以下、ry
アイドルちゃん「まあ、人気出てきた子が増えてきましたから。嬉しい悲鳴というものでしょうか?」
アイドルちゃん「……私ですか? 私はレッスンで、今帰るところです」
アイドルちゃん「……別に、あなたを待っていたわけではないんですけど」
アイドルちゃん「……でも、まあ、折角ですし」
アイドルちゃん「……送っていただけますか?」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……どうということもないです」
アイドルちゃん「……あなたがとってきてくれたんでしょう? ローカル番組とか、イベントの司会とか……」
アイドルちゃん「不服なんてないですよ。私なんてそんなものですから」
アイドルちゃん「……かれこれ、5年経ちますか」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……いやいや、何をしれっとついてきてるんですか」
アイドルちゃん「駄目ですよ。スキャンダルになります」
アイドルちゃん「……まあ私に張り付いている記者なんていやしませんけど」
アイドルちゃん「……そういうことばかり」
アイドルちゃん「……あなたも、そういうこと言ってて気が引けたりとかないんですか?」
アイドルちゃん「最初のころは、もっと誠実そうだったのに」
アイドルちゃん「……私も、まあ……」
アイドルちゃん「私も最初のころは、目をキラキラさせてあなたに挨拶しましたっけ」
アイドルちゃん「あの頃のあなたは、とても大人っぽく見えてドキドキしました」
アイドルちゃん「……今? 今は……大人っぽいです。嫌な意味で」
アイドルちゃん「……卑猥な事ばっかり言って、碌な大人じゃないです」
アイドルちゃん「……そのうち警戒を解いたら、襲われそうで……」
アイドルちゃん「……なんて、半分冗談ですけど?」
アイドルちゃん「お茶くらいなら出しますよ。お世話になってますしね、どうぞ上がってください。ボロですけど」
アイドルちゃん「そもそもどうせ私みたいな売れないアイドルにスキャンダルとか、どうだっていいんですから」
アイドルちゃん「……誰も気にしないんですから」
アイドルちゃん「……今日も、気分が落ちてて」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……はい」
アイドルちゃん「……ありがとうございます」
アイドルちゃん「アイドルにそんなことしないって、じゃあ散々言い寄られている私はなんなんですか……」
アイドルちゃん「まあ、アイドルとか言っても、そんな経験の無い子なんてあんまりいませんからね」
アイドルちゃん「むしろアイドルだからこそ、機会なんていくらでもありますよね。各々、好き勝手やってますよ」
アイドルちゃん「私は、そういうの興味ないですけど」
アイドルちゃん「……はあ、そうですか。それは、どうも」
アイドルちゃん「……ふっ」
アイドルちゃん「……あ。そういうの覚えてるんですね」
アイドルちゃん「てっきり忘れてるかと。ふふ」
アイドルちゃん「だって、あなたは軽薄ですから」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……本当は、そんな夢、忘れた方がいいのかもしれないですけど……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……そう、ですか?」
アイドルちゃん「それ、本気で言ってます?」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……そうですか」
アイドルちゃん「……その辺り、ちゃんと感謝はしています」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……なんだかんだ、5年の付き合いですか……」
アイドルちゃん「……ふふ、積もる話もたくさんありますけど、長居はしないでくださいね」
アイドルちゃん「……襲われるのが怖いですし」
アイドルちゃん「うん……届いた。ありがと。うん」
アイドルちゃん「……ああ、見てくれたんだ? ありがと」
アイドルちゃん「うん……うん……」
アイドルちゃん「ありがとね。私も、頑張ってるから。うん」
アイドルちゃん「……じゃあね」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……久しぶりの仕事だな」
アイドルちゃん「……早めに寝ないと」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……あ、事務所の子が映ってる」
アイドルちゃん「……ふーん」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……ふっ、そうやって前に出るのはいいけど……」
アイドルちゃん「……ちょっと、周りから浮いてるかな」
アイドルちゃん「……なんてね」
アイドルちゃん「……はあ」
アイドルちゃん「お疲れ様でしたー!」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「ふう……」
アイドルちゃん「……あ、○○さん」
アイドルちゃん「来てくれてたんですか?」
アイドルちゃん「……疲れました」
アイドルちゃん「まあ、よくあることですけど」
アイドルちゃん「え? それは、どうも……」
アイドルちゃん「……笑顔だけは崩すなって」
アイドルちゃん「……あなたからの、教えですし」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……それに、もう慣れてしまいました」
アイドルちゃん「……ありがとうございます。いただきます」
アイドルちゃん「根強いファンも、本当にいるのなら嬉しいですけど」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……最近、ずっと気分がすぐれなくて」
アイドルちゃん「……思い悩むことも、そりゃあります。たくさんあります……」
アイドルちゃん「……いえ」
アイドルちゃん「……○○さんは、頑張ってくれてます。お仕事を、私のために取ってきてくれて」
アイドルちゃん「私もそれに応えようと、頑張っているんですけど……」
アイドルちゃん「そういうところですよ。あなたのそういうところが、駄目なんです」
アイドルちゃん「励ますって、下心が見えてるんですよ!」
アイドルちゃん「……まったく」
アイドルちゃん「……そうですね」
アイドルちゃん「……目指すは、トップアイドル」
アイドルちゃん「……でも、道は、険しいなあ」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……あなたはいつも、目だけはまっすぐです」
アイドルちゃん「……責任感はないんですけどね? ふふ……」
アイドルちゃん「……いい加減、胸触ろうとしてくるのやめてくれません?」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……もしもし? ○○さん?」
アイドルちゃん「あの、今日の仕事のお金っていつ入ります?」
アイドルちゃん「はい……はい……」
アイドルちゃん「い、いえ……貸していただくほどでは……」
アイドルちゃん「……いえ……あの、実は……」
アイドルちゃん「や、やめてください……そう言うこと言わないでください」
アイドルちゃん「冗談にならないので……」
アイドルちゃん「胸くらい触らせようかなって一瞬考えるじゃないですか……」
アイドルちゃん「乗り気にならないでくださいよ……」
アイドルちゃん「……最近、生活が不安で」
アイドルちゃん「……はい……はい」
アイドルちゃん「そうですね……まだ、気分がすぐれなくて」
アイドルちゃん「……あり、がとう、ございます」
アイドルちゃん「……本当に、○○さんには……」
アイドルちゃん「……はい」
アイドルちゃん「○○さんだけです……私が成功するだなんて自信満々に言ってくれるのは」
アイドルちゃん「……私、ですか? 私は……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……うっ」
アイドルちゃん「……食べ物が喉を通らない」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「これから先、私、どうなるのかな……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「会議室貸し切ってどうするんですか」
アイドルちゃん「なんですか、その太鼓は。何で叩いてるんですか?」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……○○さんの誕生日とかですか?」
アイドルちゃん「……違う?」
アイドルちゃん「……冗談でしょう? どうやって? え?」
アイドルちゃん「ほ、本当に……?」
アイドルちゃん「う、うそ……」
アイドルちゃん「……冗談じゃ、ないんですよね?」
アイドルちゃん「……頑張ったって、頑張ってどうにかなるんですか」
アイドルちゃん「いや、これまでの実績って言っても、大したものは……」
アイドルちゃん「……そうですかね」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「確かに、チャンスですね……逃せない、チャンス」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……いえ、なんでもないです」
アイドルちゃん「……頑張ります」
アイドルちゃん「そ、そうですね……私は、あまりそういうの得意ではないですから」
アイドルちゃん「……そ、そう、ですね」
アイドルちゃん「……これを機に……トップアイドルへ……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……ん? なんでもないよ。ちょっと声が聞きたかったから」
アイドルちゃん「元気にしてる? お父さんも、腰とかまた痛めてない?」
アイドルちゃん「うん、うん……そっか……」
アイドルちゃん「ん。私も、大丈夫……最近、ね……」
アイドルちゃん「……いや、何でもない。うん」
アイドルちゃん「……じゃあね」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……今、起きてるかな……」
アイドルちゃん「……いや、かけない方がいいか」
アイドルちゃん「不安だからって、ペーペーの頃じゃないんだから……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……相当無理してくれたんだろうな」
アイドルちゃん「……うん、それは、使えそうだね。ありがとう……ネタ帳にストックしとく……」
アイドルちゃん「あはは……私、こういうの慣れないから……」
アイドルちゃん「う、うん……そうだね……○○さんが、凄く頑張ったみたい……」
アイドルちゃん「あはは……」
アイドルちゃん「……うん、頑張るよ……」
アイドルちゃん「はい、もちろん。挨拶はちゃんと……」
アイドルちゃん「……○○さんは、来てくれないんですか?」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……い、いえ……大丈夫です」
アイドルちゃん「ただでさえ、準備にたくさん付き合ってもらってるのに、これ以上のご面倒はかけられません……」
アイドルちゃん「……楽観的な減らず口は相変わらずですね」
アイドルちゃん「……いえ……いつもありがとうございます……」
アイドルちゃん「……頑張ります」
アイドルちゃん「当日も、どうぞよろしくお願いいたします!」
アイドルちゃん「はい! 失礼いたします!」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……はー……」
アイドルちゃん「……いえ、一人で帰ります……」
アイドルちゃん「……タクシーで……はい、今日は、お疲れ様でした……」
アイドルちゃん「ははは……」
アイドルちゃん「……建物も打ち合わせの内容も何もかもが凄くちゃんとしてた……」
アイドルちゃん「……あれが、全国区か」
アイドルちゃん「……はあ」
アイドルちゃん「……うー」
アイドルちゃん「……う、胃が……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「全身真っ黒な……マネキンが……」
アイドルちゃん「……いや、マネキンがなんなの……つまらないとしか思えない」
アイドルちゃん「……はあ……休憩しよう……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……うっ……」
アイドルちゃん「……おえ……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……今お忙しいですか……?」
アイドルちゃん「……ちょっと、眠れなくて……」
アイドルちゃん「……お話、付き合ってくれませんか?」
アイドルちゃん「……ありがとうございます」
アイドルちゃん「元気……? あまり、ないです……」
アイドルちゃん「……私なら大丈夫って、○○さん、そればっかりですよね……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……信じていいですか?」
アイドルちゃん「……私、上京してから、未だに○○さんくらいしか、頼れる人が、いなくて」
アイドルちゃん「……はい……はい」
アイドルちゃん「大丈夫です……」
アイドルちゃん「……はい」
アイドルちゃん「……うわあ!」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……ゆ、夢か……」
アイドルちゃん「……あー」
アイドルちゃん「怖い……怖いよ……」
アイドルちゃん「胃が痛い……ろくに眠れないのに……こんな悪夢とか……」
アイドルちゃん「全国放送が近づいてくる……近づいてくるよお……」
アイドルちゃん「頻繁に、しかもこんな時間ですみません、でも、私、寝たら嫌な夢を見てしまって」
アイドルちゃん「……はい……はい……」
アイドルちゃん「……楽観が過ぎませんか……? このチャンスを逃したら、下手うったら、大御所の機嫌を損ねたら、私……」
アイドルちゃん「また取ってくるって……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「○○さん、今から会えませんか……?」
アイドルちゃん「私、もう……」
アイドルちゃん「襲われたって……私、○○さんのこと……」
アイドルちゃん「……疲れてなんかないです」
アイドルちゃん「私は正常です! 私は……うっ」
アイドルちゃん「……だ、大丈夫、です」
アイドルちゃん「気にしないようにしてたら……店員さんが……」
アイドルちゃん「……店員さんが……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……こんな話つまらないよお!!!!」
アイドルちゃん「つまんないよおおおおおおおおお!!!!!」
アイドルちゃん「……絶対滑るよ……全国で……滑る……滑る……」
アイドルちゃん「……うっ」
アイドルちゃん「……おええ」
アイドルちゃん「かっ、げほっ……おえ……」
アイドルちゃん「うっぷ」
アイドルちゃん「……いよいよ、明日……」
アイドルちゃん「……私に、できるの?……」
アイドルちゃん「……トップアイドルってなに……?」
アイドルちゃん「おしゃべりが上手かったら、なれるの?」
アイドルちゃん「私は、ステージで歌ったり踊ったりがしたいわけで……」
アイドルちゃん「でも、明日上手くいかなかったら……私は……この先……」
アイドルちゃん「……無理」
アイドルちゃん「……無理だよ……無理に決まってるよ……」
アイドルちゃん「……何年、売れないアイドルやってるってのよ……素質が、ないんだもん」
アイドルちゃん「私は、駄目だもん」
アイドルちゃん「私は、本当はアイドルになんか向いてないんだよ……」
アイドルちゃん「…………」
アイドルちゃん「…………うわあああああああああああああ!!!!」
アイドルちゃん「……○○さん。こ、こんばんは」
アイドルちゃん「……と、突然押し掛けてすみません」
アイドルちゃん「分かってます。明日が大事な収録の日で、だから一人が嫌で……」
アイドルちゃん「ね? いいでしょう?」
アイドルちゃん「……わ、私を、慰めてください」
アイドルちゃん「……○○さんは私のこと好きですよね?」
アイドルちゃん「……一人でいると押しつぶされそうというか、死にたくなるというか、消えたくなってしまって……」
アイドルちゃん「怖いんです……私を求めてください……私を安心させてください」
アイドルちゃん「慰めてくれたら、きっと明日も……」
アイドルちゃん「……え、駄目?」
アイドルちゃん「やつれて目がグルグルしてるって、いつもこんな感じですもん!」
アイドルちゃん「ちゃんと寝ろ? いやいや、いつものエロエロな○○さんはどうしたんですか」
アイドルちゃん「いつも言い寄ってくるじゃないですか!!」
アイドルちゃん「私のこと好きじゃないんですか?!」
アイドルちゃん「……好きなら、私を、安心させてくださいよ……」
アイドルちゃん「……そりゃあ、5年は、やってますけどぉ?」
アイドルちゃん「……私は! 私は、○○さんみたいな楽観的な性格じゃないんですよ!」
アイドルちゃん「今までちゃっちいのしかやってなかったのに、こんなのいきなりできるわけないじゃないですか!!」
アイドルちゃん「大体無茶ぶりが酷いんですよ! なんですか! いきなりなんだって言うんですか!」
アイドルちゃん「わ、私、トークとか苦手なのに! あの番組で数回は場を沸かせって、無理ですよ!!」
アイドルちゃん「……なに? 何を言わそうと……」
アイドルちゃん「……夢はー? って言われても、何ですか……」
アイドルちゃん「……私のー? 夢はー? ……」
アイドルちゃん「……トップアイドール! イエーイ! ってなんですか!」
アイドルちゃん「ワハハじゃないですよ!」
アイドルちゃん「死ね!!」
アイドルちゃん「……優しい言葉の一つもないし」
アイドルちゃん「励ましの言葉くらい……いや、あんなの励ましじゃないです……」
アイドルちゃん「でも、何か特別なこと言ってくれてもいいのに……」
アイドルちゃん「いつもみたいに、私を安心させてくれてもいいのに……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……いう必要が無い?」
アイドルちゃん「……わ、私の、この惨状を見て、どの口が……」
アイドルちゃん「私ならできるって、何度も言ってましたし」
アイドルちゃん「……トップアイドルとか言ってくれるの、あなただけですからね」
アイドルちゃん「はあー……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……自信、か」
アイドルちゃん「……わかりましたよ」
アイドルちゃん「……甘えようとして、どうもすみませんね!」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……分かりました」
アイドルちゃん「……5年の経験値を信じます」
アイドルちゃん「……あとは、まあ」
アイドルちゃん「○○さんのことも、一応信じてますし」
アイドルちゃん「○○さんに見いだされた、私の器のでかさを信じますよ……」
アイドルちゃん「こっちを見てたんですよー! うわー!」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「アハハ……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「休憩中です! 今休憩中ですけども!」
アイドルちゃん「○○さん! あのとっておきのマネキンの話!」
アイドルちゃん「全っ然でした!!!! ちょっとは受けましたけど!! つまんな過ぎて!!!!」
アイドルちゃん「わ、わたし、が、頑張ったんですけどぉ……うう……もう、どうしていいか……」
アイドルちゃん「うん……うん……」
アイドルちゃん「滑っていいの……? 私滑っていいの……?」
アイドルちゃん「実はもう2回くらい滑ったんだけどね……? もう空気が怖くてね……?」
アイドルちゃん「うん……頑張る……もうちょっと頑張る……」
アイドルちゃん「……○○さあん……」
アイドルちゃん「……うん……うん」
アイドルちゃん「○○さんのそんな真面目な声、久しぶりに聞いたかも……うう……」
アイドルちゃん「また機会がありましたらよろしくお願いしまーす!」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「…………あ、○○さん」
アイドルちゃん「うん、今終わったところ……」
アイドルちゃん「……笑い? まあ、何回か沸いたけど」
アイドルちゃん「それ勝手にネタにされて、場がドッカンドッカンで……」
アイドルちゃん「それからも何回も弄られてね……そしたらまたドッカンドッカンって……」
アイドルちゃん「……私、こんなのでトップアイドルになれるのかなあ……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……なんでそんな真面目な声してるの……いつもみたいにおちゃらけてよお!!」
アイドルちゃん「バラエティの仕事は増えた」
アイドルちゃん「……これで、いいんですかねえ」
アイドルちゃん「……私、トップアイドルになれるんですかねえ」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……まあ、嬉しいですけどね」
アイドルちゃん「ご近所さんもみんな見てて、面白かったって」
アイドルちゃん「正直、複雑ですけど。でも、まあ嬉しいものは嬉しいもので」
アイドルちゃん「ファンも増えましたし……仕事で認められることが多くなりました」
アイドルちゃん「生活に余裕が出てきたのは本当に良かったです……」
アイドルちゃん「……あと隙あらば歌の仕事をねじ込んでくれるのは本当に感謝しています」
アイドルちゃん「そうやってどや顔されると殴りたくなるので、やめてくれませんか」
アイドルちゃん「……そうですよ。私だって、今まで地道に努力を重ねてきたんですから」
アイドルちゃん「……やっと、実を結んだんですねえ」
アイドルちゃん「まあ、スタート地点ってのは、理解してますよ」
アイドルちゃん「○○さんは卑猥な冗談をすぐ言うし」
アイドルちゃん「でも、別に本当は私なんか興味ないんですよね?」
アイドルちゃん「夜に尋ねてきた女の子を冷たい言葉被せて送り返すとか……」
アイドルちゃん「○○さんは、なんちゃって軽薄男ですよ」
アイドルちゃん「本当は童貞なんだ」
アイドルちゃん「じゃなかったら、送り返さないですよ……」
アイドルちゃん「……○○さんが常識を語らないでください!」
アイドルちゃん「ふてくされてなんかないです!」
アイドルちゃん「拗ねてなんかないです!!」
アイドルちゃん「……そうやって、すぐ好きとか、馬鹿馬鹿しいですよ。重みが無いんです」
アイドルちゃん「……な、なんですか」
アイドルちゃん「……本当に何もしないんかーい!!」
アイドルちゃん「あ、駄目だ……なんだこのつまらないツッコミは」
アイドルちゃん「はあー……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……頑張りましょうねー」
アイドルちゃん「……私、信じてますから」
アイドルちゃん「○○さんのことも……あとまあ、自分のことも……」
アイドルちゃん「だから、一緒に目指しましょう。トップアイドル」
アイドルちゃん「○○さんと私なら、多分大丈夫だって思えるようになりましたから……」
アイドルちゃん「……」
アイドルちゃん「……これからも、ずっとよろしくお願いしますね」
アイドルとかアイマスでしか知らないしゲームもやったことないし
トップアイドルって何だろうと思いながら書いてました