許嫁「当たり前じゃない、幼なじみっていうだけで婚約させられたんだから」
許嫁「…もっと普通の恋がしたかったわ」
許嫁「謝らなくて良いわよ、でも」
許嫁「あんまり私に話しかけないでちょうだい」
許嫁「その点に関しては、家が近くて助かったわ」
許嫁「それならなおさ………。いえ、確かにあんたの言う通りね」
許嫁「家が近くなければ、こんな事にはならなかったし」
許嫁「本当についてないわ」
許嫁「だから謝らないでって言ってるでしょ。気持ち悪い…」
許嫁「その点に関しては、家が近くて助かったわ」
許嫁「……え?」
許嫁「それならなおさ……。いえ、確かにあんたの言う通りね」
許嫁「家が近くなければこんな事にはならなかったし…」
許嫁「本当についてないわ」
許嫁「だから謝らないでって言ってるでしょ。気持ち悪い…」
許嫁「わざわざ転校までさせられて…」
許嫁「あっちの学校には彼氏だっていたのに…」
許嫁「……」
許嫁「…冗談よ。……ちょっと、冗談だってば。顔上げなさい」
許嫁「…嘘に決まってるじゃない。何よ今の目つき。このケダモノ」
許嫁「ふん……そう簡単に体を許すような女じゃないんだから」
許嫁「…そんなにお願いしても駄目」
許嫁「…ッ」
パシーン
許嫁「…これで分かったかしら?この発情犬が」
許嫁「……」
許嫁「手を出したのは謝るわ。ごめんなさい」
許嫁「……もう良いわ。この話はおしまいにしましょう」
許嫁「じゃあ、私はもう帰るわ。こんな汚い部屋、長くはいられないもの」
許嫁「…何よ。チャイムを何回鳴らしても出ないからここまで来たの」
許嫁「理由? 一つに決まってるでしょ」
許嫁「学校の道が分からないから、案内してもらわなきゃ困るのよ」
許嫁「…全く、何を期待したのかしら。前に言ったでしょ。あんたが嫌いだって」
許嫁「早く布団から出なさい」
許嫁「ふうん…こういう事って珍しいんだ…」
許嫁「でも、仕方ないわね。ご両親が共働きだし」
許嫁「…弁当ごときでそんなに嬉しいの?」
許嫁「……そう」
許嫁「へぇ……後はこの道を真っ直ぐね…」
許嫁「それじゃ、おつとめ苦労様」
許嫁「私は遅れて行くから、先に行って」
許嫁「当たり前でしょう?何であんたと仲良く登校しなきゃならないの」
許嫁「さっさと行って頂戴」
許嫁「OO高校から転校して来ました、許嫁です。これから宜しくお願いします」
ザワザワ
男子1「可愛い…」
男子2「ちょっと狙ってみようかな…」
許嫁「…先生、席は?」
先生「んー…ちょうど壁際が空いてるな、あそこに座ってくれ」
許嫁「……」
許嫁「…………はい、分かりました…」
先生「とはいえ、もうすぐ席替えがあるから仮って感じだと思っといてくれ」
許嫁「! はい」
男(……)
男(レイガンを打ち込みたくなるな……)
許嫁「(これで休み時間…)」
許嫁「……」チラリ
女子「許嫁さーん」
許嫁「! な、何?」
女子「私と一緒にご飯食べない?」
許嫁「…ええ、喜んで」ニコリ
男子2「俺達も一緒に食って良い?」
女子「えぇー」
男子1「ちょ、ひっでー!」
ワイワイ
許嫁「……」
さようならー
許嫁「……」キョロキョロ
女子2「あ、許嫁さん、一緒に帰らない?」
許嫁「ちょっと、校内を回りたいから遠慮するわ」
女子3「じゃーあたし達が案内してあげるー!」
許嫁「ありがとう、でも、一人で確認したいから大丈夫よ」
許嫁「それじゃ、また」
女子「バイバーイ」
女子2「…何か許嫁さんってミステリアス」
女子3「ねー。とりまぁ、マック行かなーい?」
女子4「賛成ー」
ぼっち「(とりまって何だよぶりっ子氏ね)」
キョロキョロ
許嫁「……」スタスタ
キョロキョロ
許嫁「…」スタスタ…スタ…
許嫁「……」
グシグシ
許嫁「……」キョロ
許嫁「!!」
許嫁「まさか。誰があんたを待つというのかしら」
許嫁「そういえば、今日は誰とも喋ってなかったわね」
許嫁「弁解は良いわよ。友達が居ないのなんて簡単に予想がつくわ」
許嫁「とりあえず、帰り道を送ってもらえるかしら?」
許嫁「仕方がないでしょう、万が一にでも迷ったら大変だもの」
許嫁「とはいえ、本当にこれっきりだからね」
許嫁「そういえば、弁当は美味しかった?」
許嫁「そう」
許嫁「……」
許嫁「…え?寄りたい所?」
許嫁「私も道草に巻き込むつもり?」
許嫁「どちらにしろあんたについて行くしかないんだから」
許嫁「手短にね」
許嫁「……いつの話よ。こうして潮風に当たっていたのなんて、随分昔の事じゃない」
許嫁「分かってるわよ。どうせここで昔の約束とか持ち出して口説くつもりでしょう?」
許嫁「…図星ね」
許嫁「残念ながら、本当に残念ながら、私たちの結婚は確定してるのよ」
許嫁「丸めこむ必要がないのよ。良かったじゃない」
許嫁「素直に喜べば?私は喜ばないけど」
許嫁「ああもう、潮でべとついてたまらないわ。最悪」
許嫁「本当…さっさと死んでくれないかしら」
許嫁「私は先に帰らせてもらうわ」
男「……」
男「……」
……………
許嫁「(次は肉コーナー……)」
許嫁「(美味しいって…ふふ…)」
許嫁「(栄養バランスもしっかり、ボリュームもちゃんと…)」
許嫁「(……)」
許嫁「(……さっきの事は明日謝らなきゃ…)」
許嫁「…大体こんな感じかしら」
許嫁「…♪」スタスタ
ーーーーーー
男「……」
ザッパーン
許嫁「…」ムクッ
許嫁「ふわぁぁ…」トントン
許嫁「えぇと…レンジで5分…と…」ピッ
ーーーーーー
ピ- ピ-
医者「依然心肺は停止!」
医者2「ッ…」
医者「おい、まだ諦めるな!もう一回蘇生措置を!」
医者3「はい!」
医者「……」
医者「もって後5分か…!」
ーーーーー
許嫁「よし、ご飯は炊けた……こっちは後10秒ね」
9
8
医者「頼む!」
7
6
プルルルル
許嫁「こんな時間に誰かしら…」
許嫁「男だったら…そんな訳ないわよね」カチャ
1
ピ—-ッ
少女「私男のお嫁さんになるっ」
少年「えー!勝手に決めるなよー!」
少女「黙らっしゃい!」ゴツン
少年「いったぁ!もう少女なんてだいっ嫌い!!」
少女「良いもん、私はだい好きだもんっ!」
だもん……
もん……
ん…
フワッ…
男(?)「……」パチッ
許嫁「うぅっ………っ!!!」
許嫁「あ…あぁぁあ…」ポロポロ
許嫁「っ!」ガバッ
男(?)「!!」ギュッ
許嫁「何で、何で…!」
男(?)「……」
許嫁「私があんな事を言ったから…ごめんなさい、ごめんなさい…っ!!」
男(?)「あの……」
男「どちら様ですか?」
男「すみません、ここはどこですか?頭の中がぐちゃぐちゃで…」
許嫁「あ…いや……」
男「あーと……あなたって、もしかして」
「知り合いとかですか?」
許嫁「いやあああぁっ!!」
…………
許嫁「あっ…ああっ……」
男「な、何か、すいません…?」
許嫁「っ…………!!」
男「ええと、人を呼んだ方が良いのかな…」キョロキョロ
許嫁「私……!」
ギュッ
男「えっ、ちょっと…何を!?」
許嫁「あ…あんたが……」
許嫁「大好きだもん!!」
男「…………」
男「い、許嫁?」
許嫁「」
男「あの…苦しいというか…ここ…病院?」
許嫁「……」
男「ああ、そうか…あの後、こうなって…」
許嫁「……」
男「ちょ、一旦離れて…ナースコール押せない…」
許嫁「……」ポチッ
男「へ?…それよりも何で抱きついて」
許嫁「もう酷い事は言わないから…」
許嫁「頑張るから……」
許嫁「およめさんにして……」
男「」
男「ほ…本当に良いの…?」
許嫁「……」
男「そんな…てっきり嫌われてると…」
許嫁「…ごめんなさい」
男「いや、謝らなくて良いから…!」
許嫁「……」ジ-ッ
男「その…よろしくお願いします…」
許嫁「!!……………あっ」
男「え?……あ」
医者「」
ナース「」
許嫁「本当、あんたは駄目な人間なんだから」
許嫁「っ…何笑ってるのよ」
許嫁「それは…悪いとは思うけど…」
許嫁「っ、仕方がないじゃない」
許嫁「…っ!!?」
許嫁「ちょっと、この前の事は忘れて!」
グイ
許嫁「ふ、夫婦なんだから腕を組んで当たり前よ」
許嫁「……」カアア
許嫁「……」
許嫁「…あんたなんて……」
許嫁「ーーっ………んっ…んぅ…む……っ……ぷはっ」
許嫁「嫌いよ」
ぉ ま
L ぃ
ただもうちょっと可愛らしいところ見せて欲しかった
しかしおつ
引用元: 許嫁「…あんたなんて嫌いよ」