魔王「ふははは!その程度だったか!勇者め!!」
男「うわあああああああああ」
魔王「死ねええええええええ」
男「リセットっと」
男「はーい」
男「もうちょいレベル上げてからいくか」
男「以前の俺とは全く違うぜ!!」
魔王「ふははははその程度か!!」
男「うわあああああああああああ」
男「リセット」
男「はいはい」
男「レベル上げでもしようかな・・・」
魔物A「キー!」
魔物Aがあらわれた!
男「雑魚が・・・」
魔物A「キーキー!」
男「強い・・・」
男「リセット」
男「はいはいはい」
男「む、宝箱!!」
男「やっほーい!!」
男は宝箱をあけた!
なんと宝箱の形をした魔物だった!!
魔物がおそいかかってきた!!
男「・・・」
男「リセット」
男「む!」
魔物Aがあらわれた!
魔物Bがあらわれた!
魔物Cがあらわれた!
魔物Dがあらわれた!
魔物Eがあらわれた!
魔物Fが男「めんどいしリセット」
男「・・・」
男「久しぶりにカジノでも行ってみるか・・・」
男「・・・」
男「・・・」
男「・・・はあ」
男「リセット」
ぱふぱふ屋「今なら安いよーそこの兄ちゃん!!」
男「・・・」
オカマ「うふふWぱふぱふW」
男「うわああああああああああああああああああ」
男「り、リセットおおおおおおおおおお!!!!」
男「しっかりぼうけんのしょにも記録した!!」
男「いくか・・・」
商人「いまならしもふりにく入り饅頭がたったの100Gだよー」
男「・・・」
男「残金100Gか・・・」
男「ごくり」
商人「まいどー」
男「うめえええええええ!!!」
男「・・・」
男「・・・もう一回食べたいな・・・」
男「・・・」
男「リセット」
男「ん?」
美人「きゃあ!!」
なんと風で美人のスカートがめくれた!!
男「・・・」
男「・・・リセット」
商売女「あら、お兄さん、今夜どお?」
男「・・・ちょっと教会行ってくるから待ってて」
神父「迷える子羊よ・・・」
男「ぼうけんのしょに記録します!!」
神父「上書きしても・・・」
男「はやく!!!」
宿屋の人「昨夜はお楽しみでしたね」
男「さてリセット」
男「・・・」
男「・・・」
男「・・・もういい加減魔王のとこいこうっと」
というわけでこのままではずっとループするのでここからは時間が進みます
ストーリーちっくになるのであしからず
魔王「久しぶり!?私は貴様に会ったことなどないわ!!」
男「あ、そっか・・・う、うるさい!!以前の俺とは違うぞ!!」
魔王「何を寝ぼけたことを・・・死ね!!」
男「うわあああああああああ」
魔王「ふははは!その程度だったか!勇者め!!」
男「うわあああああああああ」
魔王「死ねええええええええ」
男「・・・結局リセット」
女「ひーまー」
女「ひまひまー」
女「ひまひまひまひまひ」
女「まーひー」
男「うわあああああああああ」
女「ええええええええええ!?」
男「いってえ・・・」
男「・・・おかしいな・・・いつもは教会に戻るはずなのに・・・」
男「どこだここ・・・」
女「・・・ここはたびのやどです・・・」
男「うわああああああ!」
女「・・・いたい」
女「・・・」
男「・・・失礼ついでに、ここはどこのまちでしょうか?」
女「・・・○○のまちです」
男「・・・○○のまち?・・・聞いたことないな・・・」
女「・・・聞いたこともないような小さいまちですみません」ゴゴゴゴゴゴ・・・
男「いや!そーゆー意味で言ったわけでは!!」
女「・・・大体君は誰ですか・・・いきなり降ってきて小さいだのなんだのと・・・」ゴゴゴゴゴ・・・
男「うわああああああああ!!」
女「・・・一晩40Gです」
男「・・・へ?」
女「一晩40Gです!泊まってくれるなら許します!!」
男「・・・あ・・・」
女「泊まるの!?泊まらないの!!?どっち!?」
男「泊まります!!」
女「ふあ」
女「・・・ねむ・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・あー・・・」
女「・・・あの人まだ寝てるんかな・・・」
女「・・・ご飯作らなきゃ・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・んぁ?」
女「・・・なんだろ・・・外が騒がしいな・・・」
女「・・・」
女「・・・!!え!?」
町民2「こんなこと今までなかったのに・・・」
町民3「うえええええーーん!」
女「そんな・・・」
魔物「!まだ人間が残っていたか!!」
町民・女「!!」
魔物「勇者をどこに隠したー!!」
町民1「落ち着け!話し合おうじゃないか!」
女「無理―!!説得してどうにかなる相手じゃないよー!!!!」
りーせっと
なるべく早くする
男「うわあああああああああ」
女「ええええええええええ!?」
女「いたい・・・」
男「いってえ・・・」
男「・・・おかしいな・・・いつもは教会に戻るはずなのに・・・」
男「どこだここ・・・」
女「ここはたびのやど・・・って・・・あれ!?」
男「たびのやど・・・?」
女「え?え?あんた昨日の・・・?」
男「昨日の?」
女「あれ?え?さっきまで私・・・?」
女「おかしい・・・さっきまで確実に魔物達が襲ってきて殺されそうになってたのに・・・」
男「・・・もしもーし」
女「・・・でも日付といい、こいつといい、これは昨日の出来事・・・?」
男「・・・」
女「それともさっきのは夢・・・?」
男「・・・あの・・・よくわからないんでおれ出て行きますね・・・?」
女「!!だめ!一晩40G!!泊まってったら今のこと許してあげるから!!」
男「ええええええ!?」
女「・・・」
女「むう・・・」
女「もし・・・私が昨日に戻ったのだとしたら・・・」
女「明日の朝に起こることもやっぱり変わらないってことよね・・・」
女「・・・」
女「・・・むう」
男「・・・あれがないと・・・」
女「・・・なにしてんの?」
男「うわあああああああああ!!」
女「・・・ビビりすぎ・・・」
男「あ、あの、ちょっと探し物を・・・」
女「ふーん」
男「・・・」
女「手伝ってあげよっか?」
男「い、いいいいいです!!自分で見つけれます!!」
女「・・・ふーん」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・あの・・・」
女「・・・」
男「・・・なにか・・・?」
女「・・・君さ」
男「はい・・・」
女「強い?」
男「へ?」
女「旅慣れしてそうな感じじゃん」
男「・・・まあ、それなりに」
男「・・・」
女「旅慣れしてるってことはそれなりに強いってことでしょ?」
男「・・・まあ、それなりに」
女「煮え切らないやつだなー!強いの?弱いの?」
男「強い・・・と思う」
女「・・・ふーん」
男「・・・・・・?」
女「じゃあ今日は早く寝といて」
男「へ?」
女「夜更かししたらダメだよ!!」
魔物「ふははははは!」
女「やっぱり来た!!おいこら起きろ!!」
男「ふえ?」
女「魔物が襲ってきたの!!なんとかして!!」
男「・・・まもの・・・?」
女「魔物!!」
男「・・・魔物!?」
魔物「ふははははは!!」
魔物「ふはははははは!勇者はどこだー!!」
女「早く!!みんな殺されちゃう!!」
男「わかってるって!」
男は炎の呪文を唱えた!
魔物に187のダメージ!!
魔物「貴様・・・勇者か!?」
男「ほいっと」
男はまじんのごとくきりかかった!!
魔物に208のダメージ!!
魔物「ぎゃああああああ」
魔物を倒した!!
町民1「ありがとうございました・・・」
町民2「あなたは命の恩人です・・・」
女「・・・君、めちゃめちゃ強いじゃん・・・」
男「それはどうも」
女(ちょっとかっこいいとか思ってしまった・・・)
男「でも被害が少なくて済んだのはあなたが魔物が来たのをすぐに知らせてくれたからですよ」
女「え?あーえと・・・と、とにかくみんな無事でよかったよ!!はっはっはっは!!」
男「?」
女「・・・むう」
女「・・・」
女「・・・」
女「もどれっ!!」
女「・・・」
女「・・・戻らない」
女「・・・どーやって戻ったんだろうか」
女「・・・むう」
男「・・・あのー」
女「うおう!!!?」
男「そ、そんなにビビらんでも・・・」
女「なな、な、なに?」
男「・・・今朝は、ありがとうございました」
女「へ?」
男「あのまま寝てたらこのまち・・・ひどいことになってました」
女「あーうん!まあでもやっつけたのは君だし・・・」
男「昨夜早めに寝るようにって言ってくれたのもあなたですし・・・」
女「あー・・・まあ・・・それは・・・うん」
女「へ?」
男「名前・・・さっき女ちゃんって呼ばれてましたよね?」
女「あー・・・うん、女ですが」
男「おれは男って言います」
女「ふーん、よろしく」
男「よろしく」
女「女でいいよ」
男「え」
女「さんとか堅苦しくてやだ」
男「あーじゃあ・・・女は、占い師かなにか?」
女「・・・はあ?」
男「昨日おれが強いかどうか聞いて、早く寝ろって言ったり」
男「今朝は早く起こしてくれたり」
女「う」
男「まるで魔物が来ることをわかっていたみたいだったでしょ?」
女「それは・・・」
女「な!そんなわけないじゃん!!たまたまだよ!たまたま!!」
男「たまたま?」
女「そ!」
男「でもたまたまにしては・・・」
女「あーもううだうだうるさい!」
男「ええ・・・」
女「いいじゃん!みんな助かったんだし!ね?」
男「はあ・・・」
女「・・・え!?行っちゃうの!?」
男「おれがこのまちに滞在しているとまた今朝のようなことが起こりかねないし・・・」
女「え」
男「今朝の魔物の狙いはおれなんです」
女「ええ!?」
男「・・・そういうわけで・・・迷惑かけたくないし、行きます」
女「あ!ちょっと!理由くらい・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・行っちゃった」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・むう」
女「そういやあいつなんか探してたよな・・・」
女「見つかったのかなー・・・」
女「・・・」
女「・・・ちょっとかっこよかったな・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・ねよ」
女「すやすや」
女「・・・んん」
女「・・・ん・・・」
女「・・・」
女「・・・ん?」
魔物A「ぎゃははははは!」
町民達「きゃああああああああああ!!」
女「え!?」
魔物C「勇者を殺せえええええええ!!」
女「そんな・・・また魔物!!」
魔物D「勇者はどこにいった!!今朝ここにいたはずだ!!」
女「・・・勇者!?」
女「・・・」
女「!!まさか!あいつのこと!?」
町民達「うわああああああああああ!!」
女「!!そんなこと考えてる場合じゃない・・・」
女「・・・男が残ってくれてたら・・・」
女「今朝止めるべきだったんだ・・・」
女「・・・」
女「どうしようどうしようどうしよう」
女「・・・今朝に戻れたら・・・」
女「!!戻ったじゃん!私!!」
女「・・・どうやって戻ったんだ私は・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・わからん!!」
女「・・・ううー」
女「戻りたい・・・」
女「どうやって戻ったか知らないけど戻りたい!!」
女「もどりたいもどりたいもどりたいもどりたいもどりたい」
女「今朝に戻りたい!!!!!!」
りせっと
女「うわ!!戻った!!ってか戻りすぎじゃんこれ!!おい起きろ男!!」
男「ふえ?」
女「いーからさっさと炎の呪文やらなんやらであいつ倒して!!」
男「・・・へ?なんでおれの名前・・・」
女「いーから早く!!」
魔物に138のダメージ!!
魔物「貴様・・・勇者か!?」
男「さてね」
男のこうげき!かいしんのいちげき!!
魔物に289のダメージ!!
魔物「ぎゃあああああああ!!」
魔物を倒した!!
女「・・・」
女(魔物のセリフはまったく同じだけど)
女(男・・・氷の魔法も使えるんだ・・・)
女(・・・まじでこいつ勇者なのかも・・・)
女(・・・)
女(・・・2回目なのに)
女(またもや少しかっこいいと思ってしまった)
女(・・・男のくせに)
町民1「ありがとうございました・・・」
町民2「あなたは命の恩人です・・・」
女「・・・ここのセリフも同じか・・・」
男「え?」
女「いやなんでも」
男「でも被害が少なくて済んだのはあなたがすぐに知らせてくれたからですよ」
女「え?あーえと・・・と、とにかくみんな無事でよかったよ!!はっはっはっは!!」
男「?」
男「・・・あのー」
女「うおう!!!?」
男「そ、そんなにビビらんでも・・・」
女「なな、な、なに?」
男「・・・今朝は、ありがとうございました」
女「・・・ああ、あのまま寝てたらこのまちがひどいことになってたって?」
男「え・・・」
女「それと昨夜早めに寝るようにって言ってくれたのも私のおかげって?それでも魔物倒したのは君・・・」
男「ええー!?なんでおれの考えてることわかるんですか!?」
女「え!?あ!しまった・・・やりすぎたか・・・」
女「え」
男「昨日おれが強いかどうか聞いて、早く寝ろって言ったり」
男「今朝は早く起こしてくれたり」
男「まるで魔物が来ることをわかっていたみたいだったでしょ?」
女「それはたまたま・・・」
男「おれの名前も知ってたし・・・」
男「しかもさっきはおれの考えてること見抜いちゃったじゃないですか!!」
女「う・・・まずいな・・・話が微妙にややこしくなってきてる・・・」
男「・・・それとも、まさかあなたが魔物の仲間とか」
女「な!そんなわけないじゃん!!たまたまだよ!たまたま!!」
男「たまたま?」
女「そ!」
男「でもたまたまにしては・・・」
女「あーもううだうだうるさい!」
女「え!?行っちゃうの!?」(しまった!!)
男「おれがあまりこのまちに滞在しているとまた今朝のようなことが起こりかねないし・・・」
女(どうしようここで引き止めないと・・・)
男「今朝の魔物の狙いはおれなんです・・・」
女(どうしよう・・・何かいい手は・・・)
男「そういうわけで・・・迷惑かけたくないし、行きます」
女「あ!えと・・・そうだ!名前!!」
男「え?」
女「名前!!私女っていうの!!」
男「・・・女さんですか」
女「そう!」
女(ああああああああああどうしようどうしようどうしよう・・・)
女「・・・えと・・・その」
男「?」
女「さっきの・・・男・・・さんの姿見て・・・ひ、一目惚れしちゃって」
男「え」
女「だからその・・・色々お話したいので・・・このまちにもう少し残ってもらえませんか・・・?」
男「・・・」
女「・・・」(・・・落ちたな・・・)
男「・・・」
女「・・・だめ?」
男「・・・悪いけど・・・おれは・・・君を幸せにしてあげることはできない・・・」
女「・・・・・・・え!?」
男「ごめん!!それじゃあ!!」
女「・・・」
女「えええええええええええええ!?」
女「・・・うう・・・」
女「・・・はずかしい・・・」
女「・・・」
女「・・・私・・・あんなキャラじゃないのに・・・」
女「・・・・・・下手にでれば・・・いい気になりおって・・・男のくせに・・・」
女「・・・うううう・・・」
女「・・・もどりたい・・・」
女「・・・できることなら・・・あの色気を使っていたときに戻って・・・」
女「男をぶん殴って・・・」
女「もどりたいもどりたいもどりたい!!」
りせっと
女「・・・・・・・え!?これ戻ったけどほんとについさっきじゃん!!」
男「ごめん!!それじゃあ!!」
女(・・・・・・くそ・・・ほんとは殴りたかったけど仕方ない!!)
女「・・・ひぐっ・・・」
男「・・・へ?」
女「・・・ぐすっ・・・そんな・・・ひぐっ・・・」
男「・・・女・・・ちゃん・・・?」
女「・・・せっかく・・・ひぐっ・・・運命の人に出会えたと思ったのに・・・ぐすっ」
男「・・・あの・・・でも・・・おれ探し物が・・・」
女「ううっ・・・ひぐっ・・・」
男「・・・あー・・・じゃあお茶でも1杯もらっていこっかな・・・」
女「・・・ほ・・・んとですか・・・?」
女(計画通り・・・!!)
女「・・・」
男「ごくごく」
女「・・・」
男「ごくごく」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・あの・・・」
女「・・・」
男「・・・女・・・ちゃん・・・?」
女「・・・!は、はい?」
男「えとーどんな話が聞きたいのかを・・・」
女「・・・あ!・・・えっと・・・」
女(どうしよう・・・一応引き止めることはできたけどどうやって夜まで・・・)
女「・・・」(どうしようどうしよう)
男「ごく・・・ごく・・・」
女「・・・」(うううううううううう)
男「・・・ごく」
女「・・・」(あああああああああ)
男「・・・おいしいお茶でした」
女「・・・あ、はい!どういたしまして!!」
女(うわあああああああああああどうしようどうしようどうしよう)
女「・・・男・・・さんて勇者なんですか・・・?」
男「!?な!?」
女「あ!えと・・・ほら!!さっき襲ってきた魔物が言ってたのを聞いて・・・」
男「・・・」
女「・・・・・・えっと・・・」
男「・・・まあ、隠してもしょうがないか・・・」
女「やっぱり勇者なんですか?」
男「・・・まあ、一応・・・」
女「・・・やっぱりそうなんだ・・・」
男「・・・まあ一応」
女「へえ・・・」
男「・・・」
女「・・・?」
男「・・・なんか、女ちゃんに敬語で喋られると不自然な感じがする・・・」
女「へ?」
男「会って間もないのに前に会ったことあるような」
男「どっかで会ったことあるような」
女「!」
男「なんでだろう・・・」
女「あ!じゃ、じゃあ敬語やめるね!!」
女(まさか覚えてるはずないよね・・・)
男「んー・・・・・・気付いたらなってた」
女「気付いたら?」
男「・・・ん・・・そこはおれもよくわからないんだけど」
女「?」
男「特になりたかったわけでもなくて」
女「気付いたら?」
男「気付いたら」
女「ふーん」
男「・・・」(なんかさっきとキャラが全然違うけど何故かこっちのがしっくりくるような・・・)
女「受け継いでないの!?」
男「うん・・・たぶん」
女「なのに勇者になって魔王倒そうとしてるわけ?」
男「・・・うん、まあ世界が平和になってほしいし」
女「・・・」
男「・・・なにより、早く勇者の役目を終えたいし・・・」
女「え・・・」
男「・・・でも結局同じことの繰り返しで・・・」
女「・・・同じことの・・・?」
男「あ、いやなんでもないっすW」
女「?」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・」(まずいな・・・また会話が途切れてしまった)
男「・・・」
女「・・・」(何か話題を・・・)
男「・・・」
女「・・・あ」
男「?」
女「そういえば」
男「?」
男「え」
女「なんか探してるんでしょ?」
男「あ、あああ、えっと・・・」
女「?」
男「それは・・・」
女「大事なもの?」
男「まあ、それなりに・・・」
女「なんなら手伝うよ?」
男「・・・箱」
女「箱?」
男「かなり小さい箱なんだけど」
女「ふむ」
女「その箱には何か入ってるの?」
男「・・・あー・・・それは・・・」
町民1「おーい女ちゃん・・・おおおおおおお!?あなたは今朝の!!」
男「へ?」
女「あ」
町民1「恩人様ではありませんか!!」
男「あ・・・えっと」
町民1「急にいなくなっていたのでてっきり旅立ってしまったのかと!!」
女「私が引き止めたんだよ」
町民1「なんで早く言わなかったんだ!!」
男「え?え?」
町民1「みんなー!今朝の恩人様がいたぞー!!」
ΩΩΩ「な、なんだってー!!」
男「ど、どうも・・・」
町民2「まもりのたねのパンもどうぞ!!」
男「は、はい・・・」
町民3「すばやさのたねからできたお酒もありますよ!!」
男「あ、おれ・・・お酒はちょっと・・・」
町民4「遠慮なさらず!さあどうぞどうぞ!!」
男「え、えええええ・・・じゃあ、1杯だけ・・・」
町民5「おいみんな!この方、勇者様らしいぞ!!」
ΩΩΩ「な、なんだってー!!」
女「これは予想外の展開」
女「しかしこれで夜まで引き止められそう・・・」
女「勝った・・・」
女「・・・」
女「・・・ひま」
女「・・・そーだ」
女「・・・男の探し物でも探しに行くかな」
女「がさごそ」
女「がさごそ」
女「がさごそ」
女「・・・」
女「ないなー」
女「!」
女「男が急に降ってきた場所とかに落ちてるかも!!」
女「がさごそ」
女「がさごそ」
女「がさごそ」
女「・・・」
女「ない」
女「なんで私は男のためにこんな疲れてるんだ・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・そういや・・・」
女「・・・なんで男は急に降ってきたんだ・・・?」
女「・・・そうだよ、おかしすぎる」
女「なんで今まで疑問に思わなかったんだ!?おかしすぎるじゃん!!」
女「・・・瞬間移動でも使えるのかな」
女「勇者だし」
女「・・・」
女「・・・わからん・・・」
女「・・・」
女「・・・もう夕方か・・・」
女「・・・みんなのとこ戻ろう」
町民1「ういーW勇者様・・・もっと飲んでくださいようW」
女「げ」
男「あ、おんなしゃんー」
女「男!?」
男「おんなしゃあん・・・」
女「あんたどんだけ飲んだの!?」
男「だってみんながのめっていうからぁ」
女「限度ってもんがあるでしょ!!」
男「ごめんなしゃい・・・zzz」
女「ちょっ!男!?」
男「zzz」
女「ちょっと!!」
男「zzz」
女「もうちょっとで魔物がくるんだよ!?ねえ、起きて!!」
男「zzz」
女「どうしよう・・・せっかく引き止めたのにこれじゃ意味ないじゃん・・・」
町民1「うぃーW」
町民2「zzzz」
男「zzz」
女「男!!!!!」
男「zzz」
女「だめだ・・・起きたとしてもこんな状態で戦えるわけない・・・」
女「・・・はあ」
女「・・・また戻るしかないのか・・・」
女「もう・・・疲れて・・・戻りたいって強く思える気がしない・・・」
女「強く思う以外に戻る方法ってないわけ!?」
女「・・・今度は町民達を説得しないと・・・」
女「・・・はああああ・・・」
女「・・・もうこりごり・・・説得ってめんどくさいんだよ・・・」
こりごり・・・説得って
こりごり・・・せっとくって
ごり・・・せっとく
り・・・せっと
りせっと
男「ど、どうも・・・って・・・え?」
女「きゃあああああああああああ!!」
男「ええええええええ!!?」
町民1「なんだなんだ!?」
女「・・・いったあ・・・」
男「・・・うう・・・」
町民1「女ちゃん!?確かさっきまでそこにいたはずじゃないか!!」
女「あ、えーとごめん!ちょっと勢い余って・・・」
女(なんか知らない間に戻ってきてるしまたぎりぎりのタイミングだし!!)
男「うう・・・」
町民2「!!恩人様!大丈夫ですか!?」
男「・・・は、はい・・・なんとか・・・」
町民1「女ちゃん・・・今このまちの恩人様をおもてなししているところなんだ・・・頼むから邪魔しないでくれよ」
女「ご、ごめん・・・」
男「・・・」
男「あ、おれ・・・お酒はちょっと・・・」
女「!!」
町民4「遠慮なさらず!さあどうぞどうぞ!!」
男「・・・じゃあ1杯・・・」
女「きゃああああああああ!!」ガシャン・・・
町民3「うわっ!!」
町民4「女ちゃん!!」
町民1「樽ごと・・・」
女「ごめん!!勢い余った!!」
町民1「ごめんですむか!せっかくの酒を・・・」
女「・・・ごめんなさい・・・」
町民2「すみません、恩人様、すぐに別のお酒を・・・」
女「!!」
男「あ、そんないいですよ、おれあまり飲めないので」
町民3「でも・・・」
男「それよりさっき女ちゃんが淹れてくれたお茶がとてもおいしかったのでできればお茶が・・・」
町民1「はい!いますぐに!女ちゃん!!」
女「・・・あ、はい!!ごめんなさい・・・」
男「いえいえw」
女「計画通り」
町民5「おいみんな!この方、勇者様らしいぞ!!」
ΩΩΩ「な、なんだってー!!」
男「いや・・・それほどでも・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・みんな酒なしでも楽しそうだなー」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・暇だし、もう1回探しにいくかな・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「やっぱないか・・・」
女「・・・」
女「・・・もどろ」
町民2「zzzz」
女「え・・・」
女「まさか」
町民1「おーw女ちゃんーw」
女「うっわ・・・酒くさっ・・・って結局飲んだの!?」
町民2「うぃーwうひひひひw」
女「せっかく阻止したと思ったのに・・・」
町民1「まー女ちゃんも飲んでけwな?w」
女「やだって・・・あれ」
女「・・・」
女「男は!?」
町民2「勇者様?wさあ?w」
町民1「うひょーw」
女「ちょっと・・・また戻るのなんてやだよ・・・男―!!」
女「・・・」
女「もーどこいったのよ・・・ほんとに・・・」
女「おとこー!!!!!」
女「・・・」
女「・・・もう・・・また戻るしかないか・・・」
魔物A「ぎゃははははは!」
町民達「きゃああああああああああ!!」
女「・・・え!?」
魔物C「勇者を殺せえええええええ!!」
女「魔物!?そんな・・・まだ夜になってないはず!!」
魔物D「勇者はどこにいった!!今朝ここにいたはずだ!!」
女「早すぎる・・・なんで!?前と違うじゃん!!」
女「どうしよう・・・せっかく戻ってきたのに・・・やっぱりもう一回戻るしか・・・」
魔物E「勇者をわたせー!!」
女「!!きゃあああーー!!!!」
男は炎の呪文を唱えた!!
魔物Eに320のダメージ!!
魔物「ぎゃあああああああああ!!」
魔物Eは倒れた!!
女「え!?」
魔物Bに307のダメージ!!
魔物Bを倒した!!
男「女ちゃん、大丈夫?」
女「・・・あ、う、うん・・・」
男「よかった」
魔物A「いたぞ!!勇者だ!!」
魔物C「やっと姿を見せたな!!」
魔物D「いくぞ!!」
男「ちょっとここで待っててね」
女「・・・うん・・・」
魔物Cに275のダメージ!
魔物Cを倒した!
魔物Dに289のダメージ!
魔物Dを倒した!
魔物Aに187のダメージ!
魔物A「・・・くそ・・・貴様・・・」
男「あれ・・・一撃じゃ足りなかった?」
魔物A「大人しくメモリーを渡さない限り今日のようなことはこれからも」
男のこうげき!
魔物Aに215のダメージ!!
魔物Aは倒れた!!
男「・・・」
女「・・・めもり・・・?」
女「・・・」
男「・・・女ちゃん」
女「・・・」
男「・・・けがは?」
女「・・・ないよ、ありがとう」
男「そか、よかった」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・男・・・めもりって・・・」
町民1「男様―!!!」
男「え」
女「またかよ」
男「あははは」
女「・・・」
町民2「どうかこのまちに残ってまちを守ってはもらえませんか・・・?」
女「え」
町民3「今まで魔物達に見つからずになんとか生き延びてきたが・・・もうこのままではおれたちはおしまいだ・・・」
女「たしかにそうだけど・・・」
町民4「そうだ!ぜひとも○○のまちの守り神に!!」
女「ちょ・・・」
町民5「男様!お願いします!!」
女「ちょっと!男は魔王城に行かなきゃならないんだから・・・」
男「・・・しばらく、このまちにいます」
町民1「本当ですか!?」
女「ええええええええ!?」
男「また今日みたいなことがあったら大変じゃん」
女「そうだけど・・・でも・・・」
男「まちの平和を守るのも、勇者の役目でしょ?」
女「・・・そう・・・だけど・・・」
男「それに、こうなったの・・・おれのせいだし」
女「・・・そんなこと・・・」
男「だいじょぶ、そんなに長くはいないから」
女「・・・」
そして、その日から私が過去に戻る回数は減った。
魔物「うがー!!」
町民「魔物が現れたぞー!!」
男「よしきた」
女「・・・」
魔物「がー!!」
男「はいよー!!」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・ごくり」
女「・・・」
女「もどりたいもどりたいもどりたいもどりたい」
女「もう一度あの饅頭が食べたい食べたい食べたい食べたい」
りせっと
回数が減ったといっても、たまにこっそり戻ってはいた。
男「あ」
女「うわ!」
男「そんなにビビらんでも・・・」
女「な、なに!?」
男「たまたま通りかかっただけだよ」
女「そ、そか」
男「うん」
女「うん」
男「・・・」
女「・・・」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・」
男「ね」
女「ん?」
男「・・・おれのどこがいいの?」
女「・・・は?」
男「その・・・惚れてるんでしょ?」
女「え」
男「・・・おれがこのまちを出て行こうとしたときに言ってたじゃん」
女「あ」
男「どこがいいの?」
女「・・・えっと・・・」
女(しまった・・・そーゆー設定だったんだ・・・すっかり忘れてた)
女「えっと・・・」
女「うーんと・・・」
女(むう・・・うまいいいわけが思いつかない・・・)
男「・・・」
女(これはやはり戻って引き止めるときに何か別の手を使うか・・・)
女(いやしかしここで戻るとまた今日までの日々を過ごさなきゃならないのか・・・)
女(めんどい・・・)
女(ならこのベランダに来た時間に戻って・・・このベランダに行かなければ・・・)
男「・・・おれは女のこと好きだけどなー」
女「・・・・・・え?」
男「ノリ合いそうだし」
男「実は顔もわりとタイプだしw」
女「いやいやいやいや!!何言っちゃってんの!?」
男「えー?」
女「冗談?それにしちゃ顔がマジだよ!?」
男「・・・マジなつもりだったんだけど・・・」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・マジ告白?」
男「マジ告白」
女「・・・・・・・・・・」
りせっと
女「これ以上ややこしくしたくないのだよ、私は」
女「すまん、男」
こんこん
男「女―いるー?」
女「え」
男「やっぱいた」
女「えええええええ!?なんで!?ベランダにはいなかったじゃん!!」
男「?うん、だから探してたんだよ」
女「えええええ・・・せっかく戻ってきたのに・・・」
男「?何言ってんの?それよりさ、話があって・・・」
りせっと
男「女―いるー?」
女「zzz」
男「・・・なんだ寝てたのか・・・」
女「zzz」
男「・・・しょうがない」
女「zzz」
男「・・・おやすみ」
ばたん
女「・・・よし」
女「でも」
女「だからといってあいつが明日告白してこないとも限らない・・・」
女「・・・」
女「・・・・・・」
女「・・・よし」
女「・・・いちかばちか・・・」
この時のことを、今でも私は後悔している。
女「ね、男」
男「ん?」
女「・・・ちょっと話があるんだけど」
男「話?」
女「うん」
男「なに?」
女「うん」
男「?」
女「・・・これから話すこと、冗談みたいなことなんだけど」
男「・・・?」
女「・・・だから、信じられないかもしれないけど」
女「本当のことだから」
男「・・・?うん、わかった」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・実は私さ」
男「うん」
女「過去に戻れるんだ」
男「・・・・・・・・・・・・・・・え?」
男「え?」
女「・・・」
男「いやいや」
女「・・・」
男「過去って?」
女「過去」
男「戻れるって?」
女「戻れる」
男「冗談?」
女「じゃないって!!」
男「・・・」
女「・・・」
女「・・・」
男「うそでしょ?」
女「・・・」
男「・・・そんなバカな・・・」
女「・・・本当だよ」
男「いやいや・・・」
女「初めて魔物がこのまちを襲ったとき!」
男「!」
女「男が強いのか聞いたのも」
女「男に早く寝るように言ったのも」
女「魔物が来て、男をすぐに起こせたのも」
女「魔物が襲ってくることを知ってたからできたんだよ」
男「・・・」
女「男の名前も知ってた!」
男「・・・」
女「男が私にお礼を言うセリフも知ってた!!」
男「・・・」
女「全部知ってたんだよ・・・」
女「全部一度聞いてたんだよ」
女「なんでなのかわからないけど」
女「戻りたいって強く思うと過去に戻れるようになった・・・」
男「・・・」
女「戻りたいって思った時間に戻れるようになったの」
男「・・・」
女「・・・なんでなのかわからないけど」
女「・・・」
男「・・・そういうことだったのか・・・」
女「・・・?」
男「・・・」
女「・・・?」
男「・・・そういや・・・あの朝に、おれを泣いて引き止めたのも」
女「!!」
男「その夜に魔物が襲ってくることを一度経験してたから」
女「・・・」
男「知ってたから」
男「なんとかして引きとめたかったのか・・・」
女「・・・うん」
女「・・・・・・・・・あれは・・・」
男「・・・今更隠す必要ないってw」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・ごめんなさい」
男「まあ、ああでもしない限りおれ旅立ってただろうしねw」
女「・・・」
男「てか一度旅立ってるからあーゆーことしたんだもんなw」
女「・・・」
女「・・・でも・・・私は」
男「あははwもーいいってw」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・と、とにかく」
男「?」
女「私は過去に戻れるから」
女「もしこの先このまちに魔物が襲いにきても」
女「また過去に戻ってあんたに知らせればいいし・・・」
男「・・・」
女「・・・だから、その・・・無理してこのまちにいなくても・・・だいじょぶだよ?」
男「・・・」
女「・・・魔王退治もあるだろうしさ」
男「・・・」
女「・・・いつまでもこんな小さなまちにかまってる暇もないでしょ?」
男「・・・」
男「・・・」
女「でもほら、もしかしたら魔物が襲ってくる前に男が魔王倒しちゃうかもでしょ?」
男「・・・」
女「男めちゃめちゃ強いんだしさ!」
男「・・・」
女「・・・だから」
男「・・・そっか」
女「・・・」
男「・・・わかった」
女「・・・うん・・・」
女(これで男に告白とかされなくて済むし・・・)
女(計画通りなんだけど・・・)
女(・・・)
女(・・・よかったの・・・か・・・?)
男「・・・」
女「・・・で、でもさ」
男「?」
女「やけにすんなり信じたね」
男「・・・ああ」
女「普通だったら信じないと思うけど」
男「・・・」
女「・・・?」
男「・・・おれも過去に戻れるんだよ」
女「・・・・・・・・・え?」
女「・・・・・・え、え?」
男「だからすんなり信じられた」
女「・・・男も・・・戻れるの・・・?」
男「・・・これで辻褄が合ったな・・・」
女「え?・・・え?」
女「え?・・・え?」
男「ちょっと失礼」
男は女に手をかざした!
男は何かの呪文を唱えた!!
女「!?ちょっ・・・」
なんと!女の体から小さな箱が出てきた!!
男「・・・やっぱり」
女「!?なにこれ!!」
男「おれの探してた物」
女「え・・・?」
男「小さな箱って言ったじゃん」
女「え・・・?なんで?なんで私の体の中から出てくるの・・・?」
男「・・・」
女「・・・どういうこと?」
女「・・・」
男「メモリーって言うんだ」
女「・・・メモリー?」
男「そう」
女「?」
男「今までの、冒険や、過ごしてきた時間を、記録することができる」
女「記録・・・?」
男「おれらはぼうけんのしょって呼んだりもしてる」
女「ぼうけんのしょ」
男「うん、大体は教会で記録する決まりになってる」
女「ふーん」
女「記録した時間・・・?」
男「つまりおれが今、このメモリーに記録したとする」
女「うん」
男「そして明日になったときに過去に戻ったとすると今、この時間に戻ってこれるわけだ」
女「今記録したから?」
男「そう」
女「・・・むずかしい」
男「あはは」
男「というか気付いたらなってたんだけど」
男「過去に戻ることができる力・・・おれはリセットって呼んでるんだけど」
男「その力と、このメモリーがおれの中にあった」
女「りせっと?」
男「うん、『リセット』って唱えると使える力だからリセットって呼んでる」
女「今も言ってるのに使えてないじゃん」
男「全く戻る気がないときは唱えても意味ないの」
女「ふーん・・・」
男「あとどうやら唱えなくても戻りたいって強く思えば使えるらしいね、女の話を聞く限り」
女「知らなかったの?」
男「うん、おれはいつも『リセット』って言って使ってたし」
ちょっとシャワー浴びてくる
男「まあ・・・うん、そうだね」
女「じゃあなんで私は戻れたの?」
男「うん」
女「私別に勇者じゃないし・・・」
男「だね」
女「そんな力今までなかったよ」
男「多分だけど」
女「ふむ」
男「最初にぶつかったときにメモリーが女のほうに移っちゃったんだと思う」
女「ぶつかったとき?」
男「ぶつかったとき」
男「そ」
女「!!あれってもしかして戻ってきたの!?」
男「そう」
女「でも男、このまちに来たことなかったんでしょ?」
男「うん」
女「来たことない記録地点に戻ってこれるわけないじゃん!!」
男「それなんだ」
女「それ?」
男「これ」
女「メモリー?」
男「うん」
女「故障?」
男「バグ?とも言うかな」
女「・・・バグ?」
男「要するに、過度に負担をかけすぎてたんだよ」
女「負担?」
男「例えば、異様に、ぼうけんのしょに記録→リセットを繰り返してたり・・・」
女「・・・男もけっこうりせっとしてたんだ」
男「・・・魔王・・・強くて」
女「・・・なるほど」
男「うん」
女「ふうん・・・」
男「うん」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・あれ、でも」
男「ん?」
女「記録した時間に戻るんだよね?」
男「そう」
女「でも私記録なんかした覚えないのに戻りたいと思った時間に戻れたよ?」
男「それはですね」
女「・・・?」
男「こういうこと」
男はメモリーの箱の蓋を開いた!!
男「これが今まで記録してきた時間」
女「こんなに?」
男「うん」
女「へえ・・・」
男「・・・おれが使っていたときは1つしかなかった」
女「え?」
男「おれは記録する度に上書きしてたから」
女「・・・上書き?」
女「・・・よくわかんないけど」
男「まあつまり常に記録してる時間は1つだけってこと」
女「へえ・・・」
男「でも女に移って、多分完全に故障しちゃったんだろな・・・」
男「自動で不規則に時間をそれぞれ新規保存しちゃってるんだ・・・」
女「??」
男「つまり勝手にたくさんの時間を記録しちゃってるってこと」
女「なるほど」
男「うん」
女「だから私は戻りたい瞬間に一番近い記録されてる時間に戻ってたと?」
男「そう、わかってんじゃん」
女「ふーん・・・」
男「いや・・・体内に入れてないときは記録されないの」
女「へえー」
男「また体内に入れると勝手に記録されるよ」
女「永遠に?」
男「いやいや、メモリーに記録できる時間の数は限られてるから・・・」
女「メモリーがいっぱいになったら止まるの?」
男「そう」
女「へえー」
男「まあ、故障してるから止まる前にこのメモリーが完全に使えなくなるかもしれないけど」
女「そか・・・」
男「うん」
男「うん」
女「やっぱ移ったの?」
男「・・・うん、メモリーが移るとリセットの力も移っちゃうみたいだね」
女「そうなんだ」
男「またおれにメモリーを入れるとリセットの力も戻るはず」
女「なるほど・・・」
女「・・・なるほど」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・いや、特に・・・」
男「・・・そか」
女「・・・うん」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・」
私はメモリーを男に返した。
まさか告白させないために、まちから離れさせるために、
過去に戻れることを告げたのに。
こんなことになるなんて、思ってもみなかった。
私は男の運命を変えてしまったのかもしれない。
私はいつものようにたびのやどの店番をした。
しかし、その日男と交わした会話はあれ以来なかった。
夜、寝る前に今朝のことを思い返してみると
聞きたいことなんて山ほどあったのに、
何も聞けなかった私は男の話に相当驚いていたのだろう。
明日、男にいろんな話を聞こう。
今度こそ、これまでの話を。
そして、謝ろう。
そう思いながら、眠りについた。
女「ふあああああああ・・・」
女「・・・」
女「・・・ん・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・ねむ・・・」
女「・・・」
女「んん・・・」
女「・・・」
女「・・・男起こしにいかなきゃ・・・」
女「・・・」
女「・・・男―」こんこん
女「・・・」
女「・・・男―朝だよー!!」こんこん
女「・・・」
女「・・・男―!!」
女「・・・」
女「・・・?変だないつもはこれで起きてくるのに」
女「男―?」
女「・・・開けるよー?」がちゃ・・・
女「男―・・・」
女「・・・あれ?」
女「・・・いない?」
女「・・・」
女「・・・どうして・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「!」
女はおきてがみと小さな箱を見つけた!
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・」
魔王のところへ行きます。
何かあればリセットしてください。
メモリーは置いていきます。
体に押し付ければ自然と中に入っていきます。
色々と調べた結果、
このメモリーはもういつ使えなくなってもおかしくない状態にあります。
注意して使ってください。
色々と迷惑をかけました。
あなたたちのまちが平和になるように全力で魔王を倒すつもりです。
では、いってきます。
女「・・・」
女「・・・そっか」
女「・・・」
女「・・・行っちゃったのか」
女「・・・」
女「・・・私が行けって言ったんじゃん」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・男・・・」
女「・・・」
女「・・・ごめん・・・」
女「うわっ!!」
町民1「女ちゃん!!」
女「どしたの朝っぱらから!!」
町民1「魔物がまた襲ってきたんだ!」
女「!!」
町民1「男様はまだ寝ているのか!?早く知らせないと・・・」
女「・・・」
町民1「男様―!!」
女「・・・」
町民1「男様―魔物です!!」
女「・・・」
女「・・・男は・・・もういないよ」
町民1「!?」
女「魔王を倒しに行った」
女「・・・私たちで、なんとかしよう」
女「やい魔物!」
魔物「小娘!勇者はどこだ!?」
女「勇者は今、朝風呂中につき私が相手だ!!」
魔物「ぐはははははは!お前が俺の相手になるか!!」
町民1「女ちゃん!無理だって!!」
女「やってみなきゃわかんないじゃない!」
女(それにここでりせっとしたら・・・)
女(・・・男だって戦ってるのに・・・!!)
女「いくぞー!!」
ミス!魔物にはきかないようだ!
魔物のこうげき!
女は10のダメージをうけた!
女のこうげき!
魔物はひらりとよけた!
魔物のこうげき!
女は12のダメージをうけた!!
魔物「ぐははははは!話にならんな!!」
女「うう・・・」
町民1「女ちゃん・・・」
町民1「女ちゃん!!」
女「きゃああああああああああ!!」
魔物「!?」
なんと魔物の動きが急に止まった!!
女「!?」
魔物「・・・」
女「・・・?」
魔物はおとなしくなり野に帰っていった!
女「・・・これって・・・?」
女「・・・どういうこと・・・?」
町民1「女ちゃん!!」
同時に勇者が命を落とした、という情報も入った。
相討ちだったらしい。
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・男」
男はリセットを使えなかった。
私たちのために、メモリーを置いていったから。
私たちと・・・
いや、私と出会わなければ落とすことのなかった命を、
彼は落としてしまったのだ。
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女「・・・」
女は静かにメモリーを自分の胸に押し付けた。
女「・・・」
女「・・・私は」
女「・・・」
女「・・・こんな平和、いらない」
女「・・・」
女「・・・男と私が初めて出会った瞬間に一番近い時間に・・・」
女「りせっと」
「記録されている時間は最新のものだけです」
「強制的にその時間に戻ります」
女「え?」
女「え?え?何今の・・・」
女「ひとつだけ!?」
女「なんで・・・?」
男「えええええええええええええ!?」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・うぅ・・・なにがどうなって・・・」
男「・・・いたい」
女「うわっ!!男!!」
男「・・・女・・・?」
女「生きてる・・・」
男「・・・?」
女「・・・うぅ・・・よかったぁ・・・ぐすっ・・・」
男「!?ちょっ・・・」
女「ひぐっ・・・」
男「なんで泣くの!?」
女「うう・・・」
男「てかなんでいきなりおれの部屋にいんの!?寝てるはずじゃ・・・」
女「うえええええん・・・」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・落ち着いた?」
女「・・・うん」
男「・・・」
女「・・・今っていつ・・・?」
男「やっぱり戻ってきたのか」
女「うん」
男「・・・明日の朝早くに、魔王のところに行こうと思ってる」
女「・・・じゃあ前日か・・・」
男「魔物が襲ってきた?」
女「・・・」
男「・・・?」
女「・・・襲ってきたけど」
男「・・・けど?」
女「・・・途中で帰っていった」
女「うん」
男「どういうこと?」
女「誰かさんが魔王を倒したから支配が解けたの」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・その誰かさんって」
女「・・・男」
男「まじ!?」
女「うん」
女「・・・でも」
男「・・・でも?」
女「・・・男も死んじゃう」
男「!」
女「・・・相討ちだって」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・そか」
女「・・・うん」
男「・・・やっぱそうなのか」
女「・・・?」
女「ん?」
男「せっかく平和になったのに」
女「うん」
男「なんで戻ってきちゃったの?」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・いいわけないじゃん」
男「・・・?」
女「いいわけないじゃん!男が死んで手に入る平和なんて!!」
男「!」
女「・・・私のせいで・・・」
女「私のせいでリセットできなくなって・・・」
女「私のせいで死んで・・・」
男「・・・」
男「・・・」
女「・・・大切な人を・・・」
男「・・・」
女「・・・自分のせいで失って・・・」
女「・・・それで手に入る平和なんていらないよ!!」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・」
女「だから」
男「・・・」
女「まだ出て行かないで」
男「・・・」
女「もっと修行して、レベル上げて」
男「・・・」
女「死ななくても倒せるレベルになったら倒しにいってよ!」
男「・・・」
女「ねえ!」
男「・・・」
女「なんで!?」
男「・・・」
女「死ぬのがかっこいいと思ってるの!?」
男「・・・」
女「そんなの全然かっこよくないから!」
男「・・・」
女「ねえ!!」
男「・・・もう、無駄なんだ」
女「・・・無駄・・・?」
男「・・・もう、おれのレベルは上がらないらしい・・・」
女「・・・え」
女「・・・」
男「それで、おかしいと思って神父さんに聞いたんだ」
男「次のレベルに上がるにはあとどれくらいのけいけんちが必要かって」
女「・・・」
男「そしたら」
男「・・・もう成長の限界ですって」
女「・・・」
男「これ以上レベルは上がらないって」
女「・・・」
男「・・・だから」
男「・・・何度も何度も魔王を倒しに行ってるんだけど」
女「・・・」
男「・・・どうしても倒せなくて・・・」
女「・・・」
男「・・・でもレベルは上がらないし」
女「・・・」
男「・・・装備は完璧だし・・・」
女「・・・」
女「・・・」
男「最後の最後まで死力を尽くして戦うことはできなくて」
女「・・・」
男「・・・いつもリセットしてた」
女「・・・」
男「・・・だから、おれは死なないと、魔王を倒すことはできないんだと思う」
女「・・・そんな」
女「・・・」
男「何度目か忘れてしまったけど、魔王を倒しにいったとき、奴がこう言ったんだ」
女「・・・?」
男「『お前、リセットしてるだろって』」
女「え・・・」
男「驚いたよ・・・思わずリセットしてしまった」
女「魔王もリセットを知ってるの・・・?」
男「リセットは古代から存在するのではないかと言い続けられてきた力だからね」
女「古代から・・・」
男「代々勇者が魔王を倒してきたのもリセットの力があったからだと言われていた」
男「ただしそれを実際に見たものはいなかったから伝説の力とされてきたけど」
女「・・・へえ」
男「文献を読めばすぐにわかることだ」
女「・・・」
男「魔王もおれに違和感を覚えたんだと思う」
女「・・・違和感・・・」
男「前に会ったことあるようなーっておれ言ってたでしょ?」
女「あ・・・」
男「・・・それから魔王軍はおれのメモリーを狙うようになったんだ・・・」
女「りせっとすれば何度でもやり直すことができるから・・・」
男「うん、倒されそうになったらリセットすればいい」
女「・・・だから、執拗に男を・・・」
男「うん」
女「・・・」
女「・・・ほんとだ」
男「・・・じゃあ、行ってくる」
女「!だめ!!」
男「・・・女」
女「じゃあせめてメモリーを・・・」
男「言ったろ?リセットが使えると思うと倒せない・・・」
女「・・・でも」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・じゃあ」
女「・・・待って」
男「・・・?」
女(・・・・・・これしか・・・ないか・・・)
魔王「久しぶり!?私は貴様に会ったことなどないわ!!」
男「あ、そっか・・・う、うるさい!!以前の俺とは違うぞ!!」
魔王「何を寝ぼけたことを・・・と言いたいところだが」
男「!?」
魔王「その様子だと以前リセットしてからしばらく俺のところには来ていなかったらしいな」
男「・・・!やっぱばれてるか」
魔王「腰抜けめ!今回はリセットする間もなく殺してやるわ!!」
男「・・・今回は、使わないさ」
魔王「ふん!それも毎回言っているセリフか!?死ねええええええ!!!」
男「おおおおおおおおおおおおおおお!!!」
男のこうげき!
魔王に187のダメージ!!
魔王「その程度か!!」
魔王のこうげき!
男は190のダメージを受けた!
魔王「まだまだだ!」
魔王はしゃくねつのほのおをはいた!!
男は169のダメージを受けた!!
男「くっそ!やっぱり強い・・・」
魔王「ふははははははは!!」
男は回復の呪文を唱えた!
男の体力は300回復した!!
魔王のこうげき!
男は152のダメージを受けた!!
魔王はかがやくいきをはなった!!
男は170のダメージを受けた!!
男「くそ・・・」
魔王「ふはははははは!!」
魔王「・・・少しはやるようだな・・・だが!次で終わりだ!!」
男「・・・」
男(残りHP・・・338・・・)
男(ここだ・・・いつもここでおれはリセットを使ってしまう)
男(この魔王のこうげきに耐えることができれば・・・)
男(倒せるはずなんだ・・・)
魔王「死ねええええええええええ!!」
男「・・・!!!」
勇者に168のダメージ!!
魔王のこうげき!
勇者に169のダメージ!!
男「・・・!!」
男「お・・・おお・・・おおおおお!!」
男のこうげき!
かいしんのいちげき!!
魔王に389のダメージ!!
魔王「・・・馬鹿な・・・!?」
魔王は倒れた!!
男「はあっ・・・はあっ・・・」
魔王「く・・・そ・・・」
男「・・・なんだおれ死なないじゃん・・・かな・・・り・・・ぎりぎりだけど・・・」
女「男!!!!」
男「・・・女・・・痛いって・・・」
女「よかった・・・よかったよぅ・・・ぐすっ・・・」
男「・・・おれ死なないじゃん・・・うそつき・・・」
女「ぐすっ・・・ごめん・・・」
男「・・・はは・・・結局ついてきた意味なかったな・・・」
女「・・・ぐすっ・・・意味なくてよかったよ・・・」
男「・・・はは・・・」
魔王「・・・・・・く・・・そ・・・」
男「・・・とかなんとか言ってる間にもう夜明けか」
女「・・・ほんとだ」
男「・・・じゃあ、行ってくる」
女「!だめ!!」
男「・・・女」
女「じゃあせめてメモリーを・・・」
男「言ったろ?リセットが使えると思うと倒せない・・・」
女「・・・でも」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・じゃあ」
女「・・・待って」
男「・・・?」
女「私も一緒に連れてって」
男「!?」
女「私がメモリーを持っていって、魔王を倒した後で男が死んじゃう前にメモリーを男に渡せばいい」
男「いやいや・・・」
女「そうして男が死ぬ前にりせっとすれば男は死ななくてすむじゃん」
男「・・・いやいや危ないから!!」
女「ここで断ったって、男がいいって言うまで何度だって戻ってくるから」
男「!!」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・わかった」
女「よし!!」
男「その代わり戦いが終わるまで出てくるなよ!?」
女「わかってる!」
男「・・・・・・はあ」
男「・・・」
女「・・・ぐすっ・・・意味なくて・・・よかったよ・・・」
男「・・・だな」
女「・・・うん・・・」
男「・・・」
女「・・・ね、男」
男「・・・ん?」
女「私ね・・・男のことが・・・」
魔王「うがあああああ!!」
魔王は最後の力を振り絞って炎をはいた!!
女「え?」
男「危ない!!」
男は1のダメージをうけた!!
魔王はちからつきた
男「・・・」
女「男!!」
男「・・・・・・う・・・」
女「男!男!!」
男「・・・・・・やら・・・れた・・・な」
女「早く回復呪文を!」
男「・・・M・・・Pがもう・・・ない・・・・・・んだ・・・」
女「・・・!」
男「・・・そ・・・れに・・・もう・・・手遅れ・・・だ・・・」
女「そんな・・・ぐすっ」
女「・・・せっかく・・・これから・・・ずっと一緒にいれると思ったのに・・・」
男「・・・み・・・らいは・・・かえ・・・られない・・・んだ・・・とおもう・・・」
その言葉を聞いたとき、今まで私が過去に戻り、変えてきたと思っていた事柄が、
実は全て未来に持ち越されていただけだったと、唐突に理解した。
最初に魔物が襲ってきたとき、
本当はあそこでまちは滅びるはずだった。
けれど滅びなかった。
だからその後も魔物が何度も何度も来たんだ。
まちが滅びるという未来を作るために。
男がまちを出て行くことも変えることのできない未来だった。
私が何度戻って何度引きとめたって、
結局男はまちを出て、魔王のところに来てしまう。
未来は変えられない。
女「・・・ぐすっ・・・」
女「・・・」
女「・・・けど」
女「・・・」
女「死ぬっていう未来が変わらないとしても・・・」
女「・・・ぐすっ・・・」
女「・・・大人になって」
女「・・・子供ができて」
女「・・・おじいさんになって」
女「・・・孫ができて」
女「・・・寿命を全うして静かに眠りにつくまでは」
女「・・・持ち越すべきだよ・・・」
女は手に持っていたメモリーを静かに男の胸に押し付けた。
女「りせっと・・・して?」
男「・・・」
女「早く・・・今ならまだ間に合う・・・」
男「・・・で・・・も・・・おん・・・なが・・・」
女「大丈夫、男が私のこと覚えててくれれば」
男「・・・」
女「あっちの私仲良くなって・・・」
女「もしも結婚とかしてもさ」
男「・・・」
女「今の私のこと、覚えててくれたら」
女「男が生きてくれてたら」
女「それでいいから」
男「・・・」
男「・・・?」
女「戻ったらこんなことは繰り返さないようにね」
男「・・・は・・・はは・・・」
女「仲間を見つけるとか、いくらでも方法あるでしょ!」
男「・・・わか・・・った」
女「じゃあ、ほら」
男「・・・」
男「・・・リセット」
この時、私はすっかり忘れていたのだ。
今日の夜中に戻ってきたとき、
本当は今日の夜中に戻ってくるつもりじゃなかったことを。
メモリーがほとんど消えていたことを。
「このままリセットすると現在の記憶も含め、全て初期状態に戻りますがよろしいですか?」
男「・・・え・・・」
女「え・・・?」
夜中に戻ってこれたのはたまたま男がメモリーを調べるために一時的に自分の中にメモリーを入れていて、
その時に自動記録された時間があったからで。
他の過去の時間は全て消えていたんだ。
そして今、その記録されていた唯一の時間も消えてしまっていたんだ。
女「・・・」
男「・・・お・・・んな・・・」
女「・・・」
男「・・・おれ・・・は・・・」
女「・・・」
男「・・・?」
女「・・・一目惚れはうそだったけど」
女「でも、私はあんたのことが好き」
男「・・・!!」
女「いつのまにか惚れてた」
男「・・・な・・・にを・・・?」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・それ以上は言っちゃダメ」
男「・・・?」
女「その言葉は一度聞いたから」
男「・・・?」
女「男が私のことを忘れちゃっても」
女「今言わなかったら・・・またいつか、逢えるでしょ・・・?」
男「・・・・・・あ・・・」
女「ね?」
男「・・・・・・だ・・・ね」
女「じゃあ」
男「・・・」
女「ずっと待ってるから」
男「・・・・・・うん・・・」
男は静かに微笑んだ。
男「・・・・・・リセット」
同時に勇者が命を落とした。
相討ちだった。
私はそう説明した。
世界に平和が訪れた。
男、元気にやってますか?
そっちの私と出会った?
メモリー、私に移しちゃった?
私たちはあなたがくれた平和を十分すぎるほど満喫しています。
私はあなたと私が出会ってから、あなたがどんな風に過ごすのかわかっているから、
いつも今頃何をしているのか想像して楽しんでいます。
町民1「おーい女ちゃん!ちょっといいかー?」
女「なーにー?」
町民1「××のしろの方が来てるぞー!!」
女「えー?」
勇者の像を作ることにしたんだって。
顔とか格好とか色々聞かれたよ。
私の理想やら妄想やらが入ってるから本物よりかっこよくなりそうだよ。
私みたいに後悔しなければいいけど。
町民1「女ちゃんー!!」
女「はーい!」
じゃあ町民1さんが呼んでるから今日はこの辺で。
私はこの先もあなたをずっと待ってます。
あなたの告白は未来に持ち越されたのだから。
「リセットおおおおおおお!!」
今日も世界のどこかで「リセット」は起きている。
おわり
GJでした
この感動をもう一度…
リセット
感動をありがとうw
いちおつ!!!
まれに見る良スレだったよ!
ハッピーともバッドともいえないENDってもどかしいなwww
引用元: 魔王「お前、リセットしてね?」