カ-チャン「可愛いしかっこいいし自慢の息子やわ~」
ワイ(ワイは可愛いしかっこいいんやな…)
カ-チャン「良かったわね~ワイ」
オバチャン「女の子かおもたわ~、でも顔整ってるし将来はイケメンさんやな~」
ワイ「…」モジモジ
ワイ(やっぱワイって可愛いくてかっこいいんやな…)
カ-チャン「あれ?ワイどうかした?トイレか?」
ワイ「…」フルフル
カ-チャン「喉乾いた?ジュース飲むか?」
ワイ「…」コクッ
カ-チャン「ワイはオレンジジュース好きやな~」
ワイ(喋らんでも分かってくれるもんなんやな…)
ワイ「ウルトラマンってどうやってウンコするん?」
カ-チャン「ブッwww」
カ-チャン「ほんと面白い子やなあワイは~w」
ワイ(ワイって面白いんやな…)
ワイ「…ワイです…よろしくおネガイシス…」
ワ-ワ-ガヤガヤ
ワイ(なんやこれ…なんでみんなこんな元気やねん…)
ワイ「…」コクッ
A君「ワイ君も友達誘ってよ!誰か呼んできて!」
ワイ「…エッ…」
ワイ「…」キョロキョロ
A君「じゃあ誰と遊びたい?俺が誘ってあげる!」
ワイ(B君と遊びたいけど名前で呼んだことないし…なんて言ったらいいんやろ…)
ワイ「…」
A君「先生ー!ワイ君が全然喋ってくれませーん!」
A君「誰と遊びたいか聞いただけやでー!でも全然喋ってくれへん!!」
先生「…ワイ君じゃあ先生だけに教えてくれる?誰か一緒に遊びたい子おる?」
ワイ「…」
A君「じゃあ呼ばんでええし一緒に遊ぼうやー!」
ワイ「…」コクッ
スタタタ ワ-ワ-ワ-
ワイ(やっぱ喋らんでも何だかんだ上手くいくもんや…)
イケメン「…」
女子「よね~」
イケメン「おう、そうやな」
ワイ(なんかお喋りでモテてる奴おるけど…あのイケメン君とか寡黙やけどモテてるしな)
ワイ(ワイはあのイケメン君みたいなポジ狙えるわ)
ワイ「え…」
C君「A子とか?w」
ワイ(そんなん言ったらバカにされるし恥かくして言えるわけないやん…)
ワイ「…」
C君「なんか言えや!」バシッ
周り「ギャハハハ」
ワイ「…」
ワイ(ワイってちょっと人気者やな…こんなに笑ってもらえて)
ワイ(ワイってやっぱ魅力的なんやな…)
ワイ「…」
リア充「ギャハハハw」
オタ集「ブフォフォ…w」
ワイ(なんかワイ孤立しとんなぁ…まあ新学期始まったばっかやし、まだ誰もワイの魅力に気付いてないからやろうけど)
ワイ(入るならどのグループやろなぁ…まああのオタク集団はないわ、周りからキモがられるし)
ワイ(やっぱワイが入るならあのリア充グルやな)
リア充「カラオケ行かね?」
リア充「行くべ行くべ」
ワイ(ワイも誘ってくれんかなぁ…)
ガラガラ スタスタ…
ワイ(はぁ、まだ誘ってくれんか…いつ友達できるんやろ)
ワイ(小学校の時なら今頃友達できてるんやけどな)
オタク「なあワイ君ってゲームやるん?」
ワイ(うわオタクグループの一人が話しかけてきたで…気持ちわる)
ワイ「…」フルフル
オタク「…あそう」
ワイ(ワイは絶対あんな底辺になりたくないわ…あれと絡んでたらワイも底辺扱いされるで)
ワイ(やっぱ周りに比べて友達少ないなぁ…ていうか一人の時多いな)
ワイ(なんでやろ…)
ワイ(………)
ワイ(友達って言うほどいるか?)
ワイ(しかも将来のこと考えてみーや、一人で生きていく力なくてどうすんねん)
ワイ(周りの奴らって、必死に群れててだっさいなぁ…)
ワイ(やっぱりワイって人とは違う目線から物事捉えられるな…)
ワイ(夜フード被って町出歩いたろ…)
ワイ(ワイの孤高な感じに似合う言葉見つけたし紙に書いて部屋貼っといたろ…)
ワイ(孤独でええんや…)
先生「じゃあ修学旅行のメンバー金曜日までにここに書いといてください」
ワイ(クラスは繰り上がりやし、誰かとなれるやろ)
リア充グル「俺らは決まりだよなーw」
オタクグル「ここ行こうぜ」
ワイ「…」
ワイ(誰も誘ってくれん…なんでや…)
リア充A「お前なんで入ってんだよ~w」
リア充B「おいいつも絡んでんだろw」
ワイ「ワイも…ここ入ろかな…」(リア充グループの欄を指差して)
リア充B「えっ」
リア充A「おーいいじゃん入りな入りな」
ワイ「…ヨロシクw…」
ワイ(ワイはやっぱ気質的にリア充側なんやな…)
ワイ(いくら普段一人でもこういう時底辺の奴らとその差が現れるよな)
ワイ(相変わらず友達できんなぁ…)
ワイ(………)
ワイ(ワイっておかしいんか?もしかしてズレてるんかな?)
ワイ(友達できんのは自分から何も言わないからやし、話題もないからやないんか?)
ワイ(最近言い知れぬ不安感みたいなものがずっと頭を過っている)
ワイ(それはこれまで友達がいない事によって起こった小さな障害が積み重なって現れてるんやないんか?)
女子B「分かる~ちょっかい出しても怒らなそうw」
女子A「ごめん怒らないで~w」
女子B「www」
ワイ「…」
ワイ(ワイはやっぱ可愛いんか…)
ワイ(さすがにこの世の理がちょっと分かってきたわ…)
ワイ(スポーツできる奴と背が高い奴と裕福な家で育った奴は無条件にモテるな…)
ワイ(ワイにはない…ワイの家庭ってそんな良くなかったんか…)
ワイ(まあでもワイは中でも魅力的な方やし…可愛いくて賢い路線でいこ…)
ワイ(自己啓発本読んだらやる気出てきたで!この言葉むっちゃ響いたわ!)
ワイ(今日からクソガリ勉になって、優等生なったるで!)
ワイ(あーもうめんど…なんやったっけ目標…帰ったら今日の授業復習か…めんどすぎやろ)
ワイ(あかん、あの言葉思い出さなあかんわ…むっちゃ響いたあの言葉…なんやったっけ…)
ワイ(忘れたわ…もうええわ、明日まとめてやったらええやろ)
ワイ(結局オール3や…もうええわ勉強なんて)
リア充A「お前成績どうだった?」
ワイ(あんま話さない奴が話しかけてきた…)
ワイ「え?…これ…」
リア充A「おい3ばっかかよw俺負けたわw」
ワイ「…ブッwダサ…w」
リア充A「…えっ、あぁwはははw」
ワイ(イジってやったで…)
大学でやっと自覚して今はサークルにも入れないようなオタクインキャ軍団でブイブイいわせとるわ
A男「今日サボっていいっすか~w」
バイトリ-ダ-「おいふざけんなしw」
ワイ(ワイもあんな感じで話したらリア充っぽくなるんか…)
バイトリ-ダ-「ん?どうした?」
ワイ「イヤw仕事マジめんどくないっスカ…w」
バイトリ-ダ-「え?なになに?wどういうこと?w」
バイトリ-ダ-「あー…あぁ、うん?あはは…」
ワイ「ウィス…w」
ワイ(……)
ワイ(進路は大学やな…)
ワイ(将来の夢もないし親の意見も聞いてないけど、親はいくらでも金持っとるやろしとりあえず大学や)
ワイ「…」
カ-チャン「ワイ…進路決めたか?」
ワイ「…」(考え込むフリ)
カ-チャン「…大学がええか?」
ワイ「…」コクッ
ワイ「…」コクッ
ト-チャン「ワイ、ええか、大学に通わすには沢山お金がいるんや」
ト-チャン「お前のためにトーチャンとカーチャンが貯めたお金を使うんや、分かるか?軽い気持ちじゃあ大学行かせられんで」
ト-チャン「将来のことも考えや」
ワイ「…ウン」
ワイ(…めんどいなぁ、御託はええからとりあえず大学入って決めたらええやん)
ワイ「よ、ヨロシクオネガイシマス」
パチパチパチ
ワイ「…」
ワイ(みんな輝いてるなぁ…なんでこんな自信満々なんや…)
ワイ(あかん…こんな奴らと友達になれるわけない…)
ワイ(友達ってどうやってなるんや…今まで自分から作りにいったことないし分からんわ)
ワイ(ヤバイ…孤立してるって…)
男A「カラオケ行く?」
男B「おー男子みんなで行こうぜ」
ワ-ワ-
ワイ(男子みんな…ってことはワイも)
ワイ(これ…勝手にあの集団に入ってええんか?)
ワイ(あかんそんな勇気でん…でも今行かないと…)
ワイ(誰か…ワイを見つけてくれ!言ってくれや、お前も来いやって)
男子集団「ザワザワ」スタスタ
ワイ(……)
ワイ(帰るか)
ワイ(ワイってもしかして、ヤバイんか?)
ワイ(いや、ヤバイんや…なんで今まで気付かんかったんやろ)
ワイ(ワイには社会性が全くないんや…コミュニケーション能力が圧倒的に欠如してる)
ワイ(浮いてるんや)
ワイワイガヤガヤ
ワイ「オッス…」
A君「おー、おっす」
A君「あ、B君久しぶり~w」
B君「ウィースw」
ワイ「…」
ワイ(中学時代はまだ友達がいた方だって思ってたけど、そもそも友達やなかったんや今思えば)
ワイ(高校でも今でも何だかんだ友達は数人いると思ってたけど、よく考えれば全然仲良くないわ)
ワイ(ワイに友達っておらんかったんやな)
担当教授「君ね、休みすぎだよ」
担当教授「講義数はギリギリ足りてるけど、次の期末テストのこれとこれとこれとこれ、どれか一つでも落としたら留年だから」
ワイ「…はい」
ワイ(一つでも落としたら留年か……)
ワイ(まあなんとかなるやろ)
ワイ(あかん…全く勉強できてへん…全然やる気でん…)
ワイ(明日のテスト…絶対受からんわ…)
ワイ(………………)
ワイ(明日のテストを落としたら留年……?ト-チャンに留年した時点で大学やめろって言われたなぁ……)
ワイ(もし大学やめたら、ワイどうするんやろ)
ワイ(急に就職とかなっても…絶対失敗する…かと言って他にできることもないしフリーター……)
ワイ(いや、やばくない?これワイが過去に見下してた人間と同じ末路辿ってるやん…)
ワイ(今思えば、ワイの家貧乏やのに、大学行く金出してもらって、アパート代も払ってもらって、そんなん気付かんかったわ…)
ワイ(なんで勉強できなかったんや…)
ワイ(怖い…明日が来るんが怖い…)
プルルルルルル
ワイ「……」
プルルルルルル
ワイ「はい」
カ-チャン「…もしもし、ワイか?」
ワイ「うん」
カ-チャン「今大学の方から連絡きたわ…留年やってな」
カ-チャン「…ト-チャンと話したんやけどな、もし、ワイがやる気あるんやったら、カ-チャンとト-チャンも頑張って働くし、もう一年なら続けてもええでって話になってるんやけど…」
ワイ「ええわ」
ワイ「やめるわ」
カ-チャン「…そうか」
ワイ「ごめん、ほんまにごめん」
カ-チャン「…」
ワイ(ワイは社会性と責任感のないまま育ってしまった)
ワイ(だから友人はできなかったし、勉強のやる気を引き出す要因を深く考えられなかった)
ワイ(いつまでも自分が魅力的だとかリア充気質だとか思っていたのも含めて、自分を客観的に見る能力が欠如していた)
ワイ(蓋を開ければ考えてるフリしてるばっかで何も分かってない発達障害者)
ワイ(振り返ってみるとワイの人生は薄っぺらすぎや、薄っぺらすぎたわ)
ワイ「アノ…スイマセン」
店長「言いたいことあるならちゃんと言えよ?自分の口でな」
ワイ「ハイ、スイマセン」
周り「…コショコショ」
これ以上なんも出てこんわすまんな
今年28で実家暮らしや
何が楽しいんだか何考えて生きてんだかわからんおとなしくて成績も運動も大してできひんやつたいてい一人はいたろ
楽しんどったフリしてたけど今思えばリア充達にバカにされてるだけやった
自由時間みんなでお土産買いに行こうって話の中俺はずっと単独行動してた