◆
悪友女「やほー元気ぃ? 今日もノートみしてよー」
◆
ツン嬢「ちょっ、ちょっと貴方、いつも私にやらしい視線送るのやめてくれない!?」
◆
眼鏡後輩「あ……男先輩、こんにちは……///」
◆
クール先輩「やぁ男君また会ったね。調子はどうかな?」
◆
友「はは、お前相変わらずモテモテだよなーw」
↑いまこのポジション
男「はあ……毎日毎日女絡みで大変だぜ……」
友「お前なんっつー贅沢なことを」
男「いっぺん俺の立場になってみろってんだよ」
友「黙れっ、誰でもお前みたいなフラグメイカーになれると――」
幼なじみ「男君、食堂にいたんだね! 今日もお弁当作ってきてるのに」ズンッ
男「幼っ……お前何でこんなとこまで;」
幼「ふっふん、男君の行動パターンはお見通しだよ。……あ、もしかして迷惑だったかナ……」
男「い、いや……まぁいーけどさ」
友「…………オレはお邪魔虫かな」ガタッ
男「お、おい友?」
幼「えっ、ちちち違うよ! 私たちそんなんじゃ」
友(うまくやれよー)ボソッ
幼(……う……うん、わかった)
友「じゃな~♪」(……ハァ)
友(まぁ男とは高校で初めて出来たダチだしな)
友(今さら妬む気持ちなんか起きないけど)
友(あれはさすがにモテすぎだろ……。あーあオレもカノジョ欲しいな~)
クール先輩「!」
友「わぶっ」ポニョン
クール「ふむ……君は男君の友人」
友「わわわわクール先輩!? すすすすみませんっ」(ぶつかった拍子に胸ががが)
クール「ちょうどよかった、男君はいずこかい?」
友「えっ……えっと……す、すいません、ちょっと分かんないッス」
クール「……そうか。生徒会の仕事で相談があったんだが……仕方がない」
クール「ありがとう、それじゃ」
友「は、はいっ、副会長のお務めお疲れ様ッス!!」
友(…………女の子の胸にぱふってもフの字すら立たないなぁオレだと……)
男「友、ちょっとここの数学の問題教えてくんね?」
友「あ? あーここね、オレも手こずった。実はここをこう代入すりゃ一発」
男「うおそうだったのかサンキュ!」
友「じゃ今度おごt」
悪友女「ねー男ー、ここの問題分かる~?」ズイッ
男「あ? ああ、ここならさっき分かった。これ代入するんだってよ」
悪友女「え、そうなの。やっぱ男は地味に頭イイよなー」
男「いやこれは友が」
悪友女「おっと、後は自分で解けそうだから頑張ってみる!」
男「あっおい!」
悪友女「い、いつまでもバカにしてんなよ、アタシだってやれば出来るんだから」
男「……いってしまった」
友「あいつさー、お前に気があるんじゃないの」
男「バッ、バーカあの悪友女に限ってそりゃねーから!」
友「はは……は……。……」
男「……でさ、クニがゴシュって」
友「マジで? て危なっ」
眼鏡後輩「キャッ」
ドンッ バサバサバサ
眼鏡後輩「ごごごごめんなさい!」カキカキ
男「い、いや、オレも悪かったから」カキカキ
友「あーあこりゃ大変だ」セッセッ
眼鏡「わわわ私、曲がった先に男先輩がいるとは思わなくて……」
男「い、いや……って俺のこと知ってんの?」
眼鏡「あ……い、いえ、そ、それは……」
友(お、こんなとこにも落ちてる)セッセッ
男&眼鏡「……あ……」(手が重なる)
友(……えーともうないっぽいな)
眼鏡「い、いえそんな///」
友「もう落ちてないみたいだぜ、ほい」
男「お、おお、その分と」ヒョイ
友(あら)
男「俺の分合わせて、はい、これで全部?」
眼鏡「は――ハイッ、どうもありがとうございました男先輩!」
男「いや、礼を言うなら友にm」
眼鏡「本当に助かりました! ではまた――///」サササーッ
男「あ……」
友「……アノ子オ前ニ気ガアルンジャネ?」
男「バッ、そ、そんな訳ねーだろ。……まぁ、可愛かったケド」
友「ハハ……ハ……。……」
捨てヌコ「ミャ~ミャ~」
友「よーチビにゃん。今日も缶詰め買って来たぜ~」カキャッ スッ
ヌコ「ミー!」ハグハグ
友「……やっぱお前、ウチで飼うの厳しいんだわ……」
ヌコ「……」ハグハグ
友「オレの自己満足……どころかお前にとっちゃ不幸になるのかもなぁ」
ヌコ「……」ハグハグ
友「まぁそうだとしたら……運が悪かったと諦めてくれな」
ヌコ「……ミー!」
友「もう食い終わったん? もうねーよ」
ヌコ「ミャーミャー」
友「後片付けはしとくから、また明日な~」
ヌコ「ミャー……」
男「ん……? こんなトコに捨て猫一匹発見」
ヌコ「ミャーミャー」
男「まだこんなに小さいのに……可哀相だよな」
ヌコ「ミャー」
ツン嬢(……! あ、あれは男……と、猫?)
◆ ◆ 略 ◆ ◆
男「本当に悪いな。飼い主になってもらって」
ツン「フ、フン! 貴方がどうしてもって言うから……」
男「ああ、ありがとう」
ツン「そ、そんな別に……///」
ヌコ「ミャア」
男「そいつも嬉しがってる」
ツン「ソイツ、じゃなくてよ。もっと素敵な名前を付けないと……」
男「ああそうだな……二人で名付け親になるか」
ツン「……///」
友「あれ、チビにゃん? チビにゃ~ん」
友「いない……いつもなら呼んだら絶対出てくるのに」
友「ついに保健所に連れてかれたのかな……他の動物に襲われたとか……」
友「誰かが引き取ってくれてたらベストなんだけどなぁ」
友「うん、きっとそうだ。チビにゃん、幸せにな!」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
男「よー、クロの奴は元気?」
ツン嬢「とても元気よ。定期的に栄養摂ってたみたいで、健康状態に問題ないって」
男「へぇ、あんな子猫が自力で……奇跡だ」
幼なじみ(……最近男君とツンさん、仲いいナ……)
友「チビにゃん元気かな……」ぼけーっ
頑張れ
支援
感情移入ってふしぎ!
友「男ー、一緒に帰ろーz」(おっと幼なじみちゃんか)
男「ん?」
友「今日もお熱いねーじゃあねー」
男「お、おいっ」
幼「も、もう友君///」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
友「男ー、一緒に帰……」
ツン嬢「それでね、すくすく育ってて」
男「そりゃ良かった。ツンが引き取ってくれたお陰だよな」
ツン「べ、別にそんな……///」
友(うーん横槍無粋な雰囲気が出来上がってるな……退散……)
友「男ー、一緒」
眼鏡後輩「ほ、本当にごめんなさい、私何度も――」
男「いやーもういいって」
友(またクラッシュしとる! オレも手伝……)
男「はい。今日はこの間より枚数少なくて良かった」
眼鏡「は、はいっ、本当に有難うございましたっ」
男「いやーいいっていいって。またな」
友(……)
友「男ー、いっ」
悪友女「よぉ男! 今日放課後ヒマぁ? 宿題付き合えよ!」
男「うわ、急に何だよ」
悪友「明日締め切りのプリントまだ終わってないんだよー。
アタシ馬鹿だからさー、ね、お願い?」
男「な、何で俺なんだよコイツハ」
友(あ、これ結局引き受けるパターンだ。今日も無理か……)ハァ
ないな
友(ん。今日は珍しくフリーか?)
友「男ー、久々にゲーセン行こうぜー」
男「あ、わり! 今日は生徒会で手伝いしなきゃいけないんだ」
友「クール先輩か」
男「う……まぁ……」
友「じゃあ仕方ねーなー。また今度な!」
男「おお!」
友(しかしコイツの場合『今度』って有り得るんだろうか?)
友(……まぁ……別に男はなんも悪くないからいっか……)
こういう事の繰り返しで
俺は優しさを失っていったんだ
事故ならね
って思った
友(お……今日はツン嬢と一緒に帰ってる。はぁ、偶然同じ道だよ……)
友(ふーん……ツンってけっこう近寄り難いイメージあったけど……)
友(あんな顔するんだなぁ……男の前では)
友(あ……他校のバカだ。ちょっかい出してやがる)
友(……おいおいツンさんそんな、ほっとけばいーのに……)
友(男も軽くあしらって逃げればいーものを……)
友(あーもー仕方ねーなー)コキコキッ
DQNA「は? 何カッコつけちゃってんの?」
男「うっ……」
DQNB「ねー、オレらそっちの娘に用があんだけどー」
ツン「この……下衆!」
友「はいはいはいそこまで~」
男「友!!」
ツン「友君!?」
DQN「!! ……? ?」
友(今のうちに早く行け)
男(おいっ、俺も闘るぞ!)
友(バカ、女の子の前で暴力沙汰見せるアホがいるか)
ツン「……」ブルブル…
男(くっ……)
友(こういうのオレんが慣れてるからさ、とっととズラかってツンさん慰めときな)
男(友……すまないっ……)
友「雑魚バカ今頃気付いたか」(イマだっ)
男「! ツンっ」グイッ
ツン「えっ? きゃっ!!」ダッ
DQNB「やろ……」
友「おっと残念。ここは通れません」
DQNA「お前さ……ちょっと調子乗りすぎじゃね?」
友「はーい2名様、路地裏までご招待ー」サッサカサ
DQNB「おい待てコラァ!!」
友(ちきしょー、オレに寄ってくんのは不良ばっかだよ……)
友(そら逃げろーっ)
DQNA「待てコラァ!」
友(やれ逃げろーっ)
DQNB「コイツ…………足おせーぞ!」
友「そりゃお前らみたいに手ぶらじゃねーし」ザザッ
DQNA「うっ……このクソが」
DQNB「止まったんならさっさと財布出せよほら」
友「来いよ。逃がしてくれないんなら相手してやるから」バサッ
DQNA「……舐めやがって」
DQNB「大概にしとけや……」ジリ…
友(はぁ……オレっていま格好いいのかな……)
紫煙
男「ここまで来ればもう……」
ツン「ハァッ……ハァッ……」
男「だ、大丈夫か。無理に走らせて済まなかった」
ツン「私より……友君は……?」
男「ああ、それなら心配ない、アイツ空手経験者だから」
ツン「そうなの……?」
男「そこらの不良じゃ相手にならない程強い。俺の誇れる親友だ」
ツン「……貴方、友達のことを話すとき、目が輝くのね」
男「そ、そうか?」
ツン「うん……素敵だと思う……」
男「べ、別に……普通だよ……」
友(つええーよコイツら! 格闘技経験者じゃねーか!!)ハァハァ
DQNAB「ゼェゼェ……ハァハァ……」
友(こっちが剛柔使いでこっちが極真かよふざけんな)ゼィゼィ
DQNA「チェスタアアッ!!」
DQNB「ゼエエエイッ!!」
友「フッ! セェッ!!」
(オレだけ何漫画やってんだよぉ)
――。
友「か……勝ったぜ……」グラッ
DQNA「う……てめ……」
DQNB「覚えてろや……雑魚が……」
友「へ……へへ……それじゃあばよ……」ヨロ…
友(うっ……病院行ったがいいかコレ。……!?)
DQNC「おーおーコイツら相手によく勝ったな」ザッザッ
DQND「カカカいつも幅きかせといてざまーねーわお前ら」ザッザッ
DQNE「お楽しみはこれからこれから」ザッザッ
DQNA「お前ら……来んのおせーんだよ……」
友「何この展開」
――ツン嬢邸。
クロ「ミャー」
男「はは、こいつ甘えてきて可愛いなー」
ツン嬢「ふふ、覚えてるんじゃない? 拾った日のこと……」
男「そーかーお前賢いんだなー」
クロ「ミャー」スリスリ
ツン「…………」
男(な……なんかこうしていると夫婦みたいだな……)
ツン(男君顔が真っ赤……私と同じこと考えてるのかな……)
男「……///」
ツン「……///」
クロ「ミャー」
濡れた
友は…友は…
てめぇの為に体張ってんだよ馬鹿やろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
泣いた
友「……」
友「………………」
友「………………………………」
友「勝ったぜ……」フララッ
DQNs「うぐぐ……」「が……かっ……」「いてぇよ……」
友「追加三人が……トーシロじゃなかったら……」ゲボッ
友「コホッ……マジで死んでたかも……」
友「やっと……やっと帰イデデッ……やっと帰れる……」
友「しかも……今度から狙われんだろーなオレ……」ゲハッペッ
友「明日から帰宅ルート変えるか……」痛ッツ
友「なんでこんなことになったんだっけ……まいっかどうでも……」ヘクシュン「痛っ」
(´;ω;`)ブワワッ
翌朝――。
男「おいっ友、大丈夫かその顔!」
友「顔――ああ、この切り傷のこと? これは大したことないよ」
男「昨日結局どうなったんだ!?」
友「まぁ、勝ったには勝ったぜ」
男「そ、そうか……まさか相手が二人で友がそんな状態になるとは……」
友「いや、最終的に結局5にn」
悪友女「おはよーっす! おい男、お前昨日何した?」
男「いきなりなんだよ」
悪友「幼なじみちゃん、半泣きだったぞ。昨日何かあったんじゃないか」
男「う……それは……」
悪友「大人しく告白した方が身のためと思うけどなぁ……」
(う……アタシ、どさくさ紛れに告白なんて……////)
友「……はは」
友(……顔なんかより学ランの下の方が大変な事になってるんだけどなぁ……)
男はどっかでへたれろ
幸せなはずなのに何故か虚しい結婚生活
妻を問い詰め、聞いてはいけない言葉を友は聞く
「本当は男がずっと好きだったの。でもあの人の隣にはいけない…
だから一番近い友の隣でもいいからって、ごめんなさい…」
おい やめろバカやろう
生物教師「気孔の孔という字は穴という意味であり――」
男「……Zz」
友「……Zz」
教員「従って孔辺細胞と間違えやすく――」ピク
男「Zz」
友「Zz」
幼なじみ[ね、男っ、起きないとっ。友君も!]
男「う……ん……」
友「……Zz」
男「ヤバッ」
教員「そこっ。寝ているヤツ!」
友「…………Zz」
男[起きろって。知らねーぞー……]
友「Zz……うーん……どうせこれも夢落ちだろ……Zz」
教員「相当疲れているみたいだな。ぐっすり眠らせてあげよう、評点と引き換えに……」
男「あちゃー……」
歴史教師「……969年安和の変……」
友「あんなの……へん……」キリッ
男「……Zz」
教師「……参考文献、西宮記……」
友「さいきゅう……き……」キリッ
男「……Zz」
クラスメイト「……Zz……」
……。
キーンコーン カーンコーン
歴史教師「それじゃ今日はここまで……」
友「……あれ。あの先生居眠り減点取らなかったっけ」
男「取らねーよ」
友「マジで」
男「後でノート写させてちょ」
友「やだよ」
友はちゃんとノート取ってそれを男に搾取されて友から搾取した男のノートに女どもが群がるんだよ
って展開希望
男「俺も寝てた」
悪友「じゃあ友! ノートみして!」
友「いや」
悪友「あっ友がノートとってたってー」
クラスメイト「Mgd!?」
わらわら
友「うわよせ何をする――痛っマジで痛い!」
男「これは諦めるしかないよな」
友「やめろマジでお前ら痛い! ノート見せる、見せるから離れろ!」
幼なじみ「はい、男君」スッ
男「おったまにはお前も役に立つんだな」
幼「『たまには』は余ーけーい」
友「いってぇ……ヒビ広がったんじゃねーのこれ……」
ビッチがいけないんだぞ
友をほっといて自分はツンとちゅっちゅ
その上感謝もねぇときたらお前
クール先輩「……やぁ、友じゃないか。男君はどうした?」
友「はあ、今図書館で眼鏡っていう後輩の娘とお喋りしています」
クール「ふむ。眼鏡図書委員と」
友「あの娘も生徒会だったんですか」
クール「そうだが」
友(ネットワークには事欠かないってことか……)
友「はぁ……では失礼します」
クール「あ――待ってくれ」
友「はい?」
クール「……そうだな。君、暇なら会室に寄ってみないかい?」
友人「えっ?」
(こ、これは……!)
クール先輩「誰もいないよ。気楽にくつろぐといい」
友「はい」ドキドキ
クール「さて……さっそく本題に入ろうか」
友「な、何でしょうか」
クール「実は昨日の夕刻、某校の多少素行の悪い生徒たちが君のお世話になったとの情報筋が入ってな」
友「」ピシッ
クール「我が校の牙なき学徒が彼等の被害を受けないか危惧している」
友「……」
クール「今回までは目をつぶることができるが、次回以降は正直分からない。君は常習でもある」
友「……」
クール「今後極力、他校生との暴力的干渉は控えてくれたまえ」
友「……」
クール「以上……ん?」
クール「ほう。聞こうか」
友「……昨日振るった暴力は望んだものではなく、友人を助けるために行使したものです」
クール「友人? 男君か」
友「はい。そして今後も同様の場面に直面すれば、やはりオレは同じ選択をすると思います」
クール「……ふむ……」
友「まぁ、ストレス発散や拳のなまりを解消する意味合いも否定しませんが」
友「それでも基本的に好戦的ではないつもりです。……先述したような例外を除いては」
クール「……」
友「男の親友の友という人間は、そんな奴です。……オレからは以上です」
友「……」
クール「君の言うことが真実であれば、万一の際は最大限の考慮を加味しよう」
友「感謝します」
クール「……私から以上だが、まだ君に何かあるかい」
友「いえ、特には」
クール「では解散だ」
友「…………ふぅ~。精神的に疲れたッスw じゃ~これにてっ」
クール「……コホン。無粋な言葉だが、君がなぜ異性にモテないのか私には不思議に思える」
友「! はは、有難うございます。それはオレ自身もですよ。では」ガチャ ――バタン
クール「…………」
クール(……もっと早く知るべき人材だったな……)
まさか…友にフラグか?
どんだけ広まってんだよ
全部男にもってかれてるだけ
それは置いといてようやく友が日の目を浴びそうだな
なんかやるせない感じがすき
何となく不憫なままであって欲しいよな
友「あ、男経由か……。……ん……まいっか……」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
眼鏡後輩「先輩って優しいんですね」
男「そ、そんなことはないよ。ただ気まぐれなだけだ」
眼鏡「いえ……先輩は優しいです。あの時も、あの時も……」
男(うう……そろそろ抜け出さないと窓外の連中が;)
【窓越し】
幼なじみ「……」じーっ
悪友女「……」じーっ
ツン嬢「……」…チラッ …チラッ ソワソワ
【中庭越し】
友「おー……」じー……
友・・・
それおれらじゃん
おれらはそれ以下か
俺は書き込んだ覚えなんてないぞ!
行きつけの外科――
女医「すごい。全治二週間の怪我が一週間と二日で――」
友「ええ、鍛えてましたから」
女医「分かりました。今日で通院は終わりです」
友「よしゃ」
女医「ギプスの交換分と軽い鎮痛剤だけ出しておきますね」カリカリ…
友「あの……もう服着ていいですか」
女医「え? やだ、ごめんなさいね、どうぞ」
友「はい、ではお世話になりました」
女医「ふふ、また来院してね」
友(はぁ……あの女医さんがまるで天使に思えてくる……)
友(まぁ欲を言えば………………)
友(いや……それは初対面の時に言わないと誓ったことだ…………)
ウィーン/受付「オダイジニー」/ウィーン
ジリリリリリ……カチッ
友「朝だ……」
友「ん……外、雨か……洗濯物下ろさなきゃ……」ふあぁ
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
幼なじみ「朝だよー男君起きてーっ!」
男「うーんムニャムニャ……」
幼「問答無用っとおおっ!!」バサッ
幼「……き……きゃああああああっ!!」///
男「んー? ってうわっ! かかか勝手に入ってくんなっつったろが!」////
幼「男君のヘン夕イっ!!」
友「今日はチーズトーストでいっか……」
友「サラダは残ってたっけ……ないな。じゃちょっと刻むか」
友「ああミルクコーヒーうめぇ。芯からあったまる」
友「よし……じゃ行くか!」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
幼「朝ご飯作っておいたヨ~」
男「うわ……朝からすげぇ豪華だな」
幼「えへへ、もっと褒めて」
男「世辞抜きですごい。毎日ありがとな」
幼「いやーおじ様おば様からしっかり言いつかってますから!」
男「旅行が終わるまでの間だろがっ。ん……しかしこの味噌汁はおいしい」
幼「ホントに!? へへ、練習した甲斐があったよ///」
ザーッ――
友「あーそうだった。雨だった。傘、傘……あれ……買ってなかったっけ……」
友「ない。気が進まないけどコンビニでビニールの買うか」
友「でもあれ高いんだよな……治療費のせいで今カツカツだし」
友「うーんでも濡れて風邪引いたら一人暮らしじゃシャレならんからな」
友「しゃーない、今日の昼飯はワンランク落とすか……」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
男「そんな引っ付くな。危ねーだろ」
幼「だって濡れちゃうんだもん」
男「……ったく。高校生にもなって相合い傘とか恥ずかしくねーのかよ」
幼「女の子の憧れなの!」
男「一本ずつカサあるんだからそれぞれ使えばいいのに」
幼「それじゃ道のスペース取るでしょ!」
男「……まぁしゃーない、か」
幼「♪」
んでそいつに友役押し付けろよ
あれ?
ザーッ――。
友「よおっ」
男「よおっ」
幼「友君、おはようっ」
友「まっ、朝から一緒のカサでの登校なんてお盛りなことっ」
男「ち、違うわっ! これはコイツが勝手に……」
幼「か、勝手にとは何よう、大喜びで入ってきたくせに!」
男「何をォ」
友「どーでもいーけど、もう1限始まるぞー」
男「うわっやべっ」
幼「急がないと!」
友(あー……ビニール傘にマーキングすんの忘れた。どうか盗られませんよーに……)
男とフラグ立ってる女の子を逆に惚れさせる
NTR的な工口ゲー無いかな
そんなゲーム、俺も欲しいな
眼鏡後輩「先輩……」
男「ん?」
眼鏡「私、雨の日が好きなんです」
男「なんで?」
眼鏡「いつもより落ち着いて本が読めるし、何だかワクワクするし……」
眼鏡「……それによく先輩に会えるし」
男「え?」
眼鏡「い、いえ、別に何でもないです///」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ザーッ――
友「雨か……」
友「今日の体育のソフトボールは中止か……」
友「怪我が直って久しぶりに参加できると思ってたのに……」
友「しかも今日でソフト種目最終日だよ……オレの見せ場らしい見せ場が……」
友「……まぁ……次の種目も練習すればいっか……」
――ザーッ――
下校時刻――。
幼なじみ「男君!」
男「のわっ!」
幼「ふふーん。行きも一緒なら帰りも一緒だよー?」
男「相合い傘は勘弁な」
幼「ええーどうしてー? また愛々傘しよーよー」
男「恥ずいんだよアレ! 俺も自前のカサあるのに馬鹿みたいだろっ」
幼「……でも一緒に帰ってくれるよね?」
男「ま……まーな……」
幼「それなら許してやるか♪」(久々に登下校で男君独占♪)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
悪友女「あちゃー、やっぱビニール傘だとすぐ盗られちゃうかー」ガサゴソ
悪友「折れたり曲がったのしか残ってないなぁ……と思ったら新品発見、ラッキー!」バサッ
悪友「おーい男に幼なじみ、待てよ~」バチャバチャ
友(あ……やっぱない。オレのビニール傘無くなってる)ガサゴソ
友(今日の昼飯を水とまずいコッペパンで妥協したのは一体)
友(まぁマーキングしなかった自分が悪いか)
友(自分の代わりに誰かが濡れずに済んだと考えれば無駄な紛失でもないし)
友(――でもどうやって帰ろうかな)
友(校舎内で待つか? でも今より雨足強くなったら困るな)
友(コンビニで買うのだけはダメだ。完全コストオーバーだ)
友(仕方ない、走って帰るか。やだなー、雨の日って洗濯物乾きにくいのに……)
友(カバンを頭に被せて……と。どうか風邪引きませんように……)
バシャバシャバシャ――
翌朝――。
友「……」
友「……ヤバい……」
友「頭痛い……身体だるい……鼻もノドも変……」ズズズ
友「やっぱり風邪引いた……」
友「……寒い……服の下から寒気がする……」ガタガタ
友「ケータイ……ケータイ……あった。でも電源切れてる」ズズッ
友「充電器……充電器……あれ、充電器どこだったっけ……」ガタガタ
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
男(あれ……まだ友の奴来てないのな。あいつでも遅刻することあんだ)
男(って、廊下の外にいるのツンじゃないか)
幼「――でね、ゴシュがクニって」
男「ちょっとゴメンな」
幼「あっ、ちょっと男君……ぶー、また他の女の子とー」
やれ
教師「友……友はまだ来てないのか、男」
男「はぁ何も聞いてないッス」
教師「先生も何も聞いてないぞ。じゃあサボりか……」
男(友のヤツ、こういうときは必ず連絡してくるのに……急にサボるなんてどうしたんだ……)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
友「やばい……充電器なくしたっぽい……」ズズズ
友「ちょっと……ケータイ使えないなんてそんな……」
友「ううっ……悪寒が……。仕方ない……もうちょっと寝よう……」ガタガタガタ
友「………………誰か来てくんないかな……来る訳ないか……」ガタガタガタ
でも嫌悪感を抱いてしまうという
それを人は嫉妬という
悪の根源は女性陣
逃げた後友に電話ぐらいすりゃいいのにな
ピンポーン
友「……」
ピンポーン
友「……ん……ん?」
ピンポーン ピンポーン
友「だれ゛がぎだ!? う……のどが……」ゲホッゲホッ
ピンポーン
友「はあ゛あ゛あ゛い……ダメだ、全然声通ら゛な゛い゛……」
ピポピポピポピポピンポーン
友「ま……待っで……身体もだるいから……」ズルズル
ピンポーン!
男「……家にもいない、か」
幼「友君なら大丈夫だって」
男「しかしケータイつながらない上に家にもいないとなると……」
幼「……もしかして誰かの家にお泊りしてるんじゃない?」
男「なっ、友に限ってそれはないぞ」
幼「分かんないよ~、友君一人暮らしで行動力あるし」
男「うっ」
幼「男君と比べて強いし頭いいし優しいし頑張り屋さんだし」
男「ううっ……俺は友を信じる……」
幼「……友君がいないんだったらここにいても仕方ないよ。もう帰ろ?」
男「くっ……では友よ、ドアノブに差し入れだけは提げておくからな……」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
友「ハァ……ハァ……」
(チャイムが切れた……嫌な予感……)ズルズル
10分位待ったっていいだろ
友「ハァ……ハァ……い゛ま゛出ま゛す……」
ガチャ――
――バタン
友「……」
友(はは……相当体力落ちてるな。扉がいつもの3割増しに重く感じたよ)
友(……誰だったんだろうな。セールスでもいいから誰かと話したい気分だった……)
友(……あ!)
友「あ゛っだ!」
友(充電器! 玄関横の棚にあったのか。やったこれで充電できる! やった! やった!!)
友「ゲホゴホゲホおええぇっ」
友(…………やった……これで……ケータイ使える……)
男「えっ……」
幼「だから……ツンさんや眼鏡ちゃんとはどんな関係なの?」
男「べ……別に。お前にはカンケーねーだろ……」
幼「あ……あるもん……」
男(お、おい……マジで涙目かよ……)
ケータイ【♪だからロンリロンリー 切なくてー 壊れそうな夜にさえー】
男「! 友からの着信……」
幼「逃げないで……! いま答えてよ……」ポロポロ
男「うう……」
ケータイ【♪ロンリロンリー 君だけはー オーリジナルラブを 貫いてぇー…………ピッ】
主人公補正
友「う゛う゛……出な゛い゛か……」
友(他のクラスメイト……)
友(……アイツはダメだ、神経質な彼女がいる……)
友(アイツは確か今の時間塾だ……)
友(アイツは……禁煙説得のときぶん殴ったのまだ根に持ってるからな……)
友「……」
友(……電話は諦めよう……。あ。電源切れた。充電……)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
――修羅場後。
男「友に電話、電話……くそ、出ないな」
男「無事でいるといいな……」
男「! 着信マーク!」
ツン『もしもし?』
男「あ……ツンさん……」
ツン『さんづけしないでって言ったでショ』
男「あ、ごめん……」
――。
主人公という枠組みで。
本当に応援すべきなのは友だったんだな。
早く来てほしいんだが
男「いっ、いーのかこんな豪華な夕飯用意してもらって」
ツン「別に……そんな大袈裟なものでもないでしょ」
男「いやでもやっぱ悪いって!」
ツン「言ったでしょ、これは試作に付き合ってもらってるだけ。遠慮しないで食べてみて」
男(でも俺、さっき幼なじみの奴と――)
ツン「ど、どうしたの。もしかして気に入らなかった……?」
男「いっ、いやっ食べるよ! いただきまーす」
ツン「ほっ、欲しかったお代わりもあるんだから」
男「こ、これは美味い! マジで美味いよ!!」
ツン「ほ、ホントに?」
男「ああ! ありがとうな、ツン!!」
ツン「べ、別に///」(良かったぁ)
友「ゲホッ」
(……お湯沸いた……取り置きの冷や飯でお茶漬け……)ガタガタ
友「ゲホッ」
(……梅干しは必須……卵も落としとくか……)ブルブル
友「ゴホッ」(いただきます……食欲出ないけど……治すには食わなきゃ)カタカタ
友「……」
カチャ――モグ……
カチャ――モグ……
友「……」
カチャ――――
モグ…………
友人「……」
カチャ――モグ……
カチャ――モグ……
友に姉や妹がいても
男に惚れてる場合が多そうでいやだ
これが・・・未来・・・
死んじまうわ
友「……執念というより基本に徹した」
友「寝汗をかきまくった。うがいも十回以上やった。
栄養つけてぐっすり寝た。ついでに日頃から鍛えてた」
友「結実! 一日で完治!!」ババン
友「一時はどうなることかと思ったけど良かった良かった」
友「もう昼過ぎか……学校行くのも微妙な頃合いだな……あそうだケータイ」
友「着信! 男から3件も!」
友「メールは……『大丈夫か? 風邪だったとき用に差し入れ置いてきたから』」
ダダダッ……バンッ
友「ホントだ! ある!! こんなに!!」(コンビニ袋分)
友「アイツはやはり昨日来てたのか。オレの声が聞こえなかったから勘違いして行っちゃったんだ」
友「やはりアイツはいい奴だった。……改めて目頭が……」ブワワッ
友「……友情って素晴らしい……」
俺今度から主人公の親友も愛でるよ
(同刻の男)
クール先輩「全く最低だな君は……///」
男「なななっなんで生徒会室で着替えてたんですか!?」
クール「誰も来ないと思ってたからに決まっているだろう」
男「そそそんなの知りませんよ!」
(……クール先輩メチャクチャ肌綺麗だったな///)
(イベント進行中)
女はそれ見て「男くんがかわいそー!友くんサイッテー!」
とかになるんだろうなどうせ(‘A`)
題して友無双エンドor友の千人斬りエンド
――翌登校日
友「ようっ」バンッ
男「おぉ友っ、元気だったか!」
友「いやー実は風邪引いててケータイなんかもかくかくしかじか」
男「そういう訳だったのか……。それは済まなかった」
友「いやー大したことねーって!」
男「でもお前、学校に連絡入れてないだろ。昨日一昨日全部サボり扱いになってんぞ」
友「えっ。いやー、んなもんすぐ取り返せるって!」
男「なんだお前気持ち悪いぞ、偉く上機嫌だな」
友「いやーオレはもう男さんの味方っすよ!」バンッバンッ
男「何言ってんだよ」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
友(こうなった以上、男の奴に恩返ししねーといけないよな。是非いろいろサポートしていきたいが)
友(……おおっぴらにやっても顰蹙買うだけだからな。目立たないところで助力してやるか)
友(しかし――)
幼「……、……?」
男「……、……;」
悪「……! ……!」
友(恋愛に関しては全部男の問題だしなぁ。どうしようも……)
友(……)
友(ここらでオレの知る限りで男に惚れてる相手でも整理しとくか。何かの役には立つだろ)
友(幼なじみちゃん……可愛いよな、ふわふわポニーテールで。
家事能力もオレ並にあるし、付き合いの長さからして男の無難本命候補と)
友(悪友女……こいつも意外ながら男に好意抱いてんだよな。
スポーツ系の活発少女が不器用にアプローチかけてるけど、男の奴全っ然気付いてないよなぁ)
友(ツン嬢。クォーターのブロンドツインテール。あんな美人の御令嬢どうやって口説いたんだろうな。
男が彼女を選ぶ可能性も低くない。……言いたくはないけど、結ばれれば将来安泰なのも事実)
友(学年一個下の眼鏡ちゃん。口リ系。髪長い。
男でも分かるほどの感情全開っぷりだらな。勢い次第じゃ有り得るかも)
友(そして……クール先輩か。鋭いサイドポニーが目立つ生徒会副会長。
この人だけは流石のオレでも読めん。そもそも男に脈があるのかどうかすら分かんねー。
でもきっかけ次第じゃジョーカーになるかもな)
友(……まだいるけど。とりあえずこの5人が主な対象、か)
友(……ふと思ったが、この中の誰とくっつくのが男にとって一番いいんだろか)
男「なに必死に書いてんだ?」
シュッ
友「休み分の課題~」
男「た、大変だな。オレも手伝……」
悪友女「よぉ男~メシ食い行こうぜ~」
男「うっうわバカ引っ張んな!」
友「いってらっしゃ~い」
男「おおお~い」ズルズル
悪友「♪」
友(オレの紙すり替えはともかく、悪友女のスキンシップにも気づかないのは……まぁそれが男か)
放課後――。
友(結局なんもサポートなんて出来なかったな……)
友(あいつ常に女の子のそばにいるからな。介入する余地ねーわ……ん?)
モブクラスメイト「男~今日掃除お前……」
友「あーいーいーオレやっとく」
モブメイト「えっ。お前この前もそうやって」
友「いや、オレあいつに借りがあっからさ、こういうとこで返させろよ」
M「お前ホントいい奴だなぁ。男はあんなに可愛い娘はべらせて憎たらしいのに」
友「はは。言葉に気をつけとけよオイ」
M「う……分かってるよ……」
M(こいつがいるから対男勢力つくれないんだよなぁ……)
まぁ単体で見れば悪い奴じゃないんだろうけど、それ以上にビッチ収集能力が高すぎる
掃除当番サボりやDQN押し付けとか、悪気はなくとも嫌われるレベルだぞ
擁護しすぎだろw
まあその悪気が無いところが一番ムカつくんだけどな
下校時刻――
友「――なんだ急に。お前から一緒に帰ろーなんて何日ぶりだよ」
男「え……3日ぐらい?」
友「お前完全に盲目状態だな。で何を相談したいんだ」
男「え……」
友「何を相談したいんだ? メールより長い内容なんだろ」
男「……あ、いや……はは、全部お見通しか」
友「友お兄さんに言ってごらんなさい」
男「……実は……明日、幼なじみと水族館に行くんだ」
友(想定内)
男「……で、明後日、ツンと買い物に行くんだ」
友(……まぁ想定内)
男「でまだ連休続くだろ? 月曜にクール先輩と映画に……」
友(そろそろ想定外)
さすがにこれは男死ね
自分の無意識下の汚い欲望見せられてるからだ
他のキャラが主人公を気に入る経緯が完全にすっ飛ばされてるのもいらつく原因かも
傍から見た時いらっとするのは当然
友(結局全員か……)
男「俺……」
友「……」
男「……」
友「……え、終わり?」
男「え? い、いや、なんつーか……」
友「はあっ。で? 誰が本命なんだよ」
男「え?」
友「もういい加減一人に絞るしかないだろ。ハーレムエンドなんてねーよ」
男「わっ、分かってる、けど……」
友「そりゃすぐには決まんない、か。でもいつまでも悩める問題じゃねーよ?」
男「……ああ……分かってる……」
友「嫌味か」
男「そ、そうじゃない。俺なんか全然大した人間でもないのに、って意味」
友「いや、オレに言わせてもらえばお前は見所あるぜ」
男「どこが。技術才能だけなら友の方が何もかも優れてるのに」
友「でもオレよりお前の方がモテてる。お前にはなんか、そういう星の下に生まれたカリスマ性があんだよ」
男「俺は納得いかない。顔だって明らかに友の方がイケてるのに」
友「うーん何でだろうな。究極……オレは運が悪くて、お前は運が良かったんだよ」
男「運」
友「たぶん、ただそれだけだ」
人間としては友のほうが数段上だな
いい人止まり。みたいな
モテ期というか確変状態なだけだから冷めれば女っ気なくなりそうだな。
らしいね
だが俺は一方に来る気配がない
――男邸
友「で。今日は幼なじみちゃん来ないからオレもお邪魔していいと」
男「明日の水族館は特に不安だからな。できる限り相談に乗ってくれ」
友「オーケー。じゃあ久々に泊まるぜ。明日から休みだし」
男「えっ」
友「それに実家までの交通費よかよっぽど安上がりだもーん」ドサーッ
男「……寝るとこそのソファーぐらいしかないぞ」
友「あーいいよここで。あとは毛布か何か貸してくれたら」
男「着替えとかは?」
友「んー明日か明後日あたり家に取りに帰る」
男「ずっと居着く気かい」
友「まずいか?」
男「え、いやいや、べつに……」
男「ほっ。なんだおどかすなよ……」
友「その代わり教えてくれ。誰を連れ込むつもりだ?」
男「えっ」
友「この連休、だーれーを。ここに泊める気なんだ?」
男「だ、誰をって誰だよ。そんな気はサラサラねーよ」
友「あっ、じゃーやっぱ居着こうかなー」
男「ど、どーぞ……」
友「……」
男「……」
友「素直じゃねーな」ニヤニヤ
男「うるせーな。勝手に泊まっていけばいーだろ!」
友「冗談冗談w そう怒んなって」
友「……?」
男「……お前だから教えてやるよ」
友「……?」
男「俺が好きな人は、幼なじみだ」
友「!!」
男「……分かったらとっとと一泊分の家事でもしやがれっ」
友「…………ははw」
男「なにニヤけてんだよっ」
友「いやーお前、そーかー幼ちゃんを」
男「だ、黙れっつのっ///」
友(お前だから話す、か。はは、悪い気はしないよな。
初めて高校で出来たダチがコイツで良かった)
男「笑ってんじゃねーっ」
クズすぎんだろ・・・
むしろ今ぼこれ
男「ああ、何でもいいから頼む」
友「うおっ幼ちゃんの買い置き能力すげーな。何でも揃ってる」
男「お前、わざとその名前出してんじゃねーだろな」
友(お……これとこれと……ひと通り揃ってるな)
友「男~。お前ベイジン料理とスーチョアン料理とどっちが好き?」
男「なんだそりゃ聞いたこともねー」
友「教養のないやつ。いーからどっちか答えろよ」
男「じゃー……べーじん料理で」
友「Bei Jing料理ね」
男「なんか手伝おっか」
友「いやいい。テレビでも観とけば」
男「あ、そう?」
男「……」
友「~~♪♪」ジュージュー
男(明日のことが気になってテレビどころじゃねー……)
友「……ほっ」ジュワッ!! ジュージュー
男(おっ幼からメールだ)
友「味加減は……ちと甘すぎるけど丁度いいか」
男(『明日は楽しみだね』か。『俺もだよ』と……)
友「あーわり、男、小皿取ってくんね?」
男(返事くんのはえーな……『ごめん、御飯つくりに行こっか?』)
友(ん? メール中か。仕方ねーなー)
男(『いま友に来てもらってるからいいよ。明日の準備に集中しとけよ』)
友(あと2、3品つくれそうだな。平行作業でやるか)
一体誰の為に飯を作ってやってると…
友「――できたぜーお待たせー」コトン
男「お、やっと出来たか。俺もう腹減って腹減って……」
男「……これ全部お前が作ったの?」
友「おう。じゃいただきゃーす」モグモグ
男「幼よりもツンよりもすごいぞこれ……いただきます……」パク
男「うめえええーっ何これ!? 何かレストランみたいな味だっ」
友「さすがに本場の調味料なんてないからアレンジしてるけどな」
男「おっまたメール……」
友「食事中にケータイ触ったらちゃんとこれで拭けよ」つオシボリ
男「……」ピッ…ピッ…
友「聞いてる~? ……ダメだこりゃ」
男「ごちそうさまー」
友「ごちそうさまー」
男「サンキュな! マジで美味かった」
友「もっと別の言葉で表現してくれよ」
男「……正直、幼やツンの料理より数段レベルが上だった……」
友「嬉しいこと言ってくれるじゃないの。あと片付けとくから、先にシャワー浴びてこいよ」
男「あ……ああ、悪いな。じゃあ頼む」
友「あーい」
バタン
友(うーんさすがに作りすぎたよな……ラッピングして冷蔵庫しまっとくか……)
友「……」
友「……」ジャー…ゴシゴシ…
友「ん。てことは初日に本命の女の子とデートする訳か……」ジャー…
友「……」
友「……明日、水族館にねぇ……」ジャー…
産まれて来る性別間違えたなコリャ
友「シャワー上がったぜー」
男「おー」
友「ついでに浴室のカビ落としといたぜー」
男「おー」
友「洗面台のごちゃごちゃしたところ整理しといたぜー」
男「おー」
友「お前一人分だけだったし洗濯は勘弁してくれなー」
男「おー」
友「日給分の一万円くれー」
男「おー」
友「冗談だよーw」
男「おー」
パタン
男「いろいろサンキュ。で、明日の相談なんだけど……」
友「あーやっぱここね。中房の頃行ったわ」
男「マジか。俺、行くの初めてだからいろいろ教えてくれないか」
友「ああ? 普段ならンなもん無頓着なのにどーした。やっぱ相手が好きな娘だと違うか?」
男「う……うるせーな……失敗したくねーんだよ」(ボソ
友「あらやだ照れちゃってピュアボーイね」
男「俺は本気なんだよ。幼の奴が今日ウチに来ないのだって、多分、明日の準備に――」
友「分かってる分かってる」
男「朝10時に現地の駅前……」
友「駅前って具体的にどこだ? その駅でかいからな、下手したらいきなり躓くぞ」
男「え?」
友「服装は? 昼飯は? もし水族館が人込み多くて無理そうだったら?」
男「え……う……」
友「んーなこったろーと思った……」
男「……すまん、助けてくれ」(土下ザザーッ
友「バカ、助けてやんよ。まず、待ち合わせ場所を――」
友「――服装は普通にカジュアルでいいけど、いつもと違うお前を見せるようなのがいい――」
友「――弁当を幼ちゃんが作ってくれる? じゃベンチでいいな。こことかどうだ? このルート回って――」
友「――ちょっと離れるが、2駅とんだとこに植物園がある。水族館よりは人少ないハズ――」
友「――あとは――」
イメージがずれてきた
何で俺にはこんな友達いないの?
友を将来ヨメにする男は幸せ者だな。
…あれ?
男「お前――礼を言う前にひとつ」
友「あー?」
男「この野郎モテないとか言っておきながら超得意そーじゃねーか!!」
友「何が」
男「女付き合いが」
友「お前……そりゃねーよ」
男「え……?」
友「オレだって……モテた時のための努力ぐらいする権利あるだろ……」
男「あ…………すまん」
男「ありがとな。この恩は忘れねー」
友「いーよ別に。オレがここまで世話焼くのも今日までだからな」
男「ああ、もちろん」
友「ふああ……じゃそろそろ寝るけど。大丈夫? もうなんかない?」
男「ああ特には。サンキュ、お疲れさん」
何だろうな、>>754での友のセリフでこう……心ん中がうわああああってなったんだけど……
そんなやつは大体排他されていくもんなんだが主人公ほryうわああああああああああああああああああああああ
友「…………Zz」
○ ● ○ ● ○ ● ○
友「うぜーな貴様殺すぞッ」
男「声かけられてシカトはねーだろシカトは」
友「オレの勝手だろーが来んなカスッ」
男「いーやここまできたら意地だね」
――。
男「友ーメシ食おうぜー」
男「へへ……二人だとケンカ負けたことねーよな。俺は役立たずだけど」
男「お前一人暮らしなの? 今度遊び行っていー?」
――。
○ ● ○ ● ○ ● ○
友「……あー……」
友「なんつーか……」
友「やっぱ損してねーよな……オレ……Zz」
出会った頃からの回想か
補正がコレ程憎いと思った事は無いな‥
主人公補正消えろ
翌朝――。
男「よし。予定の時間に起きれたぞ。カンペキ」
――。
男「ん? 友は? メモ?」
友【先帰っとく。朝はレーゾーコにあるもん勝手にくってろ。今日はうまくやれ】
男「……あいつ……ホント男にしとくの勿体ねーよな……」
男「よし……着替えるかっ。今日は張り切って頑張ろっ」
友「バック気味のショートポニー……サングラス……分厚いマフラー……地味なベスト」
友「うむ、我ながら変装はバッチリだな。さて、1時間も早く待ち合わせ場所に着いた訳だが……」
友「……カモフラージュに買ったファッション雑誌でも読んどくか……」
女A「すいませーん、ちょっと写真お願いしていいですか?」
友「え? あ、はい良いですよ」
女A「あ、ありがとうございますっ」
女B(ね、この人ちょっとカッコよくない? 誘っちゃえば?)
女A(で、でも誰か待ってるみたいだよ?)
女B(そりゃそうよねー)
友「はい、撮りましたよ」
女A「あ、ありがとうごさいましたー」
友「どうもー」
(……あの娘可愛かったなー。オレもあんな彼女が欲しい)
友(じゃ、気付かれないようにこっそり……)
ドンッ
友「いてっ」
男「あ? 気をつけろガキ」
女「もーいーよ拓ちゃん、行こ行こ」
友「……」ギロッ
男「……お……おお……行くか」ビクビク
友「……」
友「……あいつらも変なのに絡まれないといーけどな」
友「男の奴も女の前だと血の気多くなるからな。徹底マークしとくか……」
友(……そう。そこで手をつなげ……よしよし……)
友(いい感じだ……お互い顔赤らめて。見てるこっちがニヤける……)
友(うわーお互いがお互いをチラ見してるよ。それにたまたまお互いが気付かないという……)
幼女「キャッ」ドン
友「おっと。大丈夫かい?」
幼女「……」コクコク
友「お母さんは?」
幼女「……」フルフル
友「えーとじゃあ……そこのスタッフさん!」
スタッフ「は、はいっ!?」ビクッ
友「ちょとこの子お願いします。では」
スタッフ「は……はい……」
幼女「……」じっ
スタッフ「じゃ、じゃあお姉ちゃんと一緒にいこっか」
幼女「おねいちゃん今のひときになるの?」
スタッフ「エッ?」
と同時にフラグクラッシャーなわけだが
どうにも読解力がなくて申し訳ない。
男―幼なじみ 男(拓さん)―女は別カップルです
友(よし……予定のベンチに到着してるな。弁当も広げてる)
男(イチャイチャ)
幼(イチャイチャ)
友(うわあ……あれはちょ……も、ムズムズする……)
友(――今日は張り切ってサンドイッチ作ってきちゃった)
友(お、おお、ありがとう)
友(はい、あーん)
友(ば、バカやめろ恥ずかしいだろ///)
友(えへへ。ほらほらー)
友(ぱくっ……)
友(美味しい?)
友(ん……うん……)
友(えへへ///)
友「もうやめ」
友「……オレも弁当食おう……昨日の中華料理の残り……」ゴソゴソ
でもフラグクラッシャーな友なら何とかしてくれるっ!
親友ライフを満喫したい
友「……熱帯魚コース……」
・ ・ ・
友「……海獣コース……」
・ ・ ・
友「……ふれあい広場……」
・ ・ ・
友(二人ともあんなに楽しそうに……)
友(幼なじみの関係がこの域に昇華したんだ。その分反動みたいなのはスゴイだろうな……)
友(いま……あいつらは人生で屈指の幸せな時間を過ごしているんだなぁ……)
友(もうしっかり手を繋いで……くっついて……)
友(……)
友(やべ……涙出てきた……)
・ ・ ・
友(……ついに深海コースか。予定だとここで……)
友(中は空いてるな……美術館のように静かだ。しかもこの薄暗い幻想的な空間)
友(もうなにも心配はいらないな)
友(ここまでストーカーしといてなんだが、告白の瞬間まで覗くのは野暮の極み)
友(友はクールに去るぜ)ザッ
友(……)
友(……)
友(二人が出てくるまでファション誌よんどこ……)
女スタッフ「お客様、館内での立ち読みは御遠慮下さい」
友「おっと。これは失礼しました」パタン
女スタッフ「い、いえ。お読みになるならあちらのベンチまでおかけ下さい」ドキドキ
友「分かりました」テクテク…
女スタッフs「ヒソヒソ//」「ヒソヒソ//」
友(おっ出てきた……)
友(うわ……あれ絶対キスまでやった顔だ……見てらんない)
男(イチャイチャイチャイチャ)
女(イチャイチャイチャイチャ)
友(はーいはい公共の場ですよ周り引いてますよダメだ気がついてないな)
・ ・ ・
友(お土産はイルカのアクセサリーか。定番だな)
・ ・ ・
友(最後にジュースを一服いれて)
・ ・ ・
友(退館……。やっと終わったか……)
友(何事も起きず成功に終わったみたいでよかった……)
友(……)
友(オレ今日一日何やってたんだろうな……)
実は生き別れの兄弟とか、男は友の実子とか言われても違和感ない
友(横断歩道……)
ブウウウウン ブンブンブン ブウウウン
友「お」
友(珍走団のバカがこんなとこまでくんなよ)
……ブブブウウウン――
友「おい。何であいつだけ止まらねんだ。信号――」
ブウウウウン―――
友「おい横!!」
幼馴染「え?」
男「!!」バッ
キキイイイイイイイ
ドンッ――
そういう男だよあいつは
でも男が死んだらビッチ共が「なんで男君の代わりに友君が死なないのよ!?」的罵倒を浴びせられそう
主人公は事故すらフラグだろ
ヒロインのじこは鬱ENDだけど
友「 !」
ブウウウウウウウウウン――
*「うわあああ轢いたぞ今っ」「救急車救急車!」「怖いわねぇ……」ザワザワザワ
幼「男君……?」
男「……」ジワ…
幼「いやだよ……起きて……」
男「……」
幼「ねぇ……起きてよ……」
男「……」
友「…………………」
友キレたなこりゃ
DQNの
男と幼の結婚式に行く途中で強盗に刺される友だけだと思ってたのに…
友「……………………」
友(……みたいな展開だったら……)
友(幼ちゃんが男に付き添うかたわら、オレがDQN軍団壊滅させてカッコよくなれたのに……)
友(……これは冗談。二人が怪我せず済むのが一番いい)
友(……成立したばかりのカップルがこんな目に合わなくてよかった……)
友「……」ジワ……
運転手「……君、大丈夫かい、君!? ああ、血がこんなに……」
友(……完っ全によそ見してたな……今のはオレが全部悪かった。不覚だったわ……)
友(二人は……もう行ったか……無事に帰れよ……)
運転手「君っ! ……ダメだ、意識が朦朧としている。血も止まらない……」
友(あぁ……そういえば5人の女の子のメモ(>>557)……役に立たなかったな……結局男は幼ちゃん選んだし……)
運転手「そこ、携帯で写真を撮るな! 見せ物じゃないんだぞ!!」
友(でもまぁオレは……あのカップルが幸せならもうどうでもいいって感じ……)
運転手「君、救急車がもうすぐ来る、頑張れ!!」
友(ああ――頑張れ、か。ごめん。もう疲れちまった。とりあえずゆっくり寝かせてくれよ――)
運転手(……、……!!)
*(……! ……、……!)
友(おやすみ…………)
――。
――
友「あれ? ここ、オレだけ通れないんですか?」
(お引き取り下さい)
友(おかしいな。他の人、皆通ってますけど」
(あなたは折り返して頂きます。時が来たのです)
友「折り返す?」
(はい。この道も、これからも)
友「ちょ、ちょっと待、うわわっ――」
――
#############
――病室。
友「あ……」
クール先輩「やぁ」
友「ここは……」
クール「もう少し早く起きてくれれば男君たちもここにいたのに」
友「男……うっ」ズキッ
クール「動くな。いま医師を呼んでくる」
グイッ
友「待って下さい……オレは一体……何で先輩が……」
友「え……」
クール「話はあとだ。まずは静養するといい。私も忙しいが、その――」
友「……?」
クール「何かの縁だ。治るまでの間、出来るだけ会いに来てやる」……バタン……
友「……」
「……」
「…………オレ?」
了
良いエンドだった
とりあえず>>1乙
クールは見る目あるな…。
>>1乙
こういう終わり方、嫌いじゃないぜ
ちょっと物足りないけどw
かなりドキドキさせられたわさ
幼、クール以外が空気なのは許してやろう
引用元: 友「男の奴モテ過ぎだろ……」