兄「あんまり食べすぎるなよ」
妹「わかってふわかってふ……♪」
_____
兄「は? 全部消えた」
妹「ごめん、美味しすぎて全部一変に食べちゃた」
兄「いや、全部ってあの一箱全部か?」
妹「16個入りの……」
兄「はぁ……」
兄「いや俺の分とかはともかく、お前の身体がヤバイだろ」
妹「え、私は大丈夫だよ、まだお腹空いてるし」
兄「えぇ……」
妹「ちょっと甘いので喉乾いたから、柿ピーたーべよ」
兄「……」
妹「お兄ちゃーん、この包なにー?」
兄「おばさんから貰ったんだよ、アメリカのお土産でいろんな種類のチョコいっぱい入ってるやつ」
妹「ふーん……」ガサッ
兄「あ、お前……!」
妹「大丈夫! いっぺんには食べないって!」
妹「うんうん、うわ美味しそ~何から食べようかな」
妹「これは、うん、まず左から一種類ずつ食べていこう、うん」
兄「……」
兄「お前夕食後なのに、よく食えるな」
妹「何言ってんの、夜ご飯とスイーツは別腹だよ」
兄「そういうもんなのか」
妹「そうそう……うーん♪あまーい!」
兄「でもなんか……」
妹「ふふふーん」
兄「おまえ……太った?」
妹「……」
兄「いや、おまえそんなに服がフィットしてたか? だいぶ大きめのサイズだったと思うが……」
妹「これは……! 成長だよ!成長! ほら、高校生ってやっぱ育ち盛りじゃん!?」
兄「いや、それだとしても、なんか顔が丸いし、余計な脂肪が増えた気が……」
妹「そんなわけないじゃん…!」パクパク
妹「と、とにかく太ってないから! もう部屋で食べる!」ドダドダ
兄「あ、おい! 全部持っていくな!」
兄「たくっ……」
兄「お前マジか……」
妹「お、お兄ちゃんがいけないんだから! 太ったなんて言うから! 紛らわすためにいつの間にか……」
兄「はぁ……お前ちょっと来い!」
妹「えっ!?」ブヨブヨ
妹「えっ……」
兄「最後に乗ったのいつだ?」
妹「え、えっーと、み、3日目とかかなぁ~」
兄「うそつけ、ほこりかぶってるだろこの体重計」
妹「うっ……」
妹「な、なんでお兄ちゃんの前で乗らないといけないの!」
兄「女子校生の平均体重は52.6kgだそうだ、お前の身長からしてそれよりも少し軽めの体重が妥当だろ」
妹「うっ……」
兄「さあ、はやく……」ムニッ
兄「うわっ、お前なんだよこの腕は!」
妹「えっ……」
妹「あんまり、触らないでよ……」
兄「いや、触るね、なんなんだこれは? あぁ?!脂肪か?脂肪しかないよなぁ!?おいっ!」ブニブニ
妹「やめっ……いたぅ……」
兄「ええ……! この……なんとも言えないなぁ、これは……」ブニブニブニブニ
妹「ちょっ! なんか変な風に触ってるし!」
兄「はっ! ああ……悪い……ともかく、こんなぷにぷにの何とも言えない触り心地の腕を見せられて、黙っていられるか」
妹「それ褒めてるのか貶してるのかわからないよ……」
兄「うるさい、はやく乗るんだ乗れ!」
妹「わ、わかったよ、うるさいなぁ……なんかテンションおかしいよ?」
妹「……」ドキドキ
兄「……」
シャー
妹「……!」
兄「おい」
妹「あっ……うっ……」ワナワナ
兄「68ってどういうことだぁ? ラガーマンでも目指してんのか?」
妹「ち、違うってこれは……こんなの……」
兄「違くねぇぞ、これは……デブだな……」
妹「ひっ……!」
兄「デブ」
妹「うぐっ……そ、そんな連呼しないで……」
妹「やめてよ……! 恥ずかしい!」
兄「なにが恥ずかしいだ! こんな身体を公衆に晒してるのが恥ずかしいだろ!」ブニッ
妹「いたた、お腹つままないでよ~!」
兄「いや、これは脂肪だお腹じゃない、痛みなんて感じないはずだろ」ブニー
妹「感じる……! 感じるって!」
妹「ちょっと! なにがしたいのお兄ちゃん!」
兄「……はっ、また脂肪の魔力に」
妹「なに、脂肪の魔力って…」
兄「ごほんっ、とにかくだ、お前下着になれ」
妹「ええっ……///」
兄「何恥ずかしがってんだよデブ」
妹「ひどい! なんか正確まで悪くなってる!」
兄「おおっ、これはひどい……」
妹「こっちのセリフだよ……」
兄「いいか、お兄ちゃんはな、お前のためを思ってやってるだぞ」
妹「私のためとか言っておいて、私のお腹で遊んでるじゃん……」
兄「それはそこに触れるモノがあるからな」
妹「えっ?」
兄「これは、おまえが小学生の頃の写真だ、華奢な身体で今とは比べ物にならないなぁ」
妹「懐かしい! この頃は、外でお兄ちゃんと遊び回ってたよねー」
兄「うるせえデブ」
妹「うぅ……あの頃のお兄ちゃんに戻して……」
妹「中学生の夏の頃だよね! まだオシャレしたばかりだからファッションセンス無いよねぇ~あはは」
兄「何を笑ってるんだメタボリックガンタンク」
妹「ガ、ガンタンク……?」
兄「ファッションのセンスが無いにせよ、このスキニージーンズ 今はどこにある?」
妹「えっ……えっーと……」
兄「どこの?」
妹「私の部屋の……」
兄「何段目?」
妹「……」
兄「分かるわけないよなぁ? 出してても、今はこんなの履けるわけないんだから……」
妹「……」
妹「だ、だいえっと……!」
兄「ああ、目標はこのスキニージーンズが履けるようになるまでだ!」
妹「ええ……!? そんなのむ……」
兄「……」ムニッ
妹「イタタっ!」
兄「今日からみっちりスパルタでいく、弱音を吐いたり、諦めようとしたら制裁を下すからな! いいな!?」
兄「バカヤロー! そんな円光女子高生みたいな言い訳するな!」ギチチ
妹「ぎゃぁ!! ナンデ! 二の腕噛むの! 離れて!」バタバタ
兄「痛っ! 力強すぎだろ……本当に女子高生の力か?」
妹「私のほうが痛いよ……跡残ってるし……」
妹「えっ……!い、いるけど……」ドキッ
兄「好きなんだろ?」
妹「そ、それは……///」
兄「お前の部屋で写真を見つけたからな、わかりやすい」
妹「ちょっと! なんで勝手に……」
妹「!」
兄「そう言っていた」
妹「な、なんでお兄ちゃんがそんなこと……」
兄「バスケ部の先輩だぞ知ってて当然だ」
妹「そ、そうだったんだ……」
兄「あいつはいわゆるスリム体型で、締まってるとこは締まってて出てるところは出てるタイプが好きなんだ」
兄「いまのお前を見たらあいつはどう言うだろう……」
妹「うっ……」
兄「後輩『うわっ、ジャバザハットが来た! ナメクジにされる!』」
妹「そ、そんな能力ないよぉ!」
兄「そんな醜い体ならそんな力の一つや二つぐらい出せるだろう」
妹「私をなんだと思ってるの……」
妹「ぶ、ぶた……」
兄「あー、それはブタに失礼だったなー」
妹「……」ワナワナ
兄「どうした? 怒ってるのかブタ? デブ、メタボ、アメリカの警察、貧乳」
妹「わ、私……」
妹「ダイエットする……!」
兄「……」
妹「え、こんな小さいの入らないよぉー」
兄「いいから着るんだよ! このブタぁ!」バチーン
妹「ブヒィ! な、なにこの痛いの!?」
兄「ムチだよ」
妹「なんでムチが!?」
兄「スパルタだって言ったろ、しつけのなってないブタはこれでしつけるんだよ!」バチーン
妹「ビッ! わ、わかった着るから叩かないでよぉ……!」
妹「ムギギ……やっぱり難しい……」
兄「ああん? 身体ならまだしも、脚が入らないなんて……豚足……いや……これは大鵬の足だな……」
妹「ひ、ひどい……」
兄「早く無理にでも、やり入れるんだよ!」
妹「ギュームムムム、キツいってきついキツイ!」ギギギギギ
妹「これじゃなくて! わたしぃぃぐぐぐ!!!」ギギギギギ
兄「んおおおお!!!!」
妹「ググググ」ギチギチギチ
兄「はぁはぁ……」
妹「はぁはぁ……」
妹「なんかきっ、きつい……締められてる感覚……」
兄「おらっ! まだ下半身だぞ! 次は上だ!」
妹「無理だよぉ……」
兄「……」バチーン
妹「ブヒィ!!」
兄「もう一発いっとくか?」
妹「わ、わかったよ……」
兄「おう、痩せるまで脱ぐんじゃないぞ」
妹「えっ! そ、そんな出かけるときは?お風呂は!? と、トイレも!」
兄「その上から服は着ればいいだろ、風呂だってそのまま入ればいいし、トイレは股間にジッパーが付いてるだろ? それ開ければできる」
妹「ひぇぇ……拷問だよ……」
兄「そうだよ?」
妹「は、はい……」
兄「まずは自分がブタって自覚させるために、語尾に『ブヒ』を付けて喋れ」
妹「な! そ、それいみある?!」
兄「ほらっ! 語尾!」バチーン
妹「ヒッ! わ、わかった……ブヒ……」
兄「よーっし、次にこう言え『私は愚かで醜いメスブタです、どうか調教してください』と……」
兄「文句言うな! それと語尾にブヒ忘れてるぞおらぁ!」バチーン
妹「ッ! わ、わかったよ……え、えーっと私は愚かで醜いメスブタですブヒぃ……調教してください……ブ、ブヒィ……」
兄「素晴らしい……congratulation……congratulation」パチパチ
妹「え、えぇ……」
兄「早くしろ」
妹「ウグッ……動きづらい……」
兄「おらっ、早く動けー!」バチーン
妹「イブッ! だ、だってこれキツくて関節が動きづらいんだよぉ……!」
兄「それはそのボディスーツのせいじゃない……お前のせいだ……」
兄「あ、そういえば、俺のことはお兄ちゃんじゃなくてご主人様と呼べ」
妹「な、なんで……」
兄「……」チラッ
妹「ご、ご主人様……」
兄「よーしっ、いいぞ」
妹「ちょっ! なんで上に乗るの!」
兄「ここから腕立てだ、そうだなぁ……まあ最初だし20回だな」
妹「む、無理無理……20回はむりぃ……!」
兄「あっ? 」バチーン
妹「ブィ!」
兄「どうだ?やれるか?」
妹「……」コクコク
妹「フンッ……!!!」
兄「おらおらどうしたぁ? そんなもんかぁ?」
妹「ぐぬぬぬぬ……!!!!」
兄「おいブタぁ? やっぱりお前脂肪だけだなぁ! お前はブタでもないな、ラードだけで構成されたメスモンスターだぁ!」
妹「ぐっっ!!!!」
妹「ちょ、どこ触ってん……///」ガタンッ
兄「うわっ……おまっ……」
妹「はぁはぁ……」
兄「おい! なにへばってんだよ!」
妹「だっ、だって! それ違うじゃん!」
兄「何が違うっていうんだ?」
妹「だ、だがらぁ~」
兄「あ? 聞こえねぇなぁ?」
妹「……か、感じやすくなってるの!///」
兄「なっ、お前……ブタだけじゃなくてとんでもない淫乱だなぁ……」
妹「うぅっ……///」
妹「えっ……」
兄「一回でへばった上、トレーニング中にメスの部分を見せたお仕置きだ」
妹「な、何するのぉ……?」
兄「おらっ、四つん這いになるんだよ」
妹「……」
妹「うぅっ……///」
兄「……」ムニムニ
妹「うひっ……///」
兄「……」ムニムニ
妹「んんっ……/// お、おにぃちゃん…」
兄「はっ……! お兄ちゃんじゃないだろ! ブタァ!」ペチーン
妹「ブヒァィ!! ご、ごめんなさいぃ!」
妹「は、はい……」
兄「いーち」バヂーン‼
妹「ブヒィ!!」
兄「にー」バヂーン‼
妹「ブビャァ!!」
兄「なぁに、へばってんだぁこのブタァ! また一回から腕立てだぞ!」
妹「は、はい……」
兄「おらっおらっ……!」
妹「グググ……!」
妹「にぃぃぃぃじゅーぅぅぅ!!! 」
兄「はい、おつかれ」
妹「ぶひぃー……」ペターン
兄「よし、じゃあ次は腹筋20回だな」
妹「ええっ……」
兄「ほらほら仰向けになれぇ!」バチーン‼
妹「は、はいぃぃ!!!」
兄「ほらほらぁお腹に力こめろぉ」アシツンツン
妹「にいぃぃ!!!!」
兄「てめえの腹の中はラードが詰まってるなぁ?」ツンツン
妹「んっ……///」
兄「なっ……///感じてんじゃねーよ!ブタァ!!」バチーン
妹「ブヒィ!! ご、ごめんなさい!ご主人様!」
兄「はい折り返しー!」
妹「じゅぅぅぅいぢぃぃぃぃ」
兄「……」
妹「じゅぅうあああ!!! じゅいぃあにぃぃい」
兄「……」
妹「じゅぅぅ!!!ざんんんん!!!!」
兄(顔必死すぎてちょっとキモいな……」
妹「ぐばぁばぁ……」バタンキュー
兄「はい、お疲れー」
妹「お、おに……ご主人様……飲み物をなんか……」
兄「ああ!? ラードでも飲むのか?」
妹「ち、ちがっはぁはぁ……水ぅ……」
兄「自分で、汲みにいけぇ!」バチーン
妹「ブヒぃ!」
兄「俺の分も頼むぞ~」
妹「は、はい……」
冷蔵庫ガチャー
妹「アー、涼しー……」
妹「あっ……」
冷蔵庫「コカ・コーラ」
妹「やったぁ! 疲れたときにはやっぱこれだよねぇ!」
妹「あーカラッカラッだよ~もぅ~」
妹「……!」ゴクゴク
妹「ぶおええええ!!!!」
兄「やっぱりなぁ……」
妹「な、なにこへぇ……?」
兄「だから中身を入れ替えたのさ、お前は今日から飲み物は全部黒酢だ」
妹「ぅっうぅ……ひどいよ……」
兄「鹿児島直送の特に酸っぱいやつを用意してもらった、ありがたいと思え」
妹「ぅぅ……甘いのほじぃぃよぉ……」
兄「甘ったれんなぁ!」
兄「おい、おまえの胸に付いてるそれはおっぱいか? 脂肪か?」
妹「おっ、おっぱいに決まってるじゃん……///」
兄「おっぱいじゃねぇんだよ!」モミンッ
妹「ハビィ!!?///」
兄「これはおっぱいじゃない、脂肪だよ、お前はおっぱいのおすら無いラードの塊を胸につけてるんだ!」モミモミ
妹「おっぱいだょぉ……なんで揉むのぉ……///」
兄「これはおっぱいを揉んでるんじゃない! 脂肪を取るためにやってるんだょお!」
妹「ぅぅ……///」
兄「……」モミモミ
妹「ぅっ……はぅっ……///」
兄「……っ!」モミモミ
妹「ぅぐっ……はぁんっ……///」
兄「……いや、抵抗しろやぁ!!」バチーン‼
妹「ふべらぁ!!!」
妹「い、いやだってぇ……//」
兄「いいか、モンスターが性欲を求めるな! それはオークのやることだ」
兄「……あっ、そうかオークだったのか」
妹「オークって何……」
兄「人間を性奴隷にする性欲モンスターだ」
妹「そ、そんなんじゃないって……///」
妹「それはこっちの台詞だって……」
兄「あっ? 被害者面っすか? そぅすか?」
妹「ちがっちがっ……!」ブンブン
兄「とにかく、お前はコーラを飲もうとしたことは確かだ、おらっ、ケツ出せ」
妹「ぇっ……///」
妹「あっ、あぁ……」
兄「え、なに、しょんぼりしてるの……?」
妹「い、いや違うよ……///」
兄「ああああ気持ち悪いなぁ!! ブタ!早くそこに手をかけろ!」
妹「は、はい……///」
妹「フヒィ……!!///」
兄「よし、おわり、早く風呂入って寝ろ」
妹「えっ」
兄「今日は、俺も疲れたからな、その汚いラード汗流して明日に備えろ」
妹「あ、はい……」
○翌日
兄「おはよう妹」
妹「おはよう、ご主人様」
兄「え、ご主人様……?」
妹「え」
兄「え」
妹「……」
兄「あっそうか……おはよう」
兄「そこにあるだろ……そのオレンジジュースが」
妹「やったぁ! 飲んでいいの!?」
兄「ああ、いいぞ……」フッ
妹「!?」
妹(笑った……?)
妹(それはご主人様が先に私の行動を読んでいたため、先読みして入れ替えておいたから……)
妹(そのあと、ご主人様は言った「お前は今日から飲み物は全部黒酢」)
妹(なのに翌日には飲み物としてオレンジジュース……)
妹(おかしい……)
妹(しかし、抜かりのないご主人様はオレンジジュースの色をした、黒酢を用意していると言っても過言ではない)
妹(鹿児島から直送で用意しているご主人様だ、どうせ名古屋あたりの濁った黒酢を……
兄「どうした、飲まないのか?」
妹「あっ、飲む飲む!」
妹(考えたって仕方がない……飲むしかないのだ……)
妹「……!」
妹(これは……!?)
妹「オレンジジュース……?」
兄「だから最初から言ってるだろうが」
妹(馬鹿な……!? オレンジジュースだった……そんな馬鹿な……)
妹(そんな……黒酢を飲んであまりの酸っぱさに吹くリアクションをしようと思ってたのに……そんなことって……)
妹「まあ、美味しいからいいや!」
兄「ああそうだ、オレンジジュースは朝に飲むと胃の機能を調整してくれるんだ」
兄「それに利尿作用もあるしな、いくら飲んでも出してくれれば別に良い、おかわりもあるぞ」
妹「えっ! ほんとに!」
兄「ああっ、いくらでも飲め」
兄「ああそうだ”飲み物”はな……」
妹「えっ?」
兄「飲み物は黒酢だけだ、だけどオレンジジュースはごはんだ」
妹「え、あ、そうなの……?」
妹「うん……」
妹「ん?」
兄「だから今日からごはんはオレンジジュースだ」
兄「飲み物は黒酢、ごはんはオレンジジュースのみだ」
妹「なん……だと……」
妹「ちょ、ちょっとまってよ! せ、せめて野菜とかは……!?」
兄「何を言ってるんだ? ブタ? ブタにそんな新鮮なモノ食べさせられるか」
妹「だからって死んじゃうよぉ……偏りすぎだよぉ……」
兄「大丈夫、ここにサプリメントがある、このサプリメントで足りない栄養を補え」
妹「無理に決まってるじゃん!」
妹「ひっ……」
兄「やってみなけりゃわかんねぇだろぉうがぁ!!」
妹「フヒィ‼」
兄「学校行く前は、お仕置きは無しだ、さすがに朝は忙しいからな、行く前に腹筋だけはしとけよ」
妹「え、ええ……」
兄「だからなんで、がっくりなんだよ……」
○学校
友「おはよー、あれ? なんかやつれてない?」
妹「……いや、大丈夫だよ」
友「ほんとに? あ、そうだ、今日ね駅前のケーキ屋、30人限定のレアチーズケーキ買えたんだよぉ!」
妹「えっ、うそマジ……?」
友「おおマジよ……、いやぁ朝から並んで買ったかいあったわ~」
友「今から食べよっ! お昼まで待ってられないよ!」
妹「……」ゴクリ
妹『どうやって……』
兄『そんなことは気にしなくていい、食べなかったらいいだけなんだから……』
____
妹「あぐぅ……」
友「どしたの?」
妹「えっ、えっーと……ね……」
○家
妹「ただいま~」
兄「おう、おかえり」
妹「いや~もうご主人様のせいで、もうヘトヘトだよぉ~、このスーツもキツイし、オレンジジュースだけとかほんと無理ぃ!」
兄「……」
妹「いや~もうほんと無理っすよ~たいへんたいへん、あっ先にお風呂入ってくるね~汗がすごくてさぁ」
兄「……」
兄「おい、ブタ」
妹「……」
兄「……」
妹「……」
兄「お風呂入る前に……本当に今日はオレンジジュースしか飲んでないんだろうなぁ?」
妹「……」
妹「あっ、あたりま、あたっ、あたっあっ、当たり前じゃん!!!」
妹「……」
妹「あふぅ…」
妹(くふふ……バレてないバレてない、助かったぁ……)
兄「あっ、そうだ、風呂入ったあとちょっとリビングに来てくれないか?」
妹「え、うんいいけど……」
妹「あー、ねぇこれ、やっぱり細部まで汗流れないよぉ、脱ぎたい~」
妹「で、今日は何の筋トレするのぉ?」
兄「ちょっと、ここに仰向けになってくれ」
妹「えっ、うん……」
兄「よーしっ、じゃ見てみるか」
妹「えっなにを?」
兄「胃の中だよ」
妹「えっ」
妹「な、なな、な、ななな何を言ってるの…」
兄「ほら、口を開けろ、今日は何も食べてないんだろ?」
妹「そ、そうだけど、苦しいじゃん……」
兄「大丈夫! なんも食べて無ければ、戻すものは無いから」
妹「いやー、でも……」
兄「あっ、もしかして何か食べたから……見せられないって……」
妹「そそそそんそんそんそんなわけないじゃん!!」
妹「いやだって、怖いじゃん……私の口の中に異物が入ってくるなんて……」
兄「はぁ……大丈夫大丈夫先っぽだけ先っぽだけだから……」
妹「いやーでも……」
兄「大丈夫大丈夫、苦しいと思ったら抜いてあげるから……」
妹「まあ、それなら……」
兄「よし、じゃあ口開けて……」
兄「……」
妹「ごめんお兄ちゃん……私、オレンジジュース以外のモノ食べてた……」
兄「……」
妹「本当にごめんなさい……」
兄「いいよ、わかってたよ、どうせ食べてんだろうなぁって」
妹「お兄ちゃん……」
妹「えっ、えっーと……チーズケーキ……」
兄「と?」
妹「からあげくん……」
兄「何個?」
妹「3種類を1セットずつ……」
兄「……あとは?」
妹「こ、これだけだよ!」
兄「あとは?」
妹「……」
兄「……」
妹「それから……」
兄「ちょっと待て……まだあるのか……」
妹「お、お野菜も食べたよ! キュウリと!シーチキン!」
兄「……」
妹「……ごめんなさい」
妹「……」
兄「……」スッ
妹「ヒッ……!」
兄「はぁ……もうやめよう……ダイエット」
妹「えっ……」
兄「もうこのままでいいのかもな……本当は……」
妹「お兄ちゃん……」
妹「ヒグゥ!!!」
兄「典型的リバウンドじゃねえか!!リバウンドにもなってねぇよ!」バチーン‼
妹「ヒギィ!」
兄「んでその記憶力はなんだよ! なんで炭水化物とジャンクフードの食った数は覚えててきゅうりとシーチキンの食った数は知らねぇんだよ!」ビチーン‼
妹「ギィィ!!」
妹「ひぐっひぐっ……」
兄「おらっ、口開けろ」
妹「ふぇっ……?」
兄「口開けろ、本当にそれが入ってるのか見るんだよ」
妹「あぐぅ……」
兄「これを付けろ……」
妹「これは?」
妹「んぼっ……!」
兄「……」ウィーン
妹「おひぃはぁんほぁい!」
『おにいちゃんこわい!』
兄「怖くねぇよ! それと俺はご主人様だろぉが!」ウィーン
妹「おごごごご!!!」
妹(喉に……機械が……!)
妹「おええっ……!!」
兄「まだ入ってないぞ、オラァ!」
妹「うぐぅ……おえっ……うぉぇっ!!!」ジタバタ
兄「おらっ、シダバタすると逆に苦しいぞ!」
妹「うぉっっっごおおおえええ!!!」
兄「うるせぇ!」
妹「おえっ……おえっ……ふっ……はぁはぁ……」ボタボタ
妹「うぇーん、ひどいよぉぉぉ……」ダラダラ
兄「当然の報いだ」
兄「オレンジジュースだけならこんなにならなくてすんだのにな……」
妹「うっ……ううっ……
その夜、妹は手首を切った。
俺が全て間違えてしまったのだろう……
もし、妹が生きていたら、俺は妹のすきなようにたべさせて、好きなように妹の調教を手伝っただろう……
END
妹「だ、だってぇ……こんな苦しいの嫌! もうダイエットやだ!」
兄「あ、いいよ」
妹「えっ」
兄「もう調教やめるし、明日から好きなように食べていいし、好きなようにデブ生活をやってくれ」
妹「……」
兄「だけど俺はもう手伝わないし、泣きついたりしても、俺は豚の鳴き声にしか思わないから」
妹「ううっ……」
兄「どうするんだよメスブタ」
兄「……よしっ、言ったなじゃあ早速抵抗した罰でケツ叩き100回だな」
妹「は、はい……!」
兄「いや罰だって言ってんだろ」
妹「はいっ!」フリフリ
兄「なんで喜んでんだよ! 淫乱ブタァ!!」
こうしてご主人様とのダイエットという名の調教は続いた。
ダイエットに成功したか否かはまた別のお話
おわり