(……まったく男の奴は、デートだって言うのに)
(約束の時間から1分37秒も待ってるのにまだ来ないなんて)
(ったく、どういうつもりなのかしら)
男「……っと、いたいた すまん遅れちまったな」
ツン「おそいっ!」
男「いやいや、そんな怒らなくても」
男「……」イラッ
ツン「だいたいアンタみたいな、冴えないダメ男とつきあってあげてるんだから」
「私より早く来てるのが『義務』ってもんでしょ!」
男「…………」イライラ
ツン「だからすまんじゃなくて 遅れてもうしわけありませんでした でしょうが!」
男「 」
ツン「はーやーくー!」
男「……遅れて……すみませんでした」
ツン「ふんっ、まあ私は優しいから許してあげるわ 行くわよっ!」
男「……おう」
ツン「んー……あ! 男、あれ可愛くない?」
男「あー、いいかもな かわいいんじゃないか?」
ツン「……」
男「……なんだよ」
ツン「はぁ、アンタそこは『だったら、俺が買ってやるよ』でしょうが!」
男「いやでm
ツン「まったくホント女心をわかってないんだから
そんなんだから私としか付き合ったことが無いんじゃないの?」
男「……」
ツン「で! 買うの? 買わないの?」
男「……買いますよ」
ツン(きゃー、やった! 男からのプレゼント! これはもう宝物ね!)
男(金が……)
ツン「男! ありがとっ!」ニコ
男「……おう」
ツン「なによ、私が貰ってあげたのに もっと嬉しそうにしなさいよ」
男(前までは、憎まれ口叩きながらも喜んでて……かわいいと思ったんだけど)
(なんだろうな、ただ イライラするようになった)
(いつからだろう)
ツン「ほら、そんなとこにバカみたいに突っ立ってないで 行くわよ!」
男「……」テクテク
ツン「お昼くらいおごりなさいよ!」
男「……」イラッ
ツン「私が歩き疲れてることくらい、察しなさいよね!」
男「……」ムカッ
ツン「のど渇いた、お茶」
男「……」ビキッ
ツン「あー、とっても楽しかった!」
男(そりゃ、わがままほうだいだからな)
ツン「男! 今日はありがとう!」
男「……悪い、先帰るわ」
ツン「え? ちょ、男?!」
男「……はぁ」
ツン(ったく、男は)
(私を置いて帰るなんて……明日はなんて言ってやろうかしら)
(あ! でもでも、男にプレゼント貰ったし)
(…………)ニヤニヤ
(今日、いっっっっぱい手つないでもらったし)
(でもって、たくさんおしゃべりしたし)
(男は何でもしてくれて優しいなぁ~)
「……おとこぉ」デレデレ
男「……はぁ」
女「どーしたの? 元気ないね男君」
男「おー、女か」
女「反応薄いよ! 大丈夫?」
男「いや、へーきへ―き いつも通りの快調男君ですよ」
女「そう? なんか大変だったら相談に乗るからね?」
男「いやー、ありがたいね まあ、平気だから」
女「じゃ、私先生に呼ばれてるんだ バイバイ」
男「おーう」
(ふぅ……なんか気分が軽くなったな、サンキュー女)
ツン「あ! いた、男!」
男「……」
ツン「ちょっと、何で昨日私をおいてったのよ!」
男「……」
ツン「ふつうそういう時は家まで送るもんでしょ!」
男「……」
ツン「だいたい、付き合ってやってんだからもっと礼儀正しくしなさいよ!」
男「……」イラッ
ツン「なんか言いなさいよ!」
男「……はいはい、すみませんでした俺が悪かったよ」(棒読み)
ツン「まぁ? わかったならいいんだけど? 気をつけなさいよね」
男「……はぁ」
女「んー、あれ?」ゴソゴソ
男「どうした? 女」
女「いやー、お財布忘れちゃったみたいで たはは、まいったね」
男「だったら、貸してやろうか?」
女「いやー、でもー」
男「いいって、俺も食堂行こうと思ってたし」
女「……じゃあ、お言葉に甘えさせてもらって」
男「ん、じゃいくか」
女「ありがとね、男君」ニコッ
男「……っ!」ドキッ
男「……かえるか!」
テクテク
男「……ん? あれは女?」
「おーい、おんn
女「!! ……っ!」ダダダダ
男「? なんか走ってったけど、なんだ?」
(ま、いいや)
(さてと、靴 靴……ん?)カサッ
「なんだこれ、手紙?」
ツン「あ! 男!」
ツン「さあ、男帰るわよ!」
男「……っ」ガサゴソ
ツン「……今しまったの何?」
男「……いやなんでも」
ツン「……まあ、いいわ ほら帰るわよ」
男「……」
ツン「何よ、聞こえてないの?」
男「……いや」
ツン「ったく、これだから男は……せっかく私が帰ってあげるって言ってるのに」
男「……」イラッ
ツン「ほらほら、行くわよ」グイッ
男「……」テクテク
ツン「~でね!」ニコニコ
男「……」イライラ
ツン「ちょっと! 男、聞いてるの?」
男「……悪い、俺はここで」
ツン「アンタ、また置いてく気?」
男「じゃ、またな」
ツン「あ……」
(何で? 最近冷たいよ、おとこぉ)
男「……はあ」
男「……ただいま」
(さてと……)
(何で、俺のとこに手紙なんか)
(何々? 宛名は……女?)
(…………)
(…………)
(…………)
(……はぁ)
(どうすんだよこれ)
(女か……)
拝啓男君へ
突然のお手紙ごめんなさい。
正直、こういったものは初めて書くので読みにくいかもしれません
なのでそこは先に断っておきます
男君
いつも優しくて、明るくて、ちょっと意地悪な男君
いつも助けてもらって本当に感謝しています
ほら、この間もお財布忘れたときも助けてもらいました
そうだ、あのお金かえさなきゃね
そんな頼りになる男君
いつからか君と会うとドキドキしちゃうんだ
こうやって 男君 って書くだけでドキドキする
最初はよくわからなかったけど
こないだやっと分かりました
男君、私はあなたのことが好きです
私と付き合ってください
うーんこのことを言うのに随分いろいろ書いちゃった
まわりくどくなっちゃうのが、私のわるいくせ
いつもありがとう
草々不一
(むしろ好きな部類に入る)
(一緒に話しているとなんだか落ち着くし)
(こんな俺でもよく気遣ってくれる)
(でも、でも俺は)
ピロリロリン
男「ん?……メール」
ツン《明日、放課後アタシのうちに来なさい 話があるの》
男「……また命令かよ」イラッ
ペコペコ
《分かった、行く》
ツン「……」ウズウズ
(キャー、ついに男をウチに呼んじゃった!)
(大丈夫? どっか汚れてない?)
(それでそれで……男が)
(…………///)カァ
(じゃないじゃない、今日は男に聞かなきゃいけないんだった)
(なんか、最近男が冷たいような……)
(どうしたんだろう、具合でも悪いのかな)
(だとしたら、アタシがちゃんと介抱してあげなくちゃ……)
(「ありがとう、愛してるよ女」……とか言われちゃうかも!)
(キャー、はずかしい)
ツン「! きたっ!」
ガチャ
男「……おう」
ツン「まったく、遅かったわね ほらほら早く上がりなさい」
男「……」ムッ
ツン「いい? まっすぐ私の部屋に行きなさい、他は触っちゃだめよ」
男「……はいはい」
ツン「アタシは、お茶持ってくから 先行ってて」
(はぁはぁ……何とか部屋に誘導できたわね)
(女……)
(いやいやいやいや、いま彼女の家だろーが)
(彼女……ねぇ)
(なーんか 疲れちまった)
(というか、返事に迷ってる時点で恋人失格っていうか)
「……はぁ」
男「……おーう」
ツン「アタシ特製のお茶、ありがたく飲みなさい」
男「……」イラッ
ツン「……ねぇ、聞きたいんだけど 最近男暗くない?」
男(お前の! せいだろーがっ!)
ツン「大丈夫? 具合でも悪いの?」
男「っ! なんでもねーよっ!」
ツン「人が心配してあげたのに何怒ってんのよ!」
ツン「ったく、人が下手に出てみれば 調子に乗って」
男「……」イラッ
ツン「もしかして付き合ってるからって許されるとでも思った?」
男「……」ムカッ
ツン「あーヤダヤダ、これだからバカは……」
男「……」イライラ
ツン「そんなんだったら、あたしにも策があるわ」
男「……」ギリギリ
男「」 ブチッ
ツン「まあ、そんなことできるわけが
男「……別れるよ」
ツン「え? 冗談にきまって
男「本気だっつってんだよ!」
ツン「はぁ? アンタ何調子にのって
男「調子に乗ってんのはお前だろっ!」
「なにをするのにも命令で、いったいお前は何様だ!」
ツン「ちょ、おとk
男「バカだのダメだの好き勝手言いやがって」
「挙句の果てには、付き合ってあげてるだと?」
「っざけてんじゃねーよ!」
「だいたい、付き合ってほしいって言ってきたのはお前じゃねーか!」
ツン(え? え?)
「俺はお前の奴隷じゃねーんだよ!」
ツン「ア、アタシはそんなつもりじゃ……」
男「ずっと、我慢してきたんだ……」
「お前のためだと思って我慢してきたんだよ」
「それを、別れようかだと?」
「バカにするのもいい加減にしろよ!」ドン
ツン「ひっ……」ビク
ツン(なんで、ちがう こんなちがうよ)
(男は優しかったよね)
(なんで、なんで)
男「そりゃ、俺だってうれしかったさ」
「いろいろ言いながらもお前が喜んでくれて」
「でも、だんだんお前は感謝しなくなってったよな」
「あたりまえのように、当然のように」
ツン「……うぅ」ポロッ
男「いまさら泣いてんじゃねーよ!」ダンダン
ツン「っ……う、あ……」ポロポロ
ツン「……う……な、にを?……ひっく」
男「暗くないかって」
「わがままに耐え、暴言にも耐え」
「いい加減疲れたんだよ!」
「お前といると疲れるんだよ!」
ツン「っ!……う、うぁ……」ボロボロ
ツン「……あぅ……」ビクビク
男「……もういい」
ツン「……?! ま、まって」
男「実はな、俺 女に告白されたんだ」
ツン(え? 違う)
(男はそんなことしない)
(私を捨てたりしない)
男「どうしようか悩んだけど、もういい」
ツン「……ちがう、ちがう……」
ツン「……ちょっと、ま、まって」ポロポロ
ガチャ バタン
ツン「まって……まってよ!」
男「触らないでくれ」
ツン「ちがうの……ちょっとまって」ポロポロ
男「もう、いいだろ」
ツン「さっきのは冗談なの……ついいっちゃったの」ボロボロ
男「……いい加減にしてくれ」
ツン「ホントは別れたくないの……男がすきなのぉ」
「謝るから、全部謝るからぁ」
「もうわがままも言わない、バカとか言わないからぁ……」
男「もうやめてくれ」
ツン「男がしてほしいことなんでもするからぁ」
「男のためなら何でもできるよ?」
「工ッチなことだっていいんだよ、アタシやるからぁ」
男「……っ」
ツン「あ……」ドサッ
「やだよぉ……」
「おとこ、まってよ ねぇ」
「別れたくないよぉ……二番目でもいいから」
男「……っ!」
ツン「男がその子のほうがいいなら、我慢するから!」
「だから……アタシを置いてかないでよぉ」
男「……」
ガチャ……バタン
「う、あぁぁ……」
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ボロボロ
「おとこぉ、うあぁぁぁぁぁ」
「アタシを……すてないでよぉ」
GO!
ツン「……ひっく、ひっく」
(男、なんで)
(ちがう、私は悪くない)
(男だって私のこと好きなんだから)
「そう……きっとそうだ」
(きっと、今頃男だって後悔してるはずだ)
(ふふ、ふふふふふ)
ツン(男何処かな)
(……いた!)
「男!」ニコ
男「っ!!」ビク
ツン「昨日はごめんね、いきなり泣いちゃって」
男「……」
ツン「でも、大丈夫だよ 今ならまだアタシと付き合えるよ」
男「……っ!」
ツン「昨日も言ったように何でもしてあげる」
男「……ごめん」ガタッ
ツン「なんで、どうして?」
(きっと意地はってるんだ)
(だいじょぶだよ、私はずっと待ってるよ)
(男、大好きだよ)
(いた……あれ?)
(隣に居るのは……あぁ、女か)
(そんなただの女なんかじゃ私には勝てない)
(おとこだいすきだよ)
(また来てる)
(……はぁ)
(このことは女には説明できないし)
(「お前と付き合うため、彼女振った」なんて言えねえよ)
(……はぁ)
ツン「おとこおとこおとこ」
「いた、おとこ」
「おとこぉ! いっしょにかえろっ!」
男「……っ!」ガタガタ
「じゃ、じゃあな」
ツン「なんでなんでなんでなんで」
「そっか……あいつのせいだ」
「きっと、あいつに男は洗脳させられたんだ」
「もしかしたら弱みを握られてるかも」
「私が助けてあげる、心配しないで」
「だいすきだよおとこ」
女「なあに? ツンデレさん」
ヤン「いや、ちょっと話したいことがあるから放課後教室残ってくれる?」
女「うん! だいじょぶだよ」
ヤン「そう……ありがとう」
(これでへいきだよ、おとこくん)
女「あ、ごめんちょっと用事があって……先に行ってまってて」
男「おう! お前の彼氏はしっかり待ってるぞ!」
女「っ! ちょっと男君、それははずかしいかなぁ!」
男「ははは、大丈夫……あとちょっとだからな」
女「……うん、待ってる」
女「ううん、へいきだよ!」
ヤン「ありがと……でね、話っていうのはね」
女「?」
ヤン「何でお前、男君誘惑してんだよ!!」
女「え!?」
ヤン「お前のせいで、男君が、おとこ君が」
女「ちょ!?」
ヤン「優しかったのに、何でもしてくれたのに」
女「まって!」
ヤン「アタシがそう言ってもおとこ君は待ってくれなかった!」
「おとこ君は私を好きなのに、私はおとこ君が大好きなのに!」
「おまえのせいだおまえのせいだおまえのせいだぁーー!」
「わたしがやってあげるって言ったのに」
「お前のせいで」
女「……なるほど、それで男君は」
ヤン「なにがなるほどなんだよ!」
女「いやこっちのはなし」
ヤン「ふざけるな! アタシは、わたしは!」
「そうだ」
「おまえがいなければ」
「おとこくんのまえからきえれば」
「おとこくんはわたしのもの」
「うふふふ「ふふふ「ふふふふふふふ「ふふ
うふふふふ「うふふ「うふふふふふふふふ」
女「窓なんか開けてなに
ヤン「ふふふふふふふ」ガシッ
女「きゃっ!」
ヤン「ここからお前をおとせばお前はおとこ君のまえからきえる」
女「やめっ
ヤン「わたしがけすおとこくんのためにそしたらおとこくんはわたしのもの」
女「や、たすけて」
男「やめろ」
女「はぁ、はぁ、はぁ」
ヤン「おとこ君いまね、おとこ君のために女を消そうとしてたんだぁ」
男「そっか」
ヤン「おとこくん、またわたしと付き合ってよ なんでもしてあげるから
なんだったら最後までしてもいいんだよ」
男「ツンデレ」
ヤン「なあに?」
ヤン「でもこの女はおとこ君のために消すんだよ?」
男「お前をそんな風にしてしまったのは俺の責任だ」
ヤン「なんで、おとこ君のことわたしはまだ好きだよ?」
男「ごめんな、俺は今のお前は」
「嫌いだ」
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなの」
「……やだよぉ」ジワッ
「すてないでよ」
「私を助けてよ」
「おとこぉ……」
男「ごめんな」
女「……」
ヤン「……」
男「ほんとにごめん」
ツン「……そっか」
「男君に嫌われちゃったか」
「そりゃあ、そうか」
「女さんにまで八つ当たりしちゃったし」
「はぁ、全部裏目に出ちゃったな」
「もう疲れちゃった」
「男君と過ごした時間は楽しかったよ」
「わたし、何がいけなかったのかなぁ」
「男君」
「ばいばい」
絶望ルート終わり
>>100から再スタート
きっかけは簡単なことだった
(おとこ、おとこぉ)ジワァ
(なんでなの? どうして捨てるの?)
(おとこくんは、疲れたって言ってた)
(私、いっぱいやっちゃったのかなぁ)
(……)
(わたしのしたこと、もう一度考えてみよう)
(男君が優しいからって甘えてた)
(確かに許されるって思ってたとこもあった)
(命令になっちゃうように、ついやっちゃう)
(男ならやってくれるとおもってた)
(……そっか)
(バカとかダメとかいっちゃった)
(恥ずかしくて、反対のこと言っちゃったり)
(ちょっとイライラしちゃっただけで文句をいったり)
(男君は何もないかのようにしてくれたけど)
(男君のきもち、考えてなかったんだね私)
(……そうだよね)
(ついつい、勢いで別れようなんて言ってしまった)
(……うぁ……)ジワ
(ホントは男君が大好きなのに)
(もっともっと一緒に居たかったのに)
(いつものように軽い気持ちで言っちゃった)
(……うん)
(男君の気持ちも考えず)
(自分だけが幸せになって)
(……もうやり直せないよなぁ)
(おとこぉ)
(どうして私は……)
男「……」
ピンポーン
ドタドタ ガチャ
女「はいはい、どちらさ……っ!おお、おと、男君!」アワアワ
男「……よぉ」
女「落ち着けわたし、落ち着け私……ふぅ」
男「女」
女「ひ、ひゃい!」
女「……っ、っ!」フラフラ
男「でも、今俺はまだわからないんだ」
女「……?」
男「ひどいと思うかもしれないけど、友情の好きか、愛情の好きか分からない」
女「……」
男「それに俺は、いまお前の気持ちに答える資格は無いんだ」
「だから、最低だとは自分でも思うけど……もう少しだけ待ってくれないか?」
女「……はぁ、よくわからないけど 男君がそういうならそうなんだよね」
「大丈夫、待ってるから」
男「ありがとう」
(あんなに怒らせちゃったし、もう会っちゃいけないなぁ)
(……うぅ)ジワ
(ダメダメ、男君のことはもう諦め……る……うぁ)ポロ
男「……あっ」
ツン「……っ!」ダッ
(逃げちゃった)
(でも、これでいいんだ)
ツン「……」
(今日は男君から逃げちゃった)
(男君としゃべりたい)ズキッ
(男君と仲良くしたいよぉ)ズキズキ
(胸がいたいよぉ……おとこぉ)ポロポロ
(もう仲良くしちゃいけない)
(でも、謝らなきゃいけない)
(あんなことをしておいて)
(ちゃんと謝らなくちゃ)
(そしたら)
(男君のためにも)
(もう、男君には関わらない)
ツン(さて、と)
(どうやって謝ろう)
(というか、まず会わないと始まらない)
(いきなり会いに行って話しても迷惑だし)
(……迷惑かぁ)グスン
(うーん、どうしたらいいのかなぁ)
(まず手紙を出して……)
(メールじゃ失礼だよね)
(ちゃんと書かなきゃ)
(何か封筒と手紙みたいなのは……)ガサガサ
(あった)
(話があるから……じゃあ失礼すぎ)ケシケシ
(話……お話があります)カキカキ
(明日、教室に来なさい)
(ちがう! 何で男にだとこうやってやっちゃうの?)
(男が相手だといつもこうやって空回りしちゃって)
(きちんと書き直して……)ケシケシ
(えっと、明日、教室でお待ちしています)
(なんかの勧誘みたいになっちゃったわね)
(そうじゃなくてぇ)
(どうしてちゃんと書けないの?)
(これを男のところに……)
(……ダメ、男って呼んだら)
(いっぱい迷惑かけて、愛想もつかされちゃったから)
(もうなれなれしく男って呼んだらいけない)
(私はもう男……君にかかわっちゃいけないんだ)
ツン「……」キョロキョロ
「……」ソー
「……」
「……」
「……」タッタッタ
「……ふぅ」
「……男君来てくれるかな」
「もう会いたくないのかも……」
「……」
男(ツン……)
(こないだ会ったら逃げたけど)
(……ん?)カサッ
(また、手紙?)
(……誰から)
(……っ!)
(……呼びだしか)
ツン「……」
(そろそろ約束の時間)
(来る……かな)
ガラッ
男「……ツン」
ツン「……男、君」
ツン「うん」
「まずは、座って?」
男「……」トサ
ツン「今日、来てもらったのは」
「男君に謝るためです」
男「……っ!」
「自分なりに考えてみました」
「私が何をしてきたか見直してみました」
「……ごめんなさい」
「男君相手だとつい舞い上がって」
「ひどいことをしました」
「私が楽しむためだけに」
「勝手なことをしました」
「男君の優しさに甘えて」
「男君への感謝も忘れて」
「男君の気持ちを考えず」
「男君に苦労させていて」
「本当に、ごめんなさい」
「悪いことをしていました」
「本当は今日も来てくれないかと思っていました」
「来てくれてありがとう」
「……私はもう男君には関わりません」
「もう二度と会ったりしません」
「ごめんなさい」
「それと」
「今まで……」ポロッ
「……ありがとうございました」ポロポロ
男「……」
「ごめんね、ごめんね」
「……じゃあ、さようなら」テクテク
男「……」
「ちょっとまって」
ツン「……え?」
ツン「……?」
男「俺も、その」
「ツンに初めからきちんといえばよかった」
「勝手にため込んで」
「そして、突然キレて」
「あの時、もしかしたら手をあげていたかもしれない」
「ごめん」
ツン「おとこくん……おとこぉ」ジワァ
「……一つ聞いていい?」
「私のこと……好きだった?」
男「……好きだった」
「いや」
「好きだ」
ツン「……っ!」
男「お前にキレて」
「そのあと頭が冷えてから」
「これでよかったのかなぁっておもったんだ」
「なんだか空っぽになっちゃってな」
「なんか気持ちがチクチクしてな」
「あー、もしかしてツンがいないとだめかなーって」
「ったく、一度ふってから気がつくなんてな」
「だから、好きだ」
「こーんなクズ野郎だけどな」
「はぁ、女に申し訳ない」
「許してもらえるかわからないけど」
「もういちど……」
「私と……付き合ってくれますかぁ」ポロポロ
男「僕と付き合ってください」
ツン「おとこ……おとこぉお」ギュ
男「ごめんな、ツン」ギュウ
男「っ! 女?!」
女「いやぁ、男君がどこにもいないから探してみれば」
男「女、えっとその」
女「男君!」
男「は、はいぃ!」
女「いくつか聞きたいことが有るんだけど」
男「は、はい」
男「はい」
女「ツンちゃんにマジギレしたの?」
男「はい」
女「ツンちゃんのこと好き? 愛情として」
男「……はい」
女「じゃあ……この間の答え、教えてくれる?」
男「……女のことは、大好きだ」
女「……」
男「でも、その好きは友情として、だ」
女「そっか……」ポロ
女「……」
ツン「あの、女さん……ごめんなさい」
女「……」ジー
ツン「……え、えっと」
女「……なーに、ビクビクしてんの!」
「別に私は怒っちゃいないよ」
「男には親友認定してもらったしね」
男「女……」
男「へ? いや俺たちまだ未成年……」
女「なに? 男君親友の頼みが聞けないの?」
男「いや、その」
女「ほらほら、いくよ!」
男「ちょっ、あーれー」ズルズル
ツン「……」ポカーン
「はっ!」
「まってよー」
(…………)
「男、大好きだよ」
うーん、なんだかマジギレで終わらせとけばよかったかな
やっぱりまとめるの下手糞です
みなさん御閲覧ありがとうございました!
乙です。