許嫁「考えてみて」
許嫁「幼馴染っていうのは、許嫁と似てるでしょう?」
男「どの辺が?」
許嫁「幼馴染は、昔結婚する約束をしたとか」
許嫁「仲が良くて、いつくっついてもおかしくない関係でしょう」
男「うん」
許嫁「許嫁の方は言うまでもないわね」
許嫁「違いこそあれ、どちらも一種の絆で結ばれているでしょう?」
男「一理ある」
許嫁「突如現れる邪魔者」
許嫁「突然の新しい出会い」
許嫁「こういった変化球によって、
固いと思われていた関係がどうなるか」
許嫁「そういう部分」
許嫁「分かる?」
男「何となく(分からない)」
許嫁「正直に言いなさい♪」グリグリ
男「いたいいたい何故バレた」
許嫁「長い付き合いだもの、当然よ」グリグリ
男「さすが幼馴染さんいたいってば」
一緒に居る時間的に、むしろ下位互換なんじゃ」
許嫁「甘い」
許嫁「甘過ぎる」
男「しょっぱい評価」
男「う…おぇっ…」
許嫁「ちょっと、話を切らないで」
男「ごめ…うぇっ…」
許嫁「どれだけ切ない話が苦手なの、頼りない人」
男「っく…トラウマが…」
許嫁「全く…」
男「ひっ膝枕!?」
許嫁「幼馴染は、その男が好きだった」
男「ベタ」
許嫁「ぽっと出のヒロインにいきなりあの人を取られたという訳よ」
許嫁「理不尽ね」
男「理不尽だな」スリスリ
許嫁「ちょっと、くすぐったい……」
許嫁「幼馴染には文句を言う権利はないわ」
男「何故」
許嫁「幼馴染は、その男の彼女でも何でもないんだから」
男「幼馴染って、案外脆いな…」スリスリ
許嫁「んっ……でも、それを許嫁に置き換えてみなさい……あふ…」
男「一筋縄ではイかなくなる…」スリスリ
許嫁「そう…その通り…ひあっ……ちょっと…やめなさいよ」
男「はい」
男「なるほど……幼馴染とは絆の固さが違うのか…」
許嫁「長年の想いよりも大人の都合が勝る、悲しい話ね」
男「さっきの話だと、二人とも喜んで婚約破棄に立ち向かうと思うけど」
許嫁「黙りなさい」
男「でも」
許嫁「黙りなさい」
許嫁「黙りなさい」
男「……大人の都合か」
許嫁「大人の都合よ」
許嫁「……」
許嫁「男なんて嫌いよ」
男「………」
男「そろそろ起きて良い?」
許嫁「起きたら大っ嫌いになるわよ」
男「……」
男「……」スリスリ
許嫁「ゃっ…」
男「好きです」
許嫁「あぅ…っ!?」
男「……」ムラッ
ガバッ
男「ぐっ!?」
許嫁「……っーー」
男「ッーーーー」
男「ぷはっ…幼馴染、何を」
許嫁「……責任、取りなさいよ…っ」
男「あっ、ちょっ」
許嫁「ん…もうこんな時間」
男「…家まで送ろうか?」
許嫁「それよりも、一刻も早く体を洗いたいわ」
男「ああ、確かに…お風呂、お先にどうぞ」
許嫁「ありがとう、と言いたい所だけど」
許嫁「一緒に来て」グイッ
男「えっ」
許嫁「拒否権はないんだから♪」
男「なっ待」
許嫁「痒い所は?」シャコシャコ
男「な、ないです…」
許嫁「…一緒にお風呂なんていつ以来かしら」
男「…小学生が最後だったかな」
許嫁「何固まってるのよ」ツン
男「ひゃあっ!?」
許嫁「あんたって敏感よね」クスッ
男「うぅ…」
男「……」
許嫁「…中学生の頃かしら、お互いにそっけなくなったのは」
男「うん…」
許嫁「私、あの時からあんたを意識してたわ」
男「えっ!?てっきり嫌われてたのかと…」
許嫁「酷いじゃない。バレンタインだってチョコレートを渡したのに」
男「そ、そういえば…」
許嫁「全く、こういうのは鈍感なのね」ツンツン
男「わっ!や、やめてよ!」
許嫁「ふふ」
許嫁「……」
男「だって、幼馴染は確かあそこは第三志望だったし」
許嫁「最初から第一志望だったわよ」
男「? どういう事?」
許嫁「あんたと同じ所が良かったって事」ギュッ
男「っ!?」
男(タオル越しとはいえ…!)
許嫁「……」ムスッ
許嫁「前も洗ってあげるわ」シャコシャコ
男「えっ!?あっ、そこは駄目えぇ」
男「いつの間にお湯張って」
許嫁「黙りなさい」
男「……」チャプ
許嫁「ふうん…向かい合わせにはならないのね」チャポ
男「……」
許嫁「あんな事したのに?」
男「それは…!」
男「あ、当たり前だ!一生支えるよ!」
鋸嫁「……」
男「分かったよ、ちゃんと向き合うから…」モゾ
許嫁「だめ」
男「え?」
許嫁「今は振り向いちゃだめ…」
男「ちょ、のぼせた?」
許嫁「そうよ。それで良いからあっち向いて」フイ
男「温まった…」
許嫁「どうして湯上がりの一杯は格別なのかしらね」
男「さあ?」
男「でも」
男「やっぱり牛乳が一番」グイッ
許嫁「同意するわ」クイッ
男「早く帰った方が」
許嫁「…や」
男「でも」
許嫁「今夜くらい、甘えたいの…」
男「…!………布団敷いておくよ」
許嫁「ありがと…家に電話してくる」
許嫁「…」モゾモゾ
男「……」
許嫁「…」
許嫁「…」ピタッ
男「……」ギュ
許嫁「えへっ……」
男「……」サラサラ
許嫁「……」
男「……」サラサラ
許嫁「私…今、しあわせ」
男「……それ、こっちの台詞…」サラサラ
許嫁「もう、絶対に離さないんだから…♪」ギュム
男「好き」
許嫁「大好き」
男「おはよ…」ボ-ッ
許嫁「おはよう、ご飯出来てるわよ」
男「なんか母ちゃんみたいだ…」
許嫁「」ピキッ
男「あ、あれ?」
許嫁「私、先行ってるわ」スタスタ
男「あっ、ま、待って!」アタフタ
パタンッ
男「怒らせちゃったかなぁ…」
男「おはよ…」ボ-ッ
許嫁「おはよう、ご飯出来てるわよ」
男「なんか母ちゃんみたいだ…」
許嫁「」ピキッ
男「あ、あれ?」
許嫁「私、先行ってるわ」スタスタ
男「あっ、ま、待って!」アタフタ
パタンッ
男「怒らせちゃったかなぁ…」
許嫁「……あ、リボン…」
許嫁「…はぁ……戻らなきゃ」
男「幼馴染~っ」タッタッ
許嫁「!おとk………何、そんなに慌てて」
男「はぁ…はぁ…さ、さっきは変な事言ってごめん」
許嫁「急いで来た所生憎だけど、私忘れ物があるから戻らなきゃ…」
男「そうそう、ほら、リボン」スッ
許嫁「!………つ、つけて」
男「え?」
許嫁「さっきの分。…つけて」
許嫁「……んっ」ピクン
男「ご、ごめん…くすぐったかった?」
許嫁「っ……」
許嫁「続けて」
男「(や、柔らかい感触が…)」
男「(無心、無心…!)」スッ
許嫁「んぅっ……」ピク
男「……っ、よし」
男「終わった」
許嫁「56点。結び目が綺麗じゃない」
男「……ごめん、後は自分で直して…」
許嫁「良い」
男「…え?」
許嫁「男がつけてくれたから良いの」
許嫁「行きましょ」
男「あっ…う、腕を絡めなくても」
男「そろそろ手を離しても」
許嫁「嫌なの?」ジト
男「い、いや」
男「むしろ嬉しいけど…恥ずかしい」
許嫁「♪」ガラッ
知人「おおっ!今日はいつにも増してアツいな」
男「あ…」カア
知人「なんだ、もう一生の誓いでも立てたのか?」
男「そ、そんなんj」
許嫁「ええ」
男「」
知人「」
許嫁「だって」
許嫁「幼馴染で許嫁だもの」フフン
人人人人人人人人人
く お し ま い >
人人人人人人人人人
今の俺に壊せない壁などないわ!!
つ ウォールローゼ
引用元: 許嫁「私は幼馴染の上位互換という事に?」