お客さん「はい、今日の訪問は終わり。お疲れさまでした」
ワイ「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数ヶ月前、念願の地方銀行に就職したのだが、『歴史的な低金利で預金貸金で利ザヤを得られないと経営に影響が出るのでは』
という懸念の声があり、結果、ワイ外回りが不条理に投資信託の販売目標を沢山持たされるようになった。しかしワイの担当顧客達はなんだか
リスクを負うことがキライみたいで、いつもいつも不愛想に商品勧誘の勧誘を断って、結果ワイの上司のパワハライタイイタイなのだった。
昼間なのにお客さんの部屋からパソコンの光が漏れている。
ワイ(お、お婆ちゃんが自分の部屋で良い金利の付く定期預金をネット上でシコシコ検索している…!?)
お客さん「ふぅ……こんなものですかね……。せめて1年0.3%ぐらいの金利のつく銀行を探さないと……」
ワイ「お客さーん!」 バターンッ!
お客さん「ひゃあッ!?」
ワイ「お、お客さーん! ごめんよーッ! お客さんはずっと定期預金の金利の為にうちの銀行を利用していたことも知らずに……ッ! ハフッ!ハフッ! お客さんの預金通帳いい匂い!」
ワイ「ご、ごめんねお客さん……!」
お客さん「べ、別に、定期預金を利用するぐらい普通です……。それが私にできるお宅の銀行への貢献ですから……。それに、私は怖がりで、運用に関する知識もありませんから」
ワイ「そ、そんなことないよ! お客さんのその気持ちだけでワイは十分ありがたいんだよ! あっ、そ、そうだ! お客さん今日満期の定期預金通帳渡して!
お客さん「こ、こうですか?」
ワイ「そう! それじゃあ今から継続切替するからね! お客さんの普通預金通帳に利息を入金するからね! ちゃんと額を見てね!」
お客さん「えっ、えっ?」
ワイ「ウオーッ! お利息! 預金通帳に出すぞ!」チョロチョローッ!
お客さん「ひゃあッ!」チャリーン!
お客さん「ほんとうです……で、でもなんで……?」
ワイ「それはね……黒田総裁による異次元の金融緩和が、預金金利を引き下げまくったからだよ! 預金から投資に顧客をシフトさせるためにね!」
お客さん「預金から投資……」
ワイ「そう! だから、リスクなんて、二の次なんだよ! 老後資金の運用は、定期預金のシコシコ利息より、新興国の債券投資の利回りのほうが断然儲かるんだよ!」
お客さん「も、儲かるって……はわわ……あ、あの……じゃあちょっとだけ、満期分を投資に回してもらって良いですか?」
ワイ「もちろん!」
その後、ワイは一日中お客さんに交渉を続けて無理やり定期預金2000万を投資に回してもらったが、数か月後ファンドは暴落していた。
でもまぁ、その頃には、上司が耳元で「遠方支店への移動だ」とつぶやいてくれて結局ワイが苦情を受けることはなかったので結果オーライ! 終わり
投資に興味あるなら自己責任と割切って自分でやるか
きちっと調べて成績の良いファンドに託す方が絶対良い
よく考えなくても詐欺師と似たようなもんやな