―――――――――社長室
海馬「俺のターン……!ドロー!」ペラッ
ジャイアントウィルス
海馬「う……うむ……」
海馬(もう一度だ)
海馬「俺のターン……!ドロー!!」ペラッ
ドラゴンを呼ぶ笛
海馬「な……なぜだ、なぜブルーアイズが来ない……」
――――――――――――――――――――――――
このSSは敢えて遊戯王経験者の多いVIPで書いてます
――――――――――――――――――――――――
磯野「お時間です」
海馬「……わかった、すぐ向かう」
海馬(海馬コーポレーションは軌道に乗り、今では世界を代表する一大企業に成長した)
海馬(俺も今では遊戯王協会会長を務めるまでになった)
海馬(しかし……)
海馬(――最近、思い通りにカードが引けないのだ――)
―――――――――――――――――――――――――――
―――――大会会場
司会「さあ、始まりました、プロ復帰リーグ決勝戦」
司会「一度プロを引退した選手も再びプロの世界へ戻る機会を掴むことが出来るこの大会!」
司会「今回決勝まで上り詰めた決闘者は……!」
司会「インゼクター羽蛾だ……!!」
司会「このリーグでは決勝戦で海馬コーポレーション社長、海馬瀬人とデュエルし、認められればプロに復帰できるというシステムなのですが……」
司会「いかが思われます?解説の孔雀舞さん?」
舞「海馬瀬人は世界でもトップクラスのデュエリスト、そう簡単には……」
羽蛾「今日という今日はお前を倒してプロに戻ってやるぜヒョヒョヒョヒョ」
海馬「雑魚が何度挑もうと、貴様に俺は倒せん」
羽蛾「インゼクター羽蛾になった俺の力を見せてやるぜぇ?」
海馬・羽蛾「デュエル!」
海馬「俺の先攻……!手札は……」
青眼の白龍 白竜降臨 融合 収縮 巨大化
海馬(……!?)
海馬「お……俺はカードを一枚伏せてターンエンドだ……」
羽蛾「あれぇ?海馬社長ォ?手札事故かなぁ~~??」ヒョヒョヒョ
海馬「フ……貴様相手など、この程度手加減せねば面白く無いからな」
羽蛾「言ってくれるねぇ……でも次のターンまでそんな余裕があるかなぁ?」
羽蛾「俺のターン、ドロー!」
羽蛾(ヒョヒョッ良いカードが引けた)
羽蛾「手札からブリューナクの影霊衣を発動……!」
海馬「なに!?インゼクターでは無いのか!?」
羽蛾「もうインゼクターなんて古い古い。今は影霊衣(ネクロス)の時代だよ?」
海馬(……なぜインゼクターに改名したんだ……)
羽蛾「エクストラデッキからシューティングクェーサードラゴンを墓地に送り、ヴァルキュスの影霊衣と、ユニコールの影霊衣を特殊召喚だ!!」
ヴァルキュスの影霊衣 攻撃力2900
ユニコールの影霊衣 攻撃力2300
海馬(上級モンスターが1ターンに2体……!)
羽蛾「これでお前のライフ4000は消し飛ぶぜ?ヒョヒョヒョヒョヒョ」
羽蛾「ヴァルキュスの影霊衣、攻撃だ!!」
海馬「……伏せカードオープン!収縮!モンスターの攻撃力を半分にする!」
ヴァルキュスの影霊衣 攻撃力2900→1450
羽蛾「そのまま攻撃だ!ユニコールも行けぇ!!」
海馬「うぉわぁぁぁぁぁぁああああ」
海馬 LP250
海馬「おのれ……貴様……!」
羽蛾「僕はこのままターンエンドだよ」
海馬(このままでは……負ける……この俺が?)
海馬「ドロー!!」ペラッ
和睦の使者
海馬(なぜモンスターが来ないのだ)
海馬「伏せカードを一枚セット、ターンエンドだ」
羽蛾「俺のターン、ドロー!」
羽蛾「俺は二枚目の影霊衣の万華鏡を発動、クラウソラスの影霊衣を召喚するよ」ヒョヒョッ
クラウソラスの影霊衣 攻撃力1200
羽蛾「社長、今度こそ終わりだね、ダイレクトアタック!」
海馬「和睦の使者発動!」
羽蛾「はは、命拾いってところだね?ターンエンド」
海馬「……」
海馬「……俺のターン、ドロー!!」ペラッ
マンジュ・ゴッド
海馬(よし!)
羽蛾「やっと事故から開放されたみたいだねヒョヒョ」
羽蛾「でも僕の場には強力なモンスターが3体揃っている」
海馬「そんなもの、蹴散らしてくれるわ!」
海馬「儀式魔法発動!白竜降臨!マンジュ・ゴッドを生贄に、白竜の聖騎士を召喚!!」
海馬「白竜の聖騎士の効果を発動!!」
海馬「出でよ、我が最強のモンスター、青眼の白龍!!!!」
青眼の白龍 攻撃力3000
羽蛾「でも攻撃力3000如きじゃ僕のライフは0には出来ないよ?」ヒョヒョヒョ
海馬「手札より、巨大化発動」
羽蛾「……ヒョ……?」
海馬「ブルーアイズの攻撃力は倍になり、6000……!」
海馬「ブルーアイズよ、虫男のクラウソラスを攻撃しろ!滅びのバーストストリーム……!!!」
羽蛾「うわぁぁぁぁぁ」LP0
海馬(くっ……こんな奴にLP250まで追い詰められるなど……)
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
――――社長室
海馬(どうして思い通りに引けなくなったのだ)
海馬(昔は1ターン目でマンジュ・ゴッドがきていたはず……!)
ドン!
モクバ「兄様、大変だ!」
海馬「どうしたモクバ」
モクバ「昨日の兄様のデュエルの影響か、海馬コーポレーションの株が暴落してるんだ!」
海馬「な……なんだと……」
―――――次の日
海馬(なんとか大暴落までは防ぐことはできたが……)
ドンッ!
モクバ「兄様、大変だ!!」
海馬「今度はどうした!」
モクバ「これ、見てくれよ」
海馬「雑誌だと……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
最弱!非プロデュエリストに追い詰められる海馬瀬人!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
プロデュエリスト引退の危機か!?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
海馬「俺への……バッシングだと」
モクバ「でもよ……」
海馬「俺のロードは俺自信で切り拓くもの、常に全速前進だ!!」
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
海馬「とは言ったものの……」
海馬(――今と昔では一体、俺の何が違うというんだ――)
海馬(そして、遊戯の成仏)
海馬(俺のとって遊戯の成仏など、直接的な関係は無いはずだ)
コンコン
磯野「せ……瀬人さま、ら…来客、おい、まだ入ってくるな」
???「いいから通せよー!」
城之内「ちーっす、海馬ー!」
海馬「じょ……城之内……」
城之内「なんでわざわざ言い直してんだよ!」
海馬「フッ……もう凡骨ではないな」
城之内「か……海馬……!」
海馬「…運だけデュエリストと言ったところか…」
城之内「んだとテメェ!……でも正直否定出来ないぜ……」
磯野「せ、瀬人さま、いかが致しましょう……?」
海馬「構わん、磯野は下がってくれて構わない」
磯野「は、はい。では失礼します」
城之内(昔よりだいぶ部下に対して優しくなったんだな)
海馬「最近はどうだ、運だけデュエリスト」
城之内「なんとか上手くやってるぜ。プロとしてな!」
海馬「貴様は一度プロの世界から追い出された身……」
城之内「おかげ様でなんとか戻ってこれたぜ……」
※時間があれば、前作を読んでいただけるとより楽しめるかと思います
城之内「最近遊戯とは会ってるのかよ?」
海馬「……俺も交友などというものにうつつを抜かしているほど暇ではない」
城之内「……確かに、もうこの歳だ」
城之内「それぞれの人生もあるし、なかなか会えないよな」
海馬「……そうだな」
城之内「つか海馬、なんてシケた面してんだよ」
海馬「俺が……シケた顔だと……!」
城之内「そうだよ、ほれ、鏡見てみ」
海馬「……確かにな……」
城之内「昔の自信満々、強靭無敵最強はどこ言ったんだよ!」
海馬「……」
海馬「ふっ……だが貴様には関係ないことだ」
城之内「……」
海馬「……」
城之内「……昨日の羽蛾とのデュエル、見たぜ……」
海馬「……」
城之内「ネット中継されてたからな」
城之内「……らしくねえ、デュエルだったな」
海馬「……貴様には関係ないことだ」
城之内「デュエリストとしてのお前の気持ちは、理解できるぜ……!」
海馬「……!」
城之内「それによ、俺達、なんだかんだで一緒に戦ってきたわけじゃん?」
海馬「……敵であることが多かったがな」
城之内「でもよ、マリクの闇の人格を倒すときも、遊戯を送り出してやるときも、一緒だったじゃねえか」
海馬「……」
城之内「……俺達にもあるんじゃねえかな」
城之内「――見えるけど、見えないもの――」
海馬「……じゃあそれはなんだ」
城之内「……く、腐れ縁……?」
海馬「フッ………フハハ……フハハハハハハ!!」
城之内「……どうしちまったんだよ?」
海馬「いや、あれほど凡骨だったお前がこの俺と腐れ縁とはな」
海馬「雑魚が移るわ」
城之内「くっそぉ、てめえ!!」
城之内「……変わってねえな」
海馬「お前も老けただけでそれほど変わらないな」
城之内「……まあ、海馬コーポレーションはカード事業が盛んだからな」
海馬「――また昂ぶるようなデュエルがしたいものだ――」
海馬「明日は全国大会の決勝リーグだな」
城之内「……俺も来賓で呼ばれてるぜ。そして……遊戯もな!」
海馬「久々に一同集結といったところだな」
城之内「デュエル出来ねえのは悔やまれるがな」
城之内「お前は会長として開会宣言だろ」
海馬「そうだ」
城之内「……楽しみにしてるぜ……!」
海馬「……フゥン」
―――――――――――――――――――――――――――
海馬(……デュエルシティでの熱いデュエル……)
海馬(……デュエルシップでの昂ぶるような死闘……)
海馬(今の俺に足りないのは、あの時のような意地とプライドを駆けた真剣勝負)
海馬(―――見えるけど、見えないもの……だと……――――)
~~~~~~デュエルシティ VS闇・光の仮面
遊戯「勇気を示せよ!海馬!!」
海馬「……面白い!滅びのバーストストリーム!!」
闇の仮面「俺の仮面魔獣が破壊された……!」
遊戯「墓地においたギルファーデーモンの効果だぜ!」
遊戯「これが結束の力だぜ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
海馬(知らない間に、この俺も結束の中に仲間入りという訳か)
海馬(……実に非科学的だ……)
海馬(……だが……)
海馬(――実に面白いぞ……!――)
――――――翌日 大会会場
城之内(いよいよ遊戯に再会できるぜ!!)
城之内(ここが来賓室か……俺が来賓とか、夢のようだぜ!)
ガチャ
遊戯「……城之内くん……!」
城之内「……遊戯、ちゃんと会うのは久しぶりだな……!」
―――――――――――――――――――――――――――
城之内「そんでよ、海馬のやつ、結構悩んでるらしいんだ」
遊戯「……それはもはやスランプっていう程度じゃないみたいだね……」
城之内「これからが心配だぜ……」
―――――――――――――――――――――――――――
―――――大会会場 トイレ
城之内「ふう、スッキリしたぜ……」
城之内「……あれ?控室どっちだっけ?広すぎて分かんねえ……」
城之内「ま……迷子なのか?俺……」
城之内(……仕方ねえ、道を聞くか……)
城之内「あ……あの、すみません、そこの方、ちょっと道を聞きたいんだが……」
???「……え?」
城之内「……は?」
???・城之内「……え?……」
???「城之内……よね?」
城之内「……杏子なのか!!!」
城之内「俺もだぜ……お前の結婚式以来だろ?会うのって」
杏子「……そうね///」
城之内(もう遊戯の嫁なんだよなぁ……)
城之内「遊戯の付き添いできたのか?」
杏子「そうね、久しぶりに日本にも帰ってきたかったし」
城之内(杏子はアメリカに拠点を移した遊戯と共にアメリカで住んでる)
城之内「……折角だし、他の連中も呼ぼうぜ!」
テュルルルルテュルルルル
城之内「お、もしもし、獏良か?」
獏良「あ!城之内くん?」
城之内「今よ、全国大会の会場にいて杏子や遊戯も居るんだけど来ねえか?」
城之内『……!』
獏良『……君の後ろにね……』
城之内『な……なんだよそれ……』
獏良「わあ!」
城之内「う、うわああああ!」
獏良「そんなに驚かないでよ、僕だよ、僕」
城之内「いつの間に後ろに立ってたんだよ……」
獏良「君が電話を駆けた当たりからかな」
城之内「……」
獏良「ホントだよね」
城之内「なんで連絡する前から会場にいるんだよ!」
獏良「僕、今や大手カード販売店の店長ですから」
城之内「……出世したんだな」
獏良「準来賓扱いだよ」
城之内「じゃあ、本田……は居ねえよな」
テュルルルルテュルルルル
城之内「もしもし、城之内だけどよ、本田か?」
本田「……城之内か!おい!久しぶりじゃねえか!」
城之内「遊戯や海馬が日本に戻ってきててよ、杏子や獏良もいるんだ」
本田「俺だけハブってんじゃねえよ!」
城之内「だから、時間あったら来いよ」
本田「すぐ行く、全国大会の会場って東京だろ?それほど遠くないからすぐ行くぜ」
城之内「……あいつなら多分会場に来てるぜ」
杏子「?」
―――――――――――――――――――――――――――
御伽「いやー、みんな集まってるって聞いて飛んできたよ!」
城之内「……大会協賛者席からだろ?」
御伽「よく分かったね」
城之内(御伽はカード事業を新たに起こし、協賛会社になるほどまで成長させた)
城之内(ちなみに今もDDMは一大企業だ)
杏子「……さすがね……」
御伽「ビジネスなんてゲームみたいなものだよ」
―――――――――――――――――――――――――――
本田「わりー、遅れた」
城之内「……本田……!ってえぇぇ!?」
杏子「……その男の子、本田の子?」
本田「そうだぜ、ほれ、みんなお父さんの高校の時の友達だ。挨拶しなさい」
本田Jr「はじめまして」
獏良「可愛いねえ……」
城之内「なんていうか……頭の当たりがよく似てるな」
杏子「あんたが一番老けたわね」
城之内「俺、そんなに老けたかね?」
御伽「一番、ではあるね」
城之内「う……」
獏良「城之内くんは苦労してるからね……」
城之内「でもよ、この雰囲気、昔と全然変わってないぜ……!」
本田「ホントにな、笑えるくらいに変わってねえよ」
獏良「みんな元気そうでよかったよー!」
城之内(……正直お前だけは昔と全然違うだろ……)
「それでは開会式を開始します、来賓の方は至急、お戻りください」
城之内「やべえ、行かねえと」
杏子「また後でね」
城之内「ああ!……」
城之内「……ところで道どっち?」
―――――――大会会場 デュエルフィールド
城之内「いよいよ海馬の開会宣言だぜ!」
本田「あ?海馬がやんのかよ」
城之内「遊戯王協会会長だからな」
本田「やっぱすげえな、あいつ」
海馬『これより、全国大会、決勝リーグを開始する』
海馬『デュエリストの諸君、正々堂々としたデュエルを期待している』
パチパチパチパチ
城之内(この前よりは弱気な感じじゃなかったな)
』
城之内「……ん?どうしたんだ?」
遊戯「……デュエルフィールドに……誰かいる!」
城之内「大会参加者ではなさそうだな」
海馬『……おい、そこの男、そこは新星なるデュエルフィールド、参加者以外の立ち入りは認めん!」
???「……」
海馬『ええい、磯野、河豚田、排除しろ』
磯野「ダメです!デュエルフィールドに入ることが出来ません!」
海馬「なんだと!?」
海馬「……!」
???「貴様が会長など、笑わせてくれるわ!」
海馬「なんだと……!貴様、誰だ!」
???「俺か?俺は……」
カイバーマン「正義の味方、カイバーマン!!」
海馬「……な……なんだと!」
遊戯「あれは……」
城之内「どうなってんだよ」
遊戯「……間違いなくカードの精霊……」
城之内「ま……マジかよ……」
カイバーマン「俺は貴様の代わりになろうと言うのだ」
海馬「……なんだと」
カイバーマン「貴様は今では裏の舞台に引込み、デュエルに関しては弱体化しているそうじゃないか」
海馬「……」
カイバーマン「それに比べ、俺はアニメ出演に始まり、ついにCMまでも登場!」
カイバーマン「再録されたおかげで知名度は爆上げだ!!!」
カイバーマン「大会で開会宣言しかしない今のお前は……もう過去の産物に過ぎない」
カイバーマン「お前こそがオワコンなのだ!」
海馬「……言わせておけば……!」
海馬「これ以上侮辱することは我が海馬コーポレーションへの侮辱とみなす」
カイバーマン「ふっ……デュエルしろ」
海馬「……なんだと?」
本田「……ぶっ飛んでるな」
獏良「……ぶっ飛んでるね」
カイバーマン「勝利したものが真のブルーアイズの使い手!」
海馬「……」
カイバーマン「……なんだ、怖気づいたか……?」
海馬「……いいだろう、その戯言、俺のブルーアイズで叩き潰してくれる……ッ!」
遊戯「久々に生で見れるね……海馬くんのデュエル……!」
城之内(海馬のやつ……ちょっと心配だぜ……)
―――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
カイバーマン・海馬「「デュエル!」」
カイバーマン「俺の先攻、ドロー!!!と言いたいところだが、もう先攻ドローは無くなったんだったな」
カイバーマン「いくら経っても慣れないものだ」
カイバーマン「俺はモンスターを伏せ、ターンエンドだ」
海馬(……俺は今、久々に怒りを覚えている……!)
海馬(俺のプライド、俺のロードを侮辱し、ブルーアイズの使い手だと?)
海馬(フ……笑わせてくれるわ……!!)
海馬「……ッ!!」
海馬「……俺は、手札から古のルール発動!」
海馬「手札から通常モンスターを一体、特殊召喚出来る……!」
海馬「出でよ……史上最強にして究極のモンスター!」
海馬「ブルーアイズホワイトドラゴン……!!!」
城之内「1ターン目からブルーアイズ……!」
遊戯「事故ってない!」
獏良「最近、海馬くんは調子が悪いと噂になってたけど、大丈夫そうだね!」
御伽「いけ!海馬くん!!」
海馬「ブルーアイズよ、敵を蹴散らせ!!滅びのバーストストリーム!!!」
海馬「伏せモンスター、シャインエンジェル撃破」
カイバーマン「フッ……この瞬間モンスター効果発動!」
カイバーマン「デッキからモンスターを特殊召喚する」
カイバーマン「召喚するのはもちろん……」
カイバーマン「正義の味方、カイバーマン!!」
城之内「フィールドに、カイバーマンが二人いるぜ!」
遊戯「カイバーマンの効果は……次のターン、海馬くん……」
カイバーマン「俺のターン、ドロー!」
カイバーマン「ふ……カイバーマンの効果発動!」
カイバーマン「カイバーマンを生贄に、舞い降りろ!ブルーアイズ!!」
杏子「ブルーアイズがフィールドに2体……!」
カイバーマン「……海馬よ、驚いているようだな」
海馬「……ど……どういうことだ……」
海馬「な…なぜそのブルーアイズをお前が所持しているのだ……」
海馬「そのグラフィックのブルーアイズは世界で3枚しか存在しない、出回っているものとは違うカード……!」
海馬「そしてその3枚の所有者は……だた俺1人のはず……」
カイバーマン「それは、俺こそが真のブルーアイズ使いだからだ!」
海馬「な……なんだと……!」
城之内「……ああ、そうだな」
カイバーマン「そして俺は手札からトレードインを発動!」
カイバーマン「手札のブルーアイズを墓地に送り、デッキから2枚ドロー!」
海馬「……2枚目のブルーアイズだと……!」
カイバーマン「新たな竜の力を見せてやろう、手札から銀龍の轟咆を発動!」
―――――――――――――――――――――――――――
速攻魔法
自分の墓地のドラゴン族の通常モンスター1体を選択して特殊召喚する。
「銀龍の轟咆」は1ターンに1枚しか発動できない。
―――――――――――――――――――――――――――
カイバーマン「墓地に眠りしブルーアイズを特殊召喚!」
城之内「二体目のブルーアイズ……!」
カイバーマン「貴様はデッキを昔から殆ど変えていないようだな」
海馬「……そうだ」
カイバーマン「それは貴様が過去の栄光に縋っているということだ!」
海馬「……なんだと」
カイバーマン「手札から、コストダウン発動!」
獏良「あのカードは、生贄を一体少なくできるカード……」
本田「ってことは生贄一体でブルーアイズが出てくるかもしれねえってことかよ」
御伽「でもカイバーマンのフィールドには生け贄にできるモンスターはいない……」
カイバーマン「俺は手札の、3枚目のブルーアイズを召喚する」
海馬「ふ……笑わせてくれる、どいつを生贄にするというんだ」
海馬「まさか、ブルーアイズを生贄にするなんてことはあるまい……」
カイバーマン「フッ……そのまさかだ……!」
海馬「そんな馬鹿な……!」
カイバーマン「生贄にするのは青眼の白龍……お前のな!」
海馬「……!?」
城之内「あのカードは、クロスソウルの相互互換カード……!」
遊戯「相手のモンスターを生贄にしてモンスターを召喚出来るカード」
遊戯「一番の違いは……バトルフェイズが行えること……!」
―――――――――――――――――――――――――――
「帝王の烈旋」
速攻魔法
「帝王の烈旋」は1ターンに1枚しか発動できず、
このカードを発動するターン、
自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(1):このターン、アドバンス召喚のために自分のモンスターをリリースする場合に1度だけ、
自分フィールドのモンスター1体の代わりに相手フィールドのモンスター1体をリリースできる。
―――――――――――――――――――――――――――
獏良「きっとカイバーマンは最初からエクシーズや融合をする気がないんだ!」
御伽「本当の意味でブルーアイズ使いとして勝利するってことか……」
カイバーマン「そしてモンスターすべてでダイレクトアタック!」
カイバーマン「滅びのバーストストリーム!」
カイバーマン「フハハハハ!粉砕!玉砕!大喝采!!!」
城之内「海馬……!」
遊戯「海馬くん……!」
海馬「……俺は伏せカード、和睦の使者を発動していた」
海馬「……これで俺のライフは4000のまま……」
カイバーマン「ふっ……命拾いしたな、海馬瀬人よ」
海馬「……」
遊戯「……物理的にはね……」
カイバーマン「……貴様のターンだ」
海馬「……」
カイバーマン「……なんだ、ドローしないのか」
本田「海馬のやつ、相当うろたえてるみたいだぜ……」
獏良「無理ないよ、自分のブルーアイズを生贄に、ブルーアイズを召喚されるんだから」
御伽「その上自分の大好きなモンスターが総攻撃を仕掛けてくるなんて……」
杏子「……このままじゃ……」
海馬(……俺のブルーアイズが……)
海馬(……ヤツのほうがブルーアイズに相応しいということなのか……)
城之内「……海馬!!」
海馬「……!」
城之内「そんなシケた面してんじゃねえ!!」
海馬「……」
城之内「お前は幾度と無く遊戯や俺を助けたんだ」
城之内「自分の力を信じろ!!」
海馬「……自分の力……」
獏良「社長!頑張って!!」
遊戯「……海馬くん!!」
海馬「……!」
海馬(フッ……滑稽なことだ……)
海馬(貴様らにそんなことを言われるようになるとはな……)
海馬(だが……)
海馬「……俺は負けはしない!」
海馬「俺の戦いのロードに敗北の字は無いのだ!」フハハハハハハハハ
城之内(海馬の高笑い久しぶりに聞いたぜ……!)
海馬「伏せカードオープン!伏せカードを発動する!!」
海馬「リビングデットの呼び声発動!!」
海馬「再び舞い戻れ……我がプライドにして最強の化身(しもべ)……」
海馬『ブルーアイズホワイトドラゴン!』
杏子「場に4体のブルーアイズ……!」
獏良「凄い光景だね……」
カイバーマン「だがブルーアイズ1体では我が3体のブルーアイズには太刀打ちできん!」
海馬「……貴様に究極を見せてやろう……」
カイバーマン「……なに……!?」
海馬「手札から……融合を発動!!」
遊戯「そのまさかだね」
海馬「手札のブルーアイズ2体と、場の1体を融合!」
海馬「ブルーアイズアルティメットドラゴン!!」
カイバーマン「ば……馬鹿な……!」
本田「攻撃力……4500……!」
~~~~~~~大会参加者席~~~~~~~~~
レイン恵「……生で初めて見たわ……」
ツァンディレ「あれが究極のドラゴン……!」
海馬「圧倒的パワーで偽ブルーアイズを破壊しろ!」
海馬「アルティメットバースト!」
カイバーマン「トラップカードオープン!聖なるバリアミラーフォース!!」
海馬「な……なんだと……!」
カイバーマン「お前のアルティメットドラゴンは破壊だ!」
城之内「海馬……!」
遊戯「……やっぱりこうなるんだね……」
杏子「これじゃ海馬くんのフィールドはモンスターが0……」
獏良「次のターンでブルーアイズに攻撃されたら……」
海馬「……残念だったな……」
ペラッ
海馬「融合解除だ!」
カイバーマン「……!」
遊戯「そうか!これならミラーフォースの効果を防ぐことができる!」
城之内「……フィールドにブルーアイズが6体……!」
本田「すげえ光景だぜ」
獏良「これは歴史に残る一戦だよ」
カイバーマン「だが次のターン、貴様のブルーアイズは俺の攻撃によってすべて破壊される」
海馬「……流石だと言いたいが、まだ俺のバトルフェイズは終了していない!」
海馬「伏せカードオープン!最終突撃命令!」
海馬「効果で、すべてのモンスターは攻撃表示になる!!」
城之内「海馬のやつ……そこまで考えて……!!」
白状します
この辺りから主に社長が手札をジェネレートします
時には伏せカードもジェネレートします
ドローした枚数と明らかに違ってきますが
演出のためだからしょうがない
と、割りきっていただくようお願いします
―――――――――――――――――――――――――――
海馬「滅びのバーストストリーム!」
城之内「6体いたブルーアイズが一瞬にしていなくなっちまった……」
海馬「俺は伏せカードを一枚伏せてターンエンドだ」
獏良「海馬くんもカイバーマンも手札を使い果たしている」
本田「こっからは引で勝負ってことかよ!」
海馬「……」
カイバーマン「……昂ぶるぞ……このようなデュエル、久々だ……」
カイバーマン「互いの手札は0枚、モンスターはなし」
カイバーマン「素晴らしい状況だ!」
カイバーマン「お前、最近満ち足りているのか?」
海馬「……何が言いたい……」
カイバーマン「ワクワクするようなデュエルをしているのかと聞いているんだ!」
海馬「……!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
海馬「――また昂ぶるようなデュエルがしたいものだ――」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
海馬「この張り詰めた緊張感、有無をいわさぬ攻防……!」
海馬「そして相手はブルーアイズ……!!」
海馬「これほど充実したデュエル、遊戯との準決勝以来かもしれないな!」
海馬「……ブルーアイズ……」
海馬「ブルーアイズこそ俺の人生!俺の運命!」
海馬「そして、俺の未来だ!!」
海馬「俺の未来を切り開くのはカードの力……!」
海馬「さあ、ドローするがいい!カイバーマン!!」
カイバーマン「俺のターン、ドロー!!」
カイバーマン「フッ……やはり俺こそが最強のブルーアイズ使いのようだ!!」
城之内「ということは、またブルーアイズが戻ってくるってことかよ!」
カイバーマン「現われろ、ブルーアイズホワイトドラゴン!」
カイバーマン「海馬瀬人にダイレクトアタック、滅びのバーストストリーム!」
海馬「相手にとって不足は無し……だからこそ読んでいたぞ!」
海馬「伏せカードオープン!破壊輪!」
海馬(……許せブルーアイズ……)
海馬「ブルーアイズを破壊し、互いに3000のダメージだ!」
カイバーマン「なに!?」
獏良「最近効果を訂正して戻ってきたんだ」
カイバーマン「……クッ」
遊戯「これで互いのライフは1000……!」
城之内「ここからは本当の意味で全てドローにかかってくるぜ……!」
カイバーマン「私のフィールドにはカードが一枚もない」
カイバーマン「つまり、次のターン、モンスターを引けば貴様の勝ちだ、海馬瀬人」
カイバーマン「さあ、カードを引け」
海馬「フッ……フゥッハッハッハ! 行くぞ、俺のターン、ドロー!!」
カイバーマン「どうした……モンスターではないのか……」
海馬「俺は伏せカードを一枚セット、ターンエンドだ」
本田「海馬のやつ、モンスターが引けなかったみたいだぜ……」
獏良「やっぱり、昔のようにはいかないってことかな……」
御伽「思い通りのカードが引けないってことなのか……」
カイバーマン「……やはり海馬瀬人、貴様は真のブルーアイズ使いにはなれないということか……」
カイバーマン「俺のターン、ドロー!!」
カイバーマン「墓地のモンスターをデッキに戻し、二枚ドローだ!」
本田「やばいぜ、モンスター引いちまったら……」
獏良「……海馬くん……」
カイバーマン「二枚ドロー!」
カイバーマン「フ……フッハッッハッハッッハ!!」
カイバーマン「私は貴様の魂胆が読めている」
海馬「……」
カイバーマン「伏せカードをセットしてターンエンドだ」
城之内「カイバーマンはモンスターを引かなかったのか!」
遊戯「……」
海馬「俺の勝ちだ、カイバーマン」
カイバーマン「……!?」
海馬「俺が前のターンに伏せたカード、それは……リビングデットの呼び声だ!」
海馬「ブルーアイズを墓地から蘇生!」
城之内「やったぜ!これで決まる!!」
カイバーマン「……だから読めていると言ったのだ」
カイバーマン「私が伏せていたカードは激流葬」
カイバーマン「故に俺はモンスターを召喚しなかった」
城之内「な……なんだと!」
カイバーマン「俺の手札はスピア・ドラゴン、攻撃力1900のモンスター」
カイバーマン「……ブルーアイズ以外にライフを0にされるのは不本意だろう」
カイバーマン「……潔くサレンダーしろ……」
本田「……海馬くん……」
獏良「これは決まっちゃったのかな……」
御伽「……」
海馬「フッフッフ……フハハハハハ」
カイバーマン「……?」
海馬「勝ったつもりでいるようだが、それは間違いだ」
カイバーマン「……!?」
海馬「それは……死者蘇生だ!!!」
カイバーマン「な……なんだと……!」
カイバーマン「蘇生系カードを連続で引いただと!?」
海馬「甦れ、ブルーアイズ……!」
カイバーマン(……そうか、海馬瀬人よ)
カイバーマン(貴様が真のブルーアイズ使いということか)
海馬「これでトドメだ!滅びのバーストストリーム!」
カイバーマン「うわぁぁぁぁあああ」LP0
スゲエーーツエエエマジヤベーーー-
司会「応援席、そして大会参加者席からも盛大な拍手が飛び交っています!」
司会「手に汗握る試合でしたね」
舞「さすが、伝説のデュエリストに相応しい試合でした」
カイバーマン「……海馬瀬人よ……」
海馬「……」
カイバーマン「……貴様こそ、史上最強のブルーアイズ使いだ……」
海馬「当たり前だ」
カイバーマン「……気づいているか?貴様の顔、デュエル開始時とは全く別物だぞ?」
海馬「……この俺が……」
カイバーマン「昔のような輝きを持っている」
海馬「……!」
カイバーマン「愛するブルーアイズを存分に使って負けたのだからな!」
海馬「……」
カイバーマン「俺はもうすぐ消えるだろう……」
カイバーマン「お前はいつまでも、自分のカードを信じて突き進んでくれ」
海馬「……ああ」
カイバーマン「――ではな――」
城之内「カイバーマンが……消えた……!」
遊戯「やっぱりカードの妖精だったんだね」
海馬「自分のカードを信じる……か……」
海馬「磯野!遅れが出ている!すぐにでも全国大会決勝リーグを開始しろ!」
磯野「は、はい!!」
遊戯(海馬くんは盛大な拍手を後に会場を後にした)
城之内(昨日まで無かった覇気が戻ってきてたな…!)
―――――――――――――――――――――――――――
~放送~
「それでは各試合上、デュエルを始めてください」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~
~~~
~
~~~
~~~~~~
~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~全国大会終了後~~~~~~~~~~~~~~~~
城之内「いやー、海馬のデュエルも大会も盛り上がってよかったぜ!」
遊戯「そうだね!海馬くんも昔みたいに戻れたみたいだし!」
城之内「それじゃあよ、今から海馬とか誘って飯でも食いに行こうぜ!」
本田「海馬に頼めばごちそう出てくるんじゃねえか?」
獏良「僕焼き肉が食べたいよぉ!」
杏子「もう、あんた達辞めなさいよ!」
遊戯(ホントにみんな変わらないや……!)
―――見えるけど、見えないもの―――
そして
―――変わるけど、変わらないもの―――
~END~
――――――――――――――――――――――――
――――――――社長室
海馬(……いくぞ……)
海馬「俺のターン!ドロー!!!!」
ペラッ
青眼の白龍
海馬「……フッ……やはりブルーアイズは……」
――――ふつくしい……―――――
前作から、そして今作から最後まで読んでくれた人、ありがとうございました
手札ジェネレートしたりいろいろありましたが、楽しんでいただけていたら嬉しいです
ではまたいつか
変わるけど、変わらないものに涙
涙が止まらない
↓
この辺りから主に社長が手札をジェネレートします
>時には伏せカードもジェネレートします
>ドローした枚数と明らかに違ってきます
思い通りのカードが引けないなら引けるまでドローし続けるという主催者にのみ許された力技