7500字程度
女「君も僕の体がほしいのかい?」男「えっ!?」~私と僕と欲張りショートケーキ~
の続編です。
前作を先に読んで頂けたらと思います。
いいね、続きが読みたい、と書いてくれた方がいて、嬉しくなって書きました。
SS的記号、効果音等の表現はありません。
ここで登場する統計、仮説、理論等は、実際にあるものもありますが、筆者が適当に書いてます。
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女「前にも話したけど、女性は男性の心に執着する傾向にあるんだ」
俺と彼女は公園を歩きながら、話をする。
男「オスとメスの体の構造と役割の問題からそういう傾向になるんだっけ」
女「そうだよ。あくまで仮説だけどね」
女「まだ人間が経済も社会も手に入れる前を例として考えると」
女「メスが体の中で、子孫を育てて、子孫を生む」
女「それが絶対の前提条件としてある」
男「確かに『メスの体が弱いから今回はオスが出産する』なんてのはあり得ないことだな」
女「妊娠、出産するのは女性の役割、ここまではいい」
女「問題はここからだよ。」
女「君は妊婦さんを見たり、話を聞いたりしたことあるかな?」
男「姉ちゃんが姪っ子を産んだときにいろいろ聞いたな」
女「なんて言っていた?」
男「体調は悪いし、体は痛いし、最悪だったって」
女「そうなんだよ」
女「僕は妊娠したことないけど、僕が知ってる例を少しあげるとけど」
女「妊娠すると、いままで通りにはいかないんだ」
女「お腹が大きくなると足元が見えない、重心の位置が大きく変わるから歩くのも大変なんだ」
男「姉ちゃんは腰も痛いって言っていたな」
女「お腹に常に数キログラムのおもりを抱えているようなものだからね」
女「腰が痛いからって、そのおもりをおろせるわけじゃない」
女「体調だってそうだ」
女「吐き気があったり、頭痛が続いたり、陣痛がつらかったりね」
男「陣痛は姉ちゃんも言っていたな」
男「死ぬほどつらい生理痛みたいだって」
男(男の俺には生理痛がそもそもわからんけど、辛そうだった)
女「話を戻すけど」
女「そんな状態で、食料を求めて動き回ったり、外敵と戦うことはできない」
女「だから男の協力が必要になってくる」
女「ここで男に協力する意思がないと、女にとっては非常に好ましくない状況になる」
女「では男の協力を得るためには、どうすれば良いのか?」
女「男の心をしっかりつなぎ止めれば良い」
男「だから、女性は男性の心に執着する傾向にあるんだな」
男「極端な例を挙げると」
男「つがいの女がどんなに男と体を重ねたとしても、男につがいの女を守る意思がなければ意味がない」
男「逆につがいの男がどんなに他の女と行為をしても、つがいの女を守る意思さえあれば」
男「つがいの女は子孫を残すという命題は達成できるわけだな」
俺は彼女の小難しい話を理解できて、思わず顔がほころぶ。
女「その通りだね。もっとも僕はそんな男は軽蔑するけどね」
彼女は険しい顔をして、冷たく言い放った。
男(ま、まずい)
俺は浮気を肯定するような発言に気付いて、慌てて取りつくろう。
男「俺も不特定多数の女性と行為を行うような男は軽蔑する」
女「……そうか」
男「そ、そうです」
女「……」
男(やらかした)
男「……」
男「そうだ。姉ちゃんがこんなこと言っていたな」
女「……なんて?」
男「中には、『妊娠中でも病気じゃないのだから、甘やかさない』みたいに考える人がいるけど、逆だって」
男「病気じゃないのだからこそ、薬を飲んで寝ていれば治るわけじゃないって」
男「相手の痛みや苦しみが、分からないからこそ」
男「相手が辛そうだったら、相手を思いやって行動して、協力することが大切だって」
女「……そうだね」
女「男が体に執着するのは『子孫を残す』という命題に沿って効率化した結果」
女「女が心に執着するのも『子孫を残す』という命題に沿って効率化した結果なんだ」
女「考え方が違っても、目的が同じもの同士で協調できるといいね」
男「そうだな。そう思う」
男「……」
女「……」
俺と彼女は公園を一通り散歩して、また公園の入り口に帰ってきた。
男「そろそろ良い時間だし、約束の店に行こうか?」
女「そうだね。散歩してお腹もすいたし、行こう」
俺と彼女は約束の店に向け歩きだした。
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僕と彼は約束の店に向かっている。
彼は優しい。男性から見たら小柄な僕の歩幅に合わせて歩いてくれている。
そんなとき、不意に彼の足が止まった。
僕は一歩先を行く形になり、彼の方を振り返る。
どうやら彼のスマートフォンに着信が入ったようだった。
彼は僕に視線を向けてくる。
女「電話、でていいよ」
男「ごめん」
彼はスマートフォンを操作する。
男「もしもし……、え!?……、……それで大丈夫なのか?」
電話に出た彼の口振りや、表情をみると、どうも良くないことが起きたみたいだった。
僕は、彼の電話が終わるのをじっと待つ。
男「……わかった。すぐ行く」
どうやら終わったみたいだった。彼が僕に向き直る。
男「ごめん! 急用ができた」
女「何だって?」
男「田舎の爺ちゃんが倒れて頭を打って、救急車で運ばれた」
女「大変じゃないか! すぐに行かないと!」
男「ごめん。埋め合わせは必ずするから」
女「いいから」
男「ごめん!」
彼は僕に背を向けて走り出した。
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「……ただいま」
僕は彼と別れたあと、独りでそのまま自宅に帰って来ていた。
僕の部屋は、いつも以上に整えてある。
予定では昼時まで散歩し、約束の店で食事して、この部屋の模様替えを手伝ってもらう予定だった。
だというのに、散歩だけして終了とはね。
僕はクローゼットを開けた。
乱雑に積み上げられた衣類の上に鎮座する物体を取り出す。
物体の正体は大型犬ほどの大きさがあるクマのぬいぐるみだ。
それを抱えたまま、ベットに転がり込む。ふて寝だ。
この子の本来の定位置はここなのだ。彼が来たとき、引かれないためにしまっておいた。
女(お腹が空いた)
女「……」
女(ショートケーキのイチゴを、横から掠め取られた気分だ)
もちろん彼は悪くない。あの状況で僕を優先するようなら、それこそ軽蔑する。
けれども今の気分と、それは別問題だった。
ぬいぐるみの頭に、僕のアゴをのせながら部屋の隅を眺める。
そこには、姿見の鏡があった。自然と昨日のことが思い出される。
出かける服装はどんなものが良いか、鏡では見えない所まで、鏡の前で散々悩んだ。
クローゼットの衣類はその成れの果てだ。
彼に話そうとした話題も今更ながら思い出す。
『料理は愛情』という言葉がある。愛情があれば、適当に作ってもどんな料理もおいしくなる。
そんな意味ではないだろう。大切な相手に食べさせるならば、慎重に料理したり、時間のかかる手間をいとわない。
だからこそおいしくなるのだろう。
僕が昨日、服装について悩んだのも、つまるところ、そういうことなのだ。
どうでもいい相手と会うのに、服装なんて悩まないのだ。だというのに。
女(料理のことを考えたら、余計にお腹がすいた)
女(でも動きたくない)
女(もう何もしたくない)
僕はいつものこの子を抱えて、ついで空腹も抱えながら眠りの中に落ちていった。
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俺は休み時間に彼女と話す。
幸い俺の爺ちゃんは大したことなかった。
頭を打って、少しの間は意識が無かったけど、さしたる後遺症もない。
検査入院を終えたら、すぐに退院できた。そのことを話すと彼女は笑ってくれた。
約束を破ったことも許してくれた。
女「君は『料理は愛情』って言葉について、どう思う?」
男「どうって、素敵だなって思うよ」
女「素敵って?」
男「……」
俺には思うところがあったが、それを彼女に話して良いものか、引かれやしないか考えていた。
女「……」
男「……子供のころ見たアニメの話なんだけど」
俺は悩んだ末に話すことにした。
男「主人公が家出して、とある若夫婦の家に転がり込むんだ」
女「うんうん」
彼女は興味深そうに話を聞いている。どうやらアニメに偏見はなさそうだ。
男「その夫婦は、朝に目が覚めたら、まずふたりで掃除から始めるんだ」
男「なんで掃除するのか? って聞いたら、奥さんがこう答えるんだ」
男「『大好きな人にはいつも綺麗な場所で生活してもらいたいから』って」
男「次に二人で料理を作るんだ。そしてご馳走を作る」
男「今日は何かの記念日なのか? っ聞くと旦那さんがこう答えるんだ」
男「『違うよ。大好きな人には美味しいものを食べて、いつも笑顔でいてほしいから』って」
男「『料理は愛情』って言える人は、そういうふうに言える大切な人がいるってことだと思う」
男「だから、そういった意味で素敵だと思う」
男「自分のためだけに料理する人の口からは、『料理は愛情』なんて言葉はでないと思う」
女「そうか、素敵な考え方だね」
女「そのアニメ、僕も見たいな。なんてタイトルなの?」
男「い、いや、タイトルは忘れちゃったな」
女「そうなの、残念」
男(嘘だ。本当は覚えている。)
男(だが女性に見せていいのは、ジブ〇アニメ、ディズ〇ーアニメぐらいと相場が決まっているのだ。)
男「……」
女「……」
女「……そうだ」
女「この前、約束のお店に行けなかったから、次の休みに行くのはどうかな?」
男「……ごめん、その日は予定がある。また今度、別の日にしてくれ」
内心は予定をキャンセルしたいぐらいだったけど、彼女の申し出を断った。
女「そ、そうなんだ」
彼女は断られると思ってなかったみたいで、驚いたような様子だった。
女「予定があるなら仕方がないね」
女「ならこれは知ってるかな」
女「男性は女性より、異性の年齢を気にする傾向にあるのだって」
女「何故なら──────」
彼女はなんでもない様子でまた話し始める。
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僕は次の休みの日、昼前に最寄りのコンビニに向け独り歩いていた。
彼を約束の店にもう一度誘う。それは決定事項だった。
後は誘うタイミングだけだと思っていた。だが甘かった。
断られたので、今日は完全に予定がなくなってしまった。
しかし、タイミング良く注文していた書籍が届いていたので、これから受け取りにいくところだった。
コンビニについたら、お弁当も買っちゃおうかな。そして一日、自宅で読書して過ごすんだ。
彼は言っていた。自分のためだけに料理する人の口からは、『料理は愛情』なんて言葉はでない。
その通りだ。自分のためだけに手間をかけ料理を作ろうとは、今はとても思えなかった。
コンビニはこの先を真っ直ぐ進むと丁字路があり、道路が交わるその左隅にあった。
女(あれ?)
僕はコンビニに近づいたときに気付いた。
コンビニには、配送に来たトラックが駐車場に一台止まっていた。
その向こうに彼が見えた。
運転席の横窓とフロントガラスを通して姿を捉えたが、間違いなく彼だった。
女(こんなところで会えるなんて)
彼には今日は会えないと思っていた。それなのに彼に会えて僕の気分は舞い上がった。
すぐに彼に話かけようと思った。しかし
今日の服装は変じゃないかな?
髪型は変じゃないのかな?
そんなことばかりが頭をよぎり、トラックの影から僕はなかなか出ていけなかった。
?「男ちゃん!」
突然、見知らぬ女の子の声で、彼の名前が呼ばれた。それもちゃんづけだった。
声のした方を見ると僕や彼より、いくつか年下に見える可愛いらしい女の子がコンビニから出て彼に近づいていく。
彼には姉がいるという話は聞いたけど、妹がいるとは聞いてない。
それにもし妹なら、呼び方はお兄ちゃんだろう。
名前にちゃんづけはしないはず、いったいどういうこと何だろう。僕は激しく動揺した。
男「遅いぞ」
?「女の子にはいろいろあるんだよ!」
?「男ちゃんにはどうせ、わからないかもしれないけどね!」
男「どうせ俺にはわかりませんよ」
二人は親しげに言葉を交わしていく。
彼の表情も僕といるときには見せない柔らかい表情だった。
いったいどういう関係なんだろう。僕は隠れて様子をうかがう。
?「私は─────────────」
男「─────俺は────────」
二人の会話をもっとよく聞きたかった。
けどすぐ近くのトラックが荷物の積み下ろししており、その音が大きくてよく聞こえない。
そうこうしているうちに、二人は僕がいる方とは反対方向に歩き始めてしまった。
僕は二人の後姿を眺める。
女「な?!」
なんと女の子が彼の腕に抱き着き、腕を組んで歩いていく。
僕は唖然と立ち尽くした。
女「……」
女(俺って言ってた。それに敬語じゃなかった)
女(僕には敬語なしで話してくれるまで、すごく時間がかかったのに)
女(それに予定ってあの女の子と会うことが予定だったの?)
女「……」
僕はコンビニに来た当初の目的さえも忘れてしまっていた。
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俺は休み時間に彼女を探す。
予定が合わずに行けなかったけど、約束したお店に今度こそ行くんだ。
まずは軽く会話して、こっちから誘うんだ。
俺は彼女を見つけ話しかける。
男「こんにちは」
女「……こんにちわ」
彼女の様子に違和感を覚える。彼女はいつも元気一杯というわけじゃない。
だけど彼女はもっとハッキリとした受け答えをする。
男「……なにかあった?」
女「……なんで?」
男「なんかいつもよりも暗いから」
女「根暗で悪かったね」
男「いや、そんなことは言ってない」
女「……」
男「……」
女「僕は……どうせあの子みたいに……明るくないよ」
男「あの子?」
彼女は何かを呟いたが、俺にはよく聞こえない。
男「……それにいつもなら面白い話題を振ってくれるのに、今日は黙っているしさ」
女「……そう」
女「なら前にも話したけど、今、最も面白い話題ね」
女「今日の話題は前と同じ」
女「男性は女性より異性の年齢を気にする傾向にあるってことについて」
女「君の意見を聞かせてもらおう」
女「君も」
女「どうせ若い女が好きなんでしょ!?」
男「」
彼女はキッと俺を睨みつけながら言った。
逆に俺が冷静になってきたな。
それに若いって俺も彼女も十分若いと思う。
でもそんな回答で満足しそうにはないな。
問題は俺が若い女が好きって思われていることかな。
女「さあ、僕に何か弁解はないのかな!?」
いつのまにか意見を聞くはずが、弁解に変わっている。
男「……」
女「……」
男「まずなぜ男性は女性より異性の年齢を気にする傾向にあるのか?ってことだけど」
男「第二次性徴を迎えて、生殖器が生殖可能になっても、死ぬまで生殖可能か? っていうと違う」
男「男女ともに生殖可能な期間は限りがある」
男「それでどちらかというと、女性のほうが生殖可能な期間が短い」
男「だから男性は女性より異性の年齢を気にする傾向にある」
男「という仮説だったよね」
男「スケベ心でそうなんじゃなくて『子孫を残す』という命題に沿って効率化された結果」
女「……」
男「ここからは俺の意見だけど、若い女が好きか?って聞かれたら、好きなんだと思う」
女「やっぱり」
男「でも、じゃあ若ければいいのかっていうと違う」
男「それにさんざん話した、重大な要素を君は忘れている」
女「重大な要素?」
男「『心』だよ」
女「!?!?!?」
男「男は体に執着する、若い女が好き、どっちも正しいよ」
男「けどそれは傾向ってだけだよ」
男「あくまでも傾向、どちらかといえばっていうだけ」
男「そりゃ体だけに執着する、クソ野郎もいるんだろうけど俺は違う」
男「俺は女性の体だけがほしいわけじゃないよ」
俺は彼女の目を真っ直ぐ見つめて言った。
男「俺が女性の年齢と体だけを見てる、クソ野郎だと思われたのは心外だな」
女「……ごめんなさい」
男「わかってくれればいいさ」
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女「そういえば、あの子は結局、誰だったの?」
男「あの子?」
女「コンビニの前で二人でいるのを見たよ」
男「あ~、見られてたのか」
男「声をかければ、良かったのに」
男「俺の実家の近所に住む。幼馴染の女の子だよ」
男「親父さんが転勤するから、一緒にこっちにくるんだって」
男「それでこの辺の案内してたってわけ」
女「そうなんだ。仲良さそうにしてたけど」
男「小さい頃から付き合いだから、遠慮がないだけだ」
男「ベタベタしてくるし、妹みたいなモンかな」
女「そうなんだね」
彼女はなんだかニコニコしている。
男(幼馴染といるのを見られてたってことは)
男(もしかしてロリコン疑惑が、かかってたってことか?)
男(疑惑が晴れれば、上機嫌にもなるか?)
俺はその後、次の休みに二人でショートケーキが美味しい店に行くことを、
彼女と改めて約束した。
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女「で、……どうしてこうなってるのかな?」
男「……一緒に行きたいって、きかなくて」
幼「私は男ちゃんの幼馴染です。よろしくお願いします!!」
幼「男ちゃんがいつもお世話になってます」
幼「あなたのことは私は、よく知ってます」
幼「男ちゃんがあなたのことを、よく話してくれますから」
女「へぇ、……まあいいや」
女「話しながら行こう」
いつの間にか、三人で行くことになっていた。
女「僕は以前に彼と話してたんだ。男性は体に執着するんだって」
そう言って女は両手で、俺の左手を掴んだ。
両手で掴んだため、自然とその豊かなおっぱいが寄せられる形になった。
俺の視線も吸い寄せられる。
男「っ……」
男(いかん、いかん)
幼「……」
幼「私も聞きました。男の人は若い女の子の方が好きなんでしょ?」
今度は幼馴染が、俺の右手を掴んでくる。
そのまま、俺の隣に寄り添うように並んだ。
短いスカートから伸びるふとももに、俺の手の甲が添えられる。
綺麗なふともものすべすべの感触が伝わり、思わず幼馴染の足を眺めてしまう。
男「……」
男(はっ!)
男(だめだ、だめだ)
女「……」
女「若い女の子が好きなんじゃなくて、傾向があるってだけだよ」
そう言いながら、女も俺の左に並ぶ。
幼「それなら、体に執着するのも、傾向があるってだけですよね」
彼女たちは俺を挟んで、視線を合わせて小さく微笑む。
女「ふふ」
幼「あは」
彼女たちの方が、俺より小柄なので表情はよくわからない。
しかし、何かが通じ合ったようだ。
男「?」
幼「そうなんですか。私も好きですよ」
幼「けど私の方がショートケーキは好きだと思いますよ」
幼「小さい頃から、ずっと好きだったから」
男「??」
男(そんなに、好きだったんだ?)
男「じゃあ二人とも、ショートケーキを注文するんだな?」
女「……」
幼「……」
男「???」
女「ふふふ」
幼「あはは」
女「そうだね。そうするよ」
女「でも、僕たちが話していたのは、分けられないショートケーキの話だよ」
男「分けられないショートケーキ?」
幼「私ね」
幼「ひと切れのショートケーキのイチゴだけとか、スポンジケーキだけとか」
幼「そんなのショートケーキを食べたことにはならないと思うんだ」
男「????」
女「女の子は、みんな欲張りなのさ」
男「?????」
女「ふふふ」
幼「あはは」
ふたりは、なんだか楽しそうに笑った。
彼女たちにとってのショートケーキがなんなのか、俺にはまだ分からない。
女「どうせ若い女が好きなんでしょ!?」男「」~私と僕と欲張りショートケーキ2~
終わり
読んで頂き本当にありがとうございました。
不愉快になられる方もおられるかもしれませんので、興味ある方だけ読んで頂けたらと思います。
女のシーンを女の一人称視点にしたのはどうだったでしょうか?
章で区切りをつけましたが、視点がブレて読みにくくなってしまいましたか? それとも許容範囲内ですか?
それとも今作から全文を三人称視点の方が良かった?
でも一作目は男の一人称視点だから、男のシーンはそのまま一人称視点にしたいと思いました。
もしくは男のシーンは一人称、女のシーンは三人称の方が良かったですか?
ご意見をお聞かせください。
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