嫌われ者ちゃん「……中が、糞まみれだ。なにこれ」
嫌われ者ちゃん「……わざわざ集めたの? 馬鹿じゃないの」
嫌われ者ちゃん「死ねばいいのに。死ね。死ね。死ね。死ね」
嫌われ者ちゃん「……こんなの見せられないよね」
嫌われ者ちゃん「……カバンは置いてこう。そろそろ時間だし……」
嫌われ者ちゃん「……ふう」
嫌われ者ちゃん「○○くん、ジャージだね……どうしたの……? ○○くん、帰宅部だったよね」
嫌われ者ちゃん「……そっか。友達と遊んでたんだ。若いから、元気だね」
嫌われ者ちゃん「へへ、三歳だって、大した違いだよ……まだ○○くんは中学生だし、それに、高校も結構大変だし……」
嫌われ者ちゃん「……そ、それより、良かったの? 友達と遊んでたのに、私……」
嫌われ者ちゃん「……へへ、同好の士って、へへ。しょ、少女漫画とか、○○くん、話せる人、いないよねえ」
嫌われ者ちゃん「……へへ、実は、今日、なんだけ、ど」
嫌われ者ちゃん「ご、ごめんなさい。あの、本当に……」
嫌われ者ちゃん「……あ、ありがとう。ごめんなさい、こ、今度は絶対、持ってくる、から」
嫌われ者ちゃん「え? な、何でもないよ……何でもない。こ、これは、さっきちょっと転んじゃって」
嫌われ者ちゃん「……ほ、本当だよ。本当、本当だから。な、なんかって、あるわけないじゃん……」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「そ、それより、お話ししよ。時間が、勿体ないよ」
嫌われ者ちゃん「う、うん。あれか、あれ、読んでるんだね、あれ面白いよね……」
嫌われ者ちゃん「う、うん、そうだね、続きは、また、明日だね」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「ね、ねえ、○○くん。あの、あの、きょ、今日、このあ、この、」
嫌われ者ちゃん「……な、なんでもない。じゃ、じゃあね……」
嫌われ者ちゃん「……ふう」
嫌われ者ちゃん「……あ」
嫌われ者ちゃん「……す、すみません、聞いてなかったです」
嫌われ者ちゃん「……あの、睡眠不足で」
嫌われ者ちゃん「……すみません」
嫌われ者ちゃん「……はい。気を付けます、はい……」
嫌われ者ちゃん「……いたっ!」
嫌われ者ちゃん「え、いや、何でも、ないです……」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「……画鋲」
嫌われ者ちゃん「……っ」
嫌われ者ちゃん「……くそ」
嫌われ者ちゃん「……嫌だなあ。顔殴ってきたよあいつら。跡になってないかなあ、○○くんに気づかれないかなあ」
嫌われ者ちゃん「……くそ、くそ、くそ。くそくそくそくそくそ」
嫌われ者ちゃん「今に見てろ、絶対殺してやる。殺してやる、殺してやる」
嫌われ者ちゃん「あ、あんな奴ら、武器使って不意打ちすればすぐ死ぬから」
嫌われ者ちゃん「あ、あんな群れてなきゃ、いられない低能どもなんて……! くそ、くそぉ……」
嫌われ者ちゃん「……死ね……死ね……死ね……死ね……」
嫌われ者ちゃん「……ふう、でも、今日は、漫画を死守したから。へへ」
嫌われ者ちゃん「今日は、時間より早めに行けるもんね……」
嫌われ者ちゃん「○○くん、あのね、昨日持ってくるはずだった漫画だけど……え?」
嫌われ者ちゃん「あ、ああ……この跡、この跡ね、あ、あはは、ちょっと、目立つかな」
嫌われ者ちゃん「……えーと、ね。これは、ね。今日、その……」
嫌われ者ちゃん「……体育、でね。ボールが、ぶつかっちゃったんだ」
嫌われ者ちゃん「そ、そんなに跡残ってるかな。やだな、運悪かったな、あは、それで、それでね、漫画……」
嫌われ者ちゃん「……い、いや、だから、体育だって、ち、違うよ、ちが……」
嫌われ者ちゃん「……ち、違うって、言ってるじゃん!!」
嫌われ者ちゃん「……あ」
嫌われ者ちゃん「ま、漫画の話しよ? ○○くん、この漫画読むの楽しみでいてくれたよね?」
嫌われ者ちゃん「わ、私、○○くんと、あの、あのね」
嫌われ者ちゃん「ち、違うから! 何でもない! 何でもないよ!」
嫌われ者ちゃん「……い、いじめられてなんかない!!!」
嫌われ者ちゃん「なんで、なんでそんなこと言うの」
嫌われ者ちゃん「わ、私、漫画の話、話したくて、今日、今日ずっと……」
嫌われ者ちゃん「きょ、今日、せ、折角、な、なんで、折角、漫画……」
嫌われ者ちゃん「……うう、ぐ……はぁ……う……」
嫌われ者ちゃん「ご、ごめんなさい、ひっく、ち、がう、っく、はぁ……ぁう」
嫌われ者ちゃん「こんな、嫌な空気になっちゃって、ごめん、ごめんなさい」
嫌われ者ちゃん「……○○くんは悪くない」
嫌われ者ちゃん「あ、あの、きょ、今日は、もう、帰る、ね」
嫌われ者ちゃん「……うん、本当に、あの、ごめんね、あ! あの、漫画、漫画だけど、」
嫌われ者ちゃん「貸す、貸すから、あの、貸すから……」
嫌われ者ちゃん「あ、明日? そ、そうだよ、ね。明日、また、あ、明日……」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「……ま、待って」
嫌われ者ちゃん「〇、〇くん」
嫌われ者ちゃん「あのね、い、今から……」
嫌われ者ちゃん「……時間、あるかな?」
嫌われ者ちゃん「……男子トイレだって、大丈夫だよ。個室にいれば、ばれないもん」
嫌われ者ちゃん「あはは、案外、狭い、ね。か、顔、近い」
嫌われ者ちゃん「○○くん、座ってて。それで、じっとしてくれるかな」
嫌われ者ちゃん「なんでって、なんでって、な、なんでもだよ」
嫌われ者ちゃん「……いいから、お願い、お願いします、お願いします」
嫌われ者ちゃん「これだけ、これだけしてくれたら。私、もう何も頼まないから」
嫌われ者ちゃん「お願いします、お願いします、お願いします、お願いします」
嫌われ者ちゃん「……あれぇ、おかしいなぁ、なんで、はぁ、なんで、うぅ……」
嫌われ者ちゃん「もう一回、もう一回やるから、はぁ、んく、はぁ、なんで、なんでかかんないのお……」
嫌われ者ちゃん「……あなたはだんだん眠くなる」
嫌われ者ちゃん「あなたは、だんだん眠くなる」
嫌われ者ちゃん「あ、あなた、あなたは、はぁ、うぅ、だんだん、うぅ……」
嫌われ者ちゃん「……ね、眠くなる……ぁぁ……やだぁ……なんでぇ……やだよぉ……」
嫌われ者ちゃん「○○くん……○○くん……ぅ……はぁぅ……ふぐっ……」
嫌われ者ちゃん「……! 目、閉じてきた……!」
嫌われ者ちゃん「はぁ……はぁ」
嫌われ者ちゃん「……じゃあ、自分の名前を言ってください」
嫌われ者ちゃん「私の名前は?」
嫌われ者ちゃん「今日の朝ご飯は?」
嫌われ者ちゃん「右手上げてください」
嫌われ者ちゃん「……かかってる……はぁ……はぁ……」
嫌われ者ちゃん「……わ、私の手を握ってください」
嫌われ者ちゃん「へへ……○○くんの手、暖かいなあ。暖かい……」
嫌われ者ちゃん「へへ……」
嫌われ者ちゃん「次は、私の目を見てください」
嫌われ者ちゃん「○○くん、可愛いなあ。でも最近、かっこよくなってきたよね」
嫌われ者ちゃん「……こうして近くで見つめ合ってると、こ、恋人同士みたいだね、へへ」
嫌われ者ちゃん「……へへ、赤くなってる。催眠にかかってても、近くで見られると恥ずかしくなるんだね」
嫌われ者ちゃん「わ、私のこと、名前で呼んでください。呼び捨てで」
嫌われ者ちゃん「……あ、へへ。○○、くん……」
嫌われ者ちゃん「……○○」
嫌われ者ちゃん「へへ……」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「……私のこと、好きになってください」
嫌われ者ちゃん「私のこと、嫌わないでください」
嫌われ者ちゃん「○○くんは、私を嫌わないです」
嫌われ者ちゃん「私のことを気持ち悪いとか思いません」
嫌われ者ちゃん「○○くんは、これからも、ずっと今までみたいに私とお話しします」
嫌われ者ちゃん「……○○くんは、私のことが、好きです」
嫌われ者ちゃん「……お願いします」
嫌われ者ちゃん「……催眠中の記憶は無くなります。今、○○くんは、目覚めます」
嫌われ者ちゃん「……はい!」
嫌われ者ちゃん「……あの、何してたか覚えてる?」
嫌われ者ちゃん「あ、そうなんだ。あ、そういう……辻褄合わせの記憶が生える系なんだね」
嫌われ者ちゃん「……あの、○○くん」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「……明日も、話してくれる?」
嫌われ者ちゃん「へへ……そっか」
嫌われ者ちゃん「……すごく真剣な顔してるね。へへ、よかったぁ。今日、ちゃんとできてよかった……」
嫌われ者ちゃん「……? どうしたの、その顔」
嫌われ者ちゃん「?」
嫌われ者ちゃん「でも。好きってだけだから」
嫌われ者ちゃん「○○くんが嫌わないでくれたら、私と毎日お話ししてくれたら」
嫌われ者ちゃん「……それで、満足するから」
嫌われ者ちゃん「……毎日、頑張るから」
嫌われ者ちゃん「……毎日」
嫌われ者ちゃん「……顔、大丈夫、だよね。うん。大丈夫。恥ずかしくない、恥ずかしくない」
嫌われ者ちゃん「もう今度からは、学校に手ぶらで来て、家から漫画持ってきた方がいいかな」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「…………」
嫌われ者ちゃん「………………」
嫌われ者ちゃん「ふう」
嫌われ者ちゃん「へへ、こっちだよ」
嫌われ者ちゃん「ごめんね? 今日漫画忘れちゃって。その代わりたくさんお話ししよう」
嫌われ者ちゃん「あ、○○くん、漫画持ってきたんだ。どんなの?」
嫌われ者ちゃん「あ、あ、これ、これ私も好きなんだ! いいよね! これいいよね!」
嫌われ者ちゃん「○○くんも好きなんだ? うん……うん……そうだよね、この人、結構ベテランで」
嫌われ者ちゃん「……え? あ、もう、そんな時間、なんだ」
嫌われ者ちゃん「……早く帰らないと、怒られちゃうもんね」
嫌われ者ちゃん「あ、そういうわけでもないんだ。最近は放任主義なんだね」
嫌われ者ちゃん「私? 私は、お母さん、帰り遅いから……」
嫌われ者ちゃん「……明日、また明日、かぁ」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「……ちょ、ちょっと、来てくれないかな、○○くん」
嫌われ者ちゃん「ちょっとだけ、ちょっとだけだから、ね? ○○くん、お願い……」
嫌われ者ちゃん「身長は、まだ私の方が高いかな。これから、伸びるよ。大丈夫、大丈夫」
嫌われ者ちゃん「私臭くないかな。嫌な臭いとかしない?」
嫌われ者ちゃん「そう? それならいいんだけど」
嫌われ者ちゃん「へへ……○○くん、制汗剤の匂いがするや」
嫌われ者ちゃん「え? あ、ご、ごめんね。顔近づけちゃって……やだよね」
嫌われ者ちゃん「じゃあ、えっと、じっと、しててください」
嫌われ者ちゃん「……ごめんね」
嫌われ者ちゃん「……かかった、かな?」
嫌われ者ちゃん「左手を挙げてください」
嫌われ者ちゃん「……うん、よし」
嫌われ者ちゃん「時間もないし、遅くなると悪いから、早くすませちゃうね」
嫌われ者ちゃん「……! じゃ、じゃあ、今度は、大好きって」
嫌われ者ちゃん「大好き、大好き、○○くん、大好き……」
嫌われ者ちゃん「……あの、あ、あい……」
嫌われ者ちゃん「愛してるって、私の耳元で、囁いて、くだ、さい」
嫌われ者ちゃん「私の、名前も、最初に、つけて」
嫌われ者ちゃん「……〇、〇くんの顔、赤いね。な、なんでだろ。潜在意識っていうのかな」
嫌われ者ちゃん「わ、私も、多分、赤いんだろうな。み、耳まで、熱いや……」
嫌われ者ちゃん「でも、記憶には残らないから。勘弁してね」
嫌われ者ちゃん「……記憶に、残らないんだよね」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「あ、あの! ○○くん!」
嫌われ者ちゃん「こ、声、上擦っちゃった。は、恥ずかしいな、えと、○○くん……」
嫌われ者ちゃん「○○くん……わ、私のこと……」
嫌われ者ちゃん「私のこと、抱いてください!」
嫌われ者ちゃん「……あれ? なんで○○くん硬直するんだろう……おかしいなあ」
嫌われ者ちゃん「そういうシーン見るたびに、○○くんが頭に浮かんできて」
嫌われ者ちゃん「もし○○くんに抱かれたら、どういう気持ちになるんだろうなあって」
嫌われ者ちゃん「多分、幸せな気持ちになるんだろうな、って……」
嫌われ者ちゃん「夜寝る前とか、枕に顔うずめて、そういうの、想像したり……」
嫌われ者ちゃん「な、なんて、気持ち悪いよね、あはは、でも」
嫌われ者ちゃん「……でも、私は、○○くんのこと、好きだから……」
嫌われ者ちゃん「〇〇くん、痛いよお。そんなに、強く抱きしめられたら……」
嫌われ者ちゃん「し、しがみつくって、感じだね。私の方が、年上だもんね……」
嫌われ者ちゃん「む、むしろ、私が、○○くんを、抱きしめた方が、自然なの、かな……へへ」
嫌われ者ちゃん「す、すごくドキドキする。幸せを、感じてる暇がないね」
嫌われ者ちゃん「へへ……○○くん……○○くん」
嫌われ者ちゃん「……?」
嫌われ者ちゃん「どうして顔を上げるの?」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「……え?」
嫌われ者ちゃん「あ、え、あ? え? え?」
嫌われ者ちゃん「え? ○○くん? ど、どうしたの、え? んぅ!?」
嫌われ者ちゃん「んー!! むう! んぁ、ぷはぁ!? ……○○、くん、どうしたの、どうしちゃったの?」
嫌われ者ちゃん「だ、駄目だよ、放して!? は、放して!! この、う、うう……」
嫌われ者ちゃん「や、やだ……○○くん、やだよぉ……あ、や!」
嫌われ者ちゃん「やぁ……あ、ん。あ……ひっく、う、うう、うく……」
嫌われ者ちゃん「……放して、放してよぉ……うぅ、ひっく……うぇえ」
嫌われ者ちゃん「……ど、どうして、○○くん、私、ただ、抱いてって、言っただけなのに……」
嫌われ者ちゃん「どうして、○○くんが、謝るのぉ……操られてるの、○○くんなのにぃ……」
嫌われ者ちゃん「ごめんね、ごめんね、ごめんなさい……」
嫌われ者ちゃん「……あ、○○、くん」
嫌われ者ちゃん「……○○くん、あの」
嫌われ者ちゃん「……出よっか」
嫌われ者ちゃん「……○○くん、なんだか、よそよそしかったなあ。どうしてだろう」
嫌われ者ちゃん「潜在意識が、私を避けてるのかなあ」
嫌われ者ちゃん「……うう、私が、変なこと、いわなかったら……」
嫌われ者ちゃん「○○くん、年頃だもんね……そういうこと、興味あるよね、そうだよね……」
嫌われ者ちゃん「このままよそよそしいのやだよお。でも、○○くん、記憶ないのに、どうしたら」
嫌われ者ちゃん「そういうの、私に対して無いと思ってたなあ。だって、○○くん、いつも優しいし」
嫌われ者ちゃん「……優しいから、潜在意識でも気にしちゃうのかなあ」
嫌われ者ちゃん「……すごく、怖かった」
嫌われ者ちゃん「……でも」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「……〇〇くんと、このままは、やだよお」
嫌われ者ちゃん「うん……○○君。あのね」
嫌われ者ちゃん「……あのね」
嫌われ者ちゃん「……今から、また、いいかな」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「……○○くん、あの、あのね……」
嫌われ者ちゃん「……昨日のこと、気にしてますか?」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「そうだよね、気にしてるよね。やっぱり、潜在意識がそうなるんだ」
嫌われ者ちゃん「……ごめんなさい。私が、変なこと言って。本当に、ごめんなさい」
嫌われ者ちゃん「抱いてだなんて、い、今思うと、うう、ご、ごめんね……ごめんね……」
嫌われ者ちゃん「でも、私がいくら言っても、○○くんは気にしちゃうよね。○○くんは本当に、優しいから」
嫌われ者ちゃん「……だから、だからね?」
嫌われ者ちゃん「……ふーっ」
嫌われ者ちゃん「……私が、昨日の○○くんを肯定すれば、○○くんは気にしなくなるよね?」
嫌われ者ちゃん「…………は、恥ずかしかった、けど、あの、ご、ごご、ゴム、買って、きた、から……うう……」
嫌われ者ちゃん「……? なんで吹き出すの? 顔もすごく赤いね。大丈夫?」
嫌われ者ちゃん「今日は、○○くんの、好きにしていいです」
嫌われ者ちゃん「私に、好きなことをしていいです」
嫌われ者ちゃん「でも、あの、せめて、あの、ちゃ、ちゃんと、ゴムは、つけてください」
嫌われ者ちゃん「じゃないと、大変なことに、なると思うので」
嫌われ者ちゃん「……はい、お願い、終わりです」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「……どうぞ」
嫌われ者ちゃん「気にしなくて、いいから。○○くんは、私のことなんて、気にしなくていいから」
嫌われ者ちゃん「わ、私と、楽しく、お話ししてほしいから」
嫌われ者ちゃん「わ、私、それだけが、本当に、楽しみで」
嫌われ者ちゃん「○○くんがいないと、私、だめ、だから」
嫌われ者ちゃん「だから、お願い、します。きらわ、ないで……」
嫌われ者ちゃん「本当の、こと? 本当のことって……」
嫌われ者ちゃん「………………え?」
嫌われ者ちゃん「……え? え、いや、あの……」
嫌われ者ちゃん「……かかって、ない?」
嫌われ者ちゃん「……あ」
嫌われ者ちゃん「ぅあ、ぁああぁ、うあ、うあ、うああ、あああああ」
嫌われ者ちゃん「はうあ」
嫌われ者ちゃん「……どうして、かかったふりしたの?」
嫌われ者ちゃん「気持ち悪いよね。催眠術かけてくるなんて」
嫌われ者ちゃん「……泣きそうだったから? うう……本当にごめんなさい……」
嫌われ者ちゃん「それに、役得だった? なにが……え、いや、あの……」
嫌われ者ちゃん「す、好きだって、言ってくれて、嬉しかった……? え、あ、ああ、あ!!!」
嫌われ者ちゃん「ああ、うあああ!! うあああああ、え、え?」
嫌われ者ちゃん「……本当に? ○○くんも?」
嫌われ者ちゃん「……本当に?」
嫌われ者ちゃん「……あ、ぅあ」
嫌われ者ちゃん「あ、熱いね、ここ、あ、汗が、こぼれちゃって、あ、○○くんに当たっちゃうよ」
嫌われ者ちゃん「……嬉しい」
嫌われ者ちゃん「本当に、嬉しいよお」
嫌われ者ちゃん「今からは、本当に、恋人同士」
嫌われ者ちゃん「……ん」
嫌われ者ちゃん「に、2回目だね、あ、厳密には、3回目、かな。へへ、昨日、2回だもんね」
嫌われ者ちゃん「こ、こういうの、ソフトっていうんだね。へへ、○○くんって、案外おしゃまだね」
嫌われ者ちゃん「あ、う、そ、そこは……」
嫌われ者ちゃん「……あの、うん……」
嫌われ者ちゃん「……」
嫌われ者ちゃん「……ちょっと、待って」
嫌われ者ちゃん「…………怖いけど、とても怖いけど」
嫌われ者ちゃん「あの、精一杯愛してくれるなら、目いっぱい優しくしてくれるなら……」
嫌われ者ちゃん「……いいよ」
でも全然面白かったぞ>>1乙
引用元: 毎日3時間睡眠でやっとのこと催眠術(インチキ)を習得した嫌われ者ちゃん「……けほっ、あいつらお腹ばっか殴ってくる……」