騎士長「王宮をクビになってしまった」

79: ◆qqtckwRIh. 2014/03/02(日) 19:21:04 ID:6J6AIzTc
騎士長「それよか、風呂入るぞ。えーとタオルタオル…と」ゴソゴソ

黒髪幼女「…」

騎士長「あぁ、そこで座って待ってろ。準備するから」

黒髪幼女「うん」

トコトコ…ストンッ

騎士長「…寝る時の着替えは俺のでも…えーと…」ゴソゴソ

黒髪幼女「…」

黒髪幼女「…騎士長、さん」

騎士長「ん~何だ?騎士長でいいぞ」

80: ◆qqtckwRIh. 2014/03/02(日) 19:21:40 ID:6J6AIzTc
黒髪幼女「き…騎士長、何でそこまで…してくれるの?」

騎士長「…ふむ」

騎士長「それはさっきも言った通り、俺が騎士…も、元騎士長だからとでもとっておけばいい」ピクピク

黒髪幼女「騎士長さん…だからなの?」

騎士長「まぁそれだけじゃなくて、俺の性格上の問題もあるんだろうがな」

黒髪幼女「…」

騎士長「子供を放っておけないっていうかな、縁ってのも信じるしまぁ…そうなったからそうなったんだ」ハハハ

黒髪幼女「そうなったから、そうなった…」

81: ◆qqtckwRIh. 2014/03/02(日) 19:22:46 ID:6J6AIzTc
騎士長「俺も難しいことは分からん!」

黒髪幼女「…」

騎士長「まぁ今は、受けた依頼を完遂するまでさ。ほら、服を脱げ。シャワーで先に体洗いながら風呂をためるぞ」

黒髪幼女「そっか…。う、うん」

トコトコトコ…ガチャッ

黒髪幼女「…」

ゴソゴソ…パサッ…

騎士長(…本当に人形みたいだな。そして小さい…こんな子供に酷い思いを…。胸糞すぎるぜ…)

82: ◆qqtckwRIh. 2014/03/02(日) 19:23:39 ID:6J6AIzTc
黒髪幼女「…脱いだよ」

騎士長「お、おう…って!!お前背中見せてみろ…!」グイッ

黒髪幼女「あうっ」

騎士長「…っ!」

黒髪幼女「…」

騎士長「何てキズ跡だ…。ひ、酷過ぎる…鞭で叩かれていたからか…」スッ

…ズキッ

黒髪幼女「…っ!」

騎士長「あっ、す、すまん。痛かったか」

黒髪幼女「ううん…大丈夫…」

83: ◆qqtckwRIh. 2014/03/02(日) 19:24:09 ID:6J6AIzTc
騎士長(このまま風呂入ったら染みて痛そうだな…)

騎士長「ちょっと待ってろ、確か…」ダッ

タッタッタッタッタッタ…ゴソゴソッ…ガターン!!

黒髪幼女「!」ビクッ

タタタタタッ…

騎士長「はぁはぁ…あったあった。キズがひどいのは背中と…首筋か。動くなよ」

黒髪幼女「?」

騎士長「生傷とかに効く薬だ。少し麻痺する成分が入ってて、水にも強くなる高い薬なんだぜ?」

騎士長「風呂に入っても痛くはなくなるだろう。さすがに思いっきりは洗えないだろうが」

84: ◆qqtckwRIh. 2014/03/02(日) 19:24:39 ID:6J6AIzTc
ヌリヌリ…

黒髪幼女「…」

騎士長「すぐに効くと思うぞ。普段からキズばっか負ってる生活だったから、必需品なんだよ」

…パァァッ

黒髪幼女「あ…、痛みが…」

騎士長「なっ?さて、風呂だ風呂!」

黒髪幼女「…うんっ」

85: ◆qqtckwRIh. 2014/03/02(日) 19:25:39 ID:6J6AIzTc
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ゴォォォッ…

騎士長「風呂気持ちよかったろ?これは風魔法を応用した、カラクリ用品だ。髪の毛が乾くのも早いぞ~」

黒髪幼女「少し温かくて気持ちいい」パサパサ

騎士長「風邪引くと困るしな」

ゴォォ…

騎士長「本当に最近、良いカラクリ用品がよく発明されてなぁ」

黒髪幼女「…カラクリ用品って何?」

86: ◆qqtckwRIh. 2014/03/02(日) 19:26:44 ID:6J6AIzTc
騎士長「そうか、まだ余り出回ってない地域もあるんだな」

黒髪幼女「うん、聞いた事ない」

騎士長「魔法を封じ込める技術があるんだが、それを放出させる技術のことだ」

黒髪幼女「…うーん、わかんない」

騎士長「お前の住んでた所、夜の明かりはまだ火明かりだったか?」

黒髪幼女「うん。あと月が綺麗だったよ」

騎士長「じゃあ、今、天井に付いてる”電灯”からの明かりを見るのは初めてだろう」

黒髪幼女「うん…何でこんなに明るいの?」

87: ◆qqtckwRIh. 2014/03/02(日) 19:27:33 ID:6J6AIzTc
騎士長「さっきの仕組みと一緒で、雷の魔力を溜めておいて、暗闇で放出させてるんだ」

黒髪幼女「…?」

騎士長「数日に1度、チャージする業者みたいなのがいてな…それが月の支払いがそれなりに大変で…」ハァァ

騎士長「自分の魔力もやれればいいんだろうが、普通は不可能で。それを可能にするのがカラクリの…」ブツブツ

黒髪幼女「…??」

騎士長「…まぁ、不思議な技術ってことだ!」

黒髪幼女「そうなんだ」

騎士長「…お、おう。風呂上がりだし…牛乳でも飲むか?」

黒髪幼女「うん」

88: ◆qqtckwRIh. 2014/03/02(日) 19:28:04 ID:6J6AIzTc
騎士長「よーし、そこのソファで待ってろ。入れてくる」

黒髪幼女「わかった」

タタタタッ…ストンッ

騎士長「さーて、ミルク…ミルク…と」

ゴソゴソ…カランカランッ

トプトプッ…

騎士長(普段は俺一人だから、こういうのもなんか新鮮だな)

89: ◆qqtckwRIh. 2014/03/02(日) 19:28:50 ID:6J6AIzTc
…ピチョンッ

騎士長「お、丁度1杯分か。うっし、黒髪幼女…牛乳飲め…」クルッ

黒髪幼女「…」スヤッ

騎士長「…あら」

黒髪幼女「…」スヤスヤ

騎士長「…ま、そうだよな。疲れてるもんな…、牛乳は俺が飲みますかーっと」

グビッ…グビグビ…

騎士長「ぷはっ。はぁ…さて、寝室に運んで俺は明日の準備でもしておきますかね…」

トコトコトコ…ヒョイッ

90: ◆qqtckwRIh. 2014/03/02(日) 19:29:23 ID:6J6AIzTc
黒髪幼女「…」クゥクゥ

騎士長(…少しは、ゆっくり休めてるようで良かった。そうじゃなかったら寝るなんて事、ないもんな)

トコトコトコ…ギィィ…バタンッ…

騎士長(よいしょっと…)

…ゴロンッ、パサッ

黒髪幼女「ん~…」

騎士長(毛布もしっかりかけたし…俺は準備しに…)

…グイッ!

黒髪幼女「…」ギュ…

騎士長「んっ?」

91: ◆qqtckwRIh. 2014/03/02(日) 19:30:12 ID:6J6AIzTc
黒髪幼女「…」スヤスヤ

騎士長「…服を、離して頂けませんかね黒髪幼女さ~ん」ボソボソッ

…グイッ…ギュゥゥ…

騎士長「…」

黒髪幼女「…」スヤスヤ

騎士長「…はは、仕方ない。準備は明日でいいか…」

…ゴロンッ

騎士長「お休み~…」

黒髪幼女「ん…」

92: ◆qqtckwRIh. 2014/03/02(日) 19:30:57 ID:6J6AIzTc
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・
99: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 19:55:14 ID:IxMQZsrs
…カーンカーン!!

「火の手が南側から!!」

「だ、誰かが村を襲ってるぞぉぉ!」

「逃げろ…うわあっ!」

「きゃあああっ…!」

バキィ!!グサッ…

「た…助け…」

101: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 19:56:50 ID:IxMQZsrs
ドサッ…ザッザッザッザッ…

「ふはは、やりがいのない仕事だと思ったが、中々快感だな」

…ゴォォォッ…パチパチッ…

「やべえ、俺らも燃やされる前に、早く奴隷車に村人つめろ!」

タッタッタッタ…ピタッ

「ん?…おい、そこに誰か隠れてるのか?」

黒髪幼女「!」

「なぁんだ、可愛い子だな…ほら、こっちおいで…」

…グググッ…

黒髪幼女「…っ!!」

102: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 19:57:26 ID:IxMQZsrs
「逃げるなよ…優しくしてあげるからほ~ら」

「おい、そいつはさっき俺らの仕事をくれたやつの娘だ、”少しだけ”丁重に扱ってやれ」

「あ、そうなんだな。じゃあ…少しだけ優しくしよう。少しだけな」ハハハ

スッ…

黒髪幼女「や…」

「ははは!さ~…捕まえたぜ…」グイッ!!

黒髪幼女「や…嫌…!」


……
………

103: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 19:58:15 ID:IxMQZsrs
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 次の日・朝 】

…ガバッ!

黒髪幼女「…嫌だっ!!」

黒髪幼女「…っ」ハッ

騎士長「…おはよう、黒髪幼女」

黒髪幼女「あっ…」ハァハァ

騎士長「怖い夢を見たんだな…。落ち着け…大丈夫だ、ここには怖い奴はいない」

104: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 19:59:33 ID:IxMQZsrs
黒髪幼女「あ…あう…」

騎士長「…」

黒髪幼女「…」ブルッ

騎士長「…黒髪幼女」

黒髪幼女「…なに?」

…グイッ…ギュウッ!

黒髪幼女「!」

騎士長「親父とは違うだろうが、抱きしめて…こうすれば少しは落ち着けるか…?」

騎士長「俺は…子供と遊ぶとか…付き合った経験がほとんどないから分からないんだ」

騎士長「だから、今…苦しむお前を見て…どうしたらいいか分からない。こうして抱きしめることしか…すまんな…」

黒髪幼女「な…何で…、騎士長が謝るの…?」

騎士長「さぁな…俺もよく分からん!」ハハハ

黒髪幼女「…っ」

105: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:00:06 ID:IxMQZsrs
騎士長「そうなるから…そうなったんじゃないか」ニカッ

黒髪幼女「…騎士長」グスッ

騎士長「ん?」

モゾモゾ…グリグリッ

黒髪幼女「ごめんなさい…もうちょっとだけ…」

騎士長「あぁ、気の済むまで…な」

106: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:00:49 ID:IxMQZsrs
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

カチャカチャッ…ジャアアッ…

騎士長「美味かったか?俺のお手製の、朝ごはん」

黒髪幼女「うん、美味しかった」

騎士長「昨日のレストランのチョコレートパフェとはどっちが美味かった?」

黒髪幼女「えっ…えと…その…」モジッ

騎士長「はははっ、悪い悪い。チョコレートパフェのほうが甘くて美味しいよな~」

黒髪幼女「うぅ…」

騎士長「出発前の準備で食料も一応買ってくし、チョコレートなんかも買っていくか?」

107: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:01:33 ID:IxMQZsrs
黒髪幼女「ちょこれーと…買ってくの?」

騎士長「それか…チョコレート以上に食べたいのとかあるか?何でもいいぞ」

黒髪幼女「じゃあ…パ、パンとか…」

騎士長「…パン?」

黒髪幼女「私の住んでた所で、いつも焼きたてのパンと果物を合わせたみたいなの…食べてて…」

騎士長「…あ~…待て。ちょっと待て」

黒髪幼女「?」

騎士長「聞いた事あるぞ…確か…」

黒髪幼女「バスプーサ」

騎士長「バスプーサ」

黒髪幼女「!」

108: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:02:44 ID:IxMQZsrs
騎士長「だよなぁ…。そうだとは思った」

黒髪幼女「知ってるの!?」

騎士長「一応、知ってることは知ってるが…ありゃパンじゃないんだ」

黒髪幼女「え、パンじゃないの?」

騎士長「どっちかっていうとケーキだな。これに近いのはあるが…日持ちしないだろうな~」

黒髪幼女「そっか…」

騎士長「…なぁに、すぐに砂漠街で食べれるさ。確かバスプーサは砂漠地方の…有名な伝統のお菓子だったはずだ」

黒髪幼女「そうなんだ」

騎士長「そうさ。それまでは少しだけ、別ので我慢してくれな」ハハッ

黒髪幼女「うんっ」

109: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:03:24 ID:IxMQZsrs
騎士長「さて…そろそろ行くとするか?」

黒髪幼女「わかった」

騎士長「馬車でまず南側の港まで行って、船に乗って行こう」

黒髪幼女「お船…、私、来るとき…お船に乗ってないよ?」

騎士長「遠回りに通ってきたんだな。だけど、早いほうがいいだろうし、快適な海の旅を~ってね♪」

黒髪幼女「…うん」

騎士長「客船で一晩…いや、二晩くらいか。乗り物酔いとかは大丈夫か?」

黒髪幼女「うん」

騎士長「まぁここでウダウダ言っても仕方ない。…とりあえず出発しないことには始まらないか」

騎士長「んじゃ、まずは馬車乗り場に行くか」

黒髪幼女「わかった」

110: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:03:56 ID:IxMQZsrs
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 馬車乗り場 】

パカッパカッ…

馬車乗り「おーい!こっちですよ!」

受付員「3番乗り場、発車いたしまーす!準備してください!」

ワイワイ…ガヤガヤ…

黒髪幼女「…!」

騎士長「はは、びっくりしたか?」

黒髪幼女「すごい人…」

111: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:04:51 ID:IxMQZsrs
騎士長「ここから世界へのあらゆる流通事業として展開してるからな。賑わってるだろ?」

黒髪幼女「よくわかんないけど…すごい人が多い」

騎士長「とりあえず、凄い所ってことだ」

黒髪幼女「凄い所なんだ…」

騎士長「俺らが乗るのは7番乗り場。南側の港まで直行便だ」

黒髪幼女「もう乗るの?」

騎士長「いや、近くに物販店があるから保存食とか食料品を少しだけ買っていく」

黒髪幼女「少しだけでいいの?」

騎士長「あとは港とか、砂漠街に向かう前に追々と買ったほがいいしな」

黒髪幼女「うん」

112: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:05:28 ID:IxMQZsrs
騎士長「ん~じゃあ、馬車の中で食う昼飯も何か買っていかないとなー」

黒髪幼女「…」

騎士長「バスプーサか…、さすがにこの辺じゃ売ってないだろうしなぁ」

黒髪幼女「何でもいい」

騎士長「バスプーサ…やっぱり砂漠地方まで作り手もいないだろうし…いつもの所で買うか。こっちだ」

黒髪幼女「うん」

タッタッタッタッタ…ガチャッ!

騎士長「おーい、いるかい」

弁当屋「はいよー…って、騎士長サンじゃないか」

騎士長「よっ、久しぶり」

113: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:06:02 ID:IxMQZsrs
黒髪幼女「知り合い?」

騎士長「度々、遠征に行く時はここを利用してたからな。顔なじみなんだ」

黒髪幼女「そうなんだ」

弁当屋「あれっ、騎士長さん!まさか…娘!?」

騎士長「違う違う、ちょっとした知り合い…みたいなもんだ」

弁当屋「なんだよビックリした。で、馬車乗り場って事はまた仕事かい?今回はどこまで?」

騎士長「ちょっと遠出なんだ」

弁当屋「そうなのかい。じゃあ、弁当は何にする?」

騎士長「ん~…日替わりだとか、オススメは?」

114: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:06:52 ID:IxMQZsrs
弁当屋「日替わりは焼肉弁当。オススメは少し前に新作で出した、ご当地弁当かな」

騎士長「ご当地…なんだそりゃ」

弁当屋「世界の食べ物を、2週間単位で限定でまわして販売してるんだよ」

騎士長「…ほう、今のご当地弁当はなんだ?」

弁当屋「今は北の大地の恵み、高級魚を使ったお魚弁当だね」

騎士長「なんだそうか…」

弁当屋「何か不満そうだね。どうかしたのかい」

騎士長「いや~実はな…」

115: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:07:23 ID:IxMQZsrs
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

弁当屋「…え?砂漠地方のお菓子…バスプーサも含めた弁当はできるよ?」アッサリ

騎士長「何だって!」

黒髪幼女「!」

弁当屋「ちょうど、明日から入れ替えでね。砂漠地方の伝統料理をモチーフにしようとしてたんだ」

弁当屋「だから材料はもうあるし、今日の夜から作り置きしようとしてたしね」

騎士長「じ、じゃあ頼めるか?2つ。多少高くてもいいぞ」

弁当屋「ははは、やだな。別にいつもの値段でいいよ」

116: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:08:15 ID:IxMQZsrs
騎士長「よかったな!黒髪幼女!」

黒髪幼女「うん…!」

騎士長(少しずつだけど、元気にはなってきたかな)

弁当屋「じゃあ、2つでいいんだね?」

騎士長「頼んだ」

弁当屋「そうなると作り置きはないから…今から作るし、ちょっとだけ時間もらうよ」

騎士長「どうせ7番線の出発は2,3時間後だ。その間、近くの物販店をいろいろ見てくるさ」

弁当屋「はいよ~」

騎士長「んじゃまた後で」

弁当屋「ほいほい」

117: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:09:20 ID:IxMQZsrs
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

トコトコトコ…

騎士長「良かったな」

黒髪幼女「うん」

騎士長「さて、時間もあるし…整えるものも弁当くらいだしなぁ」

黒髪幼女「装備…武器とかはいいの?」

騎士長「あぁ、どうせ使う機会も少ないだろう。今持ってる王宮の備品で充分だと思うぞ」

黒髪幼女「充分なんだ」

騎士長「ま~武器はいいとして…ん~…」チラッ

“ショップ・旅人ウェア”

騎士長「…よし!」

118: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:09:53 ID:IxMQZsrs
黒髪幼女「どうしたの?」

騎士長「こっちだ、お前にいい物を買ってやろう」グイッ

黒髪幼女「わ、私にいい物…?」

タッタッタッタ…ガチャッ!!ガランガランッ…

騎士長「ここだ」ニカッ

黒髪幼女「…服屋さん?」

騎士長「こういう乗り場では、洋服っつー珍しい服を扱っていてな。旅に行くならお洒落も必須だろ!」

黒髪幼女「で、でも…私、昨日…服買って貰ったよ?ほら…今着てるし…」

騎士長「そういうのじゃなくてなぁ」

黒髪幼女「?」

119: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:10:31 ID:IxMQZsrs
騎士長「えーっと…子供服コーナー…」キョロキョロ

黒髪幼女「…」

騎士長「あった、こっちだ」

トコトコトコ…

騎士長「見ろ!昨日よりも、可愛い服がいっぱいあるだろ!」

黒髪幼女「!」

騎士長「さぁ、好きなのを選べ!!」ハハハ

黒髪幼女「…え、えっ」アセッ

騎士長「…ないか?」

黒髪幼女「そ、そうじゃないけど…突然で…あの…」

120: ◆qqtckwRIh. 2014/03/03(月) 20:11:07 ID:IxMQZsrs
騎士長「あ、あぁ…そ、そうだよな」

黒髪幼女「何で…急に服…なのかなって。それに、色々ここまでしてくれるなんて…」

騎士長「…」

黒髪幼女「…」

騎士長「…子供がそういう事を気にするなって言ってるだろ。それに、昨日説明したはずだが?」

黒髪幼女「で…でも…」

騎士長「お前はさ…今日という時に、こういうチャンスを得たってだけだと思うぜ」

黒髪幼女「チャンス?」

騎士長「この世はな、生きてる限り幸運と不運が付きまとう。わかるか?」

黒髪幼女「うん…なんとなく」

騎士長「生きている今、この瞬間も、お前には偶然だの…運命だの色々な事が渦巻いてる」

黒髪幼女「…」

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