城之内「それでよー!そのバトルシップの時に俺、死にかけて……もうマジですごかったんだって」
同僚A「……それあれだろ、昔はやってたカードゲームの話だろ?」
同僚B「なに?城之内、ゲーマーだったの?」
城之内「……」
――――――――――――――――――
城之内(もう一人の遊戯が消えてしまってからも依然として続いていたデュエルモンスターズの流行も、今では見る影もない)
城之内「……俺たちのデュエルは本物だったはずだよな?」
城之内(結局オレはデュエリストを引退して、ろくに大学も出ていなかったせいでただの社畜……)
城之内(ついにはデュエルモンスターズもオワコンになっちまった)
城之内(……いつまでも高校生でいたかったぜ)
――城之内宅
城之内「ただいまー」
静香「おかえり、お兄ちゃん」
城之内(俺は静香と二人暮らしをしている。もう嫁に行けるような年なのに……)
静香「夕食できてるから、食べてね」
城之内「ああ、サンキュ!」
静香「できないよ。それにお兄ちゃんを一人にしておくわけにいかないからね!」
城之内(静香は俺に気を使っているんだろうか……)
静香「そうだ、さっき本田さんから手紙届いてたよ!」
城之内「おお!そうか、最後にあったのは3年前だったし、久しぶりだな」
――夕食後――
城之内「さて、手紙てがみ……、おっ、これか」
城之内「なになに……、このたび、けっこんしました……はぁ??」
城之内(あいつももうそういう年なのか。そりゃあそうだよな、もう30だもんな)
城之内(遊戯は相変わらずNo.1デュエリストらしいが、拠点を海外に移した)
城之内(海馬コーポレーションは未だに日本トップの会社だが、海馬自身は木馬に実質の管理責任を委譲して、アメリカにあるデュエルモンスターズ協会で会長をやっているらしい)
城之内(他の連中とは、もう殆ど会ってない)
城之内(毎日出勤して、帰って、寝る。そんなことをしているうちに、こんな年になってしまった)
上司「城之内、ちょっと来てくれ」
城之内「はい、今行きます」
上司「今回、大きな取引があってな、君に交渉を一任したいと思っているんだよ」
城之内「え?俺がですか?」
上司「何でも、君はカードゲームで有名だったらしいじゃないか」
城之内(有名だった……)
上司「取引先の社長がゲームマニアらしくてね。ゲームの一つもできんようでは、話したくないそうだ」
城之内(そんな社長がいるのか……。まあ海馬みたいなのもいるから、そういうこともあるんだろう)
城之内「わかりました、微力を尽くします」
上司「詳細はまた連絡するから、よろしく」
コンコン
城之内「失礼します」
???「どうぞ、入ってください」
城之内「このたびはありがとうございます。城之内克也です。よろしくお願いします」
???「じょ……じょうのうちって、まさか、城之内くん?」
城之内「……お、御伽なのか?」
御伽「城之内くん!久し振りだね!」
城之内「ああ!10年ぶりくらいか?」
御伽「いや、確か遊戯くんの結婚式の時以来だから5年ぶりくらいだよ」
城之内「あぁ……そうだったな。でもあの時はあまり話せなかったから会えてよかったぜ!」
城之内と御伽の話は盛り上がった。
もちろん取引は上手くいった。
城之内(御伽『世の中には優秀な人が大勢いるんだ』)
城之内(御伽の奴、立派になりやがって……まぁ、元から天才だったがな)
――自宅
城之内「ただいまー」
静香「おかえり、お兄ちゃん!取引上手く言った?」
城之内「ああ、上手くいったよ」
静香「さすがお兄ちゃんだね!そうそう、今日はカレーなんだよ!」
城之内「……」
城之内(テレビでもみるか……)
ピッピッ
城之内「……!」
テレビ『決勝戦、武藤遊戯VS海馬コーポレーション磯野のデュエルを中継しております』
城之内(磯野って、あの磯野かよ、決勝って……)
テレビ『解説には、元全国大会優勝者のインセクター羽蛾さんにお越しいただいてます』
羽蛾『ヒャッヒャッヒャ、磯野には秘策があるらしいから楽しみだねぇ』ヒョヒョ
司会『その秘策というのは…?』
羽蛾『まぁ、見れてばわかるよ』
遊戯『僕は、「黒魔術のカーテン」を発動、現れよ、「ブラックマジシャン」。攻撃だ!』
磯野『そうはいきませんよ。「和睦の使者」開始ぃぃぃぃ!!」
遊戯『……僕のターンは終了さ』
城之内(……懐かしいな、ブラックマジシャン……)
城之内(磯野のやつ、守ってばかりで全く攻撃しないぜ)
磯野『私はモンスターを伏せてターンエンドです』
遊戯『僕のターン、ドロー。「ブラックマジシャン」で攻撃!』
遊戯『モンスター、撃破!』
磯野『この瞬間、破壊された「クリッター」の効果、開始ぃぃぃ!!』
磯野『手札に加えるのは、「封印されし右腕」』
遊戯『……!!!!』
城之内(……まさか!)
遊戯『……そうはいかないよ、「エクスチェンジ」発動!』
城之内(あ、あのカードは……俺が洗脳されてた時に使ったカード……!)ガバッ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
遊戯『君は勇気を教えてくれた、大切な親友だ!』
遊戯『城之内くん……大好きだ……』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
城之内(ゆ……遊戯……)
磯野『そ、そんなぁああああ』
遊戯『じゃあ、その、ごめんね、磯野さん』スッ
磯野『遊戯の手札は一枚……』
磯野『ク、クリボーだとぉぉぉぉぉ』スッ
遊戯『僕の勝ちだよ』
ウォォォォォォォエクセレントユウギオーマイガー
司会『決まりましたね、これはサレンダーするしかありません』
羽蛾『いやー、やっぱりエクゾディアは強いんだけどね、弱点があるし、やっぱり海にでも捨てるべきだよ』ヒョヒョヒョ
司会『以上、アメリカより生中継でお伝えしました』
―――――――――――――――――――――――――――
城之内(そして遊戯……まだあのカード使ってたんだな)
城之内(今やデュエルモンスターズ界も新しいカードばかりだというのに、未だに遊戯はデッキを殆ど変えないでデュエルしているらしい)
城之内(俺が落ちぶれちまったのは、やっぱりカードを大切にしなかったからか……)
城之内(俺もプロ入りはしたものの、新しいカードにはヤラレっぱなしだ)
城之内(いつまでもこのデッキじゃ勝てないよな)
城之内(そうだ、これをこっちに入れ替えよう)
―――翌日
城之内(今日は勝てたぞ、やっぱり新しいカードは強いな!)
城之内(今日はこっちも入れ替えよう)
―――――――――――――――――――――――――――
城之内(さらば、フィッシャーマン)
――翌日
城之内(さらば、炎の剣士)
――翌日
城之内(……やっぱレッドアイズは重い。サポートカード少ない)
城之内(いや、でもこいつは一生のパートナーだ)
城之内(さすがに抜けないから、時の魔術師を抜こう)
城之内(くっそぉぉぉ、折角連勝してたのに!)
城之内(なんであそこでレッドアイズ引くんだよ、ブラスター来いよ)
城之内(……あれ、レッドアイズって生贄に二体ほしいくせに効果無くね?)
城之内(………一回抜いてみよう、一回だけ)
城之内(へへ!やったぜ、やっぱり征竜最強ヤワ)
―――――――それから数ヶ月――――――――
城之内(最近全く勝てない、このままじゃランキングから外れちまう)
城之内(勝てなくなったのはどこからだ、えっと、制限が変わって……)
城之内(つか、俺のデッキのコンセプトってなんだ……)
城之内(……完全に見失っちまった………)
こうして、城之内は連敗を繰り返し、プロから引退せざるを得なくなった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
城之内(いまから考えると、俺はやはり実力なんて無かったのかもしれない)
城之内(だからこそのギャンブルデッキだったのもな)
城之内(そういやカードどこやったっけ……)
ガサゴソガサゴソ
城之内「あったあった、箱につめてあった」
カパ
城之内「うぉー、懐かしいぜ、レッドアイズ」
城之内「……また、やりてえな、決闘(デュエル)」
城之内「……あぁ、いや、なんでもないんだ」
静香「そう?じゃあ、私寝るね」
城之内「ああ、おやすみ」
城之内(明日、カードショップでも行ってみるか)
――翌日、土曜日
城之内「ちょっと出かけてくる」
静香「行ってらっしゃい!、今日はコロッケ作るからね!」
城之内「ああ、楽しみにしてるぜ!」
城之内(………)
城之内(うわ、見たこと無いカードばかりだぜ……)
城之内(とりあえず最近のを買っていこう)
―――――自宅
城之内(さーて、開けてみるかな)
城之内(……なんだこれ、なんで上半分だけ効果モンスターで下が魔法なんだよ)
城之内(ペ、ぺんでぃらむっていうのか?)
城之内(……効果の書き方も変わったんだな……)
城之内(……ついていける気がしない……)
城之内(昔は新しいカードにでもついていけたのに、年取ったか……)
城之内(カードの効果を思い出さないとな!)
――――――翌日、カードショップ
城之内「先行は頂いたぜ!俺のターンドロー!」
少年A「何言ってんだよ、マジふざけんなよ?」
城之内「は?じゃんけんで勝っただろうが」
少年A「お前何年前に生きてんだよ、もう先行はドローできないんだよ、おっさん!」
城之内「」
城之内(20連敗した)
城之内(デュエルってもっと毎ターンドローしていくところがワクワクすんじゃねえのかよ……)
城之内(……デッキ変えるか)
城之内(つっても新しいカードなんて分かんねえしよ)
遊戯『……そうはいかないよ、「エクスチェンジ」発動!』
城之内(………!)
城之内(どうせ負けるんだし、信頼できる仲間で戦って負けたいぜ!)
ガサガサ
城之内(……久しぶりだな、レッドアイズ!)
城之内(結局、殆ど遊戯や海馬たちと戦っていた時に戻った)
少年A「うわ、おっさんまた来たのかよ」
少年B「よく諦めねえよな」
城之内「へへっ、今日はデッキを変えてきたからな!そっちのボウズからやろうぜ!」
―――――――――――――――――――――――――――
城之内「俺のせ……じゃない、俺は伏せカードを3枚セット、モンスターも一枚伏せるぜ」
~~~~~~~~~~~~
~~~~~~
城之内(昨日よりは持ちこたえてるぜ)
少年A「さあ、おっさんのターンだぜ」
城之内「ドロー!、モンスターをリバース、ダイスポット!」
少年A「はあ?今度はギャンブルかよ」
城之内「いくぜ、ダイスロール!」
コロコロ
少年A「僕は5だよ」
城之内「へへっ、俺は6だぜ!」
少年A「なんだとぉ?」
城之内「6000のダメージだ!」
少年A「ははっ、ただのまぐれだよ」
城之内「俺のターンはまだ終了してないぜ」
少年A「……?」
城之内「手札より、時の魔術師を召喚!」
少年A「……まーたギャンブルか」
城之内「いくぜ!」
チリンチリン
城之内「……表だ!」
少年A「……当たるだとぉ!?!?!?!?!?」
城之内「お前のカッコイイモンスターたちは全部墓地行だ!タイムマジック!」
少年A「でもお兄さんのモンスターたちじゃ残りの2000ポイントは減らせないね」
城之内「死者蘇生」
少年A「!?」
城之内「ダイレクトアタックだ!」
少年A「ぐ、ぐはぁあぁぁあ」ピコンLP0
少年B「ははっA負けてやんの」
少年C「ぷぷwwwwwwwマジで哀れwwwww乙wwww」
少年A「」
城之内「おい!そんな言い方するもんじゃねえぜ」
城之内「人は負けることもあるんだ、そこで成長できるかが大事なんだ」
少年B「偉そうなこと言いやがって、昨日は10連敗してたじゃねえかよ」
城之内「いや、20連敗だ!」
少年C「wwwwwwマジかwwwwwそれに負けるAヨワスwwwww」
少年B「は?やってやろうじゃん」
―――――――――――――――――――――――――――
少年B「コンボがそろった、次のターン、おっさん負けだよ」
城之内「俺のターン、ドロ-!スナイプストーカー召喚!」
少年B「またギャンブルってか、おっさん手札3枚じゃん。僕のフィールドにはカードが5枚あるんだよ?」
城之内「魔法カード、カップ・オブ・エース発動!……表だ!」
チャリンチャリン 表
少年B「………!!」
城之内「さらに、ドローしたカード、カップ・オブ・エースをもう一度発動!」
少年B「なんでまた引いてるんだよ!」
城之内「3枚入ってるから」
少年B「そういうもんだいじゃねえよ!」
チャリンチャリン 表
城之内「スナイプストーカーの効果を発動するぜ!」
城之内「1か6以外なら破壊とか、正直余裕だぜ!4枚捨てる!」
コロコロ 2 コロコロ 3 コロコロ 5 コロコロ 2
城之内「やったぜ!」
少年B(最後の伏せカードが破壊されるとまずい・・・!)
城之内「手札から魔法カードを発動……!」
少年B(よかったぁ……)
城之内「……カップ・オブ・エース」
少年B(嘘だろ……)
チャリンチャリン 表
城之内「二枚ドロー、そして、スナイプストーカーの効果を使うぜ!」
コロコロ 4
少年B「うわぁぁぁぁ、僕のモンスターたちがぁぁぁ」
城之内「残りの一枚は、もちろん死者蘇生だ」
城之内「いでよ!ギルフォード・ザ・ライトニング!2体でダイレクトアタックだ!」
少年B「うぁぁぁぁあぁ」
城之内「君のターンだ」
少年B(僕の手札は0枚、このドローにすべてがかかっている)
少年B「ど、ドロー!!!」
ペラッ
ヴァルキュルスの影霊衣
少年B「うわあぁぁぁぁ負けだぁぁぁぁああ」
城之内「……そうか」
少年B「……こんなのありえないぃぃ……インチキだ!」
城之内「残念ながら、インチキじゃないんだ」
少年B「じゃあ、証明してみてよ!」
城之内「はぁ?運の良さを証明するのか?じゃあ、コイントスしてやるよ」
少年B「この僕の500円玉でやってね」
城之内「いいぜ。表」
チリンチリン 表
城之内「裏」
チリンチリン 裏
城之内「次も裏だな」
チリンチリン 裏
少年B「」
少年B「こ……こんなことって……」
少年C「デュフwwwマジックみたいだwwwww」
少年B「おっさん年いくつだよ?」
城之内「30だが?」
少年B「聴いたことあるぞ……男の人は30歳になると魔法使いになるんだ!」
少年C「wwwwmjkwwwこのおっさん魔法使いwwww」
城之内(その魔法使いは意味が違うぜ……)
少年C「グフフwwwサティーwwwwマジシャンwwww」
少年B「おい、他のみんなも来てみろよ!このおっさんすげえぜ!」
ガヤガヤマジデ?サッキミタケドスゴカッタゼ
少年D「俺ともデュエルしてくれよ!」
少年E「俺も!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
―――――――
―――自宅
城之内「た……ただいま」
静香「おかえり……って、大丈夫お兄ちゃん?」
城之内「いや、たくさんデュエルして疲れちまってよ」
静香「デュエル……?」
城之内(……しまった……!)
城之内「……いや、ちょっとだけな……」
静香「……よかったぁ!!!」
城之内「……?!」
静香「お兄ちゃん、遊戯さんたちとデュエルしてた時に比べて、最近は全然楽しそうじゃなかった」
城之内「……」
静香「今日のお兄ちゃんの、とっても疲れてるけど、すごく充実してる顔だよ!」
城之内「……充実してる顔……」
静香「お兄ちゃんは好きなことするほうがいいよ!」
城之内「……好きなこと……」
城之内(やっぱり俺、デュエルするの好きなんだよな)
――翌日、某会社
同僚A「息子がよ、昨日、すごい奴見たんだってよ」
同僚B「どういうこと?」
同僚A「なんでもコイントス全部当てるんだってさ」
同僚B「は?どこの魔法使いだよ」
同僚A「しかもそいつ、ゲームごときなのに子供相手にボコボコにしたんだってよ」
同僚B「まじかよ……」
城之内「……」パチパチカタカタ
―――――――――――――――――――――――――――
―――――翌土曜日――――――
城之内(街で一番大きなカードショップに来たが、案外人がいて驚いたぜ)
城之内(もっと……デュエルモンスターズは廃れちまったのかと思ってた)
城之内(もしかすると、挫折した俺は、知らないうちにカードを避けていたのかもしれないな)
城之内(すまん、俺のカードたち……)
城之内(さて、手当たり次第にデュエルしていくぜ!)
城之内「ちょっとそこの君、デュエルしないかい?」
???「私ナノーネ?」
城之内「……日本語通じてるのか?」
クロノス「大丈夫ナノーネ!!私日本語ペラペラーニョ!!」
城之内「じゃあ、デュエルだ!」
―――――――――――――――――――――――――――
クロノス「私は歯車街を発動するノーネ!さらにカードを二枚セットスルノー!」
クロノス「さらに、魔法カード、大嵐発動!すべてのカードを破壊するノーネ!」
城之内「はぁ?自分のカード破壊してどうるんだよ?」
クロノス「フフ・・…甘いノーネ……とってもとっても甘いノーネ!!」
城之内「……?」
クロノス「破壊した二枚の伏せカードは黄金の邪神像!トークンを2体召喚スルーノ!!」
クロノス「さらに、歯車街が破壊されたことで、古代の機械巨竜を特殊召喚スルノーネ!!」
城之内「な……なんだって!」
クロノス「手札より、アンティーク・ギアゴーレムを召喚スルノーネ!!!」
城之内(1ターンで強力モンスターが2体……)
クロノス「ターンエンドナノーネ」
クロノス「さぁ、どうするノーネ?」
城之内(どうでもいいけど、さっきから喋り方きになる)
城之内「君がどんなモンスターを出したところで、このデッキの前では関係ないぜ!」
クロノス(……?)
城之内「一撃必殺侍召喚!」
クロノス「まさか?ギャンブルで私を倒そうとしてルーノ?」
城之内「そうだぜ!あのデカイ機械っぽい龍に一撃必殺侍で攻撃!コイントスだ!」
城之内「今日は……表だな!!」
チャリンチャリン 表
城之内「やったぜ!でかい龍、撃破だ!」
クロノス「……でも今のはまぐれーネ」
城之内「俺は伏せカードを3枚セット、ターンエンドだ」
クロノス「ドローナノーネ!」
クロノス(ここで引いてはダメナノーネ)
クロノス「アンティーク・ギアゴーレムで、一撃必殺侍に攻撃ナノネ」
城之内「コイントスだ!次は裏だ!」
クロノス「連続で当たるわけナイノーネ……」
チャリンチャリン 裏
クロノス「!?」
城之内「アンティーク・ギアゴーレム返り討ちだぜ!」
クロノス「……二枚目の歯車街をダシトクーノ」
クロノス(マズイノーネ……手札がナイノーネ)
城之内「ドロー!ギアフリードを召喚、二体で攻撃だ!」
クロノス「マンマミーア!!!!」
クロノス(もう少し耐えるノーネ……)
クロノス「私のターンナノーネ!ドロー!」
サイクロン
クロノス(ヤッタノーネ!古代の機械巨竜がまた呼べるノーネ!)
城之内「ここで、トラップカードを3枚発動する!」
クロノス「……3枚一度に発動ナノーネ?」
城之内「運命の分かれ道だ!!!!!」
クロノス「………!!」
クロノス「それを3回分もスルーノ?」
城之内「そうだ。………このターンで君は負ける」
クロノス「ノー!」
クロノス(むしろ回復してくれてありがたいノーネ!)
クロノス「一枚目!」
チャリンチャリン 裏
クロノス「オーマイガ!!!!」
チャリンチャリン 裏
クロノス「オォォォノォォォォ!!!」
クロノス(さっきのダイレクトアタックのせいで、次失敗したら負けナノーネ……)
クロノス「3枚目!!!」
チャリンチャリン 裏
クロノス「オォォォォォノォォォォォッォオ!!!!!」マンマミーヤ
城之内「勝ちだ………!」
クロノス「そんなバカーナ、そんなバカーナ!アリエナイノーネ……!」
城之内「実は君の運が悪いんじゃなくて、俺の運が良すぎるんだよ」
クロノス「……!」
城之内「運っていうのは相対的なもらしんだ」
城之内(俺が論理っぽいこと言ってる!!)
クロノス「……完全に敗北ナノーネ……お兄さん、名前なんていうノーネ?」
城之内「…ええっと……城之内克也だ」
クロノス「城之内サン……覚えとくノーネ」
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
――――――――――
城之内(結局、対戦相手には殆ど勝った)
城之内(そろそろ帰るか)
???「ねえ……!」
城之内「…ん?」
???「城之内くんじゃない?」
城之内「……お前は……獏良じゃん!!」
獏良「久しぶり!」
城之内「久しぶりじゃねえか!……その格好、この店の店員か!」
獏良「うん、店長だよ」
「へえ、クロノスでてきたんだな」
と思っていてください。
あと、この時クロノスはまだ13歳です
城之内「この店って、こんなデカイ店維持してんのかよ……すげえな!」
獏良「……城之内くん、またカード始めたんだね」
城之内「……まぁな、やっぱり楽しいからよ」
獏良「うん!やっぱり楽しいよね、デュエルモンスターズはさ!」
城之内(闇の人格に操られなくなってから、獏良はすっかり真っ白な感じになったな)
城之内「また来るからよ、デッキの相談とか乗ってくれよな!」
獏良「うん、待ってるよ!」
―――――――――――――――――――――――――――
城之内「ただいまー」
静香「おかえり、お兄ちゃん!今日はどうだった?」
城之内「バッチし勝ってきたぜ!」
静香「よかったー!今日は気持ちを込めてカツ丼作ったよ!」
城之内「おう、ありがとな」
静香(お兄ちゃん、本当に楽しそうな顔をするようになったな……)
城之内「今日も行ってくるぜ!」
静香「いってらっしゃい!お兄ちゃん!!」
―――――――――獏良のカードショップ
城之内(今日も倒すぜ!)
獏良「あっ!城之内くん!!」
城之内「おぉ、獏良じゃねえか!」
獏良「今日もデュエルなのかい?」
城之内「おう!今日も倒しまくるぜ!」
獏良「じゃあ、今日は城之内くんのデュエルを見させてもらいたいな!」
城之内「い……いいけどよぉ……なんか照れるぜ……////」
―――――――――――――――――――――――――――
城之内「ロケット戦士の攻撃!」
青年A「ぐはぁぁぁぁ!」
城之内「俺の勝ちだ!」
青年A「そんな……コイントスを7連続で決めるなんて……」
―――――――――――――――――――――――――――
城之内「ダイスポット!!!ダイスロール!」
青年B「4だよ……」
城之内「6だ!!!」
青年B「FOOOOO!!」
城之内「よし!勝った!」
―――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
――――――――――――――
城之内「まぁ、元プロデュエリストですから……」
獏良「でも現状のパワーバランスは変わってるから、その旧式のデッキでこの強さは凄いと思うよ!」
城之内(旧式って……)
獏良「今度、うちの店で公式の全国大会の予選があるんだ。参加してみない?」
城之内「おう、絶対参加するぜ!」
クロノス「お、城之内さんなノーネ!」
城之内「お、君は昨日の……」
クロノス「クロノスと呼んで欲しいノーネ!」
獏良「あ、クロノス君じゃないか」
城之内「知り合いか?」
獏良「前回大会の全国大会出場者だよ」
城之内「……!」
獏良「クロノスくんも次の全国大会でるの?」
クロノス「……今回はやめとくノーネ」
獏良「どうしの?いったい……?」
クロノス「私、城之内さんの弟子にナルノーネ!!!」
城之内・獏良((………!!!))
クロノス「私、思い出したノーネ、小さいころ、何度も見た動画に、命にかかわるような攻撃されても立ち上がったデュエリストがイタネ」
城之内「……」
クロノス「それは城之内さんだったノーネ……昨日家でビデオみて気づいたノーネ」
クロノス「昔は感じが読めなかったから気付かなかったノーネ」
クロノス「私、あのデュエルみてとても感動シタノーネ!!!!」
城之内「………」
城之内「…………」
獏良「……城之内くん、どうしたの?」
城之内「……いや、嬉しくってよ」
城之内「最近まで、俺はやってきたデュエルは正しかったのか、とか、いろいろ考えちまってたんだよ」
城之内「もちろん、静香の目の手術は成功したけどよ、あとは成り行きでプロのデュエリストになっちまったんだよ」
城之内「でもいま改めてわかったぜ」
城之内「デュエルは人に感動を与えることができる」
クロノス「……!」
城之内「俺、やっぱりデュエルの道に戻りたい……!」
城之内「今日から俺の目標は、決勝の舞台で遊戯とデュエルすることだ!」
城之内「もうプロには戻れねえかもしれねえけどよ……俺は最後までやってみたいんだ」
獏良「……全力で応援するよ!!」
クロノス「頑張るノーネ!!!」
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
―――全国大会予選当日
城之内「じゃあ、行ってくる!」
静香「うん、優勝してきてね!」
城之内「おう!」
城之内(あれから獏良たちと特訓したし、きっと大丈夫だ!)
―――――――――――――――――――――――――――
――獏良のカードショップ
獏良「いよいよだね!」
城之内「優勝すればいいんだよな!」
獏良「そうだよ!」
クロノス「城之内サーン、ガンバルノーネ!!!!」
―――――――――――――――――――――――――――
――――――――― 1回戦 ――――――――――――――
城之内「レッドアイズの攻撃!黒炎弾!!」
大人A「うわぁぁぁぁぁ!!」
城之内「さらに、運命の分かれ道!!」
大人A「裏だと……うぉぉぉぉぉ!!」
城之内「勝ちだ」
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――2回戦――――――――――――――
城之内「スナイプストーカーの効果発動!城之内ガンファイヤー!!」
大人B「ひぇぇぇぇぇぇぇぇ全部3だとぉぉぉぉぉ」
城之内「そして死者蘇生、蘇らせるのは、お前の墓地のブルーアイズだぜ!」
城之内(……海馬だけのブルーサイズが大量生産されてる……)
城之内「城之内バースト!」
大人B「」アベシ
城之内「俺の勝ちだ!」
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
クロノス(最近気づいたけど、運だけで勝負してるのと、あまりにも圧倒的に勝つのであまり参考にならないノーネ)
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――準決勝―――――――――――――
城之内「時の魔術師の効果発動!コイントス!表だ!」
チャリンチャリン 表
城之内「やったぜ!……技の名前なんだったっけ……城之内マジック!!」
大人C「ヒヒイィィィンン」
城之内「レッドアイズでダイレクトアタック!」
大人C「ヒヒィィィィィィィィィン」バタ
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
城之内「次で最後だぜ!!」
獏良「それにしてもよくコイントス成功するよね!」
城之内(そういや今まで外れたことがないな)
―――――――――――決勝――――――――――――――
大人G「あなたがギャンブルデッキで勝ちまくってるっていう人?」
城之内「たぶんそうだ」
大人G「……デュエルモンスターズ舐めてもらっちゃ困るんだよぉ!」
城之内「……」
大人G「お前みたいのは、勝ち進んでもどこかで限界がくるよ」
城之内「……」
大人G「絶対遊戯さんや城之内さんや海馬さんみたいな伝説のデュエリストにはなれないよ!!!」
城之内「」
クロノス(ダメね、笑いが堪えられナイーノ)
大人G「まあいいさ、この僕が叩き潰してあげるから」
城之内(……俺って、そんな外見変わっちまったかな……)
城之内「いいぜ、受けて立つ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大人G「くっそぉ、城之内さんのカードなんて使いやがって!」
城之内「」
クロノス(やっぱりダメナノーネ、笑ってしまうノーネ)
城之内「運命の分かれ道!!」
大人G「くっそぉ、またギャンブルかよ、城之内さんでももっとギャンブルなしで戦ってたぞ!」
城之内「」
城之内「う……うるせぇ!!城之内でもギャンブルしたいときもあるんだよ!」
城之内「コイントス!」
チャリンチャリン 表
大人G「コイントス!」
チャリンチャリン 裏
大人G「ファァァァァーーーーー」
城之内「あ、あともう一回運命の分かれ道な」
チャリンチャリン 表
大人G「コイントス!」
チャリンチャリン 裏
大人G「ファーーーーーーーーー!!!!」チロチロピー LP0
城之内(偉そうなこと言いやがるくせしてあっさり勝っちまったぜ)
大人G「くそ、こんな、こんなことが……」
城之内「お前こそ、ここまで運で進んできたんじゃねえの?」
大人G「そ……そんなことは……」
城之内「まあでも、運でも俺のほうが上だったみたいだがなー!」
大人G「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
城之内「え?まぁそれはだな………」
城之内「城之内さんがとってもとっても強くて、格好良くて、海馬なんて足元にも及ばないくらい『最強』だからかな」
獏良「ぶっっっっっっっ」
クロノス「凄い自信ナノーネ!!!」
大人G「海馬さんよりも強いわけ無いだろ」ボソ
城之内「んだと~?やんのかコラァ!」
獏良「やめなよ、城之内くん!」
大人G「……城之内くん……だと?」
獏良「そうだよ、この人が君が伝説のデュエリストといった人の一人、城之内克也くんだよ」
大人G「……そんな!嘘だろ……」
城之内「……どうしたんだよ」
大人G「そっれは大変失礼しましたーーー><」デレデレ
城之内「は?」
大人G「伝説のデュエリストの城之内さんとデュエルできたなんて、光栄です!」
クロノス「凄い手のひら返しナノーネ」
大人G「これからも応援してます……そうだ、サインください!」
城之内「え?へへ?そう?いいよ。サインしてあげるよ」デヘデヘ
獏良(城之内くんも相変わらずおだてられたらすぐに乗るんだね)
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
城之内(こうして、予選は一位で勝ち抜いた)
城之内(遊戯に、少しでも近づけたのかな)
――大会後、獏良のカードショップ
獏良(今日はすごいデュエルだったなぁ……)
獏良(久しぶりに城之内くんに会った時は疲れきって、希望なんてちっともなさそうな顔だったのに)
獏良(今日はもう、高校生の頃に戻ってたな)
獏良(……やっぱり、カードゲームっていいな……)
―――――――――――――――――――――――――――
――自宅
城之内「ただいまー」
静香「おかえり!どうだった?」
城之内「もちろん優勝さ!」
静香「やっぱりお兄ちゃん、すごーい!!」
城之内「へへっ、これも静香が応援してくれてるからだぜ!」
静香「もーう!あ、今日はシチューだからね!」
城之内「そうか、楽しみだ!」
城之内(こころなしか、静香も最近元気な気がする)
――翌週、土曜日
城之内(今日は獏良に全国大会のことをきくとするか)
―――――獏良のカードショップ
城之内「ちーっす!獏良、いるかー?」
獏良「あ、城之内くん、いいところに来た!」
城之内「?」
獏良「君にお客さんだよ」
河豚田「海馬コーポレーションの河豚田と言う」
城之内「はぁ、俺にようか?」
河豚田「最近ここらでギャンブルデッキを使っている奴がいるという報告が入った」
城之内「……たぶん俺だ」
河豚田「ネットでもものすごい話題になっているが、知らないのか?」
獏良(そりゃあ総試合でコイントス30回以上あてて、ダイスロールも自由自在じゃあねぇ)
河豚田「動画が上がっていて見た」
城之内「通報だー?」
河豚田「ギャンブルデッキを使っている奴がいるとな」
城之内「……多分おれだろうよ」
河豚田「そいつは公式デュエルで不正をしているらしい、と」
獏良(そりゃあ不正にも見えるよね)
城之内「じゃあいまからデュエルしてやろうか?」
河豚田「いや、その必要はない」
城之内「……」
河豚田「私は貴様は不正をしていないと判断した」
城之内「……これまたどうしてだよ」
河豚田「……私があの時のデュエルを目の前で見ていたからだ」
城之内「……!!」
河豚田「私は乗っていたのだ、あのデュエルシップに」
獏良「ごめん、覚えてない」
河豚田「……よく影が薄いと言われるのだ」
城之内「ごめんな。思い出してやれなくて」
河豚田「ええい!重要なのはそこではないのだ」
河豚田「お前、城之内克也だな」
城之内「……そうだよ」
河豚田「なぜ全国大会予選なんかに参加している」
城之内「もう一回遊戯とデュエルしたいからだよ!」
河豚田「……お前は、武藤遊戯とはデュエルできない」
城之内「なんだよ、やってみねぇと分かんねえだろうがよ!」
河豚田「プロ、元プロのデュエリストは全国大会には参加できない」
城之内「……はぁ?」
城之内「……死にてえな」
河豚田「そういうことだ」
城之内「……嘘だろ……じゃあ、俺はもう、デュエリストには戻れない……」
城之内「……遊戯とも、デュエルできない……」
城之内「せっかく、みんな応援してくれてよ、こっからだってのに……ッ」
河豚田「まだ話は終わっていない」
城之内「……!」
河豚田「……お前はまさか、元プロのくせに、復帰リーグすら知らないのか?」
城之内「復帰リーグだ?」
河豚田「一度現役を引退、一時外れていても戻ってこれる制度だ」
獏良(たしかにそういう制度がないと不都合がでるよね)
城之内「じゃあ、俺もプロに戻れるのか?」
河豚田「そうだ………と言いたいところだが」
城之内「……?」
河豚田「リバースカードオープン、エネミーコントローラー!」
城之内(いきなりデュエルディスク取り出して何か始めやがった!!)
河豚田「ライフを1000払い、→→A、→→A」
河豚田「このコマンドにより、海馬様からのメッセージを表示する」
城之内「…海馬だと!!!」
海馬『久しぶりだな、城之内、いや、凡骨デュエリスト……」
海馬『いや、もうデュエリストでも無かったな。フハハハハハハハハハハハハハハハ』
海馬『では、ただの凡骨よ』
海馬『貴様のデュエル見せてもらったわ。相変わらずだな』フハハハハ
城之内「くそぉ、好き放題言いやがって」
海馬『元プロのくせに復帰リーグも知らぬとは、片腹痛いわ』フハハハハ
海馬『どうせ貴様のことだから、また遊戯とデュエルがしたいなどとほざいているのだろう』フハハハハハ
城之内(くそ、当たってるぜ)
海馬『残念だが、現役を引退した愚か者が、誰でも復帰リーグに参加できるわけではない』
海馬『世界ランキング100位入りをしているデュエリストからの推薦が必要なのだ』フハハハハハハ
城之内「……100位…以内……」
城之内「……そんな……」
海馬『と、思っていたが、面白いことを思いついた』
海馬『今のデュエル界はすぐに流行に流され、面白くない』
海馬『……まだ貴様がその凡骨デッキを使っていることには感心した』
海馬『だからチャンスをやろう』
海馬『貴様はその凡骨デッキで復帰リーグに参加しろ。そして大いにこのデュエル界での自分の惨めさを痛感し、世界に恥をさらすがいい』フハハハハハハハハハハハハハ
城之内「俺を……推薦してくれるってことかよ」
海馬『わかったらそこにいる河豚田にデュエルのアドバイスをしてもらえ』
海馬『それでは、せいぜい足掻くといい』
海馬『フゥゥゥッハッハッハッハッハッハッハッハッハ』
プツン
河豚田「海馬様からはこれを預かっております」
城之内「これは、レッドアイズの補助カード……」
河豚田「このデッキではあまりにも無謀、とのことで編成に使ったらよろしいかと」
城之内「……いや、いいぜ」
城之内「俺は、今もつすべての仲間と戦うって決めたんだ」
獏良(城之内くん……!)
河豚田「わかりました。超レアカードですので、大切に返還しておきます」
城之内「え……超レアカード?」
河豚田「まだ大量生産されておりませんので、世界に10枚しか存在しません」
城之内(……もらっときゃよかったーッ)
獏良「城之内くん!やっぱり君はすごいよ!」
城之内「……あ…ああ、ありがとよ……」ハァ
城之内(こいつ、海馬を目の前にすると口調変わるな)
河豚田「それまで、運を貯金しておくことだ」
城之内「言われなくてもそうさせてもらうぜ」
河豚田「では、また何かあったら呼んでくれ」
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
――自宅
城之内「ただいまー」
静香「あれ、お兄ちゃん、今日は早いのね」
城之内「ああ、実はだな……」
~~~~
~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~
~~~~
静香「じゃあ、お兄ちゃんはプロに戻れるかもしれないの?」
城之内「ああ、そうだ。でも相手は元プロばかりだから、今まで通りにはいかないかもしれねえけどよ」
静香「きっとお兄ちゃんなら大丈夫よ!こうして私の目も治してくれたじゃない!」
城之内(……静香……)
―――――――――――――――――――――――――――
城之内(今の俺は、もう一人のデュエリストじゃない)
城之内(いろんなものを背負ってるんだ。負けるわけにはいかないぜ……ッ)
城之内(……今日のところはもう寝るとしよう……)
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――
―――――――
~~~~~~
~~~~~~~~~~~~
???「めz・・・・えよ・・・・」
城之内「……」
???「めざ……よ」
城之内「……うっせえなぁ……」
???「目覚めろっつってんだろうかボケ!!」ベシッ
城之内「イテッ」
城之内(……あれ?真っ暗だ……)
キュイーン
城之内(!……何か赤いものが光った……!
城之内(うわあああ近づいてくるうぅぅぅぅ)
???「城之内よ……」フュシュー
城之内(※○?>※♯>>0�
城之内(ヒエェェェェ)
城之内「く……くるなぁあああああ」
???「相変わらずビビリだな」
パチッ
城之内(あれ、電気がついた)
???「こうして対話するのは初めてだな」
城之内「お前……サイコショッカー!!」
サイコショッカー「そうだ、私が人造人間サイコショッカーだ」
サイコショッカー「待て、言わずともわかる」
サイコショッカー「どうしてこんな、どこかの少年漫画のパクリのようなことをするのか、と問いたいのだろう」
城之内「………パクリのような、っつーか、パクリじゃねえか!!」
サイコショッカー「いや、それだけ重要なことを伝えに来たのだ」
城之内「……重要なこと……?」
サイコショッカー「だいたい分かるだろう、この展開で」
城之内「まさか、俺になにか新しいカードでもくれるのかよ!」
サイコショッカー「そんな訳ないだろう」
城之内「じゃあ、なんだよ」
サイコショッカー「これからの戦い方についてだ」
城之内「……!」
城之内「ああ。そうだよ」
サイコショッカー「実は、それもお前の実力のだ」
城之内「運も実力の内ってか?」
サイコショッカー「いずれ……お前も実感することになるだろう」
城之内「……運が実力ってことか?」
サイコショッカー「そうだ。今回は、その忠告だけしに来た」
城之内「ご苦労なことだぜ」
サイコショッカー「……」
城之内「……どうしたんだよ」
サイコショッカー「私達は、ずっとお前の味方だ」
城之内「……!」
城之内「ああ、それはデュエルシティの時にも体感したぜ。遊戯もクリボーが見えるらしいしな」
サイコショッカー「しかし、我々カードには流行りと廃りというものが付きものなのだ」
サイコショッカー「弱くなったカードは使われなくなり、強いカードも、いつかはまた、使われなくなる」
サイコショッカー「そんなとき、お前はまた役割を与えてくれたのだ」
城之内「……俺こそ、すまなかった。今まで放っておいてよ」
サイコショッカー「いいのだ、これからまたデュエルするのだろう?」
城之内「当たり前だ!勝ってやるぜ!」
サイコショッカー「ここには私が代表として現れているが、他のモンスターたちも同じように思っているさ」
サイコショッカー「ふ……話しすぎてしまったな。それではもう起きる時間だ」
城之内「ああ、ありがとうよ、サイコショッカー!」
サイコショッカー「……我ながらクサいセリフを言ってしまったものだ……」
城之内(見えなくなっちまった……)
~~~~~~~
~~
チュンチュン
城之内「……朝か……」
城之内「……サイコショッカー……」
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
――1ヶ月後、獏良のカードショップ
青年A「城之内さん!このタイミングだと、現状のリミットレギュレーションから考察すると、ロケット戦士で攻撃するべきです」
城之内「りみっと……ああ、禁止制限のことな」
大人G「いや、ロケット戦士よりもパンサーウォーリアーのほうがいいって」
城之内(俺は次第にこのカードショップに馴染み、今では「サーティーマジシャン」から「城之内さん」にまで進化した)
クロノス「今日は深夜に遊戯サンのデュエルがあるノーネ!」
城之内「おう、絶対みるぜ!」
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
――――――深夜
城之内(いよいよ遊戯のデュエルだぜ……)
司会『本日は決勝戦、武藤遊戯VSダイナソー竜崎です』
竜崎『やっとここまで来たったで!』
遊戯『久し振りだね、竜崎くん』
司会『えー、今回解説者には、プロデュエリスト、孔雀舞さんをお迎えしています』
舞『今日はよろしくお願いします』
城之内「……ま……舞!!!!!」
司会『もう何千人とデュエルしてらっしゃいますからねぇ』
舞『たしか、覚えてないくらい圧勝だったと思うんですが』
城之内(舞は、今、デュエリストなんだな……)
城之内(アテムが帰った後、俺は舞とはほとんど接点を持たないまま、ずっとそのままだった)
城之内(……舞……)
遊戯『クイーンズナイト、ブラック・マジシャン・ガールでダイレクトアタックだ!』
竜崎『ぐはあああぁぁぁ、やっと登場したのに一瞬で負けるなんてぇ、あんまりやあぁぁぁ』
司会『おおっと決まりました。今回も武藤遊戯の勝利だ!あっという間でしたね』
舞『それはもう、実力の差でしょう』
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
城之内(復帰リーグ、負けるわけにはいかないぜ)
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―――――――――――――――――――――――――――
――翌日、獏良のカードショップ
城之内「こんちわー」
クロノス「あ、城之内さんナノーネ!」
獏良「今から河豚田さんが来るって」
城之内「河豚田さんが……?」
河豚田「城之内よ、久しぶりだな」
城之内「ああ、久しぶりだな」
河豚田「今回、私は海馬様からの伝言を頂いてきた」
城之内「……海馬の……ッ!」
城之内「その件はいいから、早く見せてくれ」
河豚田「わかった」
河豚田「→→A、→→A」
獏良(そのコマンドは絶対に欲しいのか……)
チュィーン
海馬『元気にやっているか、凡骨よ』フハハハハハハハハハハハハハハハハ
海馬『ミジンコもミジンコなりに頑張っているだろうな、いや、お前はミジンコ以下か、フハハハハハ』
城之内(感謝しないといけねえけど、やっぱりムカつくぜ……ッ)
海馬『さて、昨日の遊戯のデュエルは見ただろう』
海馬『お前は不思議に思わなかったか』
海馬『なぜ、遊戯は常に決勝戦でデュエルしているのか、と』
城之内(そういえば、前回も、今回も決勝戦だった)
城之内(磯野も出てたよなぁ……?)
海馬『なぜならあれは、復帰リーグの決勝戦だからだ』
城之内(……なんだと!!)
海馬『貴様は、プロ復帰リーグで遊戯と戦うのだ』フハハハハハハハ
城之内(そんな、あまりにも虫がよすぎるぜ)
海馬『貴様は今、あまりにも虫がよすぎるなどと考えているだろう』
城之内(……)
海馬『……虫が良すぎるにきまっているだろう!』
海馬『なぜなら、あの大会を運営しているのも、提案しているのも、すべての実行権があるのさえ、この俺様なのだからな』
海馬『フッハッハッハッッハッハ』フッハッハッハッハ
海馬『一年前までは優勝者が復帰だったが、雑魚同士が戦っても雑魚しか上がってこない』
海馬『ならば、最後は遊戯の手で、完膚なきまでに雑魚の心を打ち砕く!』
海馬『そして、勝ち負けとデュエル内容からを我々プロが推薦していく方針なのだ』フハハハハハハハハハハハハハハハハ
海馬『私がすべて雑魚と判断し、地に叩き落としているからな』フハハハハハハハハハハハハハハハハ
城之内(こいつ、やっぱりヤバイぜ……)
海馬『貴様は決勝で遊戯とデュエルするということだ』
海馬『せいぜい、視聴者にテレビのチャンネルを変えられないようにすることだ』フハハハハハハハハハハハハハハハハ
プツン
城之内(……復帰リーグが、遊戯とのデュエル……)
城之内「……河豚田さん、伝えに来てくれてありがとよ……」
河豚田「仕事だ、構わないさ。それに……」
河豚田「俺はお前を応援している」
城之内「……」
河豚田「あの時のお前は輝いていたからな」
城之内「……!」
河豚田「そして、今も輝いているぞ、城之内」
城之内「……河豚田さん……河豚田さん!!!」
河豚田「こら、ひっつくな、気持ち悪い」
城之内「……おれ、絶対優勝するからよ、遊戯倒すからよ、応援しててくれよ!」
河豚田「ああ、頑張れ」
河豚田「じゃあ、俺は帰る」
城之内「海馬にもよろしく言っておいてくれ」
河豚田「ああ、では」
獏良「いっちゃったね」
クロノス「決勝まで進めば、遊戯サンとデュエルデキルノーネ」
獏良「試合内容が良ければプロにも戻れるらしいし、よかったね!城之内くん!」
城之内「ああ、だが、俺は絶対に優勝する」
城之内「それが海馬を納得させる大前提だろうし、俺のプライドが許さねえぜ」
城之内「俺は遊戯との約束を果たすために、決勝まで進むぜ!」
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
――復帰リーグ前日、羽田空港
城之内「じゃあ、行ってくるぜ」
少年A「頑張ってこいよ!城之内さん!」
青年B「日本で応援してますから」
城之内(リーグはもちろん遊戯のいるアメリカで開催される)
タタタ
獏良「城之内くん、待って!」
城之内「なんだよ獏良、てかそのデカイバックどうしたんだよ!」
獏良「僕も応援に行こうと思って」
クロノス「私もナノーネ」
城之内「……お前ら……!」
―――――――――――――――――――――――――――
城之内(クロノスは親の許可を得ているらしく、獏良も店を後輩に任せているといって、ついてきてくれた)
城之内(応援は多いほうがいいよな)
―――――――――――――――――――――――――――
――――アメリカ
城之内(やっとついたぜ!)
城之内「さて、ホテルに向かわないと……って、どっちだ?」
城之内(周りは外人ばっかだし、どうすんだよ……)
クロノス(Excuseme?)
外人(What’s up?)
クロノス(We would like to take a taxi)
城之内「え……英語話してる……」
獏良(もともと外国人だからね)
城之内「……おう、わかった」
城之内(クロノスが居てくれて助かったぜ……)
―――――――――――――――――――――――――――
――――ホテル
獏良「じゃあ、フロントの受付してくるね」
城之内(獏良も英語喋れるのかよ……)
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
――夜
城之内(明日はいよいよ復帰リーグだ)
城之内(みんなの思い、そして、サイコショッカーたちの気持ちを無駄にはしたくない!)
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
――翌日、復帰リーグ当日
司会『さあ、始まりました。今回は海馬コーポレーションの総力を集結させ、通常は深夜に決勝戦だけ放送する当番組を、土曜日の、午後7時から放送させて頂いております』
司会『司会には、海馬瀬人様からの指名で、前回と同じく、孔雀舞さんにお越しいただいています』
舞『よろしくお願いします』
司会『今回は現役を引退し、日本で会社員をしていた30歳の城之内さんが出場ということですが、いかがでしょうか』
舞『……』
司会『……舞さん、いかかしましたか?』
舞『(……城之内……)』
―――――――――――――――――――――――――――
竜崎「一回戦目の相手って、城之内かい!」
城之内「ああ、だが、お前なんかにかまってる場合じゃないんだ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
城之内「ドロー!ダイスポットのリバース効果発動!」
竜崎「ダイスロール!」
城之内「ダイスロール!」
竜崎「ワイは5や」
城之内「6」
竜崎「ウァアアアアアアア」
城之内「さらに、ダイスポットとロケット戦士を生贄に、レッドアイズ召喚!黒炎弾!!」
竜崎「うぁあああ、またすぐ負けたぁぁぁぁ、オレのこと嫌いか、つーか、それ俺様のカードやぁぁぁぁ」
城之内(セリフなげえよ)
―――――――――――――――――――――――――――
城之内「お前は……誰だっけ」
ゴースト骨塚「ゴースト骨塚だじょー!忘れないでほしいじょー!」
クロノス(あれ?なんだかすごく、親近感が声ナノーネ、まるで、将来、教え子にでもなりそうな声ナノーネ)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ゴースト骨塚「さらに、地獄の暴走召喚発動!ワイトキング2体特殊召喚」
城之内「俺のフィールドにはモンスターはいない」
ゴースト骨塚「僕の墓地にはワイトが3枚、よってワイトキングの攻撃力は3000だじょ!攻撃だじょ!」
城之内「伏せカードオープン、モンスターBOX!コイントス!表だ!」
チャリンチャリン 表
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ゴースト骨塚「3回とも攻撃を無効にされるんなんて!」
ゴースト骨塚「ターンエンドだじょ」
城之内「ワイバーンの剣士を召喚」
ゴースト骨塚「そんな雑魚モンスターこんな場で出すなんて、ばかげてるじょー」
城之内「ワイバーンの剣士は、雑魚じゃない、俺の大切な仲間だ」
ゴースト骨塚「うるしゃいぞ!」
城之内「伏せカードを2枚伏せてターンエンド」
ゴースト骨塚「僕のターン、3体のモンスターでワイバーンの剣士に攻撃!」
城之内「コイントス!全部表だぜ!」
チャリンチャリンチャリンチ 表 表 表
ゴースト骨塚「そ…そんな!」
城之内「返り討ちだ!」
ゴースト骨塚(城之内のやつ、あえて攻撃してこないじょ)
ゴースト骨塚(僕のフィールドには再び3体のモンスターが揃っている)
城之内「どうした、攻撃しないのか?」
ゴースト骨塚「な……舐めるなだじょ!攻撃!!」
城之内「コイントス!すべて……裏だ!」
チャリンチャリンチャリン 裏 裏 裏
ゴースト骨塚「そ……そんなぁぁぁぁぁ」LP0
城之内「次はいよいよ決勝戦、遊戯とのデュエルだ……」
城之内「どうだ、雑魚呼ばわりしたカードに返り討ちにされる思いは」
ゴースト骨塚「……クッ……!」
城之内「だが、お前のモンスターへの愛は伝わってきたぜ、十分にな」
ゴースト骨塚「……城之内……!」
城之内「これからもアンデットのモンスターたちを大切にしてやってくれ」
ゴースト骨塚「……わかったじょ」
城之内(俺はアンデットなんて……正直苦手だな……)
舞『……相変わらず、むちゃくちゃな戦い方です……』
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
――夜
クロノス「今日も城之内さん、スゴカッタノーネ!」
獏良「ゴースト骨塚くんなんて、すごく懐かしかったよ」
城之内「……ほんと、ここまで応援に来てくれて、ありがとな」
獏良「いやいや、明日頑張ってね!」
城之内「……」
獏良「……?」
クロノス「……ドウシタノーネ?」
城之内(あそこにいるのは…………舞………ッ)
獏良「うん、わかったよ」
城之内(舞……!)
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――
城之内「確か、この辺に入っていったと思ったんだが……」
舞「……城之内じゃない……」
城之内「……舞……後ろにいたのか!」
舞「……ずいぶんとご無沙汰ね」
城之内「……あの……なんつーか、すまん」
舞「あんたが謝ってどうすんのよ。あんた、もう酒飲めるでしょ、少し付き合いなさい!」
――――会場内、バー
城之内「舞は今、デュエリストなんだよな」
舞「ほとんど実況とか、そんなことばっかりだけどね」
城之内「ほんと、すげーよ。俺なんて……」
バシーン
城之内「いってぇ!何すんだよ!」
舞「あんた、明日遊戯とデュエルするんでしょ!なにへこたれてんのよ!」
城之内「……舞……!」
舞「あたしは司会しながら応援しといてやっから、頑張んなさいよ!」
城之内「……昔と全然変わってねえな……」
舞「……なに?それ褒めてるの?」
城之内「ああ、褒めてるんだよ」
舞(……あたし、あんた待ってる間に、こんな年になっちゃったんだよ……)
舞「……いまさらなによ……」
城之内「……いや、なんていうか……」
舞「……少しくらいなら聴いてやるから、絶対優勝しなさいよ?」
城之内「ああ、わかったよ」
舞「……もう、今日は早く寝なさい!」
城之内「お前が連れ込んだんだろうが!」
舞「つべこべ言わずにとっとといけ!」
城之内「ああ!サンキュな!舞!」
舞「……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
舞「……うっ……」
舞(……なにが『変わってない』よ……)
舞(……こんなに私の事放っておいて……)
舞(………年取ると涙もろくなって良くないわ……)
―――――――――――――――――――――――――――
――決勝戦当日
城之内(いよいよ、遊戯との再開)
城之内(そして、遊戯との約束を果たす時だ)
司会『いよいよ始まりました、決勝戦、城之内克也VS武藤遊戯』
司会『いやー、私の世代なんかでは、夢のデュエルなんですけどねえ、どうですか、舞さん』
舞『ええ、両方共素晴らしいデュエリストです。きっといいデュエルをしてくれると思います』
司会『さあ、チャンピョン武藤遊戯が入場してまいりました!』
カツカツ
城之内「……やっと会えたぜ……遊戯!!!」
遊戯「城之内くん!!!!!!」
城之内「俺は、今日、13年越しの約束を叶えにきた」
遊戯「……でも、僕も負けないよ……」
遊戯「僕の先行!僕はクイーンズナイトを召喚、さらに二重召喚を発動!」
遊戯「現われろ!キングスナイト!さらに効果でジャックス・ナイトも召喚だ!」
城之内(1ターン目でモンスターを3体……)
遊戯「伏せカードを1枚伏せてターンエンドだ」
城之内「俺は、時の魔術師を召喚!」
遊戯「そのカードは……」
城之内「そうさ、俺が遊戯にもらった大切なカードだ」
遊戯「……城之内くん……」
城之内「効果発動だ!!表だ!」
チャリン 裏
城之内「………な……なんだと!」
獏良「城之内くんが、コイントスで外した……!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
青年A「嘘だろ……城之内さんがコイントスを外した…」
少年B「遊戯さんがハッタリしてたりして!」
少年C「それはwwwwwwぜったいにwwwwwwありえないwwwwwwwwww」
大人A「城之内さん、頑張って……!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
城之内「そ……そんな馬鹿な……」
遊戯「ギャンブルは当然外れることもあるよ」
城之内「いままで……はっ!!!」
城之内(サイコショッカー……!)
サイコショッカー「お前はいままで運で勝ち上がってきたと思っているのだろう」
城之内「ああ。そうだよ」
サイコショッカー「実は、それもお前の実力のだ」
城之内「運も実力の内ってか?」
サイコショッカー「いずれ……お前も実感することになるだろう」
城之内「……運が実力ってことか?」
サイコショッカー「そうだ。今回は、その忠告だけしに来た」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
城之内(あの時のサイコショッカーの言葉はそういうことだったのか……!)
城之内『運は相対的なもの……』
城之内(まさか、遊戯も同じか、それ以上の運や実力があるってことなのか………!)
城之内「時の魔術師……すまない、破壊だ……そしてダメージ」250のダメージ
城之内「俺は伏せカードを3枚セット、ターンエンドだ」
遊戯「僕のターン、ドロー!」
遊戯「僕は魔導戦士ブレイカーを召喚する!効果で一番左の伏せカードを破壊だ!」
遊戯「さらに、4体のモンスターでダイレクトアタックだ!」
城之内「リバースカードオープン!モンスターBOX!」
城之内(次は決めるしか無い………!)
城之内「クイーンズナイトに対してコイントス!一回目!表だ!」
チャリンチャリン 裏
城之内「……また外した……!うわぁぁぁぁ」LP6250
城之内「キングスナイトに対して!表だ!」
チャリンチャリン 裏
城之内「ま、まだだ、ジャックスナイトに対して!!裏だ!」
チャリンチャリン 表
城之内「く…・…そ……」LP2750
城之内「最後に、ブレイカーに対して!表だ!」
チャリンチャリン 裏
城之内「……完全に当たらない……」
遊戯「ブレイカー!攻撃!」
城之内「うううううぁわあああああああ」LP1150
獏良「城之内くん!!!!」
クロノス「城之内サーン!!!!」
舞『いや、まだ決まらないわ、絶対にまだ!!』
司会『……?』
城之内(……もう、ダメかもしれない……)
城之内(……ギャンブルが当たらない以上、このデッキには勝てるカードは無い……)
城之内(……まぁ、いいか、俺は遊戯とこうしてデュエルできたんだ……)
城之内(俺は……輝けたさ……)
クロノス「城之内くんが動かないノーネ……」
司会『どうしたんでしょう、遊戯選手がターンエンドを宣言しても城之内選手は動きません』
舞『……』
司会『このままではタイムアウトで負けとなってしまいます』
舞『……ガバッ』
司会『どうかしましたか、舞さん』
舞『……そっちの大きいマイク貸して』
司会『……え?』
舞『もういいわ』 スッ
司会『あ、ちょっと』
ピッッピッッ
舞『あんた!!!しっかりしなさいよ!!!あんたそれでも伝説のデュエリストなの????』
ガヤガヤガヤガヤワッツハプーン
獏良「これは、舞さんの声だ!司会席から会場に直接放送している!!」
城之内(……舞……)
舞『そんな男だとは思わなかった!見損なったわ!!!』
城之内(……舞……!!)
遊戯「城之内くん……」
獏良「城之内くん………!!」
クロノス「ガンバルノーネ!城之内さん!!!」
ファイトー!ネバーギブアップ!!ゴーゴー!!!
司会『会場中が、城之内選手を応援しています』
城之内(俺みたいな……こんなカスみたいなデュエルしてる俺を応援してくれてるのか……)
遊戯「城之内くん、君も伝説のデュエリストの一人なんだよ」
城之内「……!」
遊戯「そうだ、少なくとも、ここにいるみんなは君のことをとてもよく知っている」
城之内「……ありがとよ、舞、みんな……」
遊戯「思い出して欲しいんだ」
城之内「……?」
遊戯「見えるんだけど、見えないもの」
城之内「・・・・・!!遊戯!!!!」
遊戯「さあ、たつんだ、城之内くん!」
城之内「……俺はまだ、諦めないぜ!!」
城之内(俺のライフは残り1150。一発で決まる)
城之内「俺は、簡易召喚を発動!炎の剣士を特殊召喚!」
城之内「さら、炎の剣士を生贄に、人造人間サイコショッカーを召喚だ!」
城之内「サイコショッカーでジャックス・ナイトに攻撃!」
遊戯「……ジャックス・ナイト」LP7500
城之内「伏せカードを一枚伏せてターンエンドだ」
城之内(サイコショッカーの効果で自分もトラップカードは使えない)
遊戯(僕は最初の召喚で手札を殆ど使い果たしている)
遊戯「僕は場の全てのモンスターを守備表示にして、ターンエンドだ」
城之内(遊戯がこのまま引き下がるとは思えない)
城之内「俺ターン、ドロー!」
城之内「スナイプストーカーを召喚」
城之内「手札を捨て、キングスナイトを破壊だ!」
コロコロ 1
城之内「やっぱりダメか……」
城之内「俺はそれぞれのモンスターに攻撃!撃破!」
遊戯「……」
遊戯「僕のターン、ドロー!」
遊戯「僕はクリボーを召喚!」
遊戯「さらに、ディメンションマジックを発動!クリボーを生贄に、ブラックマジシャンを召喚、さらにサイコショッカーを破壊だ!」
城之内「……まずい!」
遊戯「ブラックマジシャンでスナイプストーカーに攻撃!」
城之内「コイントス、表」
チャリン 裏
城之内「うぁぁぁあ」LP150
遊戯「これで最後だよ!ブレイカーで攻撃!」
城之内「モンスターBOXだ!表!」
獏良「……!」
クロノス「……!」
表
城之内(……当たった……!)
遊戯「……攻撃力は0となり、城之内くんはダメージを受けないよ……」
獏良「……城之内くんのコイントスがあたった!」
クロノス「……運が、傾いてきているのかもシレナイノーネ!!」
城之内「俺は、死者蘇生を発動!よみがえれ、スナイプストーカー!」
城之内「そして、地獄の暴走召喚を発動、デッキから2体のスナイプストーカーを召喚」
遊戯「僕はブレイカーを2体召喚するよ」
城之内「そして、俺は3体のスナイプストーカーを生贄に、いでよ!ギルフォード・ザ・ライトニング!」
遊戯「そのカードは!僕のモンスターを全滅させるカード!」
城之内「ブレイカーとブラックマジシャンを破壊!」
城之内「遊戯にダイレクトアタックだ!!!」
遊戯「うわぁぁぁぁあ」LP4700
獏良「城之内くんが大きなダメージを与えた!!」
遊戯「僕はモンスターを一枚伏せるよ、ターンエンド」
城之内「俺のターン!ドロー!」
城之内「俺はロケット戦士を召喚、ロケット戦士で攻撃だ!!」
遊戯「伏せモンスターは翻弄するエルフの剣士、城之内くん、感が良いんだね」
城之内「破壊だ!!そして、ギルフォード・ザ・ライトニングでダイレクトアタック!!」
遊戯「……」LP1900
城之内(あとすこしだ!!!)
遊戯(城之内くんは徐々に、いや、舞さんたちに応援されてから、確実に実力、そして運が上がっている)
遊戯(……城之内くんは昔からそうだったね)
遊戯(土壇場になると、僕達を助けてくれるんだ……)
遊戯「僕のターン!ドロー!」
遊戯「僕はモンスターを伏せるよ。さらにカードをセット、ターンエンドだ」
城之内「俺のターン、ドロー!」
城之内「俺は、ギアフリードを召喚だ!」
遊戯「この瞬間トラップカード発動!奈落の落とし穴!ギアフリードは除外だ!」
城之内「……このターンでケリがつくと思ったのによ……」
城之内「ギルフォード・ザ・ライトニングでモンスターに攻撃!」
遊戯「モンスターは漆黒の黒魔術師、スナイプストーカーでは倒せない、どころか攻撃していたら負けだね」
遊戯「………」LP400
城之内(俺のライフは150、遊戯のライフは400)
城之内(決着がつくのも……きっと直ぐだ)
遊戯「……城之内くん、僕はいま、すごく楽しいよ」
城之内「……遊戯……!」
遊戯「久々だよ、こんなにギリギリの戦い!」
遊戯「でもね、負けられないんだよ、アテムくんのためにもね!!」
城之内「……!」
遊戯「僕はのターン、ドロー!僕は伏せカードを一枚セットして、ターンエンドだよ」
城之内「俺のターン、ドロー!」
城之内「これでトドメを刺せば勝ちだよな」
城之内「スナイプストーカーの効果で、手札の5枚のカードを墓地に送り、遊戯の伏せカードを破壊だ!!!」
コロコロ 1 6 1 6 6
城之内(ここにきてまた遊戯のほうが運を上げてきたのか……!!!)
遊戯「僕は今まで、何度もギリギリの戦いをしてきたんだ」
遊戯「僕も君と同じで、ギリギリのほうが燃えるんだよ!!!!!」
城之内「ギルフォード・ザ・ライトニング、攻撃だ!!」
遊戯「伏せカードオープン!聖なるバリアミラーフォース!!!」
城之内「……やっぱりな……」
遊戯「これでお互いのフィールド上にはモンスターがいなくなった」
城之内「俺はモンスターをセット、ターンエンドだ!」
遊戯「……ドロー!」
黒魔術のカーテン
遊戯「僕は黒魔術のカーテンを発動!!」LP200
遊戯「再び現れよ!ブラックマジシャン!」
遊戯「伏せモンスターに攻撃だ!」
城之内「モンスターBOX!表だ!」
チャリンチャリン 裏
城之内(……まあわかってたぜ)
遊戯「伏せモンスターワイバーンの剣士を破壊!」
遊戯「城之内くん、君の手札は0枚、そして、君のフィールドにはモンスターはいない」
遊戯「いよいよ終わりだね」
城之内「……ああ!」
城之内「俺はずっと伏せていたカードを発動するぜ!」
城之内「死者転生!!」
城之内「手札を一枚捨て、手札に戻すのは……」
城之内「時の魔術師だ」
遊戯「……!」
城之内「俺は、ずっとこの時を待っていたんだ」
城之内「アテムが過去に帰っちまって、みんなばらばらになってよ」
城之内「でも、また、こんな風にデュエルできてよかったと思ってる」
遊戯「……」
城之内「見えるけど、見えないもの」
城之内「教えてくれたのは、遊戯だぜ!」
遊戯「僕も、楽しかったよ、すごく……!」
城之内「当たればブラックマジシャンが破壊、ダイレクトアタックで俺の勝ち」
城之内「負ければ効果のダメージで俺の負けだ」
城之内「……表だ……」
チャリンチャリン
チャリンチャリン 裏
城之内「……ああ……俺の負けか……」
遊戯「……城之内くん……」
司会『この瞬間、長く続いた決勝戦の勝者が決定した!!』
司会『勝者は、武藤遊戯だ!!』
ウォォォォォォグレエェエエエトビューティフィーー
城之内「遊戯……ありがとよ!」
遊戯「……こちらこそ、ありがとう!」
獏良「……城之内くん……」
クロノス「……いいデュエルダッタノーネ」
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城之内「すまねえな、負けちまってよ」
獏良「いやいや、素晴らしいデュエルだったよ!もう感動しちゃって!!」
城之内「……ちょっとすまねえが、先に戻っててくれ」
獏良「うん、じゃあ、またあとでね」
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城之内(……舞……!)
舞「よくここがわかったわね」
城之内「……昨日と同じここしか心当たりがなかったんだよ……」
舞「……お疲れ様、いいデュエルだったわよ」
城之内「……俺、舞になんて礼をいったらいいんだか……」
舞「……もういい大人なんだから、しゃきっとしなさいよ!」
城之内「……そればっかだな」
城之内「……俺よ……勝てなかった……」
舞「そんなこと知ってるわよ」
城之内「俺さ……これからもっと強くなるからさ……」
城之内「日本で、一緒に暮らしてくれないか!」
舞「……私……もう37よ?」
城之内「……俺は気にしない……俺が、遅かったんだ」
舞「………」
城之内「……俺のせいだよな」
舞「……いいや、あたしが勝手にやったのよ」
舞「だからね、日本で謹慎するから、一緒に暮らすこと、考えてやらなくもないわ!」
城之内「……ほんとか……?」
舞「……こんなタイミングで嘘ついてどうすんのよ!」
城之内「や……やったぜ!!」
舞「……ちょっと待ちなさいよ」
城之内「?」
舞「あんた、あたしにちゃんと伝えることないの?」
城之内「……ありがとう」
舞「……そうじゃないわよ!!」
舞「……もう、あんたって、昔からホントデリカシー無いわね!!」
舞「もういいわ、行きましょ!」
城之内「……好きだ、愛してる」
舞「………」
舞「……なんで……もっと早く言ってくれなかったのよ……」
城之内「……すまん」
舞「………」
城之内(俺は舞を抱きしめ、しばらくそのままでいた)
城之内(そして、いままで臆病になっていた自分にひどく後悔していた)
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――――――日本
城之内「やっとついたぜー!お!」
少年A「城之内さん!よかったぜ!デュエル!」
青年B「感動したぜ!」
ガヤガヤ
城之内「ありがとよ!おまらも、遊戯みたいなデュエリストになれるように、がんばれよ!!」
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城之内(さすがに土曜日のゴールデンタイムだったしな……)
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――――獏良のカードショップ
城之内「あれ、河豚田さんじゃないっすか」
河豚田「この前のデュエル、素晴らしかったぞ」
城之内「ありがとうございます……また海馬からの伝言ですか?」
河豚田「そうだ……→→A、→→A」
城之内「……」
海馬『やはり凡骨は凡骨ということか』フハハハハハハハ
海馬『貴様はこれでただの凡人というわけだ』フハハハハハハ
海馬『さすがに、貴様のような雑魚はプロにはおけん』
海馬『だが、貴様の恥をさらに晒すために、次の舞台を用意した!』
海馬『復帰リーグRだ!』フハハハハハハハ
海馬『次はプロだらけのところに貴様を入れ、その模様を実況中継する』フハハハハハハ
海馬『次は決勝には遊戯は居ない、よって、また遊戯とデュエルしたいのならば……』
海馬『決勝で立ちはだかる私を倒すことだな』フハハハハハハハ
城之内「今度は決勝に海馬かよ……」
海馬『ちなみに、貴様がデュエルに敗北した瞬間の国内の視聴率は78.2%だ』
海馬『貴様はそれだけ恥をさらしたのだ』フハハハハハ
海馬『……さすが、凡骨よ……』
海馬『これからデュエルモンスターズは国内で再び大きく展開されていくだろう』フハハハハハ
海馬『次はせいぜい、この俺様にギャンブルという実力を見せてくれ』フッハッハッハッッハッハ
プツン
城之内「最後まで素直じゃないぜ……海馬……」
城之内「……いいぜ!やってやる!」
獏良「城之内くん!」
城之内「あの海馬の野郎をボッコボコにしてやるぜ!!」
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城之内(海馬の言うとおり、国内ではデュエルモンスターズが再び注目を浴びた)
城之内(獏良のカードショップも以前よりさらに混むようになった)
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クロノス「城之内さん!私決めたね!」
城之内「どうしたんだよ?」
クロノス「私は、将来、デュエルの先生にナルノーネ!」
クロノス「そして、城之内サンや、遊戯サンのような、カードを大切にする、強いデュエリストを育てるノーネ!!」
クロノス(まずは、自分のカードを大切にするところから始めるノーネ!)
クロノス(アンティーク・ギアゴーレムは、一生のパートナーナノネ!)
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城之内(俺は、カードで再び、旧友と再開した)
城之内(カードのちからってよ……やっぱすげえよ!)
少年V「うわ、また雑魚カードかよ、いらね、捨てちまお」
少年Z「こんな雑魚カード持っててもしょうがないからな」
城之内「この世に雑魚カードなんてないんだぜ、ほら、使い方考えてやるから見せてみろよ」
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静香「お兄ちゃん、いってらっしゃい!」
城之内「おう、勝ってくるぜ!」
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――――復帰リーグR会場
城之内「今度こそ、優勝して、今度こそプロとして遊戯を倒すぜ!」
司会『第一回戦は………』
遊戯「頑張れ、城之内くん」
海馬「せいぜい足掻くがいい」フハハハハ
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城之内「俺のターン、ドロー!」
世代、そして伝説は受け継がれる
~fin~
後半は茶番のようなデュエルになってしまい申し訳ない。
デュエルの内容は、雰囲気だけを味わってくれると嬉しいです。
一晩中読んでくれた方、ありがとうございました。
ちょっと双頭の雷竜でデッキ組んでくる
こう言うの読んでるとマジで次の世代に伝えたくなるな
初期しか知らんが楽しめた!
面白かったわ乙
面白かった
遊戯王に熱くなってた頃のこと思い出したよ