患者「失礼します」
カウンセラー「最近はよく眠れていますか?」
患者「あまり眠れてません、薬も飲んでいるのですが」
カウンセラー「調子が悪いようですね」
患者「ええ、どうしても人生について考えてしまって
悩むのがやめられないんです」
カウンセラー「性格的なものでしょうか」
患者「そうなんだと思います
一つ悩みが減るとまた一つ悩み事を見つけてしまう」
カウンセラー「それで夜も眠れないのですね」
患者「はい…抜け出したいはずなのに」
患者「未来が楽しいと思えません
過去の積み重ねが未来に繋がっているなら可能性を潰してきた自分を許せない」
カウンセラー「では死んではどうですか」
患者「え」
患者「死んだら周りに迷惑が…火葬代もまだ用意できないですし」
カウンセラー「みっともなく生にしがみついて何の為に生きてるんですか」
患者「わかりませんよ!
こっちが聞きたいですよ」
カウンセラー「じゃあしね」
カウンセラー「そうやって他人のせいにしてれは楽ですよ
一人でで生きてる事も実感できず、他人から被害を受けたと思うことで優位に立とうとしてるクズ人間はどこに行ったって一緒なんですよ」
患者「何もわからないくせに」
カウンセラー「わかりませんよ
自分から何があったか話そうともしないじゃないですか」
カウンセラー「どうして意味を最初に求めるんですか」
患者「意味がないことはしたくないからです」
カウンセラー「でしたらもうしゃべる必要はありませんね
そうやってずっと自己完結してればいい
それが嫌なら話してください」
患者「嫌です」
カウンセラー「治す気ないですね
我儘すぎます」
患者「治したいですよ」
カウンセラー「何も行動してないのに願望だけはいっちょ前ですね」
患者「否定するのやめてください何様ですか」
カウンセラー「あんたの母だよ」
患者「え」
カウンセラー「そうだよ、いつも他人の顔を見ないから気付かないんだよ」
患者「かーちゃんがカウンセラーやってるなんて知らなかったよ
何も話さないのはそっちも一緒じゃないか」
かーちゃん「親が子供に仕事の話をするもんじゃいよ」
患者「そうやっていつも逃げてるのは同じじゃないか!」
患者「こっちだって…だから何も言えなくて…」
かーちゃん「…」
患者「…」
かーちゃん「…」
患者「こっちはずっと寂しかったんだよ…」
かーちゃん「」ギュッ
患者「今更抱きしめられてもウザいんだよ!」
かーちゃん「何もかも遅かったのね…」
患者「何が遅かったのねだよ
もう親なんていらねーよ!」
かーちゃん「…」ウッウッ
患者「…一人で生きていくよ」
かーちゃん「…!」
患者「…あっ」
かーちゃん「盛り上がってるけど延長して行く?」
患者「30分延長お願いします」
店員「かしこまりした」
おわり