男「……円光はお断りだ。それと男娼を抱く趣味もない」
少女「エンコー…?ダンショー?」
男「違うのか」
少女「くちゅんっ。外寒くって…入れてほしいな」
男「…お前は誰なんだ」
少女「とにかく入れてよっ!あいつらが来ちゃう」
男「追われているのか。とりあえず入れ」
少女「ありがと……」
男「玄関で服を脱げ」ガシッ
男「こんな雪に濡れたままで部屋に上がることは許さない」
少女「えっうわっ!やめて!自分で脱げるから」
男「シャワーはそこだ。服は洗濯するから籠にいれておけ」
少女「う、うん」
少女「おにいさん。もうお風呂あがるんだけどバスタオルある?」
男「俺の換えの服と一緒にもってきた」
男「……」
少女「あっ、やっ見ないで」
男「なにか違和感があると思ったら女か」
少女「遅いよ……見たよね」
男「女児の裸に興味はない」
少女「女児って……僕これでもこの春から高校生なんだけど…」
男「服大きすぎるな。だがお前に合うサイズはないから我慢しろ」
少女「いいよーこれで」
男「で、家出か? お前はどこの誰だ」
少女「……ねっ、ねぇ! 僕何かお手伝いする!」
少女「ただで泊めてもらうわけにはいかないもんね!」
男「俺の質問に答えろ。それと、泊めるとは言ってない」
男「雨が止んで服が乾いたら出ていけ」
少女「外に出たくない…」
男「追われているような素振りを見せていたな」
少女「う、うん…まだ外で僕のこと探してるかも」
男「……その歳とその成りで犯罪者という事はないと思うが、なにをした」
少女「僕が何かしたわけじゃないよ」
少女「したのはパパの方」
少女「僕…16歳になったらむりやり結婚させられるんだ」
男「そうか」
男「事情は知らんが逃げていても解決にならないぞ」
少女「僕が本気の本気で嫌がってるってこと、教えてやるんだ!」
男「人に迷惑をかけてか」
少女「そ、それは……でも僕…行く場所ないし」
少女「友達の家や普段行くところはマークされてるもん」
少女「パパね、権力者だから…このあたりでも顔が広いの」
少女「たくさん人を使って僕を探してる」
少女「そんな…僕の話きいてた!?」
男「お前みたいな身勝手なガキとその親のいざこざに巻き込まれるのはゴメンだ」
男「権力者ならなおさらだ」
男「今の時点でも俺が捕まる可能性すらあるだろう」
少女「そんなことさせない!おにいさん悪いことしてないって!」
男「帰れ。見ず知らずのガキを匿うほどお人好しじゃない」
少女「……見ず知らずじゃないもん」
少女「わからない? 僕だよ…」
男「……? 俺に美少女の知り合いはいない」
少女「…びしょッ…!? じゃなくて、ほんとにわからない?」
男「物覚えはいいはずだがな」
少女「僕だよ僕。6~7年くらい前かなぁ、僕の家の近くの公園でよくおにいさんと遊んでもらってた子!」
少女「チャンバラしたりエアガンで的あてとか教えてもらったり」
男「……あぁ」
男(あの時仕留め損なったガキか)
少女「急にいなくなっちゃったんだもん」
少女「当時幼い僕の胸にはぽっかり穴があいちゃったよ」
男「なぜ俺の場所がわかった」
少女「町をこそこそ逃げまわってる時に、おにいさんの後ろ姿見つけたの」
少女「昔とおんなじ姿してるんだもん。もしかしてって思ってつけてみた」
男(……ぬかったか。まさかこの街にまでこいつが来るとはな)
男(やはり今のうちに処分しておくか)
少女「今何歳なんだっけ?」
男「……弁当屋でアルバイトだ。歳はいいだろう」
少女「お弁当屋……?」
少女「あんまりそうは見えないね」
男「何が言いたい」
少女「無愛想だからお弁当売ってるとこ想像できないや」
男「主な仕事はデリバリーだ。最低限のコミュニケーションでいい」
少女「あ、そっか!」
少女「……」グゥ
少女「お腹すいちゃった…」
男「少し待ってろ」
少女「料理つくってくれるの?」
男「厨房の仕事もたまにまかされるからな」
男「食え」
少女「す、すごーい…これおにいさんが全部作ったの?」
男「黙って食え」
少女「いただきます! はむ…もぐ、うわぁっおいし! このソースちょー絶品!」
少女「うちのシェフにも負けてないよ! 今度作らせよう!」
男「黙って食え」
少女「ほとぼりがさめるっていうか、結婚の話がなくなったら帰ろうと思ってるよ」
少女「しばらくは顔も見たくない!」
男「時間を潰す宛はあるのか」
少女「ないって言ったじゃん!ここしかない!」
少女「ねっ!だからここに僕を置いて?!」
男「ダメだ」
少女「なんでもするっ! 料理はおにいさんに勝てないけど、他の家事手伝うから!」
男「生活費はあるのか」
少女「な、ない……僕のもたされてたカードとめられちゃったし…」
少女「ここ数日の宿泊費と電車賃でお財布も空っぽ……です」
男「見ての通り質素なワンルームアパート暮らしでな」
男「お前の寝る場所すらない」
少女「…むぐぐ」
男(それに見られたくないものもある)
少女「僕隅っこで膝抱えて寝るよ!」
少女「食事はお兄さんの食べ残しでもいい!」
少女「お風呂いらないし、水道も使わない! トイレは外でする!」
少女「おにいさんがお仕事言ってる間は電気もつけないようにする!」
少女「おにいさんに迷惑かけないから! だからお願い!!」
男「……」
少女「えっ」
男「…好きにしろ」
男「その代わり、俺の機嫌を損ねたらいつでも蹴り出すからな」
少女「!」コクコク
男「そこの1畳がお前のスペースだ」
男「荷物は全部そこにおけ。寝泊まりもそこでしろ」
少女「う、うん!ありがと!!」
男「テレビも水も使ってもいい」
男「外には出るな」
少女「出ない! あ、でも買い物どうしよ…」
男「朝俺に欲しいものを言えば、帰りに買ってきてやる」
少女「はーい♪」
男「それと、携帯をもっていたら貸せ」
少女「うん。もってるよ」
男「……」
べきっ
男「処分してきてやる。もう必要ないだろう」
少女「え……」
男「お前の衣服を調べさせてもらったが、発信機もついていなかった」
男「通話さえしなければ居場所を探知されることはない」
男「それと念のためお前がつけられていないか、周囲を探ってくる」
男「場合によってはこの話は全てなしだ」
少女「……な、なんでそこまで」
男「最後に尋ねておく」
男「お前は本気で逃げたいのか?」
少女「ほ、ほんきに決まってるじゃん! むりやり結婚させられるくらいなら死んだほうがマシ!」
男「そうか」
男「異常はなかった」
男「俺はこのあとでかける」
少女「いってらっしゃーい」
男「余計なことはするな。ただここにいろ。それが一番安全だ」
少女「う、うん…」
弁当屋店長「どうしたのーん浮かない顔して」
男「…俺はいつもこの顔だ」
店長「長年つるんでるとわかるわよぉ。なんかあった?」
男「トラブルを抱え込んだ。つけられた俺のミスだ」
店長「うそっ!? あんたが!? バレちゃったの?」
男「お前は新しい配達バイトの募集でもしたほうがいいかもな」
店長「あらやっだぁーん。あんたがいまいなくなったらこの街での仕事どーするわけ」
店長「せっかくお店繁盛してきたのにまた高飛びはいやよん」
男「……本業を履き違えるな」
店長「あたしこっちが本業だもーん」
店長「で、なにがあったのよ」
男「…ガキが転がり込んできた」
店長「あんたみたいな物騒なツラした男の元にはるばる家出してくるなんて」
店長「よっぽど切羽詰まってるのねその子」
店長「かわいいこ?」
男「女だとは言っていない」
店長「あんたの渋面みてればわかるわよぉ」
店長「大丈夫だとは思うけど、ハニートラップには気をつけなさい?」
男「知り合いだ。一応な」
店長「なおさらよ。っていうか顔見知りなんてあちし以外にいたのね」
店長「押しかけ女房だったりして?」
男「……やはり処分しておくか。リスクが高すぎる」
店長「ちょっ、待ちなさいって!冗談よ冗談」
男「戻った」
男「……電気つけていないのか」
少女「おかえりなさい。お疲れ様」
少女「迷惑かけられないもん。節約してるんでしょ?」
男「…金のことは気にするな。蓄えはある」
少女「こんな質素な暮らししてるのに」
男「お前の家の事情からするとどんな家でも質素に見えるだろう」
少女「生活感なさすぎだよ流石に」
男「なにもさわってないだろうな」
少女「うん。服たたむ以外はじっとしてた」
少女「暇だよ。でもこの畳一枚から出ない約束したから」
少女「場所をくれただけでもありがたいんだ」
男「……そうか。良い心がけだ」
男「飯だ。食ったら寝ろ」
少女「うん! いただきます!」
少女「このお弁当もおにいさんがつくったの?」
男「そうだ。店のものは自由に食っていいことになっている」
少女「いいなぁ楽しそう…僕も働きたいなぁ」
少女「あーあ。僕でも働ける場所あればいいのに…」
少女「中学生じゃ無理だよね……」
男「楽しさとは無縁の場所だ」
少女「おにいさん。恵んでもらってばっかりじゃ悪いからさ、僕もなにかおにいさんのためにしたい」
男「…」
少女「掃除とか洗濯とか! えーとあとは…うーん」
少女「添い寝…とか?」
男「?」
少女「なんかね、そういうお店あるんだって!」
男「そうか。理解し難いな」
少女「あとは耳かき…とか?」
男「……寝るぞ。次俺に断りなくしゃべったら追い出す」
少女「はーい♪」
少女「くちゅん! …くちゅん!」
少女「……くちゅん! ずずっ」
男「…」
男「寒いか…」
男「…許可する。答えろ」
少女「…寒くない…よ。くちゅん! ほんとに…畳で鼻がくすぐったいだけ」
男「……ならいい。俺の眠りを妨げるな」
少女「うん……ごめんなさい。手で口塞いで寝る」
くちゅん! くちゅん!
男「……」むく
男「……新しく布団でも注文するか」
男「…しかたないな」
――翌朝
少女「んぅ…なんだろ…あったか…」
少女「はっ!」
少女「お、おにいさん…!? の布団だ……」
少女「や、やば! 僕寒さのあまりに勝手に潜り込んじゃったのかな!?」
少女「てかおにいさんどこ!? あ、書き置き」
『仕事に行く。冷蔵庫の中身は自由にしろ』
少女「…うわ、おこってるよね…」
少女「帰ってきたら土下座だ…」
少女「アルバイト僕もしたいなー」
少女「あーあ携帯とりあげられちゃったからお仕事探そうにもどうにもならないや」
少女「この部屋タウン誌とかないかなー」ゴソゴソ
少女「にしても物のない部屋…」
少女「漫画の一冊すらないなんてさ!」
少女「おにいさん何を娯楽にしていきてるんだろ」
少女「ああ見えて外で遊ぶタイプなのかな?」
少女「土下座準備万端で待ってるのに帰ってこない……」
――深夜
少女「zzz ずぴ……ふぁ?」
少女「やば…これじゃ土下寝だ…」
少女(おにいさんまだ帰ってない…)キョロキョロ
少女「お弁当屋ってそんなおそくまでやってるの?」
少女「ってまっすぐ帰るなんていってないかーあははは…」
少女「彼女さんとデートでもしてるのかなぁ? 先に寝よ…」
弁当屋「お疲れ。はい、これ組織からの報酬」
男「これでこの街でのリストは残る一人か」
弁当屋「ちょっと急ぎすぎたわね。今回の件は数ヶ月くらい間を空けるべきだったわ」
弁当屋「焦ってる?」
男「そんなことはない。早くこの街を離れたいのは確かだがな」
弁当屋「例のあんたんとこの居候の子、どうする気?」
男「捨てる。場合によっては……消すしかない」
弁当屋「情をうつしちゃだめよ。まぁ、プロにいう事でもないか」
弁当屋「いつにも増してひどい顔してるわ。早く帰って寝なさい」
男「あぁ…」
カチャ キィ……
少女(あっ!帰ってきた!)
少女(ふっふっふ。僕のご機嫌取りお出迎え作戦その①!)
少女(お布団あたためておきましたー!)
少女「お、おかえり、ごめんなさい僕すぐ布団出るから――――
ガバッ
少女「きゃあっ!?」
少女「な、なに? …あっ…おにいさん…だめ…」
男「zzz」
少女「おにいさん?」
少女(おーいおにいさん…)ツンツン
男「……zz」
少女「寝るのはや……どうしたんだろ」
少女(僕に気づかなかったのかな?)
少女(そ、それともむらむらしちゃったってやつ?)
少女(きゃーそんなのだめだよ僕まだ中学生なのに!)
少女(ぐへへ俺の家の居候代はお前の体で支払えー! なんて言ったりして、あわわわわ…)
少女「そんなわけないかー」
少女「えへへ…おにいさんお風呂入ってないでしょ」
男「…zz」
少女「男の一人暮らしは寂しいよね」
少女「おにいさん…あの頃もひとりだったよね」
少女「いつも公園で空ばっかり眺めてた…」
少女「ずっとそうだったのかな…ずっとひとりで…?」
少女「今夜は一緒に寝よ…」
少女「おやすみなさい」ナデナデ
少女「んぅ…あと五分……」ムニャムニャ
男「起きろ」
少女「んんん」
男「起きろ。離せ」
少女「むぁ…おはよーーー」ボー
男「足を絡ませるな。手をどけろ」
少女「……? うあっ!? ご、ごめんなさい!」
少女「あ、あの僕そういうつもりじゃなくって! すごくこの状況言い訳しづらいんだけどっ」
少女「なにか役に立とうとお布団温めて待ってたら…」
男「お前」
少女「はい!!」
男「朝はパン派か米派かどっちだ」
少女「え? パン…がおおかったかな」
男「準備する」
少女「怒ってないの?」
男「……昨夜のことは忘れろ。俺も忘れる」
少女「おにいさんおにいさん! 僕のことぎゅってしたよ」
男「許可なくしゃべるな。そんな記憶はもうない。いまリセットした」
少女「したよー?」
男「ところで…昨夜は遅くなってすまなかった」
少女「え、どうして謝るの?おにいさんの部屋だよ」
男「弁当を……まっているかとおもった。だが、事情があって持って買えれなかった」
少女「……そ、そんなのいいのに!」
少女「僕この部屋に居させてもらうだけで感謝してるよ!」
少女「でも居候の身で一つだけわがまま言いたいことがあるんだ」
男「なんだ」
少女「お手伝いさせて…せめておにいさんの身の回りのお世話くらいしたい」
少女「じゃなきゃ…僕、罪悪感で押しつぶされそう」
男「罪悪感…か」
男「わかった…。トーストを焼いて目玉焼きと野菜炒めをつくっておけ」
男「その間に俺はシャワーを浴びる」
少女「うんっ!! 任せて!!」
男「これは?」
少女「目玉焼き……のつもりです」
男「お前の家庭では両面焼くのか」
少女「うう…だって、なんかいつまで焼いても黄身がちっとも固まらないんだもん」
男「蓋は」
少女「あっ! なるほど!」
男「お前にできそうなことはないな」カリカリ
男「パンはこんなに黒くなるまで焼かなくていい」カリカリ
少女「ごめんなさい」
男(だが、こういうのも悪くないな)
少女「うわー苦! おにいさんよく食べられるね」
男「……黙って食え」
男「お前が家出して数日経つというのに、どうやら警察に捜索願は出ていないようだな」
少女「…うん。パパはこの事を公にしたくないんだよ…」
少女「娘が反抗期で家出したなんてしれたら、コケンに関わるんだってさ
男「バイトの宅配中に何かを探してる黒い服の男を見かけることが増えた」
男「お前の父親の部下か」
少女「……ううん。違う」
男「ならあれは」
少女「僕の婚約者…の手下だよ」
少女「僕は婚約者って認めてるわけじゃないけどね!」
少女「…だから、おにいさんが匿ってくれてることは絶対にしゃべらない…」
少女「こんなことに巻き込んでごめんなさい…」
少女「でも僕は…おにいさんしかいなくて」
少女「遥々やってきた街なかでおにいさんを見かけた時、運命だと思ったんだ…//」
男「そうか」
少女「そこはツッコムとこだよね?」
男「所詮は一人の男だ。こうしてお前を匿う以外に出来ることはない」
少女「うん…僕はそれだけでいい」
少女「仮におにいさんにここを追い出されても、あいつが僕のこと諦めるまで逃避行は続けるよ」
少女「あんなやつのお嫁さんになってたまるもんか…パパの言いなりなんて…」
少女「…絶対やだ」
男「仕事の時間だ」
少女「あ、いってらっしゃーい」
少女「この布団…万年床っぽい」
少女「……」くんくん
少女「うっ…」
少女「天気良いし干そう!」
少女「ついでに窓開けてホコリ掃除だー!」
少女「外出るなって言われたけどベランダくらいいいよね?」
少女「えへへ。おにいさん部屋が綺麗なったら喜ぶかな」
少女「んしょ…んしょ」
少女「よし干そ」
隣人「んお? あれ?」
少女「あ……」ペコ
隣人「ええっと……あー、そっか妹さんさんだ!」
少女「そ、そう……です」
少女「おにいさ…おにいちゃんの部屋に遊びに来てて」
隣人「まじ? ちょーかわいいね、名前なんていうの? いまひとり?」
少女「え、えと……」」
隣人「なんだよ兄妹そろってつれねぇなぁ」
隣人「んじゃまたねー♪」
少女「…」ペコ
少女「どうしよ……どういう対応したらよかったんだろ」
少女「おにいさんと仲いい人なのかな? なんか正反対って感じしたけど…」
男「戻った」
少女「戻ったじゃなくて。ただいまでしょ。おかえりおにいさん」
男「さっき階段で隣人の男とすれ違った」
男「妹がどうとか言っていたが、まさかお前」
少女「あ、あの…布団…干すときに」
パシーン
少女「いたっ……えっ?」
男「外に出るなと言ったはずだ」
男「人目につくリスクを考えろ。なんのための隠れ家だ」
男「俺の指示に従えないなら、今すぐ消えろ」
少女「そ、そ、そんな…そんな言い方ってないじゃん!」
少女「僕…おにいさんの布団干そうとしただけなのに…うう、ぐす」ヒリヒリ
男「ここにいたことをくれぐれも他言はするな」
少女「しないよ!」
男「帽子をひとつやる」
少女「…いらない。しばらく雪降らないし」
男「変装用だと言っているんだ」ガポ
少女「……」
男「旅に必要ならこの金で携帯を買い直せ」
男「取っておいたこのカードを差せる機種なら、お前の個人データは復元できる」
少女「……いらない」
少女「さよなら」
少女「……まだひりひりする」
少女「僕が悪かったのかなぁ。でも思いっきりぶつことないじゃん」ジワッ
少女「信じらんない。僕これでも女の子だよ…」
少女「って…関係ないか。女としてなんて見られてないし…」
少女「邪魔な子供追い出していまごろのびのび清々してるんだろうな…」
少女「はーお腹空いた……」トボトボ
少女「お金受け取っとけばよかったかな……だめだめあんなやつ!」
少女「320円…牛丼しかたべられないや…」
少女「……うう、寒っ」
少女「冷え込んできたな。どこかしのげる場所探さなきゃ」
少女「…土地勘ないからどこいけばいいのやら」
少女「くしゅん!」
少女「ずぴ……暖房もないあんな部屋でもあったかかったんだな」
少女「…歩き疲れた。お腹すいた」
少女「僕死ぬのかな」
おじさん「き、きみ…」
少女「…? 僕?」
おじさん「たちんぼだよね? 相場でどう?」
少女「え…何?」
おじさん「おじさんといいことしてくれたらいっぱいお金あげるよ」
おじさん「ご飯と温かい寝床とお風呂もね」
少女「……あ、そういう…」
少女「僕…男なんで」
おじさん「いやいやいや、こんな可愛い男の子いないから!」
おじさん「こんだけ可愛かったらむしろ男ならレアでラッキーだよ!」
おじさん「このあたりはね、君みたいな娘がウリする場所だからね」スッ
少女「あっ、帽子返せ」
おじさん「なんだこの帽子…まだタグ付いてるよ。切らなきゃ」
少女「え?」
おじさん「ん? もしかしてさっきその辺の店で盗んできたのかな?」
少女「ち、違うこれはもらったんだ! 返せ!」
おじさん「ぐえ」
少女「……っ」
少女「いまだ!」
おじさん「あっ…待ってぇ。5万!一回5万だすからーー!」
少女「……ハァハァ」
少女「真冬なのに汗かくくらい走っちゃった」
少女「やっぱりこっちの街、夜は変な人多いんだなぁ」
少女「僕の街は至って平和だよ…」
少女「そういえば。なんで帽子…新品? おにいさんのお古かと思ったのに」
少女「サイズもぴったりだし……僕に買ってきてくれたのかな…」
少女「……」キュ
少女「勝手に外に出るなって言ってたけど、おにいさんと一緒に変装してなら…外出してよかったんだ」
少女「なのに…僕…」グス
少女「嫌われちゃったな…」
少女「ごめんなさい…ごめんなさい」
黒服「……お嬢。見つけましたよ」
少女「えっ……」
少女「その名前で呼ぶな! まだ僕はお前らんとこにくみしてない!」
黒服「若がお待ちです。お嬢失踪の件で大変お怒りの御様子」
黒服「帰りましょう。いえ多少手荒でも良いから連れ帰れとの命令を受けています」
少女「……い、いやだ。帰らない!」
少女「あいつなんて僕の3倍近くもいきてるおじさんじゃないか!」
少女「世間ではそーゆーの口リコンっていうんだ!」
少女「やだっ!くるな!」
少女「いやーー!」
黒服「くそっ!暴れるな!」
少女「やなんだよ! ひとを悪い大人の政治の駒にすんな!」
黒服「聞き分けのねーガキは!」
少女「ひっ」
黒服「こちとらてめーのために寒空の中なんにちも探してたんだよ!」
黒服「顔以外ならちょっとくらいいいか?なぁ?」コキコキ
少女「や、やめて……」
黒服「へへ、しこたま泣かしてやるぜ――――――がっ!
黒服「あっが、い、いで、いでで…な、なんだ?」
男「……」ミシ…
男「先にお前がその娘を離せ」
黒服「わ、わかった…わかったから折らないで…」
少女「おにいさん…?」
男「……」
少女「なん、で…」
男「無事か」
黒服「てめぇ…ウチに手だすってのはどういうことかわかってんのか」
黒服「俺は極龍神会のもんだぜ」
男「そうか。見られた以上は放任できないな」
少女「おにいさん……? まって、この人と喧嘩しないで! 勝てるわけ無いよ!」
男「正義のヒーローか…」
黒服「スカしてんなや!」
黒服「さてはてめぇがお嬢を誘拐してたんだな!?」
少女「やめてええ!そのおにいさんは関係ないよ! 僕が勝手にひとりで…だから、殺さないで」
男「…あぁ」
黒服「もうおせぇ!」ジャキ
刑事「また仏さんか…ここんとこ多いね」
警察「警部、遺体の身元がわかりました。関東地方で近年勢力を伸ばしている極龍神会の組員だそうです」
刑事「ヤクザモン同士の抗争か…」
刑事「こりゃ一連の事件とは関係なさそうだな」
警察「と、もうしますと。例の汚職議員の…」
刑事「この鮮やかすぎる手口は…どうもひっかかるんだよなぁ」
少女「あっおにいさん!」
少女「大丈夫? あいつは? やっつけたの?」
男「あぁ。なんとかな」
少女「す、すご…あいつら全員空手の有段者なんだよ! 喧嘩じゃ負け知らずだって聞くよ!」
少女「おにいさん何者…?」
男「帰るぞ」
少女「……ねぇ…どうして僕を迎えに来たの?」
少女「僕みたいなわがままでめんどうなやつ…おにいさんの生活の邪魔でしょ」
少女「生きていけるんだ…」
男「人は独りでは生きていけない」
少女「……」
男「あと、俺は弁当ふたつも食いきれないから」
男「捨てるより拾った野良犬にやったほうがましだ」
少女「おにいさん…」
男「帽子、気に入ったようで良かった」
男「捨てられてるかと思ったがな」
少女「す、すてないよ!捨てるわけ無いじゃん!」
男「俺もだ」スッ
少女「…うん」キュッ
少女「ねーおにいさん…もうちょっとそっち行っていい?」
男「……」
少女「僕、湯冷めしちゃった…くちゅん」
男「好きにしろ」
少女「えへへ…」
少女「おにいさんやさしい」
男「やさしさなんてもってない」
男「俺は冷血な人間だ」
少女「お弁当屋なのに?」
男「……」
少女「僕…おにいさんのことは未だよく知らないけど。少なくともそんなことはないと思うな」
男「何故」
少女「だってこんなにあったかいよ…//」スリスリ
男「テレビもつけるな」
男「外からの余計な情報を入れると、外に出たくなる」
少女「わかったー」
少女「僕おにいさんの帰りまってる」
少女「ご飯つくっとくね。なにがいい」
男「……弁当持って帰る」
少女「えー」
男「ならなんでもいい、ただし食えるものにしてくれ」
少女「ふふふ。おまかせあれ」
少女「おにいさんもハードな一日にしちゃってごめんね」
男「もういい。寝ろ」
少女「……」ギュ
男「? まだ寒いか」
少女「うん……おにいさんもぎゅーてしてくれたらあったかい」
男「……」
少女「もしかして恥ずかしい?」
男「お前のような女児相手には持ち合わせていない」
少女「ちょっ! この春高校生ですから! んぐく…えへへ、あんまりつよいとくるしいー」
少女「しめころされちゃうよぉ//」
男「……もぞもぞ動くな。寝ろ」
少女「…えへ。おやすみなさい」
少女「……うう」
少女(体だるー…この日のこと全然考えてなかった)
少女(いつもの鞄にいれておけばよかった…)
少女「あ、あのさ…おにいさん」
男「なんだ」
少女「ほしい物があったら買って帰ってくれるんだよね?」
男「俺に入手できるものならな」
少女「コンビニにあるものならいい?」
男「少し寄り道で遅くなるがかまわない」
男「なんだ。言ってみろ」
少女「あのね……」もにょもにょ
少女「できれば羽根つきのがほしいの…」
少女「今日は…ティッシュとかトイレットペーパーでなんとかするから…その…お願いします」
男「……」
少女「や、やっぱり無理だよね! 男の人が生理用品なんてさ…」
少女「適当に棚のやつでいいんだけど…」
男「…」pipipi
男「俺だ。少し遅れる。野暮用だ」
男「そっちの件ではない。……ただのトラブルだ」pi
男「帽子とマスクをつけろ」
少女「えっ?」
男「来い」
少女「い、いまから!? お仕事は?」
男「……」イライライラ
男「早く選べ。ついでに欲しいものがあればカゴに入れろ」
少女「まさかの買い物デートだ!」
男「入れたのか?」
少女「うん。見て。ふわふわー」
男「見せなくていい」
少女「2箱くらい買っておいていい?」
男「そんなに必要なのか。俺にはわからないから好きにしろ」
少女「あとはねぇ…んーと」
少女「……」
少女(これ、もしものために買っておいたほうがいいかな?)
少女(超薄タイプだって…工口)
少女(一つ屋根の下だといつ襲われるかわかんないもんね…)
男「なにやらたくさん買ったな」
少女「ご、ごめんなさい。後で返す…」
男「どうやって。お前に何ができる」
少女「んーと……体で?」
男「冗談は嫌いだ」
少女「冗談って……むふ、おにいさんおにいさん。僕はこの体で家事をして返すって言ってんの」
少女「な~に考えてたのかなー?」
少女(やっぱり万一を見越してアレ買っておいてよかった)
少女(僕がずっとここにいるせいで…おにいさん溜まっちゃってるよね)
少女(女の子に生理があるように、男の人も…辛いんだよね?)
店長「あなた。関係ないやつ殺ったでしょ」
店長「例のトラブル?」
店長「相手がヤクザだからそんなに世間には騒ぎ立てられてはいないけど、ドジッたわね」
男「…」
店長「道端で喧嘩でもしたの? あなたらしくないわねん」
店長「居候ちゃん絡みだったり?」
男「お前に何も情報を与えていないはずなんだがな」
店長「あなたって目でしゃべってるようなもんだわ」
男「…」
店長「期待のホープの若頭ってのも来てるかも」
男「……」
店長「一波乱おきるかもしれないわね」
店長「それと最後のターゲット。殺る日取りは決めておいてね」
店長「それがおわったらこの街ともおわかれよ」
店長「いまごろ金たま縮みあがってるわね」
店長「自分の周りの議員さんや取り巻きが消えていくもんだから」
店長「いつか自分の番がって思うはずよ」
店長「それでも逃げることはできない」
店長「なぜなら彼がこの辺りをまとめる都議会議員だから」
店長「それで焦ってガードをつけようとしてるのよ」
男「ガード?」
店長「その娘と極龍神会の若頭をくっつけて、権力の傘下に入れようとしてるらしいのよ」
男「……そうか」
店長「厄介なことになる前に、早く消しちゃいなさい」
男「……わかった」
店長「あまり入れ込むと、あんたが死ぬわよ」
男「…そうだな」
少女「おかえりなさい」
少女「ご飯にする?お風呂にする?」
少女「そ・れ・と・も・ボク?」
少女「なーんちゃってねー」
ガバッ
少女「ぎゃー! ちょーちょー! だ、だめぇ! そーゆーのまだ早い!//」
少女「ぼ、僕まだ15なんだってば!//」
少女「おにいさん冗談きらいじゃなかったの」
少女「って僕が先に言ったんだった!」
男「……」
少女「あの…離してくれないの?」
少女「…え?」
男「俺の何を知ってるかと聞いたんだ」
少女「…どうしたの?なんか怖いよ」
男「答えろ」
少女「し、しらないよ…あったの久しぶりだし…おにいさん秘密手技だし」
少女「だからしらない!」
男「俺は…お前を知りたい」
男「何も知らないまま、このまま進みたくないから」
少女「えっ?// な、何言ってんの」
男「お前を知っておきたい」
少女「僕のこと知りたいって……そーゆーこと?//」
男「……」
男「お前が何者で、俺が何者なのか教えてくれ」
少女「……僕ね」
少女「おにいさんのことほんとによく知らないんだ」
少女「優しくって怖くって、冷たくって温かくって」
少女「料理が上手だけど、ご飯はおいしそうにたべない」
少女「お弁当屋さんなのに、笑顔がへたっぴ」
少女「そんなことしかしらない」
男「そうか」
少女「まだあった…これ一番大事」
少女「僕のね、一番大好きな人」
少女「この人の赤ちゃんなら産んでもいいやっておもっちゃうくらい」
少女「おにいさんは僕にとってそんな人」
男「…行ってくる」
少女「こんな朝早くからお仕事? 行ってらっしゃい」
少女「…ねぇ、帰ってきてね。絶対だよ」
男「二人分、夕飯を作っておいてくれ」
少女「うん!」
若頭「てめぇか。うちのもん殺ったってのは」
若頭「どこの誰かはしらねぇが、いまさら謝りに来たって無駄だぜ」
若頭「わかってんのか? 俺たち極龍神会はよぉ」
男「知っている」
男「女一人手籠めにするのに総力をあげる情けない奴らだ」
若頭「あぁ? そうかてめぇが俺のフィアンセを…」
黒服「若、殺りましょう。この人数なら」
男「彼女から手を引け」
若頭「誰にもの言ってんのかわかってんのかダボ」
若頭「この人数相手に頭湧いてんのか?」
男「……この街でこれ以上騒ぎは起こしたくない」
若頭「騒ぎにはなんねーよ。おめぇらはひっそりと湾に沈められるんだからよ」
男「……」
若頭「覚悟しやがれクソ野郎! ぶっ殺しててめぇの存在をあいつから完璧に忘れさせてやるよ!」
男「…ッ」
男「あの子は、俺のことを覚えていてくれたんだ」
男「誰も知らない。俺すらよくしらない俺のことを」
男「忘れてほしくないと思った」
男「人は独りでは生きていけないことをこの街で知ったから」
若頭「 」
若頭「て めぇ 殺……す」
黒服「いてぇ…いてぇよ兄貴ぃ…折れたー」
男「殺せなかったか……廃業だな」
店長「ありゃま。嫌な予感がしてきてみれば」
男「組織の方で事後処理を頼む」
店長「あんたは?」
男「もういられない。最後の仕事はパスだ」
店長「…あんたが殺らなければ、かわりのやつが殺るだけよ」
店長「いろんな方面からそれだけ恨みを買ってる男ってこと」
店長「わかるわよね? 一人娘がいるようだけど、その子の身に危険が及ぶのはそう遠い話じゃないわ」
店長「可哀想な話ね」
男「…」
若頭「お前ら…俺のフィアンセを…殺るのか…」
店長「その可能性もあるわね。上からの依頼次第」
若頭「やめろ…やめてくれ…」
店長「あんた、都議会議員の権力がほしくて近づいたんじゃないの」
若頭「最初はそうだった。自分とタメのおっさんに娘を紹介されて正直面食らった。俺は口リコンじゃねぇからな…」
若頭「でもな…良いこなんだよ…」
若頭「ほんとにあんなくそったれの娘なのか、わかんねぇくらい…」
若頭「優しく強くていい娘だったんだ」
若頭「結局一度も…向こうからは話しかけてもくれなかったがな…」
若頭「へっ、コテンパンにのした相手にか?」
男「仮に俺と同レベルかそれ以上の刺客が現れたとして、お前達に彼女を守れるか」
若頭「…」
店長「ちなみに、本物の刺客はこんなわかりやすく正面から挑んでこないわ」
店長「プライベートや寝込みを襲われて朝には冷たくなってることもある」
男「都議会議員亡き後も、お前は命を張って彼女を守れるのかと聞いている」
若頭「……」
若頭「…」
男「答えはそれで十分だ」
若頭「お前…は」
男「…仕事柄、身を隠すのは得意だ」
店長「残念ね。あなたとはいいパートナーだったのにねん」
男「これまでの協力に感謝している」
店長「やん。あなた的にはただの協力関係だったわけぇ?」
店長「あちしは公私に渡ってささえてあげたつもりだけど?」
男「お前がいたおかげで、この街で孤独を感じることは減った」
男「だが、心が満たされることはなかったんだ」
店長「あの子なら、足りえるの?」
店長「あなたの孤独は癒やされるのね?」
男「…ああ」
店長「やっだぁ。『あぁ!』だって妬けちゃう~」クネクネ
男「…お前」
男「弁当屋の件は本当に感謝している。お前のおかげで、いろんな生きるスキルが身についた」
店長「それはなにより」
店長「けど料理も小娘のほうがいいのよね」
男「ほとんど焦げてるがな」
店長「…なんだ。少しは笑えるようになったんじゃない」
店長「よかった。いい娘に出会えたわね」
店長「これ。最終便の新千歳行き。受け取って」
男「いいのか」
店長「こうなる気がしたから手配しといたのよ」
店長「良ければよってみて。これ住所」
男「必ず」
男「息子が元気にしていると伝える」
店長「ね、ねぇ最後に……んぅー」
男「……すまない」
店長「んもぅ! 愛するものとの涙のキスでおわかれはつきものよ?」
男「昨晩、自分がホモセクシャルじゃないと知ったんだ」
店長「あらま」
――
少女「僕飛行機のるのはじめて」
男「そうなのか意外だな。金ならいくらでもあるだろう」
少女「パパは忙しいし、僕を遠くに行かせない人だったから」
少女「幼い頃は僕にとって君と遊んだあの公園までが世界の全てだったんだ」
男「……なら、初めての家出でずいぶん遠出したことになるな」
少女「うん、えへへ…」
少女「ねーわくわくするね。飛ぶとき耳痛くなるんだよね?」
少女「耳抜きって、んーってやるんでしょ?」
少女「…」ギュ
少女「おにいさん以外なにもいらないよ」
男「そうか」
少女「おにいさんこそいいの? 僕なんかで人生おかしくなっちゃうよ?」
男「どのみち街にはいられない」
男「だが俺も、お前がいるなら、どこでなにをしてでも生きていける」
男「いまは…そんな気がするんだ」
少女「……えへへ」
少女「大好き。チューしよ。空港の夜景綺麗だね…」
男「そろそろシートベルトを締めろ」
店長「ふー。やっとこさ今回のノルマ終了っと」
店長「やってらんないわよあのヘボエージェント」
店長「あのこと組んでた頃が懐かしいわ」
配達員「ちわーっす郵便です」
店長「あらどうも。何かしら」
配達員「北海道からお届けもんです」
店長「あらん」
店長「チーズでもおくってきたのかとおもいきや。なによこれ写真ばっかりじゃない」
店長「追われてる身なのに大丈夫~? あちしのこといくらなんでも信用しすぎよ」
店長「にしても、飼育員姿も似合ってるわね」
少女「あなたおっかえりー」
少女「はぁいパパにおかえりして」フリフリ
赤子「だう」
少女「ねーねーねー。ご飯にする?お風呂にする?」
少女「それとも、ふ・た・り・め?」
少女「なーんちゃって…きゃうっ!
もーいつまでも冗談通じないんだからぁ」
おわり。
久々に最後までSS読んだ気がする
良かったぜ
乙