無職ちゃん「前貰った金? ソシャゲで全部溶けちゃった」
無職ちゃん「まあそんなのいいから、それよりはやく新しいお金ちょーだい、はやく、はやくはやくー」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……あのさあ、なんで渋るの?」
無職ちゃん「ていうか、最近なんかこういうパターン多いよね。この渋る時間必要?」
無職ちゃん「どうせくれるのに。なんですぐくれないの? 時間の無駄じゃない?」
無職ちゃん「はー……」
無職ちゃん「……そういう説教さあ」
無職ちゃん「……なんだかなー、うんざりっていうかー」
無職ちゃん「……なんで○○くんそんなに偉そうなのかなー」
無職ちゃん「私と釣り合うためにーって、すごい頑張ってたじゃん。私みたいな美人と付き合えて幸せでしょ?」
無職ちゃん「だから私はほら、○○くんに優しくしてあげてたけどさ。一応彼女だったし、○○くん頑張ってたし?」
無職ちゃん「でも折角フォローしても、皆の前だと○○くん自信なさげにしちゃって。面倒くさかったな~」
無職ちゃん「……私がいないと駄目だったよねー、○○くんはさあ、あはは」
無職ちゃん「あはは、はは、あはは」
無職ちゃん「……はあ~……ええと、それで、何の話だったっけ?」
無職ちゃん「ああ、そうだ、○○くんが偉そうだって話だ」
無職ちゃん「○○くん、最近私を舐めてきてない? なんか上から目線の言葉が目立つんだけど」
無職ちゃん「ハッキリ言うと、調子乗ってるよね? ○○くん」
無職ちゃん「私さ、基本寛容なんだけど、どうしてもムカつくことがあるんだよね。私イキられるの大嫌い」
無職ちゃん「わかる? ○○くんのこと言ってんの」
無職ちゃん「ああ、わかるんだ? わかっててイキんなよー」
無職ちゃん「あはは、あはは、あははは」
無職ちゃん「はあ~マジでキレちゃいそう~……もぐもぐ」
無職ちゃん「昔からそういうところあるよね。クラスの場の空気が読めない感じ? 彼女だし、一応庇ってあげてたけど……」
無職ちゃん「苦労したなあ、○○くんのお守り」
無職ちゃん「私がついていないと、全然だめだもんねえ、○○くん……」
無職ちゃん「あはははは……」
無職ちゃん「あ、このお菓子美味しいや。後でもう一個買ってきてよ」
無職ちゃん「……いや~でも、本当に苦労したなあ……あはは……もぐもぐ」
無職ちゃん「……怒っちゃった? 私に悪く言われて怒っちゃったのかなー」
無職ちゃん「……ばーか」
無職ちゃん「あはは! ばーか、ばーか!!」
無職ちゃん「すぐキョドっちゃう陰キャ君のくせに、イキっちゃってさー!」
無職ちゃん「ばーか、ばーか、あはは! もぐもぐ、あはははは!」
無職ちゃん「ははははは、はは、ははは! あはは……」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……?」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……いつもみたいに言い返してこないの? こらーって」
無職ちゃん「……何その態度、なんでそっち向くの」
無職ちゃん「……ねえ」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「あ、ビビった? 私にビビってるんでしょ?」
無職ちゃん「怖がらないで大丈夫だよ~、私が可愛いからって、彼女にまでビビんないでよ~!」
無職ちゃん「あはは!」
無職ちゃん「……は、は」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……ねえ、何無視してんの?」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……あのぉ」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「え、え、え、え、ちょ、ちょっ、ど、どこ行くの、ねえ」
無職ちゃん「まだ話してんじゃん話してんじゃん、なになに、どしたのー?」
無職ちゃん「待ってって、待ってよ。待って待って」
無職ちゃん「きゃっ、え、え? な、なに、触んなって、え?」
無職ちゃん「ちょ、あ、あはは、なんか、あはは……」
無職ちゃん「はは……」
無職ちゃん「はは、いや、え? いやいや、あの……」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「え、なんでそんな怖い感じなの?」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……な、なんか、喋ってよ……怖いじゃん……はは……」
無職ちゃん「……い、いつものことじゃん! なんで、今日になって、なんか、こんな」
無職ちゃん「……こ、怖いわー! あはは! も、もう、なんか、ドキドキするじゃん、こんなのー!」
無職ちゃん「……え、と」
無職ちゃん「……! な、なに!? も、もうやっと返事して」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……限、界? な、なにが」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……別、れ、よう?」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「いや、なにこの真面目な空気w」
無職ちゃん「やだって、やだって言ってるじゃん」
無職ちゃん「だから、え、え?」
無職ちゃん「え? なんで?」
無職ちゃん「いや……」
無職ちゃん「……別れようって、うそでしょ? 冗談だよね?」
無職ちゃん「は、はずみだよね? 喧嘩のはずみって言うか、でも、別に私としては喧嘩してるつもりないし、コミュニケーションの一環っていうか、その」
無職ちゃん「だ、だからそんなに怒んないでよー! ほら、仲直りー握手握手」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……あの、握手」
無職ちゃん「……えっと」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「ら、らしく、ないじゃーん……」
無職ちゃん「だって、○○くん、いつも、私の我儘、聞いてくれて」
無職ちゃん「……いつも……優しくて……」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……げ、限度? あ……う……」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「で、でも、○○くん、私がいないと、あの……」
無職ちゃん「うん……」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「でも、○○くん、私のこと、好きだし……好きなんだよね?」
無職ちゃん「だ、だってさ、覚えてる? ○○くんが私に告白してきたとき……」
無職ちゃん「顔真っ赤にして、さ……」
無職ちゃん「あはは、もー、真っ赤過ぎて笑っちゃいそうになったけど」
無職ちゃん「でも、本当は、私だって……本当は……ねえ……」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……え?」
無職ちゃん「……もう、むり……? き、きらい?」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「ごめんなさい、はい、仲直りしましょう……」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……ご、ごめんなさい、ごめんなさい」
無職ちゃん「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
無職ちゃん「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
無職ちゃん「ひっく、うえ、ぐすっ、うえっ」
無職ちゃん「……う、うえぇ……」
無職ちゃん「……うぅうぅぅ」
無職ちゃん「ご、ごめんなさい……ひっく」
無職ちゃん「わ、我儘、言い過ぎ、ました……」
無職ちゃん「な、なおします、悪いとこ、なおすから……」
無職ちゃん「な、なんでも……なんでも、聞くから……」
無職ちゃん「だ、だから、だから……」
無職ちゃん「……き、嫌いにならないで、ください、お願い、します」
無職ちゃん「でも、私、ずっとチヤホヤされてきて、でも、就職できなくて、うぅ、ぐすっ」
無職ちゃん「○○くんだけが、私を慰めてくれて、だから、私ぃ、つい、ひっく……」
無職ちゃん「……あ! そ、そうだよ、○○くんが甘やかすから」
無職ちゃん「あ、すみません……はい、馬鹿な事言いました」
無職ちゃん「ぜ、絶対に別れたくないです、はい、はい……」
無職ちゃん「わかりました、はい。就職します……いい年こいて無職ですみません……」
無職ちゃん「ぐすっ……」
無職ちゃん「そうだよね……二人でお金貯めようねって、決めたもんね……」
無職ちゃん「はい、はい……ハローワーク行ってきます……仕事探します……」
無職ちゃん「ひっく、え、えらい? そっか、えへへ……へへ……ずずっ……」
無職ちゃん「ひっく」
無職ちゃん「……あの、さっきの、嫌いって、あの」
無職ちゃん「……は、半分嘘? は、半分本当なの?」
無職ちゃん「……わ、わかったよう……がんばるよう」
無職ちゃん「……こ、こういうことしてくるんだもんなあ、○○くん、ぐすっ」
無職ちゃん「……やだやだ、これで味しめたら絶対今後使ってくるもんなあ」
無職ちゃん「……こんなの毎回されたら心壊れちゃう……」
無職ちゃん「……でも最近の○○くん遠慮が無いんだもんなあ……ほんともう調子に」
無職ちゃん「あ、なんでもないです。はい、働きます」
無職ちゃん「……ていうか○○くんが高給なら私働かなくて済むのに……」
無職ちゃん「なんでもないす。さーせん」
無職ちゃん「ずずっ……」
無職ちゃん「……ん」
無職ちゃん「……え? いや送ってよ」
無職ちゃん「んん? 一緒に来てよ。私が泣いて帰ることになったら○○くんが慰めるんだよ?」
無職ちゃん「しっかりしてよ、もう……」
無職ちゃん「……え、なにその溜め息。怖いからやめてごめんなさい」
無職ちゃん「……ええと」
無職ちゃん「……ごめんなさい」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……本当に、私のこと嫌いじゃないんだよね?」
無職ちゃん「そうだよね? 私のこと大好きだよね? 好きで好きでしょうがないくらいだよね? 本当に好きだよね?」
無職ちゃん「いや、さっきので不安になってるから……」
無職ちゃん「ぐすっ……」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……あ。だから、できれば、そのー、ねえ?」
無職ちゃん「なんていうの? その、証的な……ねえ? ずずっ」
無職ちゃん「へへ……んー」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……いや、こんのかい」
無職ちゃん「……」
無職ちゃん「……はー」
無職ちゃん「はいはい、わかりましたよ……」
無職ちゃん「その代わり、うまくいったら……えっとぉ……」
無職ちゃん「……今夜のご褒美、いつもよりたくさんちょうだい」
金があれば無職になりたい