺が初心者だって分かってるよね?」
幼「大丈夫だよ、君となら死んでもいい」
男「ラスボス戦前のテンション!?」
男「はいはい…」
幼「安全運転でよろしくね。ボクはもちろん助手席で」
___
_
幼「遅いよ!もっと早く!」
男「お前さっき安全運転しろって言ってただろ」
幼「ああもう貸して!」
男「お前免許ねえだろ!」
幼「じゃあハンドル任せた」
男「やめろやめろアクセル踏むなぁ゙ぁ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!!」
幼「本当だね?やった」
こいつ…確実にハンドル握ったら豹変するタイプだ。絶対運転させちゃあかん
___
_
男「ここ、どこ」
幼「迷った?」
男「…みたい」
幼「男、どうしよう」
男「どうした?」
幼「迂闊だった…着られるパーカーが一つも無い」
男「え?」
幼「いや、干してたのが雨で濡れてまた干さなきゃならなくなって、他にもいろいろあって結果一つも着るものが無い」
男「なるほどね」ゴソゴソ
幼「何しているんだい?その押入れに何が…」
男「…へっへっへ、これこれ」
幼「な、ケモ耳…パーカー…」
男「尻尾つきズボンもあるぞ」
幼「…何であるの」
男「いつか着せたかった」
幼「…君は、着たことあるのかい?」
男「たまにパジャマに」
幼「…はあ、まあ言いたいことは分かったよ。着てみろってことでしょ?」
男「もち!」
幼「…貸してみろ」
幼(男がよく着てるのか…寝ているときに)
男「…おお、可愛い!」
幼「本当に?」
男「すごく似合ってる!」
幼「………にゃん」
男「くー、可愛すぎ!」ギュー
幼「………………にゃん///」
小さく言うと抱きしめてきた男の胸に頭を埋める幼
幼(…包まれている…)
幼「…ふー///」
幸せに男の匂いで肺を満たすデレ状態の幼であった
男「抱きしめていい?」
幼「っ!?///」カアッ
幼「い、いきなり何だい?…いつもは何も断り無しに抱きついてくるくせに…///」
男「いや、何となく許可欲しくなった」
幼「何だいそれ」
男「で?ダメなのかい?」
幼「…なよ」
男「え?」
幼「…早く抱きしめなよ///」ぱさ
男「ああもう可愛いなあ」ギュー
幼「…///」
幼「や、やめろ。フードを取るな!///」
男「やっぱり赤くなっててかw」
幼「…」チュ
男「!?」
まさかの幼からのキス
幼「…君でも驚くことはあるんだね、ざまあみろ///」
男「…ご、ごちそうさまでした」
幼「…」
男「…」
幼「黙らないでよ、気まずいじゃないか」
男「気まずいじゃなくてだんだん恥ずかしくなってきたんだろ?自分からキスしたことが」
幼「…まさか自分からというだけでこれほど恥ずかしいなんて///」
男「ふふふ、耳まで真っ赤だな」
幼「うるさい見るな///」ぱさ
幼「君はパーカー姿が好きなんだろ?」
男「お前だからでもあるな」
幼「…そう、かい///」
友「諸君、このときが来た!」
男「どした」
友「我は大型二種を取得した!」
男&幼『バス!?』
男「年齢制限があったはずだが…」
友「裏口だ」
男「お巡りさんこいつです!」
男「と、特例…特別許可証だと…うわ、色々な大臣の署名が」
幼「…女か」
女「その通りなんだよー、あたしのコネを使って後は色んな偉い人の弱みをちょちょいのちょい☆」
幼「…さすが」
女「にぱー」
友「まあ今回は普通の車で行くが」
男「ただの自慢だったか」
幼「行くってどこに?」
男&友「」ニッ
男&友「山奥の秘境だ」
幼「?、??」
女「にぱー☆」
女「建築はあたしがタダでやらせたんだよー」
幼「…また弱みで動かしたのか」
男「女のコネは本当に恐ろしいな」
女「大体の世界の重鎮たちのコネと弱みは握ってるんだよー」
幼「…」
友「ということで、夏休みは山奥の秘境だ!ジャングルの奥地だ!UMAだ!探検だ!冒険だ!」
男「おー!」
女「にぱー☆」
幼「どの服持っていこうかな…山奥なら動きやすさも考えないとだし…」
男「どれ、俺が可愛さを考慮して選んでやろう」ガラッ
幼「そ、そこの引き出しはダメ!」
男「く…くまさんおぱんちゅ…」
..メモリークラッシャー
幼「うわああああ!”記憶を粉砕せし一撃”」
男「まごふ…」
男「…夢か。もう夜だけど寝すぎただけだな、うん
」
あれは夢だということにしておこう
よく考えると記憶も曖昧だし本当に夢だ、夢夢
幼「ボク?準備なら昨日の内にすませたよ?」
男「ん、そうか?」
幼「うん」
幼(下着も見られても大丈夫なものしか入れてないし)
幼(…て、何で見られるの前提で考えているんだ。ボクは)
幼(いやまあ、あるかも知れないもんね。多分一緒の部屋で寝るんだろうし)
幼(もしかしたら男のことだし夜中にボクの布団に入ってくるかもしれないし)
幼(もしかしたら脱がしてくるかもしれないし)
幼(うん、ヘン夕イ対策だ)
実は少し期待している幼である
___
_
友「ひゃっはー、飛ばすぜええええ」
男「ぎゃあああああ、お前もかあああああああああああああ!」
どうやら友もハンドルを握ると性格が変わるようだ
男「でもすごいドライビングテクニック!お前もうレーサー目指せよ!」
女「もっともっと!ひゃっはああああ!」
幼「いえい!」
男「ま、魔窟だ…ここは魔窟だ…」
女「だー!」
男「…」チーン
幼「男、レ*プ目になっているよ、大丈夫かい?」
男「…はは、三半規管が…犯された…気分」
男「ちょっと…吐いてくる」
女「ようし、録画しに着いていくよ」
幼「やめろ」ガシッ
女「うわー、離してよー(棒)」
___
_
男「…まだふらふらする」
ボクっ娘「ほら、肩貸すよ」
女「…」
友「熱い目でこっちを見てくるな」
友「この怪奇の館は何百年も前に建てられ…」
男「建つ前は死臭漂う死刑場で…」
幼「つい最近完成したばかりでその前は何も無かったと言っていただろ」
友「」ジトー
男「」ジトー
女「」ジトー
幼「…え?」
友「せっかく見た目古い洋館風にして肝試し楽しもうと思ったのに!」
幼「え、そのアホみたいな設定でいく気だったの」
女「じゃあ罰を考えなくちゃね」
幼「」
幼「ままままま待て待て待て!///」
男「女、ナイス!」
女「拒否するの?」
幼「するよ!///」
女「じゃあ泊まっている間ずっとね。逆らうなら色々ばら撒くよ?」
幼「鬼!悪魔!///」
女「にぱー☆」
男「だな」
幼「…はぁ///」
女「じゃあ入ろう!」
全員「」ビクウッ
友「…姉貴、お前か」
友姉「あり?バレた?」
友「他にいねえし。どうやって先回りを」
友姉「うーん、テレポ?」
友「…本当俺の周りの女は化け物ばっかりだ」
友姉「やあねえ、ただのレベル5能力者なだけよ」
男「誰でもいいからその気合が入りすぎたお化けメイクで普通に会話するのやめてくれない?」
幼「…」ビクビク
友「留学はどうした」
友姉「飽きたから帰ってきたわ!」ドヤ
男「うん、やっぱり変わらないなこの人頼むからメイク落として来い」
友姉「ほいほーい」
男「運命がカードをまぜ賭場は一度!! 勝負は一度きり!!相手は鬼札!!さてお前は何だ!!我が友よ!」
エース
友「ふっ、もう勝った気でいるのかい?坊や。俺にも切り札がいるのさ」
友「どうだ!ストレートだ」
男「わりいな、フラッシュだ」
友「ぐおおおお、負けたあああ!」
男「雑魚め、この数万はもらったぞ」
幼(うわ、イカサマ連発)
女「あんな簡単な手に気づかないようじゃお仕置きかな。にぱー☆」
男「良かろう、何度でも滅ぼしてやる」
友「ふっ、俺の勝ちが決まったぞ。男よ」
男「」ニヤリ
男「小便は済ませたか?神様にお祈りは?部屋の隅でガタガタ震えて命乞いをする心の準備はオッケー?」
友「これでもまだそんな口が利けるかな?ストレートフラッシュ!」
男「わり、ロイヤルストレートフラッシュ」
友「…俺の敗けだ。惨敗だ、煮るなり焼くなり好きにしろ」
幼(えげつないなあ。というかそんな簡単に出せるわけ無いんだから少しは疑えばいいのに)
友「ちょっ」
男「女、どうぞ」
友「いやああああああ!」
_____
___
_
友「」チーン
女「にぱー☆」
男「ああ、友が真っ白に」
幼「出場拒否」
友「ダメ」
男「面白そうだ。乗った」
幼「乗るな!」
友「ルールは簡単、俺とお前で交互に何か言って顔を真っ赤にさせたら勝ちだ」
男「じゃあ俺からだ。愛しているぞ幼、大好きだ」
幼「ボクは嫌いだ。こっち見るな」
男「なん…だと」
幼「来るとわかってるからね。ばーか」
男「うわあ…」
幼「まあ、その…うん」
女「知ってるよー、にぱー☆」
男「そう思うならやめようぜ。虚しいだけだ」
友「じゃあ次はツイスターゲームを…」
幼「やめろ馬鹿///」
男「いいかげんにしろ馬鹿!」
ボカン
友「ダブルツッコミありがとうございます!」
女「ツ イ ス タ ア (はあと)」
友「えっ、ちょっ、やめて連れていかないで!助けてー」
男&幼「ごめん無理」
友「いやああああ、裏切り者~」
ズルズル、バタン
引きずられて隣室に連れていかれる友…アーメン
幼「よくこの状況でそんな発想が出来るね。こんな」
幼「近くの部屋から叫び声が聞こえる状況で」
<いたいいたい、そっちには曲がらないからあ
<ギャー、上に乗っかってきちゃダメえ!
<お、おも…な、何でもないです!何でもないって!軽い、かるっ…あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
幼「…じゃ、ボクも聞こえないふりを決め込むかな 」
男「うん、直視してもなんにもならないし」
幼「…」
男「…」
幼「…しないの?」
男「え?何が?」
幼「…ほら、その…さっきするって…言っていた…その…」
男「ん?何々?」
幼「…」モジモジ
幼「……いちゃ、いちゃ……///」カァァ
目を逸らして顔を真っ赤にしてそう言う幼
男「可愛いなあ」ナデナデ
幼「…///」
男「フード被って隠したりしないの?」ニヤニヤ
幼「今日はいいの、今日は///」
男「こうか?」ギュ
幼「もっと強く…///」
男「」ギュゥ
幼「…///」フー
満足げに息をはく幼、首筋にかかってくすぐったい
男「俺のこと嫌いじゃなかったのか?」ナデナデ
幼「嫌いだよ、嫌い。でも」
幼「…大好き」ギュ
男「くく、どっちだよ」ナデナデ
男「いいよ」チュ
クチュクチュ
幼「ん…んん、ん、ん…」クチュクチュ
女「」にぱぁぁあああ
幼「ひゃぁっ!///」
裏返った声で飛びのく幼
男「…見てた」
友「しっかりと」
女「幼ちゃぁああん?」←すごい良い笑顔
男&幼「」サァァ
幼「いや、こ、これは…その…あの…///」
男「…ごめんなさい」
女「罰としてあたしたちの目の前でもう一回やって見せなきゃ許さないよ?」
幼「そ、それは勘弁…」
友姉「あれ?お取り込み中?」
男「いや、グッドタイミング!早く助k…飯にしよう!」
女「ちっ」
幼「え」
女「何でもないよ。にぱー☆」
___
_
友「そういや姉貴、あれからずっと顔出さなかったけど何してたんだ?料理にしては長すぎだし」
友姉「ふふふ、よくぞ聞いてくれたわね!」
友「あ、聞かなきゃ良かった」
友姉「真夏の夜といえばこれでしょ!」
友姉「肝試し!」
幼「…」そそくさ
男「どこに行く」ガシッ
幼「ぃゃぁ!離して!」
男「一人だけ逃げるなんて無しだ」
幼「無理、ボクは無理」
男「大丈夫だって。どうせそんなに大したことないよ、あの人が一人で準備したみたいだし」
幼「いや、でも嫌」
幼「っ!?」
幼「ぐぬぬ…///」
女が幼に何か耳打ちする
幼「分かったよやるよ…クソ///」
男「…何言ったんだお前」
女「にぱー?」
そして
友姉「いってらっしゃーい」
友「まあ死にはしないだろ頑張っ」
女「面白いのを期待しているよー」
男「まあこうなるわな」
幼「何でこうなるの…」ブルブル
俺と幼の二人が先に行くことになった
意図を感じる…
男「なあ、歩きにくい。放してくれ」
幼「…くっつくぐらい良いだろ。じゃないと怖い…」
男「いつもの強気はどうした」
幼「家に置いてきた」ギュ
男「わっ」
幼「ひゃあっ!」
男「」ニヤニヤ
幼「…ね、ねえ…もう大丈夫?目開けていい?」ブルブル
気づいてない!?だと
幼「…ふう」
男「お前ホントこういうの苦手なんだな」
幼「うるさい、しょうがないだろ。怖いものは怖いんだ」
男「可愛いな」ニヤニヤ
幼「何でもいいから手離さないでよ?お願いだよ?」
幼「離さないでよぉ」ギュ
腕をつかんで引き寄せられる
男「冗談、離さないよ」ナデナデ
幼「…うん」ギュゥ
二人「ぎゃああああ!」
この世のものとは思えない化け物が現れた
しかも追いかけてくる!あの姉どういう仕掛けしたんだよ!エクストラでも連れてきたのか!
友「あいつがこんなに叫ぶなんて…姉貴、どんな仕掛けしたんだよ」
友姉「ちょっと色々妖怪とか魑魅魍魎とか邪神とか召喚しちゃった☆」
友「」
友「…お前、留学先どこだっけ?」
友姉「ミスカトニック大学の近く。アーカムとかインスマスとかダンウィッチとか色々旅行したけど」
友「お前何学んできた!どんな黒魔術学んできたんだ!」
幼「う、うん…怖かったよ」グス
幼「怖かったよぉ!」
男「はいはい、俺がついているから大丈夫だよ」ギュ
幼「怖いものは怖いよ…」ギュー
珍しい幼の泣き顔を見た
___
_
男「ただいま」
幼「…グス」
友姉「おかえりー、どうだった?」
幼「…もう、寝る」フラフラ
男「らしいから俺も。感想は明日言うぜ」
友「じゃ、じゃあ俺も」
友姉&女「逃 が す か」ガシッ
友「いやあぁぁあああ!生贄にされるううぅうう!」
男「はいはい、一緒に寝てあげるよ」
目で訴えかける幼にそう言ってあげる
幼「しょ、しょうがないね。君がそこまで言うなら一緒に寝てあげるよ」
男「あ、じゃあいいわ」
幼「…一緒に寝て?」ウルウル
男「はいはい」
幼「男…」
男「どうした?」
幼「今なら、あいつら戻ってこないよね…」
男「ああ、断末魔とか聞こえるし」
<ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア
チュ
クチュクチュと幼の舌がうねり、絡み、俺を求める
俺も舌を動かしてそれに応える
耳元でそう囁かれる
男「どうしたんだ?いつも以上に甘えてくるが」
幼「……さっきの反動。怖かった…反動…」
男「そうか。じゃあ存分に甘えて来い」
幼「うん」
男「はいはい」ギュ
幼「もう少し強く」
男「こうか?」
幼「うん…君に包まれてる。君の匂い…」
幼「幸せ…大好き」キュ
男「俺も好きだよ」ナデナデ
男「ふあ…おはよう」
幼「はよ…」
友「おう、微笑ましいな」つスマホ
幼「なっ!」
友のスマホには俺と幼が抱き合って幸せそうに寝ている写真が収められていた
女「やはは、可愛い寝顔だね」
幼「渡せ!消してやる!///」
女「やははー、お断りー」
友「断りだぜー」
幼「待て!逃げるな!///」
男「川だ!」
友「泳ぎだ!」
女「水着だ!」
幼「釣りだ!」
友「つーことで、泳ぐぜー!」
皆「おー!」
男「どうした?」
幼「だ…」
女「だ?」ニッコニコ
幼「誰だ!ボクの水着を白スクにすり替えたのは!というか女だろ!こういうことするのは!///」
女「にぱー☆」
幼「はあ…せっかくかわいいの選んできたのに」
男「いや、俺スク水も好きだよ?」
幼「うるさい、せっかく君に見せたかったのに…あーあ、残念だ」
男「う…罪悪感が」
女「それより早く着てみて!」
幼「…」
男&友「うおおぉおおお!」
幼「思ったよりスケスケじゃないか!ってか色々見えてるよう///」
男「手で隠すな見えん!」
幼「普通見えるほうがおかしいんだよ!///」
友「そうだな、小さい頃は全員素っ裸で女の別荘で泳いだりもしてたしな」
幼「そういう問題じゃない!///」
女「じゃないと楽しめないじゃん!」
友「じゃん!」
男「じゃんじゃん?」
幼「うっさいバカども!///」
友「いえーい!」
幼「じゃあボクも」
ジャッパーン
幼「ぷは…気持ちいいね」
男「とりゃああ!」
幼「うわっ、飛び掛ってくんな!」
男「水ん中で戯れようぜ!」
幼「うっさい沈め!」
バッシャァアン
男「おっ、やったな」
友「加勢するぜ!」
女「同じくだよー」
女「覚悟だよ~」
幼「負けたら言うことを聞いてもらうよ。ふふ」ワキワキ
男「この状況で言う!?」
友「勝てばよかろうなのだー!」
___
_
別荘内
女「楽しかったねー」
男「結局勝ち負けってどう決まるんだよ」
幼「存在自体が負けな男が敗者でいいよね」
男「ふざけんな!」
友「さんせー」
男「裏切ったな!?」
友「ふはははは…脅されたんだ。仕方ないだろ」
男「…女」
女「にぱー?」
男「マジで俺が負けな感じ!?」
友「観念するんだ!」
男「楽しんでいるな貴様!」
幼「じゃあ、キザな台詞を言ってもらおうかな。少女マンガや韓流ドラマにありそうなので」
男「…うわ…」
幼「ほら、早く」
男「…俺が夜空だとしたら君は月だ。俺が…えと、真っ暗で…君がいて初めて輝ける…じゃない、えと…君がいないと…ただの暗い空で…その…あれ…」
幼「ぷっ…くくく」
友「」ピクピク
女「にぱー☆」
男「…」
幼「ほら…続け-ぷっ-て…くくく…あははは、もうだめ!」
友「腹…痛い…息できねえ…」ピクピク
幼「あはははは、ほとんど伝わってこないし!わけ分からないし!」
男「ちくしょおぉぉおおおおお!」
ぶっちゃけ自分でも何が言いたかったのかさっぱりだ
友「そう言うなって。続きはよ」
女「つーづーき、つーづーき」
幼「つーづーき、つーづーき」
三人「つーづーき、つーづーき、つーづーき、つーづーき、つーづーき、つーづーき、つーづーき、つーづーき」
男「鬼しかいねえのかここは!!」
友「んじゃ帰るか」
女「おー」
幼「いや楽しかったね」
男「…俺は気疲れしたよ」
友「じゃあな」
男「おう、ありがとな」
幼「またね」
_____
___
_
男「どうする?家来るか?」
幼「いや、外散歩でもしよう」
男「散歩?」
幼「うん」
幼「昔君とよく遊んだね。ほら、あの公園とか」
男「ああ、そういえば」
幼「初めて君がボクに好きって言ってくれたところだ」
男「何で覚えているんだ」
幼「大事なことだからね」
男「幼…」
幼「そういえばあの時は答えなかったね、その答えを今言おう」
男「」ワクワク
幼「大っ嫌いだ、死ね」
男「ふぁっ!?」
幼「冗談だよ」ククッ
男「Sか!」
男「どっちだよ」
幼「…そうか、君はボクの好きだという気持ちを疑うのか」
男「え」
幼「そうかそうか、もう君の事なんかどうでもいいよ。ボクの目の前から消えてくれ」
男「…」
幼「え?」
男「もう話しかけないよ。悪かったな」
幼「ま、待ってくれ。冗談だよ、本当に帰るなって」
男「…」
幼「…何で何も言わないの…?」
幼「ごめんって、悪かったよ」
男「ふ、こっちも冗談だよ。お前って案外心配症だよな」
幼「むぅ…やられたよ」
___
_
幼「子供は無邪気でいいね。楽しそうな笑い声が耳に心地いいよ」
男「そうだなあ、何も考えずただただ遊んでいたあの頃を思い出す」
幼「君の子供時代はあそこまで可愛くなかったけどね」
男「!?」
幼「むしろキモかった」
男「ひでえ!」
幼「今は更にキモい」
男「…そう言うお前は更に可愛くなったな」
幼「っ///」
男「勝った」
幼「うるさい!不意打ちなんか卑怯だ!///」
幼「うるさいよ…///」
男「ほらおいで、抱きしめるか頭撫でるかしてやる」
幼「…じゃあ、撫でるほうで///」
男「可愛いなあ」ナデナデ
幼「んん…///」
男「ああ」
幼「抱きしめるのは……家で…してくれ///」
男「可愛い奴だ」ナデナデ
幼「それも家でね…///」
幼「映画?君のヘン夕イ趣味に付き合う気は無いよ気持ち悪い」
男「俺が何の映画に誘うと思ったんだよ?!ポルノ映画か!」
幼「違うの?」
男「違うわ!ってか彼女と一緒に工口映画見に行こうとする奴がいるか!」
幼「じゃあ何を見に行くというんだい?カップルで見るのを推奨された吐き気のするような気持ちわるいほど甘いロマンスものかい?」
男「お前はそれがいいのか?」
幼「お断りだね。君と見に行くなら…そうだな、ポップコーン片手に見るような家族向け映画か手に汗握るアトラクション映画がいい」
幼「良い選択じゃないか。じゃあ行こう」
男「明日だよ。そんないきなり言うわけないだろ」
幼「何だ、残念。じゃあ、明日を楽しみにしているよ」
男「何だよ、帰るのか?」
幼「うん、明日の楽しみに胸を膨らませておくよ。ついでだ。その後のデートのスケジュールでも立てといてくれ、ホテルは無しでね」
何か勝手に映画以降もどっか行くことにしやがった。ホテル予約してやろうか
___
_
幼「~♪」
幼母「珍しくご機嫌だね。何かあった?」
幼「特に無いよ。あれ?ボクの気に入りの服は?」
幼母「クリーニングだよー」
幼「そうか…取ってくるかな」
幼母「デート?」
幼「あいつとデートなんてするわけないじゃないか。映画見てどこかに連れていってもらうだけさ」
幼母「完璧にデートじゃん。あまりツンが過ぎると男君逃げちゃうよ?」
幼「それはない。断言できるよ」
幼母「二人とも昔から仲良いもんね。小さい頃からデレデレカップルだったし」
幼「無い。それはない」
幼母「クスクス、照れなくても良いのに」
幼「うるさい。服取りに行ってくる」
幼母「ふふ、あの様子だと昔から男君関連になると自然とニヤついていることには全然気づいてないようね」
幼「おはよう」
男「おお、また可愛いかっこうで」
幼「君は相変わらず冴えないね」
男「なんだ、今日はデレデレ幼じゃないのか」
幼「気分じゃないね。さあ、行こうか」
そう言って腕を取る幼、腕を組んでやると頬を紅潮させながらも体を擦り寄せてくる
可愛い
早々に腕を放される
が、手は繋いでくれる
_
幼「いやあ、良い映画だったね。あの炎の竜巻と最後に出てきた超巨大竜巻は本当に興奮したよ」
男「ああ、あの巨大竜巻に巻き上げられるシーンでお前ずっと手を握ってきてたよな」
幼「…知らない」
男「『ひぅっ』とか聞こえてきたが」
幼「し、知らないって…」
男「…え、えと…どこ行きたい?」
幼「考えてないのか」
男「…」
幼「目を反らすな、ボクの目を見ろ」
男「愛している」
幼「知ってる」
男「…い、家に帰っていちゃつこう」
幼「せっかく外に出たんだ。どこか行こうよ。ね?」
幼「丁度良いじゃないか。そこに行こう」
男「何か上手く乗せられてないか?俺」
幼「気のせいさ」
男「…絶対気のせいじゃない」
幼「…そうか、ボクと行くのはいやか。そうかそうか」
男「悪かったよ!拗ねんなって」
___
_
幼「たまには縁日も良いものだね」
男「そうだな。いつぶりだろ」
幼「男、男、金魚すくい」
男「ふふん、任せとけ!」
男「ほらおいで~、とあっ!」
幼「ていっ」
男「あっ、何すんだコラ!」
幼「ごめん、やりたくなった」
男「まあいい、まだ網は破けてない!」
男「最初の叩き落とされてなかったら合計9匹だったぞ」
幼「それだけいれば十分だよ。帰りに金魚鉢でも買っていこうか」
男「ああ、そうだ-
モテ男「君はたったそれだけかい!」
男「あ、モテ・モテ男、結局出番もらえたのか」
モテ男「メタい話は置いておいて、奇遇だね。やあ幼ちゃん今日も素敵だね」
モテ男「がはっ…」
男「俺に『嫌い』と言うときの20割増しで悪意と敵意と嫌悪感が入っているな。今の言葉」
男「おい、豆腐メンタル、大丈夫か?」
モテ男「だ、大丈夫だ。僕はハニーたちの黄色い声援がある限り蘇る」
取り巻きたち「キャーーモテオサマー」
男「ところでお前、金魚すくいできるの?」
幼「早く行こうよ。ボクこいつとあまりいたくない」
モテ男「少なくとも君よりは取れるぞ!君が6なら僕は18だ!」
男(面白いことになるからもう少し見ていろ)
男「ちなみに経験は?」
モテ男「ゼロだ!」ドヤッ
幼「あ」サッシ
モテ男「なん…だと」
ヤッパダメネー、モテオゲンメツダワー、キンギョスクイスラマトモニデキナイナンテクズネ、カオダケノゴミトカマジナイワー、カエロカエロ
モテ男「待って、待ってくれハニーたち、ハニーたちぃぃいいい!」
モテ男「」OTL
男「うん、まああれだ。強く生きろ」
幼「自業自得だ。ざまあみろ」
まあ、自業自得っちゃあ自業自得か
男「今日は大型台風が来るそうな」
幼「うん」
男「ちなみにお前が俺の家に逃げ込んできたのとそれは」
幼「無関係。逃げ込んだわけでもない」
男「じゃあ入ってくるなり雨戸全部閉めたり災害時用非常食用意しているのは」
幼「全く関係ない」
男「ついでに数日分の着替えと1リットルペットボトルと懐中電灯とヘルメットとロープとトランシバーを用意して紙とペンまであるし」
幼「…関係無いってば」
幼「えっと…ほ、ほら…ノス何とかの恐怖の大王」
男「ノストラダムスなら15年近く前だぞ」
幼「今年世界滅びるって」
男「それ毎年言ってるだろ」
去年は10月の何日かだったな。今年はいつになるやら
隕石衝突だのプロミネンスや磁気嵐がどうだの
同じ滅びるなら恐怖の大王の方がまだロマンがあるぜ
クトゥルフ復活はよ。いや、ガタノゾアのほうがいいな
幼「と、とにかく今日泊めて」
男「まあいいけど…」
こりゃ面白そうなものが見れそうだ
___
_
ガタガタガタ
幼「ひっ!」
思わず机の下に避難する幼
男「っ、くっ…く…」
幼「わ、笑うな!もしかしたら何かが飛んで入ってくるかもしれないだろ」
涙目である
男「お前完全にあの映画の影響で怯えているだろ」
幼「お、怯えてなんかないよ。ボクが台風程度に怯えるもんか」
男「じゃあちょっとポテチ買いに行ってくるわ」
幼「ま、待って。一人にしないd…じゃなくて外は危険だから!」
焦ってる。可愛い
幼「ねえ、男」
男「ん?」
幼「今日さ、夜に祭りがあるよ」
男「夜の祭りか…そういえばあの受験の夏からずっと行ってなかったな」
幼「久しぶりに行ってみない?二人でさ」
男「それもいいな」
幼「じゃ、また後でね」
男「後でって?一度帰るのか?」
幼「色々準備があるからね」
幼「やあ、お待たせ」
男「」
幼「どうしたんだい?いつもの間抜けな顔が更に四割増しになってるよ」
男「いや、まさか浴衣がそんなに似合うとは思わなかった」
幼「ふふ、可愛い?」
クルリと回る。ふわりと浴衣の裾が舞い上がる
男「ああ。それに、とても綺麗だ」
幼「それは良かった。頑張って着付けを覚えた甲斐はあったよ」
目を細めて嬉しそうに笑う
幼「じゃあ行こうか」
手を差し出される。戸惑い気味に自分の手を重ねると握ってくれた
幼「夏の最後だ。祭りはボクにとって特別なものだからね、今日くらいは素直になっても良いかなと思ってさ」
男「お前時たま人格が変わったと思うくらいデレモードになるじゃん」
幼「さあ、知らないね」ニッコリ
男「俺を信頼してくれているからか?いつもわがままを聞いてやっているもんな」
幼「そうだね、君はボクの頼みは断れないからとても便利な道具だよ」
男「うわ、ひで」
幼「でも、たぶん本心はそこじゃないんだ」
男「え?」
幼「何、まさか本当にボクが君をただの都合の良い男だと思っているとでも?」
男「違うのか?」
幼「…」
男「いだだだだ!」
つねられた。冗談だったのに
幼はそこで言葉を切って手を離した
そして前に立って満面の笑みで男を見つめる。いつもほとんど無表情な幼の特別な笑顔
幼「ボクは君が嫌いだ」
幼「いいから。ほら、いつもの」
男「ああ、俺はお前が大好きだ」ナデナデ
幼「ん、頭を撫でられるのは好き。…もちろん君も」
再び男の横に並んで手を握る幼
祭りのほんのりとした明かりと神社の境内、大きな鳥居が見えてきた
男「金魚すくいか。この間やったけどもうちょいいくか」
幼「ふふ、ボクはとなりで見ているよ」
男「でりゃ、秘技四匹取り!」
ビリ
幼「あ」
幼「そりゃね」
男「んで、結局お前が挑戦して3匹と」
幼「このくらいが綺麗だよ」
目線の高さに上げる。祭り火でキラキラと輝く水と金魚が確かに綺麗だった
男「ほんと、綺麗だな」
幼「ボクもそれくらい綺麗?」
男「え…」
幼「ふふ、また間抜け顔」フニ
頬をつつかれる
男「いやいや、金魚と同じくらい綺麗か?何て言われたら誰でもポカーンとするわ!」
幼「本当に君はからかい甲斐があるね」
男「やかましいわ」
幼「今日はダメ」
男「げほっ、だからって首チョップはあかんだろ!」ゼーハー
幼「それはごめん、君を止めようと焦ったらこうなった」
幼「それより、今日はこっちを、ボクだけを見ていてくれ」
幼「でないと、人混みに押し流されて君のもとから離れていってしまいそうだ」
わざと手を離して人混みへと引かれているような動きをする幼
男「わかった。悪かったよ」ギュゥ
抱き寄せ、抱き締め、頭を撫でた後で恋人繋ぎに手を繋ぐ
幼「そう、これでいい。指が絡まっているぐらいでないと解かれてしまう」
<はいよ、毎度あり
幼「そうだね。ほら、たこ焼あーん」
幼がたこ焼をこっちに一つ近づけてくる
男「まてまて、熱々たこ焼丸々一つ(しかも変に大きい)であーんは無理、無理だって!」
幼「あーん(サド顔)」
男「こ、断る!断るってば!やめろ、こっちに近づけるな!」
ああ、神様、どうか俺の勇気に免じてこれから数十秒痛覚だけをマヒらせてくれ
幼「あーん」
男「あ、あーん」←観念した
あーめん
幼「良い悶えようだったよ、はい、かき氷あーん」
お詫びのつもりかご褒美のつもりかかき氷をあーんしてくれる幼
幼「美味しい?」
男「痛みのせいで味が分からない」
幼「そう、それは良かった」
男「よくねーよ」
男「やめい」
幼「じゃあ普通に食べよ」モグモグ
幼はチョコバナナを、男は綿飴を食べる
そんな二人の前をヨーヨーや金魚、射的の景品をもった子供たちが笑いながら通りすぎる
皆あの頃は将来のことなんか何も考えずにただただ”今日”だけを楽しんで生きていた
いつかあの子達も俺と同じようなことを考えるときが来るのだろうか
ほんと、最近子供の無邪気な笑い声を聞くと切なくなるなあ。これも社会に出る時期が近づいていることを理解しているからなのだろうか
幼「君との子供は3人くらいほしいかな」
男「ぶっ!」
幼「ふふ、男の癖に何かを憂いでる表情をしていたから崩してやったんだ。口リータ趣味も大概にしないとキモいよ?」
男「誰が口リコンだ」
幼「え、じゃあまさかペド!?そこまで行くの!?さすがにそれは引くなあ」
男「誰もそんなこと言ってねえよ!」
男「ま、まだそこまで考える必要も無いだろ。俺は…すぐに子供を作らずとももう少しお前と二人っきりで過ごしてもいいと思う」
幼「…そんなに真面目に答えるとは思わなかった」
男「からかってただけかよ!」
幼「でも、嬉しかったよ」
男「はいはい」
幼「これは本当」
男のほっぺにキスをする。そして少し離れて微笑む幼は祭りの灯りの中で本当に輝いていた
でも今はきちんと手を取ってくれる。それだけでただただ嬉しい
幼「君は本当に馬鹿だ、どうかしてるよ」
そんな不安を見透かしたように幼が笑う
幼「ボクだって君と同じさ。今が愛しい、君が愛しい。今にも消えてしまいそうで不安だ」
幼「だからこうして繋がりたいんじゃないか。ほら、しっかり握っていてくれ」
その手は暖かかった。人の温もりが、幼の温もりがあった
幼「さて、次は盆踊りでも行こうか?」
灯りの中へと手を引っ張られる
___
_
幼「盆踊りなんて何年ぶりだったろうね」
男「結構適当でもが出来るもんだな」
幼「楽しむのが目的なのに難しくちゃ本末転倒だもの。それでも君は滑稽だっただろうけど」
男「うっせえよ。ほら、かき氷でも食ってろ」
幼「あーん」
男「え」
幼「あーん」
男「…はいよ」
幼「」パク
幼「」シャクシャク
男「お前がやってほしそうにしてたからだろうが。というかたこ焼き丸々一個の方がねえよ」
幼「じゃあ綿飴でもどうぞ」グイッ
男「むぐっ…」モグモグ
男「いきなり綿飴突っ込む奴がいるか!」
幼「別にいいじゃないか」クスクス
男「ああ、口の周りがベタベタだよ。妙に甘ったるい」
幼「うわ、そんな口とはキスしたくないなあ」
男「洗ってくるわ…」
幼「行ってらっしゃい。ここで待ってるよ」
ちょうど良い石に腰を下ろして足をプラプラして待つ。まだ終わってもいないのにこの祭りでのことを思い返して噛み締める
男の笑顔、デレデレした顔、突つっこむ時の怒っていながら笑っている顔、暖かい手、楽しそうな声
幼「男…」
声に出して名前を呼んでみる。気恥ずかしさと自分のものだという嬉しさが滲み出している
こんな場面を誰かに見られた時には死にたくなるg
女「やっほー幼ちゃん」
幼「ひゃぁっ///」
幼「な、何でもない」
あ、危なかった。聞かれていたら自殺もの…
女「見てないよー、男君の名前を呟きながらにやにやしている幼ちゃんなんて見てないよー」
幼「っ!///」
女「ねえねえ友くん今幼ちゃんが…」
幼「ダメっ、言うな!絶対に誰にも言うな!///」
女「ふふっ、幼ちゃんは可愛いよー」
幼「…よりによって何でこいつに…///」
友「?」
幼「悪いけど断るよ」
友「それまた何で」
幼「…男と、二人で楽しみたい///」
女「良く素直に言えました~」パチパチ
幼「うるさい!早くどっか行け///」
女「じゃあ可愛い幼ちゃんも見られたし行こうか」
見せつけるように友の腕を組んで顔をすり付けながら行く女。自由なやつらだ
幼「遅い」ムスッ
男「悪い悪い」
幼「で、誰と話し込んでたの?女子?」
男「変に勘ぐるなよ…人混みに流されてて上手く歩けなかったんだ…」
幼「…ぷっ」
男「笑うか!?」
幼「いや、ダサすぎ」
男「大変だったんだぞ!」
幼「はいはい」
男「子供の頃に帰ってやろうぜ」
幼「それもいいね。お祭りはこういう遊びと食べ物が同時に楽しめる屋台が多いのも魅力の一つだ」
男「お前今日は良く笑うな」
幼「ふふ、さあ、何でだろうね?」
幼「ボクもだ」
幼「って、うわ…君の…」
男「読めるか?」
大きく「幼大好きだ」と書いてある
幼「…よくそんなこっぱずかしいもの描けるね…馬鹿なのか?恥知らずなのか?///」
男「顔赤いぞ」
幼「これはそこの提灯のせいだ。いや、それよりも君のしていることそのものが悪い意味で恥ずかしい。早く食い尽くしてくれ」
男「そうかなあ」
幼「見るかい?他愛もないものだよ」
精密に描かれた男の顔だった
男「気持ち悪っ、上手すぎて気持ち悪いっ!」
幼「酷いな、頑張ったのに」
男「いや、頑張りは認めるけどさ…どうやったら落書きせんべいでこんな精巧に描けるんだよ」
幼「愛故じゃない?」
男「そういうことはからかうような顔で言うもんじゃねえよ」
男「俺の顔が食われているって何か複雑…」
幼「ボクに食べられるならいいじゃん」
男「いやそれはおかしい」
幼「世の中捕食フェチだっているんだよ?」
男「それは特殊な例な」
男「お、もうそんな時間か」
幼「うん、こっち」
男「え、でも花火は…」
幼「いいから」
幼「ボクがそんなアホに見えるかい?」
そう言って鍵を取り出すと鉄のフェンスを開ける
男「…盗んだのか」
幼「失敬だな。ボクはこの神社の神主と知り合いでね、頼み込んで貸してもらったの」
男「怪しい…」
幼「本当だよ」
そこは神社裏の小高い丘の頂上だった
男「すげえ、ここならよく見えるぜ」
幼「そうでしょ。本当に良い場所だよ」
男「でもちょっと気が引けるな。どうせなら皆で見たほうが楽しいだろ」
幼「…君は本当にバカだね。何度ボクにそう言われれば気がすむんだい?」
男「うっせーよ。じゃあ何なんだよ」
幼「…」
男「え?」
幼「分からないか?ここはボクと君だけの特別な秘密の場所にしたいんだ」
男「秘密も何も神主…」
ジト目で人差し指を男の口許に当てる幼
幼「ナンセンス。女の子は二人だけのとか特別とかいう物が好きなものなんだよ」
幼「だから揚げ足をとるな、何も言うな、喋るな目をそらすな瞬きするな息もするな鼓動も止めろ」
男「殺す気か」
幼「ここはボクと君以外いない、誰も知らない特別な空間だ」
男「幼…おr」
幼「好きだよ」チュ
背伸びして何の躊躇いもなく唇を重ねる幼
男もそれに応えて舌を絡める
まぶたをこじ開けんとする色とりどりの眩い光がうっすらと感じられる
花火が始まったようだ
しかしまぶたは閉じたままだ
いくら眩しくても開かない、開けられない
感覚があるのは唇と舌のみ
心の臓を叩く花火の音も遠い彼方だ
この世界には今、二人だけしかいない
男「…そうだな」
並んでシートを敷いて座り、花火を見る
幼「ボクは今日のこの日が永遠に続けばいいなんて思わない」
幼「君とこの先をずっと進んで生きたい。大人になって君と結婚して老いても、ずっと…」
男「先のこと過ぎる。人生何が起きるか分からないんだから」
幼「そうかな。でも」
幼「でもボクの君への気持ちはずっと変わらないってことだけは分かるよ」
男「そうか?…そうだな」
幼「うん」
花火を見ながら肩を寄せてくる幼
男はその肩を抱き、頭を撫でる
幼「何?」
男「俺はお前が大好きだ」
幼「ボクは君が嫌いだ」
幼「そして、何よりも大好きだ」
次はデレデレクールをぜひ
また1から読み直してボクっ娘分をためたのち自作に活かそう