彡(゚)(゚)「誰やろ、やきうの話が出来るやつならええな」
(´・ω・`)「こんにちは」
(´・ω・`)「今日からお世話になります」
彡(゚)(゚)(なんであんなに)
(´・ω・`)「よろしくお願いします」
彡(゚)(゚)(右腕が長いんや?)
彡(゚)(゚)(床に届きそうなくらい長いやんけ)
クラスメイト「ヒソヒソ…」
(´・ω・`)「……」
彡(゚)(゚)(アイツ……)
彡(^)(^)「おもろそうなやつやな!」
(´・ω・`)「…え? うん、そうだね、長いよね…」
彡(゚)(゚)「せやな、めっちゃ長いな。バット握れへんやろうな」
(´・ω・`)「うん…野球出来ないね…」
彡(゚)(゚)「でも」
彡(^)(^)「めっちゃ便利そうやんけ!」
彡(゚)(゚)「遠くのものとかも取れそうやしな、リモコンとかすぐ取れるやろ」
彡(゚)(゚)「特技とかないんか?」
(´・ω・`)「特技?」
彡(゚)(゚)「ちょっと見せてくれや」
(´・ω・`)「……えい!」
彡(゚)(゚)「ぎゃああああああああ!!」
彡(゚)(゚)「わいの胸に右腕突っ込んで貫通してもうたやんけ!普通に死ぬやろ!」
(´・ω・`)「大丈夫だよ、痛くないでしょ?」
(´・ω・`)「やっぱり緩かった」(ね?大丈夫でしょ?)
彡(゚)(゚)「せ…せやな…ん、なんやそれ、何持っとるんや?」
(´・ω・`)「うん、君から取り出したんだよ、このバット」
(´・ω・`)「これ、キミにあげるよ」
彡(゚)(゚)「これ…わいが昔使ってたヤツや…」
彡(゚)(゚)「パッパが買ってくれたバットや…」
(´・ω・`)「……」
彡(゚)(゚)「けど、パッパがわいを少年野球に送ってくれてる時に事故にあって…」
彡(゚)(゚)「その時に折れて…」
(´・ω・`)「うん」
彡(゚)(゚)「……」
(´・ω・`)「……」
彡(゚)(゚)「まぁ……細かいとこはええか。久しぶりにパッパの事思い出したで。ありがとうやで」
(´・ω・`)「それは良かった」
彡(゚)(゚)「今のおもろいな、誰にでも出来るんか?」
彡(゚)(゚)「わいはさっき嬉しかったやで。それ使ったらみんなの人気者になれるんちゃうか?」
(´・ω・`)「……そうかな?」
彡(^)(^)「わいが保証するで!」
(´・ω・`)「それなら、やってみよう…かな…」
「これ…昔なくした筆箱…ありがとう」
「昔書いた友達の絵だ…もう一度見たかったの!」
「転校した友達から貰ったマグカップだ…割ちゃったから捨てたのに…ありがとう!」
彡(^)(^)「ほらな!」
(´・ω・`)「…うん!」
(´・ω・`)「……」
彡(゚)(゚)「どうしたんや? 浮かない顔して」
(´・ω・`)「ううん…なんでもないよ、僕に良くしてくれてありがとう」
彡(^)(^)「全然や!明日からも楽しく遊ぼうやで!」
クラスメイト「ヒソヒソ…」
彡(゚)(゚)「どうしたんや?」
「あ、あの転校生の事なんだけど最近ちょっと調子乗ってない?って噂してたとこだよ」
彡(゚)(゚)「調子?アイツが? どういう事や?」
「私も頼んだけど断られた事ある」
「俺もあったな、やっぱ調子乗ってるよな」
「そうだよな、あの右腕キモイし」
彡(゚)(゚)(みんな、最初は持て囃してたやんけ……)
彡(゚)(゚)(頼み事断られたら調子乗ってる事になるんか?おかしいやろ)
彡(゚)(゚)「なぁ…」
(´・ω・`)「なに?」
彡(゚)(゚)「なんか…わいのせいで…すまんかったな…」
(´・ω・`)「ううん、大丈夫だよ」
(´・ω・`)「そんなことないよ、僕から見たらキミの方がおかしいよ」
彡(゚)(゚)「わいが? なんでや?直ぐにクソ漏らすからか?」
(´・ω・`)「そこはおかしいよね」(そこじゃなくって)
(´・ω・`)「僕があの右手使うと、みんな最後はだいたいあんな感じになるんだよ」
(´・ω・`)「転校した理由もそれなんだ。最初はみんな喜んでくれたんだ」
彡(゚)(゚)「……」
(´・ω・`)「でも、最後にはあんな感じになって」
(´・ω・`)「それで、いじめられて。だから転校してきたんだ。でもここでも虐められちゃうっぽいね、あはは」
(´・ω・`)「ううん、僕がやめとけば良かったんだ。でも、キミがいい人そうだったから」
(´・ω・`)「キミかいれば大丈夫かも、って思って……あ、ごめんね、キミを、責めてるわけじゃ――」
彡(゚)(゚)「……」
(´・ω・`)「なんでこんな力あるのかな」
(´・ω・`)「なんで僕はまたいじめられちゃうの事な」
(´・ω・`)「なんで」
(´・ω・`)「なんで僕はキミを」
彡(゚)(゚)「……った」
彡(゚)(゚)「分かった」
(´・ω・`)「なにが?」
彡(゚)(゚)「わいがなんとかしたる」
(´・ω・`)「……どうやって?」
彡(゚)(゚)「それは分からん」
やきう少年は応援したくなる
彡(^)(^)「すまんな」
彡(゚)(゚)(でも、わいがなんとかしたる!)
(´・ω・`)「それじゃまた明日ね」
彡(゚)(゚)「ほなまた明日」
彡(゚)(゚)(でも、クラスのみんなの気持ちも分からんではない)
彡(゚)(゚)(便利な力があるのに使ってくれないんや)
彡(゚)(゚)(わいに、何が出来るんやろ……)
そして次の日
「お、やきうおはよ……なんだそれ……」
彡(゚)(゚)「あぁ、これか?」
彡(゚)(゚)「これはバットや」
彡(^)(^)「これか?」
彡(^)(^)「これはこうするんや」
ガッシャーン!!!!
「ちょ!いきなり窓ガラス割り出してどうした!バットも折れちゃってるし」
彡(^)(^)「何か問題でもあるんか?」
彡(^)(^)「せやで」
「せっかくアイツに出してもらったのに勿体無い」
彡(^)(^)「せやな。せっかく出してもらったけど」
彡(^)(^)「このバット、わいはもう要らんのや」
彡(^)(^)「ここにあったらいけないんや」
彡(^)(^)「だからこうや」
ガッシャーン!!!!
「やめろ!読んで来る!」
先生「おいやきう!何やってんだ!やめろ!」
彡(^)(^)「なんでや?」
彡(゚)(゚)「退学にならんかっただけええと思わなきゃならんな」
(´・ω・`)「…ねぇ、なんであんなことしたの?」
彡(゚)(゚)「なんでやろ、わいにも分からん」
(´・ω・`)「そっか…」
彡(゚)(゚)「そうや…」
彡(゚)(゚)「そうか」
(´・ω・`)「それで、みんな僕が出したヤツを返してきた」
彡(゚)(゚)「それはどうしたんや?」
(´・ω・`)「みんなの胸に戻しといたよ」
彡(゚)(゚)「それがええかもな」
(´・ω・`)「なに?」
彡(゚)(゚)「あの力、お前に使ってみたらどうや?何が出てくるか興味ないか?」
(´・ω・`)「僕に? やったことないけど…」
彡(゚)(゚)「せやったら、自分につこうたら幸せになるんちゃうか?」
(´・ω・`)「……どうなんだろ」
彡(゚)(゚)「何が出てくるかも興味ないか?」
(´・ω・`)「……」
彡(゚)(゚)「お前には楽しくしてて欲しいんや」
(´・ω・`)「分かった、やってみる」
彡(^)(^)「わいが見ててやるで!」
(´・ω・`)「それじゃ行くよ……? えい!」
ぐにゃぁ
彡(゚)(゚)「誰やろ、やきうの話が出来るやつならええな」
(´・ω・`)「こ……こんにちは……?」(あれ?)
(´・ω・`)(既視感がある……これは、転校初日の……?)
(´・ω・`)(僕にとって無くした大事なものは)
(´・ω・`)(この学校で過ごした虐められたくないっていう時間だったのか……)
(´・ω・`)(そしたらみんなは、ちょっと右腕が気持ち悪いだけの普通の生徒として接してくれるんだろうな)
(´・ω・`)(でも)
(´・ω・`)(そうしたらやきうくんとは)
(´・ω・`)(やきうくんとは仲良くなれないのかもしれない)
(´・ω・`)(右腕を僕の腕から引き抜け!いまなら多分!まだ間に合うはず!)
先生「どうした?」
(´・ω・`)(うわあああああああ!間に合えええええ!心の中であの日、やきうくんの前で胸に右うてを差し込んだイメージを逆再生するんだ!)
(´・ω・`)(間に合えええええええ!)
彡(゚)(゚)「どうした?胸に腕突っ込んだまま途中で固まって。クソでも漏れたか?」
(´・ω・`)「やきうくん」
彡(゚)(゚)「なんや?」
(´・ω・`)「大事なもの、見つけたよ」
彡(゚)(゚)「?」
(´・ω・`)「でも内緒」
彡(゚)(゚)「おかしなヤツやな、まぁええわ。飯でも食いに行こか、ええ残飯出すレストラン知ってんねん」
(´・ω・`)「あはは、残飯はやきうくんだけで食べてね」
(´・ω・`)(ありがとう)
終わり
すまんな
引用元: 彡(゚)(゚)「……転校生?」