幼馴染「いいじゃん。そっちのクラス今日体育あるでしょ! ねー貸してよ間に合わなくなっちゃう」
俺「わかったよ…じゃあ終わったらすぐ返しにこいよ…」
幼馴染「うん! ありがと!」
幼馴染「よかったぁ…まにあった」
友達「なんだ借りれたんだ? ってそれ学年一人気のある俺くんのやつじゃん!?」
幼馴染「うん。だって一番の親友だし。素直に貸してくれたよ」
友達「いいな~」
幼馴染「うわー…サッカー張り切りすぎて汗だくになっちゃった…」
友達「それ返すの?」
幼馴染「う…うん。午後から体育だし…」
幼馴染「はい…返すねありがとう…」
俺「うわ…湿ってるんだけど」
幼馴染「だって体育だし…」
俺「普通汗かかないように加減するよな?」
幼馴染「ごめんなさい…」
これ男にやられたら殺意沸くわ
俺「ったく…じゃあちょっくら昼休みに屋上で干そうかな」
幼馴染「あっ、じゃあ一緒にお弁当たべようよ! ね?」
俺「…ま、いいけど?」
幼馴染「クラス離れ離れになっちゃったからこうして一緒に食べるの久しぶりだね」
俺「…だな」
幼馴染「クラスでうまくやれてる?」
俺「可もなく不可もなく…かな。てか俺、近寄りがたい雰囲気あるみたいで、あんま寄ってこん」
幼馴染「あーそれよくいわれるね。仲良くなれば親しみやすいのに」
幼馴染「あっ! 今度はきみは他の人に借りるとか!?」
俺「俺んクラスが最後だから結局汗でベタベタのを借りるハメないなるだろ」
俺「どうせベタベタな…お前の……いや、なんでもない」
幼馴染「んー?」
俺「なんでもねぇっつってんだろ。顔のぞきこんでくるな」
俺「ん?」
幼馴染「最近ちょっと気になる人がいるんだ」
俺「新しいクラスで出会いでもあったか?」
幼馴染「…うーんとね、確かにクラス替えが1つきっかけではあるかな」
俺「へぇ、よかったじゃん。で、誰?」
幼馴染「いや、それは…ナイショ」
俺「んだよ。相談になってねぇじゃねぇか」
幼馴染「もちろんかっこいいし、運動も勉強もできるし当然なんだけど」
幼馴染「なんていうか、人知れず人助けをしたりしてて、すごく優しいんだよね」
俺「へぇー。そんなやついるのか」
幼馴染「うん…いるんだよ?」チラッ
俺「まぁお前がそいつをどう思うと勝手だけど、そういう奴はとっくに彼女いるだろ」
幼馴染「い…るのかな…?」
幼馴染「しらないうちにできてたりするのかも…」
幼馴染「う…うん。付き合いたいっていうか、独占したい」
俺「んだよそれ。人は物じゃねーぞ」
幼馴染「逆にきみは独占したい人いないの?」
俺「俺? そうだなぁ…」
俺「まぁいるっちゃいるが…」
幼馴染「い、いるんだ……」
俺「内緒」
幼馴染「おしえてよ~! どういうところが好きなの!?」
俺「うーん…空気感があう…あとは、におい?」
幼馴染「うわぁ、変態」
幼馴染「うん、じゃあ先にね。今日は体操服ありがとう」
幼馴染「あらって返せなくてごめんね」
俺「おう」
俺「やれやれ…」
俺「まだしめってるけど。まぁいいか」
俺「嗅ぎ慣れた匂いだから別にわるい気はしねーしな」
親友「おい、どうした、上の空だな」
俺「いや。ちょっと考え事をね」
親友「わかった。幼馴染ちゃんのことだな」
俺「は?」
親友「図星か? わかるぜお前の苦しみ、あんなにずっと一緒だったのに、いまや離れ離れだもんなぁ」
親友「噂では屋上や非常階段で逢引しているとか」
俺「今日は…ちょっと貸し借りがあったついでだよ」
親友「普通体操服なんて貸すかねぇ」
俺「な、なんで知ってんだ!?」
親友「名前入ってるもんを借りるなんてあっというまに噂が広がるだろ」
親友「ましてや学年一人気のある幼馴染ちゃんが双璧をなすお前に借りたんだぜ?」
親友「放課後には新聞部がかけまわるだろうな」
俺「ちっ…めんどくせぇな」
親友「もう素直に認めちゃえよ」
俺「なにがだよ」
親友「好きなんだろ?」
俺「普通だよ」
俺「…」
俺「そういわれるとそうなのかもしれないな」
俺「ベタベタの体操服でもあいつの汗だとおもうと嫌な気がしないんだ」
俺「…そういうことなんだろうな」
俺「あいつにならなんだって許せる気がする」
そして夏
幼馴染「ねー! 水泳の授業あるのに水着忘れちゃったから貸して><」
俺「しゃーねぇなぁ…」
親友「うわぁまた貸し借りしてるよこいつら…」